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Tsunamidi for Palm V

[はじめに]

 Tsunamidiは、シンガポールのSHINEI社から発売されている、PalmV系マシン専用のMIDI音源です。

 昨年(2001年)末に米Palm Storeで米国内向けに出荷が始まっていましたが、当初は、かなりの品薄状態が続いていたと聞いています。欲しいけれど、手に入れにくい状況……。

 そうこうしていると、2001年7月、偶然、SINEIのオンライン・ショップでも販売されているのを知りました。(実際はもう少し前から入手可能だったのかもしれません。)日本にも送ってくれるようでしたので、早速、注文。FedExで3日後に、手元に届きました。(日本国内での販売は、2001年7月14日現在、検討しているところはあらしいけれど、という状態のようです。)

 待ちに待ったパーム専用のMIDI音源です。「新製品」ではないですが、まだ、日本語のまとまった記事は出ていないようなので、どんなものなのか、少しご紹介してみたいと思います。

■外観

 Tsunamidiのどこが画期的なのか、なによりもそのサイズだと思います。

 パームでMIDI演奏をやろうとすると、結構、色々なものを用意する必要がありました。

  • Palm本体
  • クレードルもしくはHotSync用シリアルケーブル
  • Macシリアル用変換アダプタ
  • 外部音源(写真はMU-15)と必要ならばスピーカー

 ひとつひとつは小さなものですが、まとめて持ち運ぶとなるとそれなりにかさばります。なかなか、日常的に持ち歩けるようなものではありませんでした。

 でも、Tsunamidiを使うと、状況が一変します。


 大きさは、まさにパスポートサイズ。MIDI音源としても、かなり小さい方だと言えるのではないでしょうか。

携帯電話にかなり立派なMIDI音源が搭載されるようになり、Visor用のMIDI音源モジュールも発表されたていますから、「最小」ではないですが……。

 形状は、PalmV用のSnapConnectやPalmV Modemとまったく同じ。PalmVの背面に装着して使います。


 そして、Tsunamidiを着けた途端に、パームが強力な音楽ツールに変身するしてしまうというわけです。

 下のほうにボタンが見えます。形状だけでなく、HotSyncボタンまで、PalmModemを流用しているようです^^:。

 これは、裏返したところ。外観はとてもシンプルです。

 上部のシールの貼ってあるあたりが電池ボックス。やや厚みがあります。単三電池2本使用、スピーカーを使わなければ、かなり電池は保つみたいです。

 下半分の丸い部分がスピーカー(モノラル出力)。手前側の側面に見える穴は、ヘッドフォン端子です(ステレオ出力)。

 本体には音量調整ボタンはありません。外部スピーカーにつないで、そちらでボリュームを調整するしかないですね。

 その代わり(ということでしょうか)、付属のイヤホンには、簡単な音量調整機能が付いています。



■製品構成

 パッケージの中身は、とてもシンプルです。
 あっけないくらい小さな外箱(左上=本体サイズとほとんど変わらない!)の中身は……、

  • MIDI IN/OUTアダプタ(上段中央)
  • イヤホン(上段右)
  • マニュアル(中段中央)
  • Tsunamidi本体(中段右)
  • 布製ケース(下段中央)
  • ミニCD-ROM(下段中央)
  • 単三乾電池2本(下段右)


●バンドルソフト

 CD-ROMには、PDF版マニュアルといくつかのオンラインソフトが収録されています。

 どれも定番といっていい音楽ソフトですが(解説は「review」リンク先の紹介記事をご覧ください)、Tsunamidiにシェアウェア登録キーは含まれていません。(miniMusicシリーズやNoterは、未登録状態では曲の保存ができません。)購入後、音源の機能をフル活用するのに、さらに追加投資が必要なのは、やや残念なところですね。

miniGrid v0.6


デモ版(製品版 $29.95)

四和音の入力ができる定番楽譜ソフト。
 → 詳細

♪サンプル(MP3)♪

miniPiano v0.6
miniScore v0.6
BeatPad v1.0


デモ版(製品版 $29.95)

単声メロディとパーカッションのパターン・シーケンサ。
 → 詳細

♪サンプル(MP3)♪

TS Noter v1.3


シェアウェア $28.95

お絵かき感覚で楽譜(単声)を作成。使いやすい音楽ソフト。
 → 詳細

♪サンプル(MP3)♪

Theremini v3.0


シェアウェア $5.00

テレミンエミュレータ。液晶上でペンを動かすと音が変化。
 → 詳細

♪サンプル(MP3)♪

BugBand v1.0


デモ版(製品版 $11.95)

五線譜上の虫を退治。遊びながら楽譜を学ぶゲームソフト。
 → 詳細

MIDI Player v0.45


GPLフリーソフト

MIDIプレイヤー。SMFファイルをそのままPalmで再生。
 → 詳細

♪サンプルは「音質」の項目に♪

[補足説明]
▼MIDI Player v0.45について
 動作がやや不安定で、コンバータの使い勝手もいま一つなので、後続ソフトMusicBox(ZBoxZプラグイン)のご利用をお薦めします。(MusicBoxの詳細はこちらをご覧下さい。)
▼miniMusic NotePadについて
 miniMusic社のNotePad v1.0(miniGrid/miniPiano/miniScoreの製品版)は、Tsunamidiと相性が悪く、曲頭のMIDIメッセージの取りこぼしが発生します。miniMusic社サポートに問い合わせたところ、7月末公開予定の v1.1で対処する予定とのことです。

●音質

 TsunamidiとYAMAHAのMU-15で同じMIDIデータ(Music Box 0.25rc6使用)を再生してみました。

Tsunamidiのパッケージやウェブサイト(ここここ)には、「GM対応」とあるだけで、音源のMIDI仕様などの詳しいデータは記されていません。機会があれば、詳細を調べてみたいとは思うのですが……。

ポップス
Tsunamidiで再生
MU-15で再生
 *ちゃんと、ステレオで聞こえます。頑張っているんじゃないでしょうか。
ピアノ・ソロ
Tsunamidiで再生
MU-15で再生
 *ピアノ単独の音を聞くと違いは歴然。ダンパーは効いているようです。

●MIDI IN/OUTアダプタ

 Tsunamidiには、標準でMIDI IN/OUTへの変換アダプタが付属しています。(Tsunamidiの側面に差して使います。)

 例えば、MIDIキーボードをつないでTsunamidiを制御・演奏することもできます。

 現在、MIDI Player(Music Box)とBugBandがこの機能に対応しています。

 また、外部MIDI音源をつないで、パーム側から制御するという使い方も可能です。

■まとめ

 実売価格は、オンラインショップでUS$ 129.00。価格は決して安くないです。(今なら、Visor DeluxeとMIDIモジュールBeatPlusが買えてしまう金額……。)しかも、コネクタ形状のせいで、PalmV系でしか使えません。万人にお薦めできる、というものではなさそうです。

 でも、2年近く、パームでMIDI演奏を、という試みとつきあってきた感想を言わせてもらえれば、これは、草の根的なスタンスでの情報やソフトウェアやノウハウが積み重ねがあって、それを踏まえて実現したこと、ひとつの集大成、夢の実現なのかなと思います。そういう記念的な意味があるかな、と。(本当は、miniMusicとも関係の深いSviwelSystemsのSG20に「一番乗り」して欲しかったという秘かな思いもありますが、それは別の話……。)

[追記 7/17 PM11:30]
Youngさん、ご紹介ありがとうございます。実は、読み返してみて、ひょっとすると誤解を招いてしまうかなと心配になってしまって、上の段落だけ、一部、書き直しました。せっかく、引用してくださったのにごめんなさい! でも、コメントいただけて、とても嬉しかったです。

 これから、パームに音楽機能を付加するツールがいくつか出てきそうです。既に、Visor用のBeatPlus(ハギワラシスコム)が目前に迫っていますし、PalmIII系用のSG20(SwivelSystems)という製品も発表されています。どれもTsunamidiよりも、さらに小さく軽く、扱いも簡単になっていることが予想されます。Tsunamidiが、あっという間に、輝きを失ってしまうかもしれないと思うと少しさびしいですが、でも、やはり楽しみですね。

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