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「ひとこと」:2001年5月の分


2001年5月28日(月)

 Palmwareコーナーに、「クリエ(PEG-N700C)専用」の項目を新設しました。

 素晴らしいソフトを公開してくださった開発者の皆さん、ならびに、画面キャプチャーに利用させていただいたHRCaptの作者、ちゃいむさんに、心から感謝します。

Reported by 白石


2001年5月27日(日)

■「ATRAC3の石」解決編

 Palm de COOL常駐スタッフSANAIさんからご連絡いただきました。

 実は、4月8日の「開いてくりえ」公開後にDSPを特定しておられた、ということでした。そして、改めて該当記事を見ると、次のような記述がありました。

[4月14日追記]:MQ1100-CACはLCDコントローラだけでなくDSPも兼ねているようだ。

 前回(=昨日)、この記事を見た時には、私は追記を見落としていたようです。公開後こんなに時間が経っているのに、追記に気づかなかったこととあわせて、自らの注意力不足が情けないです。SANAIさん、わざわざご連絡いただき、本当にありがとうございました。

 ……ということで、4月14日の段階では、既にしろクリのDSPの正体がわかって、「ATRAC3専用の石」なんて存在しないということを知り得たはずだったようです。

 余談ですが、
 しろクリのDSPの正体がわかったということは、サードパーティ製のMP3プレイヤーや、DSPドライバが出てくる可能性がある、ということなのでしょうか?
 なんとなく、すごい情報のような気がするのですが……。

 いずれにせよ、SONY社自身が早々にMP3対応を告げるというのは、「MGメモリースティックの買い控え」の恐れがあったりするでしょうし、ありえなかっただろうと思います。SONYの一連の対応に、非難されるべき何かがあったとは思いません。(数日前、SONYの対応を「見事な手順」と書いたのは、私の率直な感想です。皮肉や批判ではありません。)

 一方、個人サイトについても、4月以後の熱気は、「しろクリの音楽は、MP3対応まで待ち」なんて態度を貫ける雰囲気ではなかったと思います。(長い目でみれば、あんまり簡単に「お祭り騒ぎ」にならず、ガラス張りの環境で冷静に情報交換ができて、みんなが「賢い消費者」になったほうがシアワセなのかもしれませんし、企業との信頼関係も、そのほうが長続きするのかもしれませんが、それは、別の話。)

 ただ、繰り返しになりますが、「ATRAC3の石」という話は、明らかに間違いだったわけです。

 少なくとも、私(白石)の周囲では、ゴールデンウィーク中のiWeek2001!や、その後のオフ会でも、「しろクリ日本語版はATRAC3専用の石を積んでいるから……」という話が出ていました。繰り返しになりますが、こうした不正確な情報の訂正だけでも、早い段階でできればよかったのになあ、とささやかながら情報サイトにかかわっている当事者のひとりとして残念に思っています。

※私信:という風に認識しておりますが、いかがでしょうか>SPAさん@クリクラ

 なお、念のため、前回の注釈を再掲します。
 この文章は、特定の誰かや団体を批判する目的で書いているのではありません。
 先日も書きましたが、ユーザー・サイトに情報を提供した人、掲載した人、皆、善意でやっていることですし、それを読んでどう判断するかは、読んだ側の「自己責任」です。ただ、時として善意の結果が、マイナスになることはありうるわけで、可能ならば、そういう不幸な結末は避けるに超したことはないでしょう。
 どのような経緯で間違ってしまったのか、状況を整理しておくことで、今後の役に立てば、そういう気持ちで、この文章をまとめました。

Reported by 白石


2001年5月26日(土)

■検証「ATRAC3の石」

 改めて確認してみると、3月14日、ソニーによる新しいクリエ(PEG-N700C)の発表会を伝えるニュース記事に、次のような記述が見つかりました。(Pal Macさん、ご指摘ありがとうございます。)

発表会の最後に行われた質疑応答で新CLIEのMP3対応の予定について聞いてみたところ「現在のところ予定はないが,検討はしていく」との回答を得た。
(ZDNet「ソニー,新CLIEの発表会を開催,エンタテインメント性を強くアピール」)

対応する方式はATRAC3のみだが、同社インフォメーションテクノロジーカンパニー、プレジデントの木村敬治氏は、「MP3はユーザーも多く、検討しなければいけないと考えている」と、前向きな発言を行なった。
(ASCII24「【続報その2】たくさんの世界初を搭載した新CLIEに迫る」)

 私自身も、メールボックスを調べてみたら、PMUGのメーリングリストに、3月15日に、こんなコメントを投稿していました。

せっかくの音声出力機能が活用できるかどうかは、ソフトウェアに
かかっているような気がします。
# デフォルトではMP3もダメみたいだし。
([pmug:0367] Re: 新型CLIE)

3/14の発表を知った直後の段階では、私も、実はしろクリでも、ソフトウェア的な操作でMP3を再生できるんじゃないか、と想像していたようです。

 先日ご紹介した情報(しろクリは「ATRAC3専用の石」を使っているからMP3の再生はできない、という話)は、この後、3月18日にでてきます。タイミングとしては、「MP3」への淡い期待をうち砕く形……。実際、クリクラの過去ログを詳しく見直してみると、

 まず、3月17日に、SPAさんがまとめた「Q&A」の中にこういう記述があります。

Q.MP3は聴けないの?
A.残念ながら今のところは再生できません。OpenMGJukeboxでATRAC3に変換すれば聴くことができます。今後のデベロッパーの方々や3rdパーティーの動向に期待したいところです。

そして「ATRAC3の石」情報は、翌日3月18日、この箇所に関する情報提供メールの中に登場します。

この部分について、、、
これ、ATRACの再生のために、CLIE本体にはATRACの石がつんであるから再生できるわけです。
つまり、、MP3の石は積んでいません。
だから再生できないと思います(^-^;
そのあたりは発表会でちらと聞いてみたとこに話してくださいました<ソニーの方

 その後も、真相はどうなのか、私なりに注意していたつもりですが、決定的な発言は、どこにもなかったように思います。

 例えば、(こんな文脈で引き合いにだして恐縮ですが)しろクリ発売直後に、早速、「ハードウェアの検証」をしたPalm de COOLの記事「開いてクリエ」も、

この辺にDSPが在るはずだが今回は特定できなかった。

という結果……。結局、しろクリ英語版発表まで、「ATRAC3の石」という情報を決定的に覆す情報を得ることはできませんでした。

 DSPなどのハードウェアについてある程度の知識があれば、「ATRAC3専用の石」を使うなんて、ありそうにない、といった予測がついたのかもしれませんし、何らかのツテで、正確な情報を知りうる立場にいた人もおられたかもしれません。

 また逆に、メーカーの公式リリースと大手ニュースサイトの記事だけに目を通して、いわゆるユーザー・サイトによる情報をあまり気にとめないでいた人は、単純に、当初の「前向きな対応」が現実のものになったのだ、と納得できたのかもしれません。

 今回の出来事は、まるで、「中途半端に情報収集したから間違った」かのような結果になったことが、とても残念なことだったと、私は思っています。

 なお、念のため申し上げておきますが、この文章は、特定の誰かや団体を批判する目的で書いているのではありません。
 先日も書きましたが、ユーザー・サイトに情報を提供した人、掲載した人、皆、善意でやっていることですし、それを読んでどう判断するかは、読んだ側の「自己責任」です。ただ、時として善意の結果が、マイナスになることはありうるわけで、可能ならば、そういう不幸な結末は避けるに超したことはないでしょう。
 どのような経緯で間違ってしまったのか、状況を整理しておくことで、今後の役に立てば、そういう気持ちで、この文章をまとめました。
 今、振り返ると、しろクリの発表当時、華やかで斬新なイメージが先行して、正確な情報の乏しい状況が続いたという印象が残っています。「ATRAC3の石」はその混乱の中で生まれた幻だったのかもしれません。あれから既に2ヶ月以上経っていますから、幻影にしては、かなり長く生き延びたんですね。

Reported by 白石


2001年5月24日(木)[15:30 追加]

■「ATRAC3の石」はどこへ?

 しろクリ(PEG-N700C)の発表直後の3月18日、Clie User Club!に「PEG-N700Cのオーディオ機能について 」という記事が掲載されたのを、皆さんはご記憶でしょうか?(伝聞による誤解を恐れ、敢えて、必要部分をそのまま引用します。)

AV機能に関することでお知らせいただきましたので転載させていただきます。お知らせ感謝です>匿名希望さん

[...]
これ、ATRACの再生のために、CLIE本体にはATRACの石がつんであるから再生できるわけです。
つまり、、MP3の石は積んでいません。
だから再生できないと思います(^-^;
そのあたりは発表会でちらと聞いてみたとこに話してくださいました<ソニーの方
[...]

というお知らせをいただきました。CLIEにはATRAC専用のチップがあるんですね・・・。

 翌日(3月19日)、私(白石)も、palm - musicで、この情報を紹介しました。(当PMUGでは、この話題は取り上げていません。)

新CLIEとMP3

 CLIE User Clubさんに寄せられた情報によると、新クリエでMP3を再生することは、やはり無理らしいです。

 新クリエに搭載されているのは、「ATRACの石」であって、「MP3の石」は積んでいない、のだそうです。だから、ソフト的な工夫でMP3が再生できるようになる、というものではないと。
[...]

 昨日のSONYの発表によると、しろクリ日本語版も、AudioPlayerのアップグレードで、MP3の再生が可能になるそうですから、結果的に、上の情報は事実ではなかったようです。

 Clie User ClubのSPAさんも、palm - musicの白石も、上の引用記事では、言葉を選んで断定を避けているように見えます。「ATRAC3専用の石」という話はあくまで「未確認情報」、慎重に読めば、そのことがわかるようになっているように思います。

 それに、実はこの情報と平行して、当時既に、クリエの開発者サイド(?)から「MP3対応も検討」との発言があったとも聞いています。(出典は現在調査中、ご存じの方はご一報ください!)

 ですから、情報に通じた人であれば、3月の段階でも、「実はしろクリでMP3再生は可能」と予想できたのかもしれません。そして、断固として白MSの購入を控えるとか……。(それに、開き直っているようで恐縮ですが、好き者の個人が運営しているユーザー・サイトや、そこにご厚意で寄せていただいている情報の信憑性については、申し訳ないですが、読んだ皆さんが「自己責任」で判断していただく他はありません。そういうものですよね。)

 でも、実際には、正直に告白すると、紹介記事を書いている私自身、いつしか、記憶から「未確認情報」という部分が抜け落ちていました。そしてしろクリ発売、大容量白MSの発売といった出来事が続いた4月後半(=英語版PEG-N710Cが出る直前)には、「しろクリでMP3はハード的に不可」と思いこんでしまっていました。

 今の気分は、「ギャンブルの予想が外れた時の残念感」「やられた!」という思い(私は賭事をやらないので、想像ですが……)。まだまだ、私は情報の収集と読みに関して、迂闊で未熟であるようです。

 なお、AudioPlayerのMP3対応と、白いMGメモリースティックの今後については、Clie User Club!の2001.5.24の[SPAのつぶやき] が、とてもバランスの取れた意見と思います。まだの方は、是非、ご一読をおすすめします。

Reported by 白石

■見事な手順

 Audio Player Version 2.0 有償ダウンロードサービスのお知らせ

 ……ということで、しろクリ日本語版ユーザーも、有償で英語版(5/1発表済み)と同等の機能=MP3の音楽データの再生(通常の青いメモリースティック使用)を手にすることができることになりそうです。

 4月から5月にかけての動きをおさらいしてみます。

  1. 4月9日 しろクリ日本語版(PEG-N700C)発売
     ・ATRAC3の音楽再生機能搭載
     ・OpenMG対応メモリースティック(白MS)必須
      → 売れ行き好調!

  2. 4月25日 128MBの白MS発売、64MB以下のMSの値下げ
      → これを待って白MSを購入した人も多い模様

  3. 5月1日 しろクリ英語版(PEG-N710C)発表
     ・MP3の音楽再生機能
     ・通常のMSを利用可能
      *米国にはATRAC3が浸透していないから??

  4. 5月23日 日本語版AudioPlayerの有償アップグレード発表
     ・MP3の音楽再生機能
     ・通常のMSを利用可能
      *日本のユーザーもひと安心。

 MP3対応は、日本語版発売の当初から話題には上っていましたから、予定どおりの行動なのかもしれません。しかし、白MSをある程度売りつつ、MP3にも対応する、というのは、なんとも危うい綱渡りです。タイミングや手順によっては、日本の購買者から不満の声が上がりかねず、とても微妙な舵取りが求められたことでしょう。

 結果から見ると、まさに、これ以外はありえない、最善な手順で事態が進行したように見えます。SONY社は見事にやり遂げた!という印象。もちろん、実際の舞台裏は、部外者の知りうることではないですが……。

そしてその結果、我々の財布は見事に軽くなりました^^;

Reported by 白石


2001年5月22日(火)

■遅ればせながらminiJam

 実は、iWeek2001の時に、縁あって、miniJamを譲っていただきました。まだ、ほとんど使えていないのですが、しろクリのオーディオ機能とは、また違ったところが色々あるようですね。

 サイズが大きくなりますが、その分、本体側に大きめのボタンが付いていたりして、案外、使いやすそうな印象を受けました。

 でも、実際に持ち歩くとなると、本体から後ろにでっぱるのが気になるかも。

 ……等々、まだ考えは、全然まとまっていないのですが、そのうち、ちゃんとしたレポートを何らかの形でまとめようかなと思っています。

あとは、SoundsGood Player。なんとか好条件で手に入らないかな(と言ってみたりして……)。

Reported by 白石


2001年5月17日(木)

■しろクリをMSリーダ化する「裏技」について

 Muchy's Palmware Reviewに、2001/05/15付けで、次のようなコメントが出ています。

AudioPlayer [PET-N700C搭載アプリ] のチェックイン/アウトモードで、メモリースティックリーダとして使う方法は、ソニーの保証外の行為であることが判明しました(最悪、ファイルが破損する可能性があります)。

 この件、マサトレiPAL-NEXTでも取り上げられています。

 この方法は、しろクリ発表当初から、Clie User Club!などでは「裏技」として、やればできるけど……、とささやかれていて、いつしか、有名になってしまったのですね。

 でも、「保証外」と言われても、PCカードやUSBのメモリースティックリーダが必要となると、「そこまでするのは……」と思ってしまうのも人情。難しいところですね。

 こうなったら、しろクリをMSリーダとして認識させる純正ツールをSONYさんが開発してくれたら、大歓迎かと思うのですが、そこまで望むのは、さすがに我が儘でしょうか……。

Reported by 白石


2001年5月16日(水)

■ iWeekレポート

 私(白石)は、5/4-6に大阪で開催されたマックのイベントiWeek2001のPamRin&PUGO共同ブースに参加して、パームを使ったBGM演奏の実演をさせてもらいました。その模様の簡単なレポートをまとめてみました。興味のある方はご覧下さい。

Palmで音楽〜着メロからMIDIまで〜
iWeek2001 PamRin&PUGO共同ブースにて

Reported by 白石


2001年5月14日(月)

■クレードル・セット時にビープ音?

 beepin v1.0というプログラムがリリースされたようです。同梱マニュアルには、

パームをクレードルに置いた時のビープ音を、楽しいものに置き換えます。

というような説明(かなり乱暴な意訳)があります。

 「パームをクレードルに置いた時のビープ音」??? HotSync時の「ピロリ〜」のことなの? ということは、これは、Pyrol Hack2のようなソフト? と思ってよく見ると、

必要な環境
 クレードルに置いたときにビープ音が鳴る機種(例:m500, m505)
 および Palm OS 4.0.

 m505/500は、クレードルに置くとビープ音が鳴るんですね。知りませんでした。

 ……というわけでは、これは、現状では、m505/500だけで使えるソフトウェアみたいです。

でも、ひょっとすると、これから出てくる「ユニバーサル・コネクタ」対応機種は、どれも、クレードル・セット時に音が出るようになるのでしょうか?

[追記]
 ……と、ここまで書いて、色々探して見たのですが、日本のレビュー記事の中では、m505/500のクレードル・セット時のビープ音に言及しているものを見つけることができませんでした。
 普段は、遊び心いっぱいの人でも、「速攻レビュー」とかで忙しくなると、音は耳に入らなくなってしまうということ……?
 逆に、カラー液晶だバックライトだOS 4.0だと、スペックが話題になり、新パームに見るPDAのあるべき姿、等々の思想が語られている時に、beepin、とか言って遊んでしまう人が、海の向こうにいるというのは、ちょっと面白い気がします。

Reported by 白石


2001年5月12日(土)

■道具vs玩具、PMUG的シュミレーション

 えんすぅ〜ぱぁむ!さんの01/05/10のひとりごと 『道具か玩具か』は、興味深いテーマですね。

 既に、色々な方が反応しておられますが(同サイト5/11のひとりごとにリンク集あり)、音楽好きの皆さんの場合はどうでしょう?

「音楽大好き! しろクリとか、VisorのMP3とか、最高のおもちゃ!」

 そういう一面は、絶対ありますよね。しろクリが大いに売れていることから、PDAでもっともっと遊びたい、という人は結構いる、と考えていいような気がします。

「学生時代はバンドをやっていて、今でも音楽は好きです。でも、PDAは仕事の道具と割り切っています。音楽アプリなど、遊びのツールは入れていないですね。」

 架空の回答ですが、案外、こういう感じの意見も、よく耳にするように思います。PDAの中でも、特にパームを使っている人には、「割り切り」「適材適所」ということを意識している方が多いように思います。(私も、この意見に近いかな。)

「PDAのAV機能は便利ですね。よく使います。あ、私は音楽関係の仕事をしているんです。」

 PDAのAV機能がプロのニーズに答えられるほど成熟したら、素敵だなあと思います。……が、現状では、そこまでは難しそう。未来の夢ですね。

 ……等々といった、架空の答えを思い浮かべたりしているのですが、実際はどうなんでしょうね。

Reported by 白石


2001年5月11日(金)[11:30 追加]

■ソニーは、しろクリ日本語版(PEG-N700C)のMP3対応を「鋭意調査中」

 Clie Users Club「しろクリ【PEG-N700C】専用会議室」への書き込み([1892] 「PEG-N700CのMP3対応についてSONYから返事来ました。」)。

 ソニースタイル カスタマーセンターに、しろクリ(日本語版)のMP3対応について問い合わせたところ、

 日本語版も、「MP3に対応してまいります」「鋭意調査中でございます」との回答を得たそうです。

[追記 23:30]

 その後Clie Users Club本編に、上記回答の全文とSPAさんのコメントが掲載されましたね。

2001.5.11(金)「日本のしろクリ【PEG-N700C】もMP3対応に!? 」

Reported by 白石

■「酷い音楽などありはしない、あるのは酷い演奏だけだ」

 これは、ドイツの音楽学者 G. v. ダーデルセンという人の、あるスピーチのタイトルです。

[あらすじ]
 生意気だった学生時代、私は、無料の券を入手してロシアのヴァイオリニストの演奏会を聴きに行きました。プログラムは、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。「今更、なんでこんな通俗的な曲を弾くんだろう!」
 しかし、彼は、あの甘ったるい旋律を、折り目正しく整理して、端正に歌いました。いつもなら速弾きの練習曲よろしく16分音符の無味乾燥な羅列に終始する終楽章が、ソロと管弦楽の活き活きしたやりとりで、「即興演奏のような」緊張感を生み出しました。私は、不遜な考えを大いに反省しました。そして、帰宅して思いました。
 −−酷い音楽などありはしない、あるのは酷い演奏だけだ−−
 (Georg von Dadelsen, "Es gibt keine schlechte Musik, es gibt nur schlechte Interpreten", in: M. Bente (hrsg.), Music, Edition, Interpretation: Gedenkschrift Guenter Henle, Muenchen, 1980, S.125f..)

 知的と思われているもの(音楽でいえば、バッハやシェーンベルク)に熱狂しがちなインテリ学生の、ありがちな懺悔話ではあります。

 ちなみに、ダーデルセンは、まさにそのバッハの研究者として、その筋ではものすごく著名な人です。そのお堅いイメージの先生がいきなりチャイコフスキーを熱く語る、というギャップを、本人が意図的にねらっているような気がします。

 でも、真理を突いているのではないでしょうか。

 例えば、私が聴いた中では、数年前の京都でのギドン・クレーメル(現代音楽の挑発的な解釈で有名)のチャイコフスキー、知性と遊び心がひとつになった、最高のパフォーマンスでした。

 CHEEBOWさんの「機能は昨日の夢ではなく,明日のためにあるのだ」(CHEEBOWのPalmよもやま話)が話題になっています。

機能に無駄なものはない。無駄だと思えるのは,それを有意義に活用できないからだ。

 (前振りが長くなりましたが……、)CHEEBOWさんのクリエイティブな姿勢と、それを言葉で表現するレトリックの才能に、思わず、標記の論文を思い出してしまった次第。

 CHEEBOWさんのしなやかな発想で、パームは、これから、まだまだ、新しいメロディ(使い方)を奏でてくれるかもしれませんね。

Reported by 白石


2001年5月9日(水)

■ちょっとだけ宣伝を

 Muchy's Palmware Reviewに、Crs-JukeBoxのレビューが詳細な解説とともに掲載されています。(Young Palm&Wineで知りました。)クリエでオーディオ機能を使っているユーザーは、必見の記事ですね。

 こうやって、新作ソフトの良いところを上手に紹介してくださる人がいることは、作者さんの負担を良い形で軽減し、利用する側にも安心感を与えるとても大切な仕事だと思います。

 ただし、音楽系ソフトの場合には、Muchy's Palmware Reviewで紹介されていないものの中にも、有用なソフト、楽しい作品、将来性を感じさせるプログラムが、たくさんあります。宣伝になって恐縮ですが、当サイトのPalmwareコーナーを、まだ見たことのない方は、一度ご覧ください。

 当サイトのPalmwareコーナーは、「格付けなし」「解説分は短く・不親切」「直接のダウンロードはできない」等々、いかにも素人的・B級的な作りです。
 予備知識のない初心者の方には、ちょっと使いづらい情報かもしれませんが、ある程度パームとパーム用ソフトのことに慣れた人が、視野を広げようと思った時には、それなりに役に立つページではないかと思います。
 もしかすると、Muchy's Palmware Reviewの格付けを信頼するあまり、「Muchy's Palmware Review未収録ソフト=粗悪ソフト」と判断しておられる方がいるかもしれませんが、少なくとも私(白石)は、(特に詳細レビューを掲載している作品に関して)胸を張って音楽ファンの皆さんにお薦めできると思っています。

 なお、当サイトの運営・デザイン等の改善のためのアイデアをお持ちの方、実際に、お手伝いしてくださる方がおられたら、気軽に声をかけて下さい。(あまり使いやすくないのは自覚していますが、日々の作業で、結構、手一杯なので……。)

Reported by 白石


2001年5月8日(火)

■ VisorでMIDI演奏できますか?

 「音-Palm!」掲示板に問い合わせがあったことですが、Visor各種を MIDI演奏に使うことはできません。Visorをシリアル・クレードルでMIDI機器につないでも、残念ながら動きません。

 この件、少し前に手元で確認できていたのですが、ウェブ上に書いてはいませんでした。

 遅ればせながら、先ほど、「Palmware」コーナーのMIDI(Software)のページに、パーム各機種がMIDI演奏に使えるかどうか、動作確認の一覧表を書き加えました。興味のある方はご覧下さい。

 また、お気づきの点・追加情報など、ご一報いただけると嬉しいです。

Reported by 白石


2001年5月7日(月)

ひとまず、ここ数日のニュースへのリンクをまとめました。

■ 128MBの白いメモリースティック

 4月末に発売された128MBの白い(OpenMG対応)メモリースティックですが、Clie User Club!の掲示板では、発売直後から、いくつか不審な動作をするとの報告が上がっていたと記憶しています。一難去ってまた一難。早く原因、対策がわかるといいですね。

 [追記 5/8]
 iPAL LONG COLUMN 016 白メモステ128MBとの戦い! 〜青ざめた白メモステ〜の最新版(Ver.1.5(2001.5.7))には、暫定的な不具合回避策が報告されています。(ず〜っと画面をスクロールして、一番最後の段落。)

PEG-N700Cの「AudioPlayer」を
「チェックイン/アウトモード」にしてから
クレードルに載せる

というやり方だそうです。詳しくは、iPAL-NEXTをご覧下さい。

Reported by 白石


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