有楽町帝撃通信局開局第十九話




ファンファーレ、それに続く拍手
司会者: レディース、エンド、ジェントゥルメェン!ボーイズ、エンド、ガールズ!
アテンション、プリーズ!セガサターン、プレゼンツ!
ジス、イズ、サクラ大戦!有楽町、帝撃、通、信、局ー!
背景音楽、激!帝国華撃団
解説: サクラ大戦とは、太正時代を背景にした、セガ・エンタープライゼス、セガサターンのゲームである。
そこには、広井王子を総帥とするレッドカンパニーの世界が、余すところ無く描かれている。
そして、この番組、有楽町帝撃通信局は、サクラ大戦の時代に存在する放送局として、ラジオの前の太正時代の住人に、 正義を伝えるべく、日々研鑽するニュース番組である。
この時間は、セガ・エンタープライゼスがお送りします!
CM、そして、開始の音楽
長曽我部 みなさま、こんばんは。二月二十二日、有楽町帝撃通信局の時間がやって参りました。
えー・・・、帝都を揺るがす組織が黒之巣会だということが判明し、各地に帝国華撃団が出撃しているとのこと。
着々と、悪の組織壊滅への戦いが進んでいる。いや、頑張ってもらいたいものです。
あ、もちろん、当通信局でも正義の情報を一刻も早く、より正確に送る所存でありますれば、皆様方には何卒よろしく申し上げますで候。
コホン。
歌謡に緊迫した情勢ではありますが、感あり、舞台中継で疲れた心を癒していただきたいと、かように心得るわけでありまして、 今夜は、皆様方からたくさんご要望がありました、帝国歌劇団花組公演、「愛はダイヤ」の模様をお送りいたします。
お楽しみ頂きますよう、伏してお願い申しあげます。

はーーーーーーーっ・・・・・。
さて、番組を進めます私は、長曽我部崇、そして、みなさま、こんばんは、藤枝あやめでございます。
とあやめさんがご挨拶するところなんですが、何でも今日はよんどころのない事情で遅れてくるとのことで。
何だか、ずーっと一緒にやってきたのに、いらっしゃらないと、調子が狂うというか、んーーー、
大変話しにくいものがありまして・・・、えーと、・・・、ゴホン・・・、
えー、有楽町・・・、帝撃・・・、誰か、何とか言って下さいよ・・・・。
ようやくはいる検閲音
大河原 長いこと放送を続けていれば、こういうこともある!しっかり放送を続けたまえ!
長曽我部 は、はいはい!はい!(とても嬉しそうに)いやあ、検閲官の声がこんなに嬉しく聞こえるなんて初めてだな・・・。
あの・・・、こっちに来て、一緒に・・・、あ、だめ・・・。残念だな・・・。
えー、まあ、今夜はすぐ舞台中継をお送りするわけですから、何とか一人でも・・・。
えー、今夜は、劇場の人気者、高村椿ちゃんにロビーの様子などを伝えてもらうことになっていましたね。
早速読んでみましょう。椿ちゃーん!高村椿ちゃーん!・・・、応答がありませんね・・・。おかしいな、もう一度。
つ、つばきちゃーん!
スタジオの奥からがたがたと争う音。扉の開く音。
天海 ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!
大河原 な、なんだ!?貴様たちは!
天海 ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃ!貴様たちもここまでじゃ!今日からは我らが手の内!!
長曽我部 ど、どうしたんですか!?検閲官!!
大河原 ま、まさかここに・・・!先手を打たれるとは・・・!
天海 ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃ!
大河原 敵襲!敵襲!!長曽我部クン!逃げたまえ、早く!あ、ああ・・・、うう・・・・(カコーン!)
長曽我部 な、何が・・・、逃げろったって、ここをどうやって・・・?
天海 ふみこめええぃぃ!!
扉の破られる破壊音
長曽我部 あ、ああ・・・、何事ですか!あんた!!何!?
ミロク ホーッホッホッホッホ!天海様。有楽町帝撃通信局。我が配下の魔物の手によって占拠いたしました。
天海 うむ!でかしたぞ、ミロク!
長曽我部 だ、誰ですか!?放送中に勝手に入ってきたりして!ほ、ほほ、他のだれが許しても、わわ、私が許しませんぞ!
天海 ひょーっひょっひょひょ、威勢がいいのう・・・。
長曽我部 あ、当たり前だ!わた、私は、私は命を、命をかけ、かけ・・・、ひえーっ!かんざしで何をするんだよ!?
天海 ミロクよ、こやつが長曽我部崇か?
ミロク はい、天海様。
長曽我部 て、天海?あんた、だれ・・・?
ミロク 無礼者!
長曽我部 い、いてっ!あ、痛いだろちょっと・・・、ちょっと、尖ったかんざしなんか・・・、首筋に・・・、やめて・・・っ!
ミロク ええい、頭がたかーい!このお方をどなたと心得る!
長曽我部 ど、どなたって・・・、まさか・・・、水戸黄門・・・、・・・、いたい!いたーい!
ミロク ええい、このお方こそ、恐れ多くも、徳川三代に仕えし影の宰相にして、黒之巣会総帥、天海様なるぞ!頭が高い!
長曽我部 は。はは・・・・、
天海 ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃ!正義の電波を発信する放送局とな?
しかも、我らを追求して壊滅させようとは片腹痛いわ!
今日この日より、有楽町帝撃通信局は、我ら黒之巣会の手によって、新たなる通信局として生まれ変わるのだ!
長曽我部 な、なんですって・・・!
天海 だまって聞けい!ミロク、こやつをそこの柱に縛り付けよ。
ミロク は、ははっ・・・!ちょっとこっちへ来い!
長曽我部 ちょ、ちょっと・・・、来いって・・、こんな太い鎖で・・・、あーもう動けないよ!
ミロク えー、もう!・・・天海様、終わりました。
天海 それでは、名付けて、「有楽町黒之巣通信局」!正しき悪の情報を流す、悪による悪のための悪の放送局じゃ!
ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃ!
長曽我部 な、なんてことだー!!
ミロク 天海様・・・、我らが野望も、ついにここまで参りました・・・。
天海 おうおう・・・、羅刹、刹那を失い、帝国華撃団には惨敗に次ぐ惨敗・・・。
お前たちにも苦労をかけた・・・・・・・・・。
ミロク (涙ぐんで)も、もったいないお言葉・・・。
天海 さて、我らの門出じゃ!早速放送を始めようではないか、ミロクよ!
ミロク はっ!では、番組、開始いたします。


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