有楽町帝撃通信局第一話



有楽町帝撃通信局第十九話に戻る


背景音楽、我ら黒之巣会
天海 黒之巣会とは、かつての徳川幕府宰相、我、天海によって創始された、悪の組織である。
そこには、かつての江戸幕藩体制の復活、西洋文化の破壊を目指す、魔の理想世界が広がっておる!
そして、有楽町黒之巣通信局とは、ラジオの前の太正時代の住人に、悪を伝えるべく、急遽結成された放送局である!
第十話タイトルの効果音、それに続く、先行通信の音楽
天海 黒之巣、先行通信!
先行通信の音楽
天海 有楽町黒之巣通信局、開局!
ミロク 我ら黒之巣会は、有楽町帝撃通信局を占拠。司会の長曽我部崇。検閲官の大河原一美を拉致いたしました。
天海 黒之巣会会員証、限定三百枚募集!
ミロク 悪の同志による、たくさんの応募が期待されております。
天海 全国各地で、天変地異の報告が相次ぐ!
ミロク 六破星降魔陣によります、魔の封印の弱体化が原因と思われます。
これからは、さらに天変地異が相次ぐでありましょう。
背景音楽終わる
天海 さて、今日から始まった有楽町黒之巣通信。司会はむろん、黒之巣会総帥、天海。そして、
ミロク ホホホホホ・・・、紅のミロク。ふふ、よろしくねえ。
天海 ああ、ミロクよ。始めたは良いが、何をすればよいかのう。
ミロク フフ・・・、天海様。黒之巣通信はニュース番組でございますから、まずニュースから・・・、
天海 たわけ!
ミロク は?
天海 西洋文明の打倒を計る我らに、横文字は御法度!お前が使っていてはどーにもならん!
ニュースではない!報道である!
ミロク あ・・・、失礼いたしました・・・。天海様のおっしゃるとおりでございます。
それでは、先に進みたく存じます。情報の詳細を、天海様。
天海 うむ。
背景音楽、沈黙のニヒリスト
天海 情報の最初は、何と言ってもここを占拠したことである。
ミロク はい。それについてですが、先ほどから、本通信局に問い合わせが殺到しているとのことです。
天海 放っておけ!どうせ何をしても、我らを止めることなどかなわんわ。
ミロク はい、仰せの通り・・・。では、次に参りましょう。
天海 我々は開局を記念して、黒之巣会会員証を限定で三百枚発行した。
これは悪の受信許可証であり、これを持たずして放送を聞くと・・・。
ミロク はい。我らの手先の魔物が、不届きものを処罰に参ります。
天海 おーおおお、恐ろしいのう。恐ろしいと言えば、天変地異はまだまだ続くぞ。
怯えるがいい、愚民どもよ。やがて帝都は我らの足下にひれ伏すのだ。
ひゃーっひゃっひゃっひゃ。まあ、しかし、当通信局では我らの同志を求めておるからな。
どしどし、参加の便りをよこすがいい!
ミロク は・・・、そう言えば天海様。お葉書がたくさん参っております。
宣伝通信のあとでお読みいたしましょう。
背景音楽
ミロク 長曽我部、宣伝通信はお前が読め!・・・、いいから、こっちに来るのだ!
長曽我部 い、いてててて、痛い!
ミロク 早く読め!
長曽我部 そうもくもみんるうしみつどき・・・・、あ・・、草木も眠るだ。あははははは・・・。
ミロク ん〜〜〜〜!早く読め!
長曽我部 草木も眠る丑三つ時。丑の刻参りには、黒之巣会の特製わら人形。ん?
効果満点、すこぶるの保証付き。黒之巣会の特製わら人形。通信販売のみの取り扱いです。
お値段は、四円四十四銭。人を呪わば穴二つ。お気をつけなされ、お気をつけなされ。
天海 ふっはっはっは。そうもくもみんる、か。なかなかうまいものじゃ。
長曽我部、どうじゃ、我らの同志にならんか?
長曽我部 とんでもない・・・!そんなこと!
ミロク きさま・・・!
天海 ははははは、よいよい。そのうち気が変わるじゃろう。
ミロク あ、はい。では、お葉書を・・・。
愛知県の、筆名「エムエム野郎十八号」からで、天海様に質問です。
「こんばんは、天海様。今日は天海様に質問です。何故天海様は西洋文明を嫌うのですか。
また、黒之巣会に入るためにはどのようにすればよいのですか・・・?
僕は常々、天海様の元で働きたいと思っております」
天海 おおー、おーおー!
なかなか感心な若者じゃ!何故我々が西洋文化を否定するのかと言えば、それはひとえに、 日本文化の偉大さを、我らが一番よく知っておるからだ。西洋はイカン!とにかくイカン!ひたすらイカン!
理由などどうでもよろしい!・・・そうじゃミロク、こやつに黒之巣会会員証第一号をくれてやろうぞ。
ミロク ははっ!エムエム野郎十八号、喜ぶがいい!
天海 うむ、これからも、悪と黒之巣会のために尽くすのだぞ。
ミロク 続けます。埼玉県の筆名「ぱった」から。
「ついに来ましたね黒之巣会。かなり前にミロクが出たので、来るかなあと思いましたが、この前は叉丹でしたね。
自分は叉丹が好きなので、嬉しかったです。これからも、バシバシ活動して帝都を恐怖と混乱とで満たして下さい」
天海 ハハハハハ!こやつもすばらしいな、ミロク。会員証第二号じゃ。
ミロク ぱった、喜べ!お前が第二号だ!
天海 うむ、これからも、悪に励めよ。
ミロク ああ・・・、それでは天海様。黒之巣地方通信に参りましょう。
タイトル音、続いて演算音が重なる。
天海 うむ、それでは黒之巣地方通信のお時間じゃ。帝都各地に恐怖と混乱を巻き起こす黒之巣地方通信。
今日は?
ミロク 黒之巣死天王の葵叉丹が、帝国華撃団副司令藤枝あやめを銀座にて足止めしております。
天海 おう、そうか。これは面白い通信が聞けそうじゃ。
長曽我部 副司令・・・?何のことだ?
天海 叉丹!叉丹!そちらはどうなっておる!
ミロク 叉丹・・・!(嫌そうに)答えよ叉丹!

中継放送へ

天海 ひゃーひゃひゃひゃひゃひゃ!
ミロク ホーッホッホッホッホ!
天海 愉快!いや、実に愉快じゃ!帝撃副司令が手も足も出せんでおった!
ミロク 私が行けなかったことが、何としても口惜しいことでございますが・・・、
(嫌そうに)まあ、叉丹もよくやりましたな。
オホン。それでは天海様。今日の標語を・・・・。
天海 うむ!
迫り来る太鼓の音
ミロク では、天海様。どうぞ。
天海 オッホン!えー、
悪より素敵な商売は無い!
ミロク さっすがは天海様・・・!何という素晴らしい標語でしょう・・・!
それでは、宣伝通信に続いて・・・、あら・・・?もう時間が・・・?
仕方ありません。宣伝通信のあとは、締めくくりの言葉に致しましょう。
(猫なで声で)さ、ちょーそかべ。準備をおし!
長曽我部 やだ。
絶対に読まない・・・!
ミロク 何を・・・!そんなことが、通るとおもっているのかぁ〜っ!
長曽我部 読みます・・・。すぐ読みます・・・!
背景音楽、堕天使
長曽我部 人斬りに、最適な、日本刀。妖刀、毒身丸(漢字は想像による)。
その刃には毒がしみ出し、切れば切るほどに切れ味が増す。
妖刀毒身丸。お求めは、全国黒之巣会刀剣専門店にて。
さあ、今宵も、人斬りが、闇を走る・・・!
ミロク 見ろ。結局読んでしまったではないか。
長曽我部 のってしまった・・・。
ミロク 最初からおとなしく読んでいれば、痛い目にも遭わなかったものを・・・。
長曽我部 全国の皆さん、私は抵抗しました。でも、仕方なかったんです。
色男、金と力はなかりけり・・・。あ、そんなわけで・・・。
天海 本日の標語、其の二。無駄な抵抗、休むに似たり!
ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!
ミロク さすが天海様。決まりましたね・・・。それでは決まったところで・・・。
背景音楽、我ら黒之巣会
ミロク 天海様。終わりにする前に、帝都の天気予報を・・・。
天海 うむ、そうか・・・。
ミロク 明日の帝都・・・。
各地で、天変地異が猛威を振るうでしょう。皆さん、せいぜい怯えて下さいねぇ。
天海 うむ、よろしい。
ミロク 番組では、魔物情報、黒之巣会会員参加希望、また、人生相談も募集しております。
どしどし、お便り下さいましねぇ。
天海 有楽町黒之巣通信局、司会は、黒之巣会総帥、天海と、
ミロク 紅のミロクがお送りいたしました。
天海 それでは皆の衆、また来週〜〜〜〜〜、
ミロク
天海
お耳にかかろうぞ・・・・。
天海 ひゃーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!
ミロク ホーッホッホッホッホ!
長曽我部 かえしてくれ・・・・!!!
絶望のように鳴り続ける音楽。
黒之巣通信へ





番組表に戻る。
有楽町帝撃通信記念館に戻る。
大帝国劇場に戻る。
夢織時代への扉に戻る。