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相対性理論はどこまで正しいのか
特殊相対性理論を修正する        
赤方偏移率の変化について
一般相対性理論を修正する  
新しい定常宇宙モデルにより解決される諸問題      

BACKMENUHOME  相対性理論はどこまで正しいのか

 相対性理論を作り上げたアインシュタインは、ある一つの信念や事実からはじまり、これを頭の中で練り上げて一つの世界をその頭の中に形成しました。現存する物理学者の中にこの人に匹敵するような物理学者はいないでしょう。そして、その作り上げた理論はすばらしいものですが、しかし、我々はこれを決して無条件に信じてはいけません。宇宙のすべてを完全に記載する理論でない限り、その理論は完全に間違っているか、もしくはある条件の下でのみ成立する、近似的な理論であるかのどちらかなのです。将来的には、より正確でより広い適用範囲をもつ理論にとって代わられなければならないのです。もちろん相対性理論もこの理論だけで宇宙のすべてがわかるわけではありません。ですから、相対性理論が、たとえある範囲で正しいとしても、やはりまだ完全な理論とは言えません。たとえば量子力学は理論と実験による計測が極めて正確に一致し、これほど成功した理論はいまだかつてないとまで言われています。その量子力学と相対性理論を統一して使おうとすると、どうしても矛盾が生じるために、物理学上の偉大なる二大理論の量子力学と相対性理論がいまだ統一できずにいるとのことです。これはどちらかもしくは両方が不完全な理論であるからと考えられます。相対性理論が他の理論に比べても、特別に完全な理論というわけではないのです。それはアインシュタイン自身が一番よく知っていました。彼はその晩年を重力だけではないその他の力をもまとめた統一理論の完成に捧げたましたが、この目標は達成されなかったのです。
 ニュートン力学が光の速さに比べてずっと遅い運動においては、充分に正しい理論であるように、相対性理論も、ほとんどは正しいものの、特殊な状態では修正を必要とする可能性は決して否定できません。
 実際アインシュタインは、自らつくり出した一般相対性理論を宇宙は定常であるべきだという彼の信念から、宇宙項という未知の斥力を導入することにより修正しようとしました。後になって、ハッブルの赤方偏移の発見によって、宇宙が膨張していると一般的に信じられるようになったときに、アインシュタインはこの赤方偏移の原因を他のことに求めることができませんでした。そのために、彼は自分が付け加えた宇宙項を自分の過ちであったと考えたのです。私は、アインシュタインの最初の信念、つまり宇宙は定常であるという考え方は正しかったと思います。ただ残念なことに彼は赤方偏移の理由として光のドップラー効果以外の原因を示すことができなかったために彼の信念を曲げてしまわなければならなかったのです。

BACKMENUHOME  特殊相対性理論を修正する

 特殊相対性理論は宇宙に特殊な系、つまりは絶対静止系が存在しないという仮定を前提として成立していることは、既に他の章において説明したとおりです。これについてはその提唱者であるアインシュタイン自身がはっきり明言しています。
 しかし、宇宙の背景放射が宇宙的規模で存在していることが明らかとなった現代においては、背景放射が特殊な系をなしており、特殊相対性理論の基盤が揺らいでいることになります。このことに関して誰ひとり気が付いていないように思われます。もしアインシュタインが明晰な頭脳を保ち現代も生きていたなら、必ず特殊相対性理論の修正を行ったはずです。
 赤方偏移について述べた章に既にその修正の概略はかきました。宇宙において明らかに特殊な系が存在することは観測データより明らかです。そしてこの特殊な系が背景放射をなす系なのです。特殊相対性理論は、どのような慣性系から見ても光のスピードは一定であることを前提としてつくられた理論です。そして絶対的な運動はなくすべて相対的であり慣性系というものが無数にありすべてそれらは平等であると仮定しました。しかし、観測データはこの仮定を完全に否定しているのです。この背景放射は真の慣性系がただひとつ、つまりは背景放射をなす系であることを示しています。性格に言えばこの真の慣性系以外はすべて加速度系なのです。宇宙が無限の大きさを持ち開いていると考えると、これら従来は慣性系と考えられていた系が、どの程度の加速度系であるかということは決して導くことができません。ただ一つの可能性のみがこれらの系の加速度を求めることを可能とします。それは宇宙が有限で閉じているとすることなのです。
 宇宙が有限で閉じていると考えるならば光を含めて従来慣性系と考えていた系は、円周上を運動するのと同じことになり、当然そこには加速度が働くこととなります。 そこで、我々の 宇宙の曲率半径をRとすると、その中を速度vで運動する物質は加速度が働くこととなります。 そこで、我々の宇宙の曲率半径をRとすると、その中を速度vで運動する物質はv2/Rの加速度を持つことになります。もちろんこの速度vは背景放射に対する速度です。すでに赤方偏移についての章において検討しましたが、宇宙全体はこの加速度に見合った力を物質に対して加え加速度を減らそうとすることになります。この力をFとすると、F=mv2/Rです。この力は宇宙全体からの重力の作用であり、この力により物質は絶対静止系にとどまろうとするのです。運動する物質は慣性系に止められようとするのですから、光のばあいは、v=Cですから、F=mC2/Rとなります。 また、光の持つエネルギーをEとすると、
E=mC2より m=E/C2 これを先の式に代入して
F=EC2/RC2 よって
F=E/R となります。
 つまり、光はそのエネルギーに比例し、宇宙の曲率半径に反比例した力を宇宙全体から受けることになります。この力は宇宙の静止系にとどめようとする力であり、光に対してはそのエネルギーを奪うことになります。そのために、光は距離的移動と共にそのエネルギーを失いながら、この式を満たす力を受け続けると考えられるのです。式で表される関係を微分方程式として解き、Xを光を発した銀河までの距離、λoをその光が発せられたときの波長、λをその光が地球上で観測されたときの波長、Rを宇宙の曲率半径、eを自然対数の底とすると、
λ=λoeX/R  となります。
 光は、このように、距離的に移動するとともに、エネルギーを失います。これは一見ドップラー効果による赤方偏移によく似た効果を示します。
 特殊相対性理論でアインシュタインははすべての慣性系が同等であると考えましたが、このように同等とは考えられず、真の慣性系は背景放射をなす系のみです。そして背景放射以外の系は加速度系として、先に示した数式で示されたような修正を必要とします。この修正は近距離においてはほとんど効果を現しませんが、宇宙的規模の距離になって初めて効果を現します。実際的には遠い距離にある銀河からやってくる光の赤方偏移としてしか観測は不可能と思われます。ここで、宇宙の曲率半径を定数のRとしましたが、この値は相対性理論およびここで論じている修正理論からは直接的には求めることはできず、赤方偏移を観測することにより求めることができるのです。

BACKMENUHOME  赤方偏移率の変化について

 銀河までの距離Xと、赤方偏移率zの関係を示すカーブ(図1)は、ドップラー偏移によるものと、ここで導き出した宇宙全体からの作用によるものとで比べると地球より比較的近い距離においては、どちらも似たようなカーブを描きますが、ドップラー偏移による赤方偏移では、宇宙の地平線と考えられている距離に近づくにつれて急激に偏移率zは増大し無限大になります。それに比して、宇宙全体からの作用による偏移率はよりなだらかな増加を示しビッグバン理論で考えられている宇宙の地平線までの距離に達しても急激な上昇は示しません。
 アインシュタインがかつて提唱した宇宙項が存在し、膨張の速度が次第に速まり、宇宙年齢が通常考えられているより長く予想されるような膨張宇宙モデルの赤方偏移率のカーブは、ここで示した定常宇宙モデルの宇宙全体からの作用による赤方偏移率のカーブに近づくことになります。今後、観測がより遠距離の銀河まで正確になされた時に、宇宙項を導入しなければドップラー偏移による赤方偏移をうまく説明できないような事態になるかもしれません。しかしそれは、赤方偏移が宇宙全体よりの作用、つまり宇宙が有限で重力により閉じていることによるものなのです。今後のより詳しい遠距離までの観測によりどちらが正しいかが判定されることになるでしょう。
 またここでおもしろい事実として近距離までの範囲内で観測された赤方偏移を、この宇宙全体からの作用による赤方偏移に適用すると、定常宇宙モデルの宇宙の曲率半径Rは、ハッブル定数が一定で宇宙の年齢によっては変わらないと考えた場合のビッグバンモデルの宇宙の地平線までの距離にちょうど一致します。

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 一般相対性理論では重力により空間が曲げられると考えていますが、なぜ重力という力が存在し、そしてそれが空間を曲げているのかという理由については、何も解き明かされていません。この点においてもまだ一般相対性理論は完全な理論とは言えません。 もし相対性理論の不完全な部分を補い、さらにその他のすべての事象について説明し得る究極の理論が存在したとしましょう。そして宇宙が有限であるという立場が正しいとするならば、このような究極の理論は宇宙に存在する物質のすべての量も正確に予想できるものでなければなりません。そして、このすべての物質を含んだ宇宙はそれらによって自己完結的に閉じなければいけないのです。有限で閉じた宇宙という考えは、宇宙を閉じさせてしまわなければならないという宿命を宇宙を構成する要素つまり物質に対して自動的に背おわせることになります。そしてこの物質が背おわされた宿命こそが重力であると考えられるのです。有限で閉じた定常宇宙では、重力という力は必然的に存在しなければいけないものなのです。そしてこの考えこそが一般相対性理論をより優れた理論に修正する力となるのです。
 さてこの閉じさせた力は宇宙をより収縮させる必要があるのでしょうか。そのような余分な力は必要ではありません。宇宙が閉じて存在するということ自体で既にその力の役目は完結しています。重力によって宇宙が閉じていたとしても、その力自体によってさらに宇宙が収縮したりあるいは膨張したりというのは、もはや重力のもつ本来の役目を逸脱しています。この宇宙を閉じさせるための力は副産物として局所的には物質間の引力となって働きます。 宇宙を閉じさせるための重力がなぜ副産物として局所的には引力として物質間に働くかを不思議に思われるかもしれません。ここで思い出していただきたいのですが、アインシュタインは重力と加速度が等価であるという仮定から出発し、重力により空間が曲がりそしてその曲がりにより宇宙が閉じると考えました。その道筋の逆をたどればよいのです。宇宙が閉じさせるための力を物質が有しており、その力は空間を曲げ宇宙を閉じさせるが、その空間を曲げる力は局所的には万有引力として働くと考えるのです。
 それでは具体的な一般相対性理論の修正のための方法を考えてみましょう。
 一般相対性理論と宇宙論について述べた章にも書いたのですが、一般相対性理論を生み出すに当たりアインシュタインは物質と空間を決して分けて考えたりはしていません。物質もある大きさを持って宇宙に存在しているのですからその占めている部分については空間そのものなのです。従って空間の膨張収縮はその中の物質自体の膨張収縮をも意味します。空間及び物質の膨張収縮がもし宇宙においての局所的な出来事であるならば、それは宇宙の他の場所と比較することにより確認することができます。しかしこの膨張収縮が宇宙全体での出来事であるならば、もはや比較するような他の場所は存在しません。そのために宇宙全体の膨張収縮は原理的に確認できない事になります。
 この基本原則を考慮に入れれば、一般相対性理論を宇宙全体の問題に適用するためには、宇宙全体の大きさは決して変わらないのですから、その曲率半径Rを普遍的なものとして光速度Cのように定数としてその式の中に含まなければならないことになります。定数Rを含むことによる効果は宇宙全体の大きさに比べて十分小さい範囲内においてはほとんど現れません。しかし宇宙的規模の大きさについては効果を現すことになります。一般相対性理論による宇宙の解が静止する宇宙を許さなかったのは、もともと一般相対性理論が宇宙の曲率半径としての定数Rを含まないために局所的な問題にしか適応できない不完全な理論であったからなのです。これは越えられない速度としての光速度Cを定数として含んでいないニュートン力学を光に近い速度の問題に適用して解こうとしているのと同じです。一般相対性理論自身からは決して宇宙の半径Rを求めることはできません。このRは光速度Cのように今のところは観測によって求めるしかないのです。そしてそのRの求め方は先に示したように赤方偏移を測定すればよいのです。
 これが、一般相対性理論の修正のための処方箋です。一般相対性理論においては、もともとの数式自体が高度な数学を用いているので、ここでは修正した数式を実際には示すことができません。アインシュタイン自身も一般相対性理論のアイデアは自分で考えたものの数式化はイタリアの数学者に頼ったとのことですから、私ごときが数式に表せないのも仕方がないこととお許し下さい。

BACKMENUHOME   新しい定常宇宙モデルにより解決される諸問題

さて、このように相対性理論を修正することにより得られた定常宇宙モデルはどのような性質をもち、そして、ビッグバンモデルにおいて生じた問題点を解消することができるのでしょうか。それについて考えてみましょう。
 宇宙の大規模構造の形成や宇宙の地平線問題においては、定常宇宙ではそのような構造や大局的な一様さをつくる上での時間がいくらでも存在するために、問題は解消できると考えられます。宇宙の臨界密度の問題に関しては、宇宙の密度と大きさが一定に保たれる機構が自然に備わっているのですから問題は始めから生じることもありません。そしてこの定常宇宙の曲率半径は赤方偏移を測定することにより求めることができます。また宇宙の密度は、この大きさに宇宙を閉じさせるのに一般相対性理論が予測する密度に一致します。これを臨界密度と考えれば、定常宇宙は常にこの臨界密度に一致していることになるでしょう。
 ハッブル定数より導かれる理論上の宇宙年齢よりも星の進化論から推定される球状星団の年齢の方が上回り、理論と実証的観測との間にギャップが生じているとする報告がりますが、もちろん定常宇宙モデルではこのような問題は生じません。
 良いところだらけで困ってしまうぐらいなのですが、何か問題があるなら是非知らせて下さい。
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