その中で、先ほどもいいましたが、降魔の謎です。
降魔は、その姿から想像されるような、欧米の聖典にある悪魔とは明らかに違う存在です。
あれらは、かつて崇められながらおとしめられた古代の神であったり、この世界とは違う世界の生物で
あるそうです。
対して降魔とは、かつて非業の死を遂げた人々の怨念が実体化したものであるという説が有力です。
それなのに何故、西洋の悪魔の長たるサタンと、神の使いたる天使の長であるミカエルが、 第二次降魔戦争の最後に現れるのでしょうか!?
大いに疑問です。
軍情報機関の情報操作があったのではないでしょうか。
何のために?
軍としては抹消したかったことがあったとは考えられないでしょうか。
例えば、元陸軍少佐山崎真之介に関することとか。
あるいは宮城に関することか。
それとも、英雄の台頭を恐れたか・・・。
西洋から強大な存在が現れたということにして、未確認情報として様々に噂を重ねていけば、
やがて人の記憶にある姿も変わっていく。
非常識な手段ですが、可能ではありませんか。
ここに表すのは、私夢織がその隠された物語を推測、希望したものです。
願わくば、この話が、一葉でも真実を含んでいることを。
もう一つの第十話・第一幕「絶望より」
第一場
第二場
第三場
第四場
対降魔部隊追憶其の六
現在第五章まで再録中