サーキット日記 2000年後半戦
2000年第3戦
2000第3戦 2000年8月6日
筑波サーキット 晴れ ドライ 気温36度
タイヤ空気圧 冷間F・R共2.3kg/cm2
F キャンバー -0.3 R キャンバー -2.6
キャスター 5.0 トウ 2.3
トウ 1.4
車高 F 157mm R 201mm
ダンパー F B 3/10 R 5/10
R B 3/10 R 6/10 (最弱より)
今回も またまた はるばる筑波です
8連スロットル化しパワーアップもしたし 前回1月の走行でのタイムをどれだけ縮めれるか
期待を持って関東への長い道のりを自走しました
足回りのほうは 今回よりスプリングを変更しています
もともとコニレーシングに付いていたスプリングは なにかの拍子に
スプリングがダンパーのボディーに当たるようで なんか擦れる音がするなーと思い チェックしてみると
ダンパーボディーとスプリングが当たった跡が付いており こりゃ 良くないなと思っていたことと
IFCPセッティングである フロントよりもリアを固める考えにより
リアのバネレートをもっと上げたかったこと
以上の理由により バネをワンオフで作ってもらいました
もともと コニレーシングに付いていたバネは フロント4.9kg/mmで自由長12インチの一種類
リア4.9kg/mm・自由長12インチ 5.3kg/mm・自由長14インチ
5.8kg/mm・自由長14インチの三種類でした
フロントは当然 4.3kgを使い リアは最初 5.3kg・14インチを組んでみたのですが
ノーマルよりも 大幅に車高が上がってしまいNG
しかたがないので フロントと同じ4.9kg・12インチを使っていました
で 今回スプリングを作ったのですが
フロント 4.8kg/mm・12インチ 5.3kg/mm・12インチ
リア 5.5kg/mm・13インチ 6.0kg/mm・13インチ
の 4種類作ってもらいました
とりあえず フロント5.3kg リア6.0kgの最強の組み合わせで組んで
車高を合わせてみましたが このセットだと フロントは まあ良いのですが
リアのプリロードがほとんど掛けれない状態で
また 今回 参加する走行会(JAF公認競技)が P-ゼロ-C禁止(Sタイヤ禁止)とのことで
履くことになった DL RSV 98specのサイズが うまくマッチングせず
外径で フロントで13mm小さく リアで10mm大きいため
よけいに リアの車高が上がってしまい プリロードを掛けることが出来ません
高速道路を 流しても きちんと静的には前後の車高バランスを取っているにもかかわず
何かリアの車高が低いような そんな気がします
せっかく わざわざ筑波まで走りに行くのだからと
前週に 鈴鹿南コースへ足回りのテストを兼ねて行って来たのですが
あいにくの ウエットコンディションでテストにならず
少し 足回りには不安を残しての走行会参加となりました
さて 時期的にはサーキット走行するには 最悪の季節
なんと言っても 328には油温がきつい季節です
いざ コースインしてみると やはり2周の全力走行で
あっと言う間に 油温は140度まで上昇 そこから2周のクーリングをしても
120度までしか 下がりません
一回目の走行 2周のペースカー先導後 そこから1周様子を見
2周全力走行してみたベストタイムが なんと1分11秒231
期待していたタイムには 遠く及ばず しかもその時点で油温は限界
タイヤは熱ダレを起こしておりズルズル
結局 それからはクーリング走行を行っても 熱的損失は回復せず
また20分の走行時間だったので ピットインしてタイヤの内圧調整する時間もなく
そのままチェッカーを受けました
1回目の走行は結局 全力走行2周目に出した1分11秒231がベストタイムです
2回目の走行までの時間で どうもリアのロールが大きいのが気になったので
リアのダンパーの伸び側を 6段から8段へ強くしてみました
しかし 結局2回目走行も同じ現象で タイヤ・油温とも全力走行2周しか保たず
またダンパーも熱ダレを起こしてしまっているようで
伸び側調整後の体感も 感じることが出来ませんでした
ベストタイムも 走行時間前半に出した1分11秒400がベスト
8連化してパワーが上がったにもかかわらず それを全く活かすことが
出来ずに終わってしまいました
原因は 熱的なものも勿論あるのですが
どうも 今回変更したスプリングのセッティング 特にリアのプリロードと車高の設定に
問題があったと考えています
競技の方は 2クラス(328・テスタ以前の年式のクラス)2位となりましたが
タイム的には 非常に悔しい結果となり もう一度328のセッティングを煮詰めて
筑波を走りたいと思ってます
ベストタイム 1分11秒231 (FERRARI 2クラス2位)
タイヤエア圧 温間でF・R共 2.3kg/mm2に調整
1セッション目終了後 リアダンパー伸び側ダンピング2ノッチ強へ 8/10
2000年第4戦
2000第4戦 2000年11月2日
鈴鹿サーキットフルコース 曇り セミウエット
タイヤ空気圧 冷間F・R共2.3kg/cm2
F キャンバー -0.3 R キャンバー -2.7
キャスター 5.0 トウ 2.3
トウ 1.4
車高 F 165mm R 194mm
ダンパー F B 6/10 R 7/10
R B 6/10 R 8/10 (最弱より)
前回の筑波で タイムが出ず とても悔しい思いをしたので 徹底的に足回りを見直すことにしました
まず タイヤですが 前回筑波で レギュレーションでP-ゼロ-Cがダメなのを知って
事前に主催者に問い合わせたところ DUNLOP 98specはOKと一応タイヤの確認をしたのですが
走行後 一部のエントラントからクレームが出たらしく 次回より禁止とのこと
じゃあっていうことで ADVAN NEOVAに履き換えることにしました
サイズなのですが 98specはトレッド幅でチョイスし F 215/45/17 R 235/45/17 を履いていました
ところが ノーマル設定のタイヤでは フロントの方がリアより外径が大きいのに
98specのこのサイズだと リアの方が大きくなってしまいます
これも 前回の筑波時の悪いフィーリングの原因かもと NEOVAのサイズ決定時にはその辺も考慮しました
ちなみに今まで履いた 各タイヤのサイズです
P-700 F 205/55/16 外周635mm
R 225/50/16 外周632mm
P-ゼロ-C F 205/50/17 外周639mm
R 225/45/17 外周634mm
RS-V98 F 215/45/17 外周626mm
R 235/45/17 外周644mm
NEOVA F 225/45/17 外周636mm
R 245/40/17 外周631mm
既存のサイズで合わせていった結果 だいぶトレッド幅が広がってしまいましたが
実際は表記ほどではなく NEOVAとP-700は フロントで12mm リアで15mm
カタログ値で 広がっています
で 変更したタイヤのフィーリングですが 高速で踏んでみた印象では 意外なことに
NE0VAのほうが 98specよりも接地感があり 安心して走れます
98specは 高速でのスラロームで 比較的神経質な動きだったのに対し
NEOVAは 割と緩やかな動きをします
絶対CF値は高いけど 足の動き・荷重移動に対しピーキーなCF変化をする(高CP) 98specに対し
CF値そこそこ CPソフトな立ち上がり(比較的 低CP)な NEOVAといったところでしょうか
絶対CF値では 当然98specの方が上だと思うのですが
5〜6kg台のスプリングを使っているうちの328の場合
足の動きが大きく キャンバー変化が多いので
タイヤの全体グリップの多くをコンパウンドによるアドヒージョン摩擦力でまかなっている98specよりも
ヒステリシス摩擦の割合が大きいNEOVAの方が合っているのかも知れません
と 偉そうに書いてますが CF・CPの事や アドヒージョン摩擦力・ヒステリシス摩擦の事は
全部IFCPの沢村さんに教えていただきました
詳しいことは IFCPの頁を新設して 説明したいと思っています
で 肝心の足回りですが 新たにフロント6kg/mm・自由長12インチ
リア7kg/mm・自由長12インチを 新たにオーダー
しかし納期が約2ヶ月とのこと 仕方がないので手持ちのスプリングで
車高とプリロードの兼ね合いのテストをすることにしました
フロントに4.8kg/12インチと リアにフロント用に作った5.3kg/12インチを
入れて 車高は F 161mm R 203mmと フロントを下げリアを上げ気味にして
鈴鹿・南コースで2回ほどテストしました
あいにく2回のテストとも 路面がウエット状態でしたが
このセットだと 進入はアンダーが強く 思うように進入スピードが上げれません
で 立ち上がりはトラクションが横に逃げ これもアクセルを開けれない状態
見た目は 前下がりで好みなのですが どうやらこの車高バランスはNGのようでした
そして 鈴鹿フルコースの走行会の前週 やっと発注していたスプリングが届き
早速 組み込みました
車高は テストの結果をふまえて F 165mm R 194mmと 若干前上がりの姿勢へ
ダンパーは スプリングバネレートも上げたし 最近 コニレーシングのへたりも感じられたので
F バンプ3/10を6/10へ リバウンド5/10を7/10
R バンプ3/10を6/10へ リバウンド8/10を8/10へ
変更しました
鈴鹿フルコース当日 せっかくの走行会なのに 前日降り続いた雨のため 路面はウエット
空も今にも降り出しそうな天気・・・
とりあえず コースインしましたが部分的には乾いてきている所もあるけど
やはり コースコンディションは最高に程遠いモノがありました
しかし 走り続けている内に段々とライン上は乾いてきたので せっかくだからまじめに走ります
3周ほどプッシュして タイムは2分49秒05
コンディションの割にはタイムが出ていたので タイヤのエアチェックをし もう一度コースイン
どんどんコースは乾いて来て 今度はすんなりと46秒台に入ったのですが
4周回目の130R進入で いきなりリアが持っていかれ車が真横に ! !
なんとか立て直したのですが 原因がラインが乾ききっていなかったのか
それとも ダンパーの熱ダレなどの車的要因なのか 解らず とりあえず頭を冷やすためにピットイン
車の状態は 筑波や先日の南コースで出た進入アンダーも少なく また トラクションの掛かりもまずまずです
が 場所によってはリアがピーキーな動きをします
ライン上は結構乾いてきているのですが まだまだウエット状態の所もあるし それが原因かもしれませんでした
結局 2時間の走行時間の中では雨は降らず
最後の周回で 2分45秒47までタイムは伸びました
最高とは言えないコンディションの中で 鈴鹿フルコースのベストタイムの
0.2秒落ちのタイムを出すことが出来たので
とりあえず 今後は今回の足のセッティングの方向でつめていくこと決めました
でも せっかくの鈴鹿フルコース ドライ路面で走りたかった ! !
ベストタイム 2分45秒47
タイヤエア圧 温間でF・R共 2.3kg/mm2に調整
2000年第5戦
2000第5戦 2000年11月23日
筑波サーキット 晴れ ドライ
タイヤ空気圧 冷間F・R共2.3kg/cm2
F キャンバー -0.3 R キャンバー -2.7
キャスター 5.0 トウ 2.3
トウ 1.4
車高 F 165mm R 194mm
ダンパー F B 6/10 R 7/10
R B 6/10 R 8/10 (最弱より)
前回悔しい思いをした筑波から3ヶ月 スプリングを交換し 車高前後バランスの調整を行い
いよいよ筑波に望む日が来ました
前回同様 JAF公認競技のFERRARIクラスです
長い道中の高速道路で もう一度車の動きを観察しましたが 車高の前後バランス
フロントを上げリアを下げたことにより コーナーでの車が向きを変える中心(ヨー軸)が
以前に比べ車体中心に近づいた印象を受けました
以前はフロントフード上くらいが中心の車の動きが 現在は運転席と助手席の間を軸に車が
ヨーを発生している感じです
これは自分の好みから言うと良い感じで 328はあまりフロント下がりにしないほうが良いかも知れません
ただし以前のほうが直進安定性は良い様です
さて 筑波ですが 結果からいうと前回真夏の時のタイムも破れず
1分11秒524と最悪の結果となってしまいました
車の動きとしては 進入での姿勢は概ねOKなのですが
ヘアピンなどの縁石付近をダラッーと なめる時にアンダーが出ます
そしてCP手前から アクセルを開けていったときに先日の鈴鹿で出たリアのピーキーな動きが
ドライ路面の筑波でも発生し またその度合いが セミウエットだった鈴鹿よりも酷くなったようです
どうやら 鈴鹿では路面状況のためコーナーリングスピードが上がらず
車のネガな動きが出きらなかったのかもしれません
原因として考えられるのが まずダンパー自体のへたり
鈴鹿の前 スプリング交換時にフロント・リア共にダンパーはしめ込んだのですが どうもその差が体感できず
また横Gを受けているときの ダンパーがバンプからリバウンドへと動きの向きが変わるときの
ダンピングが不足していて その辺りでの車の動きが不安定な気がします
もともと OLFのRさんに格安で譲っていただいたコニレーシング
譲って頂く時の条件に「オーバーホールして使うこと」とおっしゃられてたのに
国内でコニの高圧ダンパーをオーバーホールしてくれる所がなく
だましだまし使っていたのですから ここらが限界なのかもしれません
あと シャーシ自体のねじれの問題
8連化し 体感ではっきり解るほど低中速のトルクが増大しているうちの328
低速コーナーCP〜立ち上がり パワーをかけた時のピーキーなリアの動きはフレームが限界なのかと感じます
中高速主体の鈴鹿でタイムが出 低速主体の筑波で遅いのはその辺りに原因があるかもと考えています
何れにしても またまた悔しい思いを味わったし
最近のサーキット日記は 言い訳ばかり書いていて自分でもおもしろくないので
今後は もう一度328の欠点を見直し じっくりと車を作っていこうと決心しました
ベストタイム 1分11秒524 (FERRARI 2クラス3位)
タイヤエア圧 温間でF・R共 2.3kg/mm2に調整
2000年最終戦 (01/09/2001)
2000年最終戦 2000年12月12日
鈴鹿サーキット南コース 晴れ ドライ
タイヤ空気圧 冷間F・R共2.3kg/cm2
F キャンバー -0.3 R キャンバー -2.7
キャスター 5.0 トウ 2.3
トウ 1.4
車高 F 165mm R 194mm
ダンパー F B 6/10 R 7/10
R B 6/10 R 8/10 (最弱より)
8連化し 低・中速のトルクがめざましく向上したうちの328
にもかかわらず 11月の筑波ではノーマルで出ていた10秒コンスタントさえもクリア出来ず
精神が崩壊しかけていた自分は 増大したトルク&パワーに見合ったシャシを作っていくことを決意しました
ダンパー&スプリングは 現在秘密兵器をオーダー中なのですが海外発注となってしまい時間が掛かる様子
しかし何かせずには居れない気持ちから
じゃあ 気になるリアの剛性不足感をいくらかでも軽減したいとリアにタワーバーを付けてみることにしました
ワンオフで作るのは資金的にも大変なので 他の車種用を流用することに決め 本屋さんに行って
各車種別の改造パーツが載ってある本を立ち読みし NSX用でカーボン製のものがあるのを発見
現物も見ずに発注してしまいました
(この辺りの行動で だいぶん精神が崩壊していたのが解ります・・・)
届いたパーツを328に合わせてみると ブラケットは溶接補強などの加工が必要でしたが 結構 苦労なしで付きました
こうなると すぐにでも効果を試したいところ 早速鈴鹿の南コースへテストしに行きました
走ったのは 「グリップ」という50分のフリー走行の枠で まずタワーバー無しでコースインし
その状態で車の状況を把握します
筑波よりもタイトな鈴鹿南コース やはりCPからリアのロールが大きくトラクションが掛からず
横へパワーが逃げてしまうので 立ち上がり縁石にはらむまでアクセルを全開にすることが出来ません
またS字が連続する区間では 車の行きたい方向とロールが一致せず 車のロールが収まらないので
ペースを上げようにも上げれません
そこで ピットインしタワーバーを装着してみました
コースインしてみると 比較テストのためか 効果がはっきりと解りました
CPからアクセルを開けていったときのリアの「グニャー」感がなくなり とても剛性感があります
まさか棒一本でここまで変わるとは思いませんでした
ただ 横Gが増えていきロールが大きくなったときのトラクション不足
S字の切り返しなどの車の姿勢変化の遅れなどは やはり足回りの領域のようで そこまでの改善は見られませんでした
タイムもベストタイム同士では あまり差はなく ただしタワーバーが付いている方がコンスタントにタイムが出ます
あと リアのフレームが動かなくなった分 現在のアライメントでは リアのキャンバーが付きすぎているようで
タイヤ温度で見ても また帰りの高速道路の段差で 若干横Gを掛けながらでの3速全開で
ホイルスピンするようになったことからも アライメントの見直しの必要があるようです
思いつきで 試してみたタワーバーなのですが思いの外効果があり 驚くとともに
やはり 根本的にシャシの補強は考えなければいけないと確認したテストでした
ベストタイム 1分02秒873
こんな棒一本でもけっこうな効果がありました