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「ひとこと」:2001年7月の分


2001年7月31日(火)

 ニュースリンク(下)をいくつか追加しました。

Reported by 白石


2001年7月29日(日)

 BeatPlusに対応した、たっちでうひDX ver.1.4.7が公開されています。

 ゲームプレイ中にもBGMが鳴っています。ステレオ音声です。音色も、Zapのものより多彩で、BeatPlusの実力がよくわかります。

 現在はβ版で、これから、さらにBGM曲数を増やしたり、音量調整、効果音追加に対応予定だそうです。

 それにしても、ReadMe.txtの更新履歴によると、BeatPlusの実機を手にした翌日にはこのテスト版を公開。SDKを手してから数えても、わずか10日で、ということですから、早業ですね。

 見事に、BeatPlus対応国内一番乗りを果たされました。

Reported by 白石


2001年7月26日(木)

 Visorで音や音楽を扱うスプリングボードが色々と出てきていますね。Audible Advisor(下のニュースリンクの各記事をご参照ください)は、16MBのメモリに4時間半分の内容が入るということですし、なかなか魅力的だと思います。

 BeatPlusは、当初予告されていたBeatAlarmなどが出てきたら、ちゃんとご紹介しようと思っています。今、開発者の皆さんが懸命に作業しておられるところなのでしょうか。頑張ってください!

Reported by 白石


2001年7月19日(木) PM11:15

■BeatPlus製品ページ

 ハギワラシスコムサイトに、BeatPlus製品ページが開設されています。開発キットをダウンロード可能。BeatAlarmは「もうしばらくおまちください」ということです。

Reported by 白石


2001年7月19日(木)

■新規取り扱い製品

 モバイルショップ">Vis-a-Visさんで、m100用のMP3プレイヤー、porteson MP3 Player for Palm m100の販売が始まったそうです。

 これで、またひとつ、音楽を楽しめる機種が増えましたね。

 ところで、portesonは、SHINEI SANGYOの製品。先日ご紹介したTsunamidiを作っているところです。Vis-a-visさん、Tsunamidiの方は……、取りあつかってくれないのでしょうか?

他にも、Tsuamidiの取り扱いをまだためらっている販売店・代理店さんがいらっしゃったら、まず、音だけでも聞いてみて下さい!

MIDIファイルを再生。

添付ソフト活用例。

そして面白いと思ったら、こちらを!

(……と一応、呼びかけてみました。)

Reported by 白石


2001年7月18日(水)

■どういうわけか…。

 どういうわけか手元にBeatPlusがあります。

[7/19 追記]
BeatPlusという製品の全貌については、Visor-Japan
さんの紹介記事「2001/7/19 [Reviews] Beat Plusレビュー」をご覧下さいね。

 7/18夕刻、某店で既に販売されていたのを、こらえきれず、購入してしまいました。

 しかも、お店には、偶然、「Palmゲームカタログ」な方がおられまして、「Zap2000!」の妙技を即席レビュー付きで見せていただくことができました。

[私信]
 その後、帰宅途中にVisorが原因不明のハードリセットに見舞われてしまい、せっかくのハイスコアは消えてしまいました。すみません!

 ゲーム道の奥義に触れた思いのひととき。ありがとうございました。

 ……が、よく考えると、Zap2000!で使われていた音の多くは、BeatPlusのPCM機能を使ったものばかり。

ちなみに、PCMの爆発音は、確かに効果満点

 気になるFM音源によるMIDIサウンドは、効果音の一部と、ゲーム間のBGMで使われていましたが、比較的シンプルなもの。

 BeatPlusのMIDI音源の実力のほどは、ソフトウェアやユーティリティが出そろってから判断したほうがいいのかな、と思ってしまいました。

 (もっとも、Tsunamidiで色々なことを試した直後なので、少し、点が辛すぎるかもしれません。
 「Zap2000!」を起動して、いきなりBGMが鳴り出すのは、音質云々でなく、確かに感動的なものがあります。
 ゲームで盛り上がっている最中でも、音楽のことばかり気にしているのは、ちょっとこだわりすぎ、ですね……。
 それにしても、スーツ姿でゲームに集中するところはかっこよかったです。)

 BeatPlusの正式な発売日は明日19日。確か、BeatAlarmというユーティリティのオンライン配布が予告されてたはずです。

 それにしても、miniMusic社がBeatPlus対応(下のニュースリンク参照、PalmFanさんにもご報告させていただきました)ということは、ハギワラシスコムさんは、かなり広範囲に声をかけておられるのでしょうね。

Reported by 白石


2001年7月17日(火)

■ひとまず完成

 シンガポールのSHINEI社のPalm V系専用MIDI音源、Tsunamidiの紹介記事の続きです。

Tsunamidi:製品概要とまとめ

興味のある方はどうぞ。

Reported by 白石


2001年7月15日(土)

■予告編

 シンガポールのSHINEI社のPalm V系専用MIDI音源、Tsunamidiをようやく入手することができたので、第一報をアップしました。

Tsunamidi(予告編)

詳細は明日以後に……。

Reported by 白石


2001年7月13日(金)[7/14 AM 1:20 追記あり]

■ささやかな楽しみのために

 パーム社の新製品m505/500は、本体をクレードルに置いたり、クレードルから本体を外す時に、「ピッ」という電子音がするそうです。(「バキッ」という音の方が気になる、とい説もあるようですが……。)

m505のクレードル着脱音や、それをカスタマイズするBeepinのことは、

ORE-OMA「2001年7月10日(火)【その356】 相変わらずな彼女 〜Beepin編〜 」

の楽しい解説をどうぞ。

 ちょっと羨ましいところだったのですが、先日リリースされた、CradleSnd ver.1.0を使うと、よく似たことが、他機種でもできるようになります。

 使い方は、ここの説明をご一読ください。簡単な設定で、クレードル着脱時に、パームが音を出すようになります。

 クレードルに置くだけで、自動的にHotSyncを始める、というオプションもついていて、ささやかな楽しみと実用性を兼ねたソフト。作者、ながまつさんに感謝ですね。

これはまさに、百鬼丸さん(の奥様)のためにあるソフトのような……。

[追記 7/14]
納得です。>百鬼丸さん
素敵なソフトウェアが生まれるきっかけを作ってくださったタカさんにも感謝、ですね。

Reported by 白石


2001年7月9日(月)

■ライヴハウスでパーム?(後編)

 ToneGen v0.8というのは、何をするソフトウェアなのか、というお話。まだの方は、まず「前編」(7/7)をご覧ください。

 「もし使用法がおわかりの方、教えていただけたら幸いです」という呼びかけに答えて、ご親切にメールをくださったのは、ベーシストのためのサイトSTUDIO-Gran'Paの主宰者Gran'Paさんです。

私も PA をちゃんと勉強したわけではないので。実地でミキサーさんが調整しているのを端で見ていて、あぁ、こういうことなんだ、と思った事を書いただけですので、不確かな情報かもしれませんが、

と謙遜しておられますが、現場で色々な経験がないと知り得ないような、とっても興味深いお話でした。

おそらく、ライヴハウス等での PA のセッティングで使用するものと思われます。

なるほど。

ライヴハウスでマイクを使用する際、イコライザをフラットにしておくと、大音量で鳴らした際に、大抵特定の周波数で、フィードバックが起きます。そのライヴハウス固有の周波数で、減衰しにくい周波数があり、これをマイクが拾って、増幅してしまう、という現象です。

私は、そもそも、そういう現象が起きるということも知りませんでした。でも、特にロックなんかをガンガンやるときには、切実な問題なのでしょうね。

しかも、それぞれの空間に固有の周波数があるということは、毎回、セッティングが変わるということでしょうから、大変そうですね。

で、肝心のToneGenをどう使うかというと

これを回避するには、その周波数を、イコライザでカットしてやる、という手法が取られます。この、フィードバックの共振周波数を特定するのに使用するのではないかと思います。

ToneGenの画面

マイクのそばに Palm を持って来て周波数を変えながら音を鳴らし、その音が共振したら、イコライザでカットする、ということになるでしょう。

どの周波数が共新するか、パームで音を出してみて確かめる、ということのようです。なんだか、ものすごく、パームが活躍しているじゃないですか!

通常は、ミキサーさんの経験と耳に依存していた部分が多いのですが、これにより、もっと精度の高いイコライジングができるのではないかと思います。

経験と勘に頼っていたものの精度を高める、まさにデジタル機器の本領発揮ですね。

 Gran'Paさん、本当に貴重なお話、ありがとうございました!

Reported by 白石


2001年7月7日(土)

■ライヴハウスでパーム?(前編)

 ToneGen v0.8というソフトウェアがあります。

ToneGenの画面

 こういうシンプルな画面構成。真ん中の数字部分をタップすると、その数字の周波数で「ピーーーーー」と音が鳴り続けます。画面上部(「Increase ...」)をタップすると周波数が上がり、画面下部(「Decrease ...)をタップすると周波数が下がります。

 さて、これは何に使うソフトだと思いますか?

 一定周波数の音が鳴り続けるので、音叉(チューニングの道具)かなと思うのですが、不思議なことに、周波数は、音楽で使うような音階になっていません。

1.00, 1.10, 1.25, 1.40, 1.60, 1.80, 2.00....(kHz)

 この周波数設定には、どういう意味があるのでしょう?

 低い音から順番に鳴らすと、聞き覚えのある音程。日本テレビの「仮装大賞」のランプが下から順番に点灯する時の効果音にそっくりのような気がするのですが……、たぶんこれは気のせいでしょう。

 マニュアルには、こういう説明があります。

 「ToneGenは、ライヴ・サウンド・ミキサーのためのツールです。フィードバックの周波数を同定する補助として、200 Hzから12.5 kHzで、ISO準拠の1/6オクターヴの可聴音を生成します。」

 どうやら、ホールのミキサーさんが使うと便利な道具らしい……のですが、私には、もうひとつよくわかりませんでした。仕方がないので、「palmware」コーナーの紹介記事には、こういう風に書いておきました。

 ReadMeにはこのように書いてあると私には読めました。恥ずかしながら、オーディオ設備のセッティングの詳細に通じていない私には、実用性は不明ですが、きっと役に立つのだと思います。(もし使用法がおわかりの方、教えていただけたら幸いです。)

 この紹介記事を書いたのが、2000年の1月頃。そしてその後、ずっとそのままになっていたのですが、あれから1年半、先日、遂に1通のメールが届きました。

 そしてその内容は……(続く)

待て、次回(笑)。……と、思いつきですが、前後編に分けてみました。

Reported by 白石


2001年7月5日(木)

■ BeatPlus発売は7/19

「ハギワラシスコム,Visor用音源モジュールを7月19日より発売」(ZDNet PalmOS)

 16和音FM音源+ADPCMデコーダ。期待のモジュールです。「Zap! 2000/2016」が付属。

 「ゲームや作曲ツールなど20タイトルが用意される予定。対応ソフトに関する詳細は,順次ウェブ上で公開される」とのことです。アーキタンプ,ロケットスタジオ他、しゃぁみんの名前も。音楽をどれくらい楽しめるかは、ソフトの対応次第かと思います。頑張ってくださいね!

 なお、いつものように、ニュース記事は、Young Palm&Wineさんで知りました。本当に毎日のニュースチェック、ありがとうございます。本当に助かっています。そう思っている人はたくさんいると思います。
 でも、Youngさんの考えが一番。よい形でサイト継続してくださいね。

Reported by 白石


2001年7月3日(火)

 7/1の記事を「コラム」コーナーに再録しました。

PDAの「進化」?
(原題:「進化」と変奏)

[追記 AM 5:00 その1]
タイトルだけ変えました。「変奏」という言葉を強調しすぎる感じになると、それはまた違うような気がしたので……。今度こそ、決定稿です。

 この記事について、PDA-JAPAN(庄司)さんには、丁寧なコメントを寄せてくださいました。子供の屁理屈のようなつぶやきを、冷静に受け止めていただき、的確なお返事をいただき、本当に恐縮しつつ、ありがたいことと心より感謝しております。

 [追記 AM 5:00 その2]
 それから、えんすぅ〜ぱぁむ!さんでは、01/07/01のひとりごと 『PalmがPalmである為に』に、こんなコメントしづらい話を織り込んでいただいて、こちらこそ、恐縮です。
 

Reported by 白石


2001年7月2日(月)

■ HandEra330 拝見

 短時間でしたが、HandEra330をさわらせていただく機会がありました。

 TRGproを使っているので、個人的には、どうしてもそれと比較してしまいます。液晶が見やすいこと(ハイレゾ+コントラストアップ、黒白が反転しないバックライト)、ハードボタンがカチッとして押しやすいこと等々、TRGproからの移行する価値はあるかも、と思いました。独自仕様のサイドボタンも使いやすそうでした。
 欲しい!このまま自分のものに!という衝動をぐっとこらえて返却。以下、音と音楽に関することだけ、簡単にまとめます。でも、あくまで駆け足でチェックしただけなので、間違っていたらごめんない。

▼音声メモ

 音声メモ標準搭載は、パーム互換機では初めてですね。どこまで使えるのか、発表当時から、とても気になっていました。

 データの保存先は、本体RAM、CF、SDから選べます。CF、SDにはwaveフォーマットで保存してくれますから、PC上で簡単に再利用できます。また、大容量カードを使えば、かなりの長時間録音が可能だと思います。

 マイクは本体正面、液晶の上のロゴのあたりらしいです。

 とりあえず録音。本体のスピーカーで再生すると、けっこう音割れしましたが、あとでPC上で聞くと、データそのものは、きれいに取れているようでした。マイクの感度は、思ったよりも良さそうです。

 こっそりささやいた声でもこんな感じ。

handera.wav (73.1KB)

 外部マイクをつなぐことはできないので、会議記録などは難しいですが、備忘禄的な音声メモには十分使えるのではないかという印象です。

▼スピーカー

 あまり、じっくり色々試す余裕はなかったのですが、TRGproのスピーカーから、さらにパワーアップ、音がクリアになって、一層、聞き易くなっているようです。

▼シリアル端子

 前評判どおり、シリアル端子の形状はPalmIII系と同じなので、当時の周辺機器を流用できそうでした。(とりあえず、SH-Keysが動いたのを確認しただけですが……。)

 そして、シリアル端子といえば、やはりパームを外部音源につないだMIDI演奏。MusicBox(ZBoxZ)、miniMusic、TS Noter、Theremidi、Tapsterいずれも正常に動きました。

 Tapsterで手元のTRGproとHandEra330の「共演」はなかなか感動的。これが聞けるだったら、HandEra330を購入してもいいかも、と一瞬、思ってしまいました。

▼ハイレゾ画面

 幸いなことに、音楽系ソフトの中で、画面表示で問題の生じるものは、ほとんどありませんでした。私が試した中で、問題があったのは、次の3作品だけです。

  • Piezo Power!
     240×240ドットを使う「Scale to Fit」モードでは、音量・周波数を上手く指定できません。
     160×160ドットで描画する「Center」モード、「Upper Left」モードで正常に動作しました。

  • Theremini
     画面上のスタイラスの動きに音がスムーズに追随しない。

  • P-Key、SoundPad
     スタイラスを隣のキーに滑らせても音が変化しない。

 個人的には、P-Key、SoundPadに不具合が出たのが残念。

Reported by 白石


2001年7月1日(日)その3

■「進化」と変奏−−PDAを音楽にたとえたら……

 興味深いけれど、かなりデリケートで答えが出そうになり議論が、ゆるやかに展開しているようです。

 発端は、えんすぅ〜ぱぁむ!さんの01/06/30のひとりごと「Graffitiだけはあげない」。

 Palm、PocketPC、Zaurus、それぞれお互いの良いところを見習って行くと、どうしてに似通ってくるみたい、でも、根本にある個性は失わないで欲しい。というようなお話です。確かにその通り。最近、似通ってきているけれど、それぞれの由来や目標は、少しずつ、でも、はっきり違うような気がします。

 でも、ちょっと引っかかるのは、次の一文。

ユーザーが求めようが求めまいが,これからのPDAにエンターテイメントな機能を搭載する事は当然の事の様です。

 このつぶやきに対して、PDA-JAPANさん(たぶん、庄司さん?)は、次のようにコメントしておられます。

PDAに於ける、エンターテイメントの機能サポートについては、多くの誤解があるように思います。こうした機能搭載する意味は、PDAの基本性能と可能性を広げる基礎要素に過ぎません。また、より多くのPDAをこれから使用するであろうユーザー達の要望でもあるとも思います。現在はPDAで出来る機能を搭載する方向が強く出ていますが、いずれ必要な機能をチョイスする時代は到来すると思われます。実際米国ではサウンド機能を省いたクリエが登場しています。Palmのオリジナリティも、そうした進化の過程で変化する必要があります。

 こういう風に、該当個所だけを取り出すと、話がかみ合っているように見えます。えんすぅ〜ぱぁむ!さんが、「エンターテインメントは必然なの?」とつびやき、PDA-JAPANさんが、「必然です、それは進化の一過程です」と答えたわけです。

 でも、本当にそうなんでしょうか? 現在、メーカーさんやマスコミさんが、そういう方向で話を盛り上げているのは事実ですが、果たしてそれは、本当に「進化の過程」と呼ばれるほど重い事実なのでしょうか。イエスの後に生まれし我らは最後の審判を待つばかり、PDAの世界は、それほど苛烈な「必然性」に支配されているのでしょうか?

 PDA-JAPANさんを拝見していると、よく「進化」や「必要」「必然」という単語が出てきます。状況論としては、「〜の段階に来たようです」とか、上にもある「〜の時代が到来する」。語尾としては、「〜となります」「〜なのは言うまでもありません」というのが頻出します。

 ひょっとすると、単なる口癖か、と思えないこともないですが、日々のコメントを読み続けていると、やはり、そうではなく、PDAの世界の森羅万象の背後に、ある種の後戻りできない時間の流れを読みとっておられるようです。

 かといって、PDA-JAPAN的「進化」が、「多機能=進歩」「シンプル=守旧派」といった短絡的な評価でないのは言うまでもありません。そうではなく、そうした日々の表層の事象に惑わされることなく、おそらく経験に裏打ちされ、マクロな視野から物事を眺める古老の目みたいなところが、PDA-JAPANさんには、感じられます。

 でも、敢えて問いたいのですが、PDAの世界の出来事に、全体として「進化」を読みとることは、本当に妥当でしょうか。それは、生物学における「進化論」がひとつの(しかも現在ではかなり相対化されている)仮説にすぎないように、PDA世界を眺める見方としても、ありうべき様々な仮説のひとつにすぎないのではないでしょうか。そして、諸現象の中には、前進でも後退でもないような変化や多様性というのも、想定できるのではないでしょうか?

 例えば、VisorにはSpringoardというしくみがあります。各社が色んなモジュールを発売しています。

 でも、例えば、

2000年はMP3モジュールの段階に留まった。しかし今や、万歩計モジュールの時代が到来したのである。

なとという言い方は、明らかに滑稽だし、PDA-JAPANさんだって、もちろん、そんなことはお書きにならないだろうと思います。Springboard群は、時間軸に沿った連続的な変化(進化とはそういうもの)をもたらしているわけではなく、多方向に拡散する諸用途が、個別に充足されているに過ぎないと、言って良いでしょう。そしてその意味では、進化というより多様性、ヴァラエティという言い方のほうが、しっくりくるような気がします。

 そして、VisorのDeluxe、Prism/Platinum、Edgeの関係も、「進化」ではなく、多様性、ヴァラエティ近いように私には思えます。かつて、PDA-JAPANには、EdgeをPlatinumの「進化形」とみなして両者を比較する論評が出たことがあると記憶していますが、あれは、失礼ながら、あまり、生産的な何かを導き出しうる立論ではなかったのではないでしょうか。

 手のひらの大きい人・小さい人、指の長い人・短い人、タナゴコロの厚い人・薄い人、Visorのヴァラエティを見ると、私はそういう、手のひらの多様性を連想します。しかも、人間の膚の色が様々であるように、Visorの筐体の色は変化に富んでいる……。

 西洋のクラシック音楽の世界では、作品論の用語として、発展(development)というのと、変奏(variation)というのを区別して使うことがあります。

 どちらも、ひとつのメロディに少しずつ変更を加えて、曲に変化を持たせる手法です。でも、両者をテクニカルに定義することはできません。同じ手法でも、文脈によって、発展と呼ばれることもあるし、変奏と呼ばれることもあります。問題は、聞いた時の印象です。

 後のモノが前のモノより「進化」「進歩」「前進」した形であると聞こえるとき、つまり、時の流れが「前に進んだ」と感じられる時、それは「発展」と呼ばれています。それは、音で議論をしたり、闘ったりしている効果を生みだしている場面を形容する術語です。一般に、その時、聴き手は緊張と集中にさらされています。ベートーヴェンの交響曲の冒頭楽章などに「発展」の例が多く見られるとされています。

 一方、単に同じものが別の角度から語り直されたり、別の衣装で飾られていると聞こえるとき、つまり、目先を替えながら同じところでぐるぐる回っていると感じられる時、それは「変奏」と呼ばれています。それは、同じものを使っているはずなのに雰囲気や気分が次々転換しているような状況を形容する術語です。一般に、その時、聴き手は開放を感じ、気晴らしを体験します。モーツァルトは、そうした開放感を演出する「変奏」の名手であり、「変奏」の規範を作ったとされています。

 片一方だけでは、音楽としてあまり面白いものにはならなくて、音楽家たちは、上手に両者を組みあわせて、波瀾万丈の音楽を作ろうと努めていたようです。(ベートーヴェンの中にも、「変奏」による気分転換があるし、モーツァルトにも生真面目な「発展」の場面があります。)

 そして、これは音楽好きの偏見かもしれませんが、現実世界の変化の中にも、「進歩」とは感じられない事例、「変奏」と言うしかない現象があるような気がします。

 PocketPCやクリエ、PCでいえばWindowsは、ユーザーに典型的な「発展」を経験させる、一方、Visor、そして(私は詳しくないけれど)Machintoshは、「変奏」を続けている。各社、各ブランドの基本スタンスとしてはそのようなものではないかと、私には感じられるのですが……。

Reported by 白石


2001年7月1日(日)その2

■しろクリとSoundsGood−−MP3プレイヤの2つのスタイル

 米ソニーがクリエから音楽機能を除いた新機種を発表したことで、「やっぱりパームに音楽機能は必要ない(なかったのだ)」と言わんばかりの論調が台頭しそうな気配が感じられる今日この頃ですが……(笑)、

 最近、私(白石)は、クリエのことを色々調べながら、個人的には、ずっと、VIsorのMP3モジュール、SoundsGood AudioPlayerで遊んでいました。

 だって、確かにクリエの、ちょっとわずらわしいけれど(失礼)、常にドキドキさせてくれる演出は、なかなか興味深いものではあるのですが、VIsor+SoundsGoodの、さりげないスタイルも魅力的なんですから……。

 SoundsGoodの特徴は、他の操作を妨げないこと、そして、変な言い方ですが(色遣いはともかく)「目立たないこと」の2点ではないかと思います。

 サイズは、Visorにジャストフィット。Visor本体の電源を使っているのに、電池の保ちは、各所で報じられていた通り、驚異的に良いです。そして、画面を消したままor他のアプリを使いながら、モジュール上側のボタン操作で曲の再生・停止などの操作ができます。

 スペック的には、内蔵メモリ64MBのみ、外部メモリの拡張はできないので、大量の曲を次々聞く、というヘビーな用途には向きません。お気に入りの曲をいくつか用意しておいて、空き時間に繰り返し聞く、というのが、順当な用法だろうと思います。(ちなみに、曲転送スピードは、極めて高速ですし、モジュールの使い勝手は感動的に快適でした。)

 買ってから、すぐに使えるところも、精神衛生上、実に好印象でした。

 残念ながらMacには対応していませんが、Windowsユーザーであれば、MP3再生ソフト、Visorへの曲転送アプリケションが同梱されていますし、付属CD-ROMを使えば、一式が一挙にインストールできます。(Virtual PCがあれば、Macでも使えるのでしょうか?)

一方、クリエの場合は、OpenMG/ATRAC3を利用するには、MGメモリースティックを購入せねばならず、MP3は、有償アップグレード+MP3作成環境の構築が必要……。それから、USBドライバを付属ソフトとは別にインストールする、という「儀式」も必要でした。好きな人には、こういう作業も「楽しみ」のうちなのかしら……。

 しろクリ(PEG-N700C)を使いこなせるのは、現状では、良くも悪くも、「パソコン慣れした人」かもしれないなあと、発売以来2ヶ月の動きを振り返って、そう思います。インターネットで情報収集にいそしみ、アップデータをダウンロード、有償アップグレードをオンライン・ストアで購入して、MP3を作成するフリーソフトを手に入れて……。音楽を2、3曲持ち歩きたいという、我々の望みは、実に大変なことだったんですね(笑)。
 「お気楽カンタン」がいい人には、現状では、SoundsGoodのほうが、お薦めかもしれません。

 SoundsGoodの場合、マニュアル類も、実にシンプルで、ユーザーが迷わないような配慮がなされていました。

 「ビットレート」「サンプリングレート」「CBR」といった専門用語は、マニュアルのどこにも出てきません。クリエでフォーマットの微妙な違いに散々悩まされた後なので、これは、一種のカルチャーショック。

 そして、実は、パッケージを手にとった時から、SoundsGoodの演出が始まっていたみたいです。箱詰めの仕方や包み紙は、そこはかとなく可愛くて、クッキーか何かの詰め合わせみたいでしたし、モジュールを取り出しすと……、是非、実際に手にとって、自分で体験して欲しい楽しい仕掛けが用意してありました。

 気になるのは、安くなってきたとはいえ、割高だということでしょうか。

 実売価格 24,800円。

 Visor Deluxe本体と同じくらいの値段ですね。でも、本体とあわせても、しろクリとほぼ同じ価格、そう考えれば無茶な値段ではないとも言えます。しかしそうはいっても、やはり、2万円以上になると、単体のメモリプレイヤーを買ってしまうかもしれませんね、普通は……。

 でも、SoundsGoodは、「見せびらかし」とか「マニアックさ」を目指してはいないと思います。シンプルな使い勝手を目指す、いわば「真剣なサービス精神」が見えます。そしてそれは、Palmが持っている快適さ、HandspringがVisorを通じて伝えようとしている楽しさの延長上にあるものだという印象を受けます。(私は、そんなに昔からパームを使っているわけではないので、想像に過ぎませんが……。)

 だから、この快適さ・楽しさを、なんとか、たくさんの人が気軽に経験できるといいのになあと思います。

メモリが32MBや16MBの廉価版SoundsGoodなんてどうでしょう。価格が手頃だったら、今からでも、結構アピールすると思うのですが。

 Visor-JapanのO-Yanさんは、SoundsGood発売当時に書かれたレビューのしめくくりで、こう書いておられます。

”Visorで音楽が聴ける”ということは文字にする以上に魅力があるように感じました。

 2000年10月後半の記事です。まだ、しろクリの影も形もない時代のことです。

 当時、「文字だけ」でこのレビューを読んだ時には、正直、私には、実感を持ってこの言葉を受け止めることができなかったのです。でも、今は納得。「楽しさ」がじわじわ伝わるモジュールです。

 そして、その魅力は今も決して色あせていないと思います。

 パームで音楽、といってもクリエだけじゃない、こういうシンプルな形もあり得るんだよ、SoundsGoodは、そんな、とても貴重なメッセージを発信している気がします。(勝手な思い入れかもしれないですけど……。)

 派手なしろクリからさりげないSoundsGoodまで、MP3プレイヤーひとつとっても、色々なアプローチがあるんですね。あまり軽々に「○○は終わったな」的な断言をしてはいけないなあ、しろクリが「最新機種」ではなくなった今、改めてそう思います。

 なお、参考までに付け加えておきますが、私(白石)自身は、SoundsGoodをとても好ましく思っていますが、MP3ウォークマンとしては、しろクリをもうしばらく使い続けると思います。「見せびらかしたい」からではまったくなくて、(できるだけ目立たないケースや使い方を今も日々探求しています)、たくさんの音楽データをまとめて扱うには、他に良い選択肢がないからです。

 だから、まあいいんですが、音楽=付加価値=見せびらかし、という風な決めつけを目撃すると、二重の意味で戸惑ってしまう、というのが最近の正直な心境です。だって、SoundsGoodのように、「余所に迷惑をかけない」音楽モジュールもあるわけですし、しろクリのように派手なデバイスでさえ、「見せびらかし」以外の用途で使う人間もいるわけですからね。

Reported by 白石


2001年7月1日(日)

■ 動画・音声データをメモリカードに

 TealMovieといえば、音声つき動画や音声のみのファイルを、すべてのパーム互換機で再生してしまう、強力な動画アプリですが、最新のver.1.78βを試してみたところ、SD、CF、MSの各種メモリカード上のデータを再生できるようになっていました。

 データは、メモリカード内なら、どこにでも自由に置くことができます。

 TealMovie側でファイラー風に移動しながらデータを探すことができます。動作も軽快です。



上の画像では、「/palm/tealmovie/」にデータ(「ASTRONUT.MOV」)を置いていますが、別に「/palm/」配下でなくても、どんなフォルダ名でも大丈夫です。

 どうしても、動画や音声はファイルサイズが大きくなりがちですから、こうしてメモリカードに待避させることができるのは、とても嬉しいことだと思います。

 またβ版で、不安定なところもあるようですが、とても楽しみ。(あとは、クリエのDSPに対応してくれたら言うことナシですね……。)

Reported by 白石


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