すみれ: | あら?どうしましたの、少尉。 |
大神: | うん、またお茶を習おうかと思って来たんだけど。 |
すみれ: | そうですわね。 でも、せっかく来てくださったことですし、たまには私の華麗な実演もお見せしましょう。 |
大神: | それは光栄だね。 |
広がる紅茶の香り、ゆったりとした時間。 | |
大神: | すみれくんの部屋にこうして長くいるのも久しぶりだな。 |
すみれ: | ふふっ、そんなことを許すのは、少尉だけですのよ。 |
大神: | (ふと、窓辺にあるものに目をとめて) あれ・・・これは、珍しいね。紫色の薔薇・・・・。 こんな色の物が実在したんだ。 |
すみれ: | ・・・・。ノーブルバイオレット、と申しますの。 学会でも現物は保管していない希少種ですわ。 |
大神: | ノーブルバイオレット・・・?高貴なるすみれ・・・か。 薔薇の名前なのにね。 |
すみれ: | 少尉・・・、聞いてくださいます・・・? |
大神: | えっ? |
すみれ: | 身の程知らずにも少尉に挑もうとした、 馬鹿な・・・本当に馬鹿な、一人の男の話・・・・・・。 |
大神: | すみれくん・・・・・・・。 |