サクラ大戦帝撃通信局Fromお台場、第4話より
以下、要望の募集の言葉へ。
夢織です。
この回の台詞テキストは、ののさんからご提供戴きました!
心より感謝申し上げます!
解説者:
さて、第一回、第二回とサクラ大戦の冒頭の話を追ってまいりましたが、
ここらで少し趣を代えて時計の針を進めてまいりましょう。
太正12年6月某日、大帝国劇場の舞台裏、折りしも、
舞台上ではシンデレラの公演が行われている時の話である。黒子:
いよいっっっしょっと!あ〜〜駄目だ!
もうすぐ舞台が終わってしまうのに・・・ど、どうしよう。カンナ:
(歌いながら)灼熱踊りは、ヴギウギ・・・っと、
んっ、どうしたんだよ大汗なんかかいて。黒子:
あっ、カンナさん。あっはは・・・助かった〜。
この綱持ち上げるの手伝ってくださいよ〜、
バランスが悪かったようで重くって、重くって。(泣き声)カンナ:
おぉ、そうかい、わかったよ任しときなちょうどヒマだったんだ。
あらよっっと!!黒子:
あっはは!さすがカンナさん、片手で引っ張り上げちまうなんて。 カンナ:
へっへーん!ちょろい、ちょろい。 解説者:
桐島カンナ・・沖縄生まれの空手使い。
身の丈は6尺と5寸。当世話題のメートル法で言えば、190と7センチ。
いや、19の乙女とは言え、美青年とも見紛う偉丈夫であります。黒子:
いや〜〜、そんじょそこらの・・・いえ僕も含めてですけど、
男なんか真っ青(まっつぁお)。カンナ:
んだとぉー!?ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ!
アタイは女だよ、オ・ン・ナ!!すみれ:
おっほほほほ・・、
背景を吊ったロープを片手で持ち上げながら言っても、
説得力ありませんわね。カンナさん。カンナ:
あんだとー!?すみれ!
おめぇー、役がはまりすぎて身も心も根性悪の継母になったんじゃねーだろなー。すみれ:
ふんっ!そのような台詞はちゃんと舞台に立ってから言って欲しいですわね!
わたくしの様に。 カンナ:
うるせー。 すみれ:
わたくしなど、どんな役をやっても、優雅にして大胆な演技。
今日のお客様だってもう、く・ぎ・ず・け!カンナ:
けっ!ぬかづけみたいな顔しやがって。
せいぜい大根でも投げられないように気をつけろよー。すみれ:
まぁ、役の無い方のひがみかしら。おーっほほほほ・・・ 解説者:
神埼すみれ・・。
父は神埼重工の社長、母は映画スター。
自称、大帝国劇場の花形、いえ、日本社交界に咲いた一輪の真紅のバラ!カンナ:
でもよ〜、もう出番は終わったのかい、こんなとこ、ウロウロして。 すみれ:
もう最後。王子とシンデレラが結ばれるところですわ。
今日はさくらさんもドジらなかったから、私ものんびり見ていられますわ。カンナ:
ああ、今日はいい感じで進んでいるみたいだな。舞台裏じゃ、黒子がこんなに苦労してるけど。
でもよ、さくらっていい勘してるぜ。みるみるうまくなってる、大したもんだ。
ま、あたいは沖縄から帰ってきたばっかりだから、あんまし話しもしてねえけどな。黒子:
お客さんの人気も上々ですしね。 すみれ:
まあね、本来ならシンデレラの役は私のものでしたのよ。
でも、さくらさんに舞台慣れしていただくために、わざわざ、譲ってさしあげたの。カンナ:
へーえ、すみれぇ。おめえがそんなに気を使っていたとはなあ。 すみれ:
知らなかった、とおっしゃるの!?力だけが能のあなたとはいっしょになさらないで! カンナ:
何だとぉー。もういっぺん言って見ろ! すみれ:
あーら、何度でも言いますわよ。 黒子:
ちょちょちょちょちょ、ちょっと、本番中ですよ!こんなとこで喧嘩はやめて下さいよ。 すみれ:
カンナ:お黙りになって!
おめえは黙ってろ!すみれ:
大体あなたって人は言葉からしてガサツなのですわよ! カンナ:
おめーみたいな、嫌味が服着て歩いているような女よりよっぽどマシだぜ!
この・・・この・・・サボテン女!すみれ:
何ですって!?この私に向かって! カンナ:
おっ、やるかい?お嬢ちゃん。相手になってやるぜ!
おい、黒子。ちょっとこれ持ってな。黒子:
も、持ってって・・・、もって、ちょ、ちょっ・・・、ああぁーーーーーーーーっ・・・ ひゅーという遠い音 すみれ:
まあ・・・。黒子が宙に飛んでいってしまいましたわ。 カンナ:
ほんとだ・・・って、言ってる場合じゃねえや。でやあっ!(拳の激突音) すみれ:
なんの!(薙刀の風切り音) カンナ:
あ!てめー、薙刀なんてどこに隠してやがった!汚えぞ! すみれ:
おほほほほほ・・・、備えあれば憂い無しですわ。そうれ!ここまでいらっしゃい! カンナ:
あ、こら!待て!この野郎! 黒子:
ああー、舞台に出ていっちゃ駄目ー・・・ 客席のざわめき 放送:
はい、みなさん。押し合わないで下さい。気をつけてお逃げ下さい。慌てないで下さい。 解説者:
この二人の楽しい喧嘩はこれからもたびたび続いていくのでありました。
喧嘩は仲のいい証とか。二人、どこかで心通じ合う所があるのでありましょう、カナ?どこか楽しげに音楽