定常宇宙モデルでは重力赤方偏移が起こる 

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「くたびれた光」の仮説はダメなのか?    
定常宇宙モデルでは重力赤方偏移が起こる  
膨張宇宙モデルでは説明不能



「くたびれた光」の仮説はダメなのか?

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 第15章の「総括」で終わりにしようと思ったのですが、以前に買ってそのままにしていた日経サイエンス2005年6月号をを7月5日に始めて見て、気持ちが変わりました。そこには、ビッグバンについての特集が掲載されていました。ほとんどがどうでもよいようなものだったのですが、その中に私にとって非常に問題となる記事がありました。それは「くたびれた光」の仮説に対する否定の説明です。
 星が超新星爆発を起こすと、極めて明るく輝いた後にほの暗くなる。宇宙の地図作りに使われるタイプの超新星の場合、この過程には約2週間かかる。その間に超新星は一連の光子を放出する。「くたびれた光」の仮説では、これらの光子は伝播するにつれてエネルギーを失うものの、観測者は2週間にわたって光を観測することになる。これに対し、空間が膨張しているなら、個々の光子が引き伸ばされてエネルギーを失うだけでなく、放射された一連の光子が全体として引き伸ばされる。この結果、最初の光子が地球に届いてから最後の光子が到達するまでに2週間以上の時間がかかることになる。最近の観測では、この効果が確認された。例えば赤方偏移が0.5の銀河にある超新星の場合では、発光が3週間続いて見える。赤方偏移が1ならば4週間となる。
(日経サイエンス2005年6月号「ビッグバンをめぐる6つの誤解」の中のコラム「くたびれた光」の仮説 21ページより引用)
なんと赤方偏移1の超新星の一連の光子の放出の期間は観測データでは正確に近傍の超新星の2倍になっているのです。
私の説も一般にはこの「くたびれた光」の仮説の1種ということになるでしょう。 ここにかいてある観測データは真実なのかと思いインターネットで調べたところどうも本当のようでした (http://www.astro.ucla.edu/~wright/tiredlit.htm  http://arxiv.org/PS_cache/astro-ph/pdf/0104/0104382.pdf 等参照)。 「これはまずい」、と思ったのですが、何か定常宇宙でもよい理由があるははずだと考えたところ30分ほどで理由を考え付きました。 それではここにその理由を書きましょう。あまりにも簡単でかつ非常識なことにびっくりするでしょう。


定常宇宙モデルでは重力赤方偏移が起こる

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 私の宇宙モデルは有限で閉じていて膨張も収縮もしない定常宇宙です。そしてその宇宙には絶対静止系がありそれに対し光はC^2/R (Cは光速度、Rは宇宙の曲率半径 第9章参照)で加速度運動をしており、そのせいでエネルギーを失い赤方偏移を示すと説明していました。そして以前にこの絶対静止系に対して加速度運動している光がなぜエネルギーを失うかという理由を絶対静止系にとどめようとする宇宙全体からの重力作用であると書きました(第6章及び第9章 参照)。つまりこれは重力による赤方偏移なのです。ここで大きな質量を持つ天体を考えてみましょう。この天体の近くでは大きな重力が働きそこから出てくる光はその重力作用により重力赤方偏移を示します。私の仮説でも遠い銀河からの光は重力による赤方偏移を示しているのですから、これは同等の現象であると考えることができます。大きな質量の天体ではその重力によって時間の進み方が遅くなります。これは一般相対性理論によってアインシュタインが予測したことです。それと遠い銀河から来る光も質量の大きな天体から脱出する光も赤方偏移をするのは同等の現象であるという考えを一緒にすると自ずと答えは出ます。つまり遠くの宇宙ではこちらに比べて時間の進み方が遅くなるのです(向こうから見たら反対になります)。赤方偏移1では波長は元の2倍(z+1)になりますから振動数は1/2ですので、時間の進み方はこちらの(z+1)=2倍 ゆっくりと進むこととなります。一般的に赤方偏移zを示す場所ではz+1倍の遅さで時間は経過します。従って近傍の超新星で通常観測が2週間かかれば赤方偏移1での超新星の観測では4週間かかることになります。赤方偏移0.5では時間の進み方は1.5倍の遅さで3週間になります。宇宙の遠い場所ほど時間の経過が遅く、その時間の進み方は赤方偏移の値から簡単に求められることになります。これは先に示した超新星のデータと完全に一致します。どうでしょうか、あまりにも簡単であっけにとられるのではないでしょうか。常識に反しているように思われますが、一般相対性理論や因果律とも全く矛盾をもたらしません。自分自身信じられないような考え方にも関わらずシンプルで観測データとも完全に一致し矛盾ももたらさないということで、次第にこれでいいのじゃないかと思えてきました。というより一般相対性理論が概ね正しければこのように考えないといけないでしょう。
 ここでもしかしたら、疑問を持つ人がいるかもしれません。2πR先には宇宙を一周し自分自身が見えるのではないか。そうすると定常宇宙モデルによれば、そこでの赤方偏移z=e^(2πR/R)-1=e^2π-1 (第9章及び第14章 参照)となり時間の進み方はz+1倍 つまりe^2π=535倍の遅さで時間は進むことになるはずです。同じ場所で普通の時間経過と535倍の遅さですから、これはどうしようもない矛盾のように思われます。しかしここで気をつけなければいけないのは、片方は現在でもう片方は2πR年前の姿であるということです。
 x年前はe^(x/R)倍の遅さで時間は経過すると考えれば何の矛盾も生じません。2πR年前私たちの近傍ではe^(2πR/R)=e^2π倍の遅さで時間が進んでいたのです。そこに存在したものにとっては周囲全てが同様にゆっくり経過するのですから、何とも感じません。これらより得られる結果は宇宙における遠い場所や遠い過去は時間の経過が遅いということです。もしくは遠い場所も遠い過去を見ているのだと考えれば、遠い過去は時間の経過が遅いとだけ考えてもよいのかもしれません。全く非常識な考え方であるにもかかわらず全てが矛盾なく説明可能となります。


膨張宇宙モデルでは説明不能
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 さて翻って膨張宇宙モデルにおける超新星のデータの説明を考えてみましょう。ここでは赤方偏移1の場合だけで考えます。皆さん知らない方もおられるのじゃないかと思いますが(私も最近まで知りませんでした)、現在ビッグバン理論では遠方からやってくる光の赤方偏移はドップラー効果では説明していません。過去の宇宙に比べて現在の宇宙が何倍に膨張したかによって説明しています。赤方偏移1では波長が元の2倍になっていますので、光を発したときよりも現在では宇宙が2倍の大きさになっていると考えます。そしてここで驚くべきことですが、本来2週間の観測でよいはずのものが4週間かかるということは、2週間の間に光で2週間かかる距離だけ遠ざかったので全体で4週間かかったように観測される、と考えなければいけません。なんと赤方偏移1の超新星は光の速さで遠ざかったということを意味しているのです。信じられないような説明ですが、さらにはそのような観測データがあるにも関わらず日経サイエンス2005年6月号の同じ記事の「ビッグバンをめぐる6つの誤解」の中の23ページには。「現在の標準的な宇宙論モデルによれば、赤方偏移が約1.5の銀河は光速で遠ざかっている。そして、赤方偏移の値が1.5を超える銀河がこれまでに約1000個も観測されている。」 とあります。超新星の観測データと合わないことを平気で同じ記事の中に書いているのです。
 以前にはどの啓蒙書を読んでも光の速さで遠ざかる場所からは何の信号もやってこれずそこが宇宙の地平線であると説明してあったように記憶しているのですが、今ではこの説明はどうも嘘ということになっているようです。また後退速度が光速度に比べて充分遅いときのみに適用されるはずの赤方偏移の式 z=v/c (http://skyserver.sdss.org/edr/jp/proj/basic/universe/redshifts.asp 参照)がどうして光速度で後退している超新星に使えてしまっているのでしょうか。私には全く分かりません。これだけでも充分に矛盾のある説明で理解不能であると思うのですが、おかしいのはこれだけではありません。先ほども書きましたが、赤方偏移1の時の宇宙の大きさは正確に現在の宇宙の1/2でなければなりません。また主流の方々は宇宙は始めのうちは減速膨張をしやがて加速膨張へと変わったと考えています。決して同じ調子で膨張したとは考えていないのです。それなのに今よりちょうど1/2の大きさの宇宙がちょうど光のスピードで後退しているとはどういうからくりがあるというのでしょうか。全くの偶然なのでしょうか。偶然とすれば奇跡です。膨張宇宙モデルで遠くの超新星の光度変化の経過を説明することは矛盾が生じるため無理であると考えたほうがよいでしょう。しかし私の宇宙モデルではそのように観測されるのは先ほど示しましたように必然です。これら超新星の観測データはビッグバンの証拠とされてきましたが、それは愚かな判断です。もはや、膨張宇宙による赤方偏移ではなく定常宇宙の重力作用による赤方偏移でしか、これらの観測データを説明することは不可能なのです。
 ビッグバン宇宙論は次から次へと奇跡的なパラメーターの値を無理やり当てはめ物理学の基本を無視し、何とか理論の体裁を保とうとしています。しかしどう考えてもビッグバン宇宙論は既に完全に破綻しています。それに対して、私の提唱する定常宇宙モデルでは宇宙が減速膨張から加速膨張しているがごとく観測されるのも、はるか遠くの超新星の輝きの経過も必然性を持って説明が可能なのです。自分でもほとんど信じられないような気持ちですが、人類はついに真の宇宙モデルを手に入れたのかもしれません。

 定常宇宙について世界ではどのように取り組んでいるのかをインターネット上で調べましたが、日本に比べるとかなりさかんに意見が交わされているようです。しかし少なくとも私が作った宇宙モデルほど全ての観測データを説明し予測したモデルはないようです。私は英語が不得意で今まで英語による説明を書いていませんでした。もし英語で公開すれば日本以上の反響を呼ぶだろうと考えています。物理学の外部の人間であるため論文を学会に提出するつもりはありませんが、いずれ英語によるまとめをホームページ上に公開するかもしれません。もちろんその時は私の考えを基にした発表や論文提出を自由に私の承諾なしで行うことを世界中の人に許可するつもりです。日本の方々が世界に先んずることができるのはそう長くはないかもしれません。早い者勝ちです。


2005/7/10 追加 
 既に書いたように重力赤方偏移であるため赤方偏移zを示す場所ではz+1倍の遅さで時間は経過
すると結論付けています。例えば超新星の赤方偏移が1.5であれば当然経過時間は2.5倍に赤方偏移が2であれば3倍と単純な関係になります。私は自信を持ってこれを予測します。 今の膨張宇宙モデルではこのような予測は不可能なはずです。 ビッグバンを支持する方は宇宙膨張との関係の理由をつけてこれに対抗するような正確な予測を公にしてください。(もちろん観測データの線を延ばせばそのように予測されると言うのは理由にはなりません。)
膨張宇宙では予測ができず私の予測が正しい場合はビッグバンの敗北が決定します。

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