もみじ小戦
これまでのあらすじ
黒之巣会との戦いも終わった太正十二年十月のこと。
花組隊員たちのシャワーを覗いた大神は、盛大に信頼度を失墜させていた。
しかも、制裁代わりに派手に食事をおごらされる引き替えに空腹地獄に堕ちた大神をつけねらうように、
魔物の襲撃が劇場の内外で多発する。
花組の少女たちを戦場に駆り立てないように、大神は彼女らに黙って一人戦い続ける。
それは同時に、いずれ自分が帝劇から離れるときに彼女たちを悲しませないよう、みんなに嫌われるためでもあった。
しかし、中型降魔と謎の魔物との戦いにおいて、その意図がさくらに知られてしまった。
必ず無事に帰ってくること、という約束をして大神はみんなに秘密にしてもらうことにした。
だが、隠し続ける挙動と突き放した態度が、花組副隊長マリアの心に暗雲を呼んだ。
迷いの最中に陥ったマリアは、敵の術者によって操られ、大神と戦うことになってしまう。
辛くもマリアを解放した大神は、ついに敵の正体を掴んだ。
六破星降魔陣以来生死不明になっていた黒之巣会死天王が一人、紅のミロク。
情報部の大河原大佐と共に、大神はミロクの本拠と目される吉原に踏み込んだ。
一方で、大神の行動に疑問を持った紅蘭とすみれは、大神が夜に吉原に通っていることを突き止めてしまう。
ミロクの知り合いらしき女性に一時は殺されかけた大神だが、結局はミロクの居場所を教えてもらった。
突入した遊郭「もみじ」の内部で、二人は黒之巣会最後の戦士たちを切り払い、ついにミロクに見えた。
薬の罠の前に大河原が倒されたものの、大神とミロクの決戦の幕が開けた。
その戦いを、降魔の種とともに冷ややかに眺める影があることを、誰も知らない。
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