総括

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ホームページ開設から今までについて                   
確立された物理学の尊重       
検証可能な宇宙モデルの提唱
偏見なく論理的に検証すべきである 
「ブラックホールはない」とホーキングは言った!?          
時代はビッグバン宇宙から定常宇宙へ         


ホームページ開設から今までについてBACK
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 私への攻撃や中傷に耐えることや、非主流であるが故に私から見てもトンデモない方々と同様に扱われることに疲れて宇宙論を見るのもいやになり、長らく宇宙論関係についての勉強もホームページの活動も休止しておりました。皆さん申し訳ありませんでした。
 久しぶりに、自分のホームページがどのように評価されているのかを調べるため、Google で「宇宙論」をキーワードとして検索してみたところ1番目に私のホームページが表示されました(2005年6月24日現在)。その他の検索サイトにおいても同様にほとんど上位数番以内に表示されるようです。主流とされるビッグバン宇宙を解説したHPもたくさんあるでしょうに、これは全く驚きでした。私のホームページに言及している方々の意見も好意的なものがたいへん多く見られました。深宇宙の観測はどうなっているのかも、調べてみると、ビッグバンにとっては厳しく(銀河やその大規模構造のできあがった時期など予想がすべて大きく外れて相変わらず理論の修正ばかりしているようです)、私にとってはすべてが予想以上に都合のよいデータばかりでした。しばらくぶりの活動で、長い間更新せず放置していたにも関わらず、その間にも、かなりの影響を多くの人に与え支持され、また最新の観測データも後押ししているというのはありがたいことです。
 しかし、一方ではやはり私の事を、許しがたいトンデモの筆頭であると考えている人もおられるようでした。
 このようにトンデモと評価されるのは、私にも責任があります。自分の考えをホームページで主張するに当たり、ビッグバン批判を控えめにし地味に意見を書くべきか、それともややショッキングな題などをつけて人目を引くようにすべきかを迷い、沢山の人に見ていただこうと後者を選び見た目をトンデモ風にしたからです。そのおかげか、良い方にも悪い方にも両方で大きく評価されているようで、確かに沢山の人に見ていただけたようです。またこのホームページを反相対性理論の元締めのように誤解している方もおられるようですが、どちらかというと相対性理論を擁護していますので間違えないでください。
 このホームページの主たる目的はエネルギー保存則などを無視し確立された物理学を破壊するビッグバン宇宙論の非正当性を明らかにすることです。本来は間違いを指摘するだけでよかったのですが、「批判はどんなものに対しても言える、それに対する代替案を示すことができなければ意味がない。」と非難される可能性に対して、確立された物理学と矛盾のない代替案としての仮説をとりあえず示しました。付録的なものであり絶対に正しいとは主張しません。上記の様な理由があったので表現が強くなりましたが、それは割り引いて1つの代替案として評価していただいたらよいと思います。それでも物理学の基本を無視した現在の主流のビッグバン理論に比べれば、物理学を尊重したまともな仮説であると思っています。
 このような考えのもと、私はこのホームページを1997年に開きました。そのとき私はこんな事をしてもよいのかと非常に不安でした。もしかしたら私は考え方のおかしいトンデモナイ奴なのではないかと、当時は自信がもてませんでした。
 それで、自分の主張が間違っているという前提に立ち、私自身が最も厳しい批判者となって自分自身の考えを批判しましたが、どうしても論理的矛盾点を指摘できませんでした。
 それでも非常に不安でしたが、いざホームページを開設すると予想外に賛同が多いのにびっくりしました。一見トンデモなさそうな主張にもかかわらず、論理的な矛盾が見つからないという評価がありましたが、これこそ私の目指していたもので、ありがたい評価です。その反面やはり批判も多くありましたが、その批判は私が予想し自分自身に対して行っていた批判のレベルには達していませんでした。
 今までの議論の中には、信じられないようなことを主張し私を攻撃した人がいました。例えば、「音は素粒子である。」と言い放った人がいました。始め私は、音と素粒子の波としての類似点を指摘し比喩的に言ったのかなと思いましたが、その人は本気でそう思っていました。その人は大学で物理学に関係する研究室で研究をしている人のようでしたが、このような人に「私は物理学の専門家だ。お前は何も知らない馬鹿だ。」と言われても困ります。物理学の専門家を名乗る人たちの中には、このようなどうしようもない人もいるのです。
 またある時はインターネット上の議論で、私が「質量とエネルギーは等価である、というのが今の物理学の常識となっている。」と発言したところ、複数の人からよってたかって袋叩きにされたことがありました。私の意見を述べたのではなく、今の物理学ではどのように考えているかを説明したに過ぎないのに、とんでもないことを言う馬鹿野郎扱いにされてしまいました。
 私は自分の頭がおかしくなって、どこの本にも書いていない事を書いてあると錯覚してしまったのかと不安になってしまいました。私の職場にいるノーマルな人に「質量とエネルギーは等価である、と物理学では一般的に考えられているか?」と質問したところ、それで間違いないと言われたのでやっとほっとしました。
 先頭に立って私を非難した人は、それでよい事をおそらく知っているのに、私が間違ったことを言っていると、わざと非難したようです。その他の大勢の、質量とエネルギーの等価性という概念があることすら知らない無知な方々がこの扇動者に煽られて次々と罵声を浴びせたのか、もしくは扇動者の自作自演でしょう。
 インターネット上で、私のことを非難しているのは、その文章の調子から察するにこのような程度の人たちか、もしくはまさにその人たちと思われます。このような人たちは、自分はまともな人間の代表であるかのように装い、攻撃を受け弱った相手にハイエナのように群がるのです。
 ビッグバンに対して批判的なことを書くとどうしてこのような非難にさらされるのでしょうか。私に対し物理学を無視しているという人も多いようですが、私は確立された物理学に敬意を払い忠実に守っています。ビッグバンは決して確立された物理学ではありません。確立された物理学を無視した修正を次々と繰り返すできの悪い仮説に過ぎません。この仮説の非論理性を批判することが物理学を無視することになるのでしょうか。車椅子に乗った世界的に有名な学者や、定常宇宙論者を小馬鹿にする日本のビッグバンの総元締めの学者は、確立された物理学を無視した矛盾を含む説を唱えても皆から賞賛されています。ビッグバンという権力を持った説を基本にしてさえいればどんな事を言っても決してトンデモない奴と非難されることはないのです。残念ながら人とはこのように権力に弱いものなのです。


立された物理学の尊重
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 実は「膨張も収縮もしない有限で閉じた宇宙」も「ブラックホールは存在しない」という考えのどちらも私の尊敬するアインシュタインと全く同意見であるということを皆さんご存知でしょうか。ショッキングな表題で異端の説を主張しているにも関わらず、私は物理学の破壊者ではなく光速度一定・相対性理論の理念・エネルギー保存則等の確立された物理学を尊重し誰よりも忠実に守り、それらを無視し破壊する人たちを厳しく批判していることがおわかりになるはずです。しかし、残念ながら内容を確認せぬまま、定常宇宙を支持する者に対する偏見から疑似科学と評価される方が多いようです。例えば、「光は光速度では運動しない」という章がありますが、これだけを見ると題名としてはショッキングで「何を分けのわからない事を言っているのか、相対性理論を無視したトンデモない奴だ」ということになるのでしょう。しかし内容をよく読んで検討していただいたら、通常の人が持っている物理学の常識と矛盾する部分が全くなく、ゲージ原理や相対性理論の考えに沿っていることがわかります。違う部分は、宇宙が無限に広がっていると考えるのかそれとも有限で閉じているために電磁気力の到達範囲が有限であると考えるのかという前提の違いだけなのです。「絶対静止系に留まろうとするため、光はそのエネルギーを失う。」という主張も、おそらく批判する人は「どのような慣性系から見ても光速度は一定であり絶対静止系などないのだ。そのような観測結果も知らないのか馬鹿野郎」、と思われるのかもしれません。しかしこれもよく読んでくだされば、どのような慣性系から見ても光速度は一定という観測結果を認め、相対性理論の大枠もくずさず、遠い銀河からの光の赤方偏移だけがその他の静止系と絶対静止系の違いとして現れるだけである、と主張しているにすぎません。私に対する批判者の方々が持っている絶対静止系に対する概念が私の主張する絶対静止系とは全く違うのは読めば分かります。

検証可能な宇宙モデルの提唱

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 ところで「光は光速度では運動しない」の章で宇宙の大きさをおよそ1000億光年程度と推定していますが、インターネットで私の説に対する反響を調べていると、この推定の根拠を知りたいと書いてあるものがありました。よく読んでいただければ私のホームページの「相対性理論の修正、の中の、赤方偏移率の変化について」に書いてある事がわかります。宇宙の絶対静止系と赤方偏移の存在から、定常宇宙モデルの宇宙の曲率半径Rは、ハッブル定数が一定と考えた場合のビッグバンモデルの宇宙の地平線までの距離にちょうど一致するという結論をえています。また「光は光速度では運動しない」の章で宇宙の大きさによって光の静止質量が決定されると予測しています。これらから赤方偏移から得た宇宙の大きさから光の静止質量が求まることになります。その静止質量から予測される光速度の波長(エネルギー)による変化が観測と一致すれば、私の仮説はほぼすべて正しいと証明されることになります(観測することは今のところ非常に難しいとは思います)。第14章でも赤方偏移と天体までの距離がどのように観測されるかの予測を示しています。荒唐無稽で検証不能な宇宙モデルを提唱しているのではなく、自分の提唱する宇宙モデルに対して検証可能な予測を提示していることがおわかりになるでしょう。

偏見なく論理的に検証すべきである

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 物理学で数式を扱うのは物事を正確に論理的に考えるために、その手段として数学を使うからです。数式は数学の一部であり、数式の羅列だけでは決して数学とは言えません。数式が成立するための条件・適用の範囲・数式が持つ意味をきちんと検討してこそ初めて数学といえるのです。物理学を専門とする方の中にも、数式イコール数学と考えている人が大勢おられるようですがそれは大きな間違いです。
 私のホームページでは一部を除きあまり数式を取り扱っていませんが、それは私が検討したのは主として数式が成立する条件・適用の範囲・数式の持つ意味についてだからです。数式の変形については物理学者がすべて正確に行ったものと見なしています。数式の変形については何も文句はつけていないのですからいちいち同じ数式を書く必要はありません。
「数式を解くと、とにかくこうなるのだ。」と主張する方がたくさんおられましたが、そのような方は「論語読みの論語知らず」、のようなもので、私の論点がどこにあるのかを理解せず機械的に数式を解いていくロボットです。そのような方々との論争は不毛です。
 すでに書きましたように、少なくともインターネット上では「宇宙論」に関してこのホームページが重要視されていることがわかります。それゆえに、宇宙論に興味を示している方ならこのホームページを見る可能性が高いと思われます。そしてそこには主流のビッグバンの解説でもなく、宇宙に関する検証不能な趣味的想像でもなく、ビッグバンに対する徹底的な批判が書いてあるのです。主流のビッグバンを主張される方々が「所詮疑似科学だ」と無視すれば、その間にこのホームページを見てなるほどと思いビッグバンと決別する人が増えていきます。現実に有名国立大学大学院で物理学を専攻する方にもそのような方がおられました。
 ビッグバンやブラックホールを否定するために私が証明したとしている説はいわばパラドックスです。このパラドックスが間違いであると思う方がいらっしゃるならその間違いを証明しなければ、ビッグバン論者が証明できず敗北を認めたのであろうと多くの方が思うでしょう。私を疑似科学者と評価する多くの人は「数式がなく、物理学の専門家でもないくせに物理学に楯突いている」と批判しますが、具体的な反論はないようです。おそらく私の論点を理解できず、表面的な印象だけで判断しているのでしょう。論理的に私の主張の矛盾を証明し、このホームページを葬り去ってください。そうすればビッグバンはもっと確固たる地位が築けるでしょう。
 私は直接的には論争には加わらずこのホームページを守りながら傍観者の立場を取らせていただこうと思っていますので、御自身のホームページ上などでその間違いを指摘してください。文章中に「間違いだらけの宇宙論は間違っている」とどこかに書いていただければ、いつか私が探し当てて見に行きますし、皆さんが判断するでしょう。そして、その指摘がもっともであると皆が思えば、私の意見は無視されるようになり、このホームページも消え去り私もこのごたごたから手を引くことができます。しかし、間違いの指摘は先入観や偏見なく純粋に論理的な思考による矛盾の指摘でなければなりません。ですから、「雰囲気がトンデモである」「数式がなく物理学の専門家でもない」「こういう数式があるのを知らないのか」「数式を解けばこうなるのだ」「宇宙を観測し研究している多くの人々が達した結論を尊重すべきである」「既に決着のついた問題である」「哲学的な考察は物理学とは違う」というような低レベルで無意味な指摘は無視させていただきます。また私の主張する説ではそのような観測事実はありえないという証明なしで「観測によって確かめられている」というような指摘も同様です。この例として、私のブラックホールの否定に対してよくある指摘として、「観測によってブラックホールが存在することが確かめられている」というものがあります。この指摘は、私の論点を理解していない事により生ずるものです。私はブラックホールと思われているような大質量で崩壊していく天体が観測されていることを否定していません。それどころかそのような天体は私の考えている宇宙には絶対に必要であるとすら思っています(宇宙をリサイクルさせる場であると考えています)。しかし、そのような天体が光も脱出しないという定義に厳密に合致する状態になりうるのかどうかを問題にしているのです。おそらくこれは観測によって区別することは今のところできません。きちんと私の論点を理解せずにこのような低レベルの指摘をするようでは、逆にビッグバンやブラックホールが不利になりますのでご注意ください。

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MENUHOME「ブラックホールはない」とホーキングは言った!?


 この文章を書いている途中にインターネット上で知ったことなのですが、なんとあの車椅子のホーキングが「ブラックホールはない」( http://www.nature.com/news/2005/050328/full/050328-8.html  http://www.mypress.jp/v2_writers/miyu_desu/story/?story_id=531207 )と言っているらしいです。皆さん知っておられましたか。「光も脱出できないブラックホールは絶対に存在するのだ」といつまでも言っていると時代遅れになってしまいます。特異点定理を導き頑なにブラックホールの存在を主張してきたご本人が、特異点という物理学上ありえない現象に苦しんだのか、誰にも理解できないような量子力学的手法を用いて特異点が生じないと主張しているらしいのです。そこの解説には「彼の心の中で形作られたその見解によれば、明白な意味でのブラックホールというものは存在していません。そこには物事が逃げ出すのに非常に長い時間を必要とする領域があるだけです」と説明されていました。これこそが皆がブラックホールと呼んでいる天体に対する私の持っているイメージそのものなのです。このような転換は特異点という物理学上絶対にあってはならないものを避けるための彼なりの決着であったのでしょう。その結果、彼の考えるブラックホールの特徴は私の主張するものと見分けがつかなくなっています。一般相対性理論それ自体で特異点が生じないことは説明可能なのですが、量子力学という本来ブラックホールの成り立ちを説明する上で関係ないものを持ち出して特異点を否定しているので、完全に私が勝利したという所まではいきませんが半分以上私が勝利したと言えるでしょう。 彼がこのように180度意見を変えるというのは過去に何度もあったことです。彼がいつも意見を変えるのは、賢い頭脳を持っているにもかかわらず、いかに宇宙はあるべきかという認識と物理学に対する哲学的思考が不十分だからです(それでも修正するだけ、他の三流学者よりは優れた二流学者といってよいでしょう)。コロコロ意見を変える学者に振り回されて、それが絶対の真実であると信じてしまうのは愚かなことです。


時代はビッグバン宇宙から定常宇宙へ
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 皆さんがもしビッグバン宇宙論が確立された物理学であると考えておられるのであれば、見当違いな事です。
 実は正統派とされる宇宙科学者の中にビッグバン宇宙に対して懐疑的である方がかなりおられるのを皆さん知っておられるでしょうか。(特にヨーロッパに行けば反対されている方が数割程度はおられるそうです。)
 そして日本でもビッグバンに対する疑惑を表明しつつあるようです。その証拠をここに示します。

名古屋大学理学部・大学院理学研究科 広報誌 No.5 October 2003
http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/kouhou/05/p4_5.html

座談会   見えない宇宙を観る

   <出席者>
  芝井 広 素粒子宇宙物理学専攻教授
  田原 譲 理工科学総合研究センター教授
  長田哲也 素粒子宇宙物理学専攻助教授
  福井康雄 素粒子宇宙物理学専攻教授(進行)

WMAPがしめす宇宙観
福井 まず、今年のはじめに宇宙の年齢がかなり精確に決まったというニュースがありましたのでその話から始めましょうか。
芝井 宇宙初期の電磁波ゆらぎの精密測定ができたんですね。 WMAP(ダブリューマップ)という天文衛星が10万分の1という超高精度で観測しました。まず大きな驚きが、宇宙は平坦であることがわかったことですね。フラットユニバースと呼んでいます。三角測量の原理が宇宙のどこまでいっても使えることになります。さらに、宇宙の年齢、つまりビッグバンからの時間は137億年と求められました。同時に、宇宙の膨張はこれからも加速しながら永久に続くと考えられます。
福井 ゆらぎの精密測定ができたことはわかったんですが、それはどういうロジックで年齢につながるんですか。
芝井 膨張宇宙にも様々な仮説があり、その中で最も支持されている膨張宇宙モデル*1を使ってシミュレーションしました。ただ、ここで注意したいのは、宇宙のエネルギー源のうち、正体がわかっているのはわずか4パーセントのバリオン*2だけで、残りの96パーセントは、正体不明のダークマター*3によって構成されているとしていることです。重力の源であるダークマターの性質は全くわかっていないのです。
福井 ダークマターの質量は、ニュートリノ*4でも全然足りないんでしたね。
田原 今、比較的確からしいと思われるニュートリノ質量では全く足りません。最近の研究では、ダークマターは光で見える物質の30倍くらいだろうと考えられます。
福井 ところで、芝井さんのグループは、WMAPのさきがけとなったブーメランという気球による電磁波のゆらぎの観測に、かなり近い研究をやっていましたね。名古屋のグループがこの種の観測をする可能性もあったと思いますが。
芝井 ブーメランのように気球でやろうとするとかなり大型の望遠鏡が必要です。アメリカのカリフォルニア大学バークレー校のグループがブーメランで使ったのは、口径1.5メートルの大型気球望遠鏡です。 3トンぐらいあるんじゃないんですかね。日本の気球では上げられない重さです。
福井 なるほど、気球の大きさに限界があったわけですか。さて、赤外線観測をリードされた早川幸男*5先生は、宇宙論の草分けのころから活躍しておられて、けっこうへそ曲がりでしたね。先生はどうも膨張宇宙論に対する疑いを持っていた気がするんですね。それで、「定常宇宙論もいいんじゃないか」とつぶやいておられますよね(笑)。近くにいた田原さん、覚えていますか。
田原 確か一般向けの著書にも書かれてますよね。ホイル*6みたいな人を引き合いに出して、「アンチテーゼを出す人が大切だ」「必ず逆の面からものを見ないとバランスに欠ける」というのは常におっしゃっていました。
福井 その意味では、今、137億年とフラットユニバースですべてわかってしまったかのような空気があるとしたら、若干危険な風潮かもしれません。重力源の正体の大部分はよくわかってないわけですから。
田原 池内さん*7も膨張宇宙の基本方程式の宇宙項に対して懐疑的に見ているといってますね(笑)。もっと根底を疑う精神があってもいいという気がします

以下略

*5 早川幸男 (1923-92)
元名古屋大学理学部教授(本誌第4号P.2参照)。
*6 F.ホイル (1915-2001)
「宇宙は膨張しているが、真空からの物質創成によって姿は変化しない」という定常宇宙論を主張し続けた英国の宇宙物理学者。作家としても有名。
*7 池内 了 (1944-)
素粒子宇宙物理学専攻教授(本誌第2号P.19参照)。

 インターネット上で公開してありましたので、迷惑な事かもしれませんが引用させていただきました。申し訳ありません。(彼らは必ずしもビッグバンを否定しているわけではありません。)
 その他にもNASAの有名な宇宙科学者近藤陽次氏の書かれた「世界の論争・ビッグバンはあったか 決定的な証拠は見当たらない」(ブルーバックス)という本では中立を装っていらっしゃるものの、反ビッグバンの立場に立たれているのは明白で、もしかしたら私のホームページを少しは参考にされたのかな、と思うほどです。
 皆さんはっきりとはビッグバンは間違いである、定常宇宙が正しいとは言っておられませんが、暗にビッグバンを批判しておられるように感じられます。
 面と向かって「どちらが正しいと思うのか。はっきりと言え。」と聞かれたら、皆さん「ビッグバン」とおっしゃるかもしれません。でもこれは現代における踏み絵です。定常宇宙を踏みにじらなければ、研究者としては身の破滅です。これは良くわかります。私は物理学が好きですが、物理学の世界にはおりません。しかしながら、社会的地位を守るため氏名を公表していませんでした。ましてや、物理学の世界で生きていこうとしている人、特に宇宙論で大学や公的機関に籍を置き飯を食っていこうと考えている人は、公式の場でビッグバンを正面から批判できないのは明らかなことです。
 近藤先生の書かれた本には、1994年に国際天文学連合で「ビッグバンと競合する理論」という題のシンポジウムを開こうとしたところ、同連合の執行委員会からビッグバンに代替論があるかもしれないという考え方を名称にするのはまずいと、「ビッグバンを検討する」に題を取り替えることを命じられた、と書いてありました。
 この現代の科学を論じる場で、ビッグバン教徒によるいいかげんな説を一方的に押し付けられ迫害されるというのは、本当に信じがたいことです。
 もしビッグバンが世間から否定される時が来たら、たとえば「私はおかしいと思っていたんです。ですがとてもその時は『ビッグバンは間違っている』なんて言える雰囲気じゃなかったでしょ。だからせいぜい『根底を疑う精神があってもいい気がします。』ぐらいしか言えなかったんですよ。」と皆さんおっしゃるのではないでしょうか。その時に向かって準備しているように私には感じられます。
 アインシュタインがはるか昔に導入した宇宙項はダーク・エネルギーと名前をかえて私の予測どおりいつまにか復活したようですが、「膨張宇宙の基本方程式の宇宙項に対して懐疑的に見ている」と池内了先生のおっしゃるように、意味不明なエネルギー概念の安易な導入は既存の物理学の破壊を意味します。このような風潮に対して先生は怒っておられるのでしょう。私のホームページの中の多元宇宙論についての話に出てくるのは池内先生でした。もう昔のことですからよろしいでしょう(先生すみません)。先生は素人である私のたった一つの質問で多元宇宙論を捨てられたのですから、本当に立派で勇気のある方です。その先生が宇宙項(ダーク・エネルギー)についても反対されたのです。私の意見に賛同してくださったのかどうかはわかりませんが、これこそ真の物理学者の姿であると思います。
 専門家がビッグバンは正しいと断定するのは、実はビッグバンが正しいと証明する決定的証拠を隠し球として持っているからではないかと、私は今までいろんな宇宙論に関する書物を見て探し出そうとしましたが、結局ありませんでした。見えてくるのは綻びばかりです。私のような門外漢だけでなく、専門家も疑っているのですから、やはり決定的証拠はないのでしょう。1人だけで馬鹿なことを言っているのかと思っていたら、私ほど直接的な批判はおっしゃらないものの、意外と皆さん同じような疑惑を感じておられたのです。これほどあやふやで、疑惑に満ちあふれたビッグバンという仮説をどうして一部の学者は断定的に決めつけるのでしょうか。まるで中世の世界に逆戻りしたようです。
 少なくとも小学校から大学院まで先生と呼ばれる人たちは、「ビッグバン宇宙論の勝利は既に確定しており、定常宇宙論をいまだに信じているのは風変わりな人たちである」「ブラックホールは存在することが確認されている」と言うような偏見による教育は中止すべきです。「ビッグバン宇宙を支持している人たちのほうが多いが問題も多く決着はまだついていない」「非常に高密度となった天体は存在するようだが、それが正確にブラックホールと呼ばれるような状態であるかどうかについてはまだわからない」と正確に教育すべきです。 こんな馬鹿げた時代が早く終わり、宇宙論の世界が先入観にとらわれず確立された物理学を尊重しながらも自由に討論のできる場となる事を祈ります。


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