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太正浪漫堂 拾(SSだろうか?)

太正浪漫堂 拾 筆:ひでじい氏
そして夢は続く 筆:ひでじい氏
お気遣いありがとうございました。 筆:武臨氏
│└「武臨さん。本当にツーリングは 筆:ひでじい氏
夢は終わらない 筆:Ai氏
│└「さあ、ここからが勝負なんですよ。」 筆:ひでじい氏
終わらぬ夢に、サルー!(←馬鹿) 筆:シスル氏
│└「しかし…。」 筆:ひでじい氏
おいおい、魔物の正体はどうなっとんねん!(笑) 筆:無法地帯氏
│└「無法地帯さん、ちょっと…。」 筆:ひでじい氏
この夢がずっとずっと、続いて欲しい。 筆:花丸氏
│└「いや、花丸君。全ての始まりだよ。」 筆:ひでじい氏
そしてあの時代から、二度年号が変わり・・・ 筆:夢織時代
│└「しかし閣下。あの頃と比べると随分多くの仲間が…。」 筆:ひでじい氏
さよならするのは辛いけど。 筆:魔女吉氏
写真の夢は永久に・・・ 筆:藤枝すずかけ氏
│└「さあ。現像するのが大変だよ。」 筆:ひでじい氏
はじまりの終わり。 筆:桜嵐氏
│└「どうした?まだ苦しいのか?」 筆:ひでじい氏
感謝感激♪ 筆:クリアル氏
そして浪漫は語られる 筆:智士氏
│└そして…。 筆:ひでじい氏
終わっちゃうんですか。 筆:イカルス星人氏
│└「ああ、宴も終わってしまったなあ。英爺。」 筆:ひでじい氏
(現在許可待機中) 筆:猫侍氏
20年後 筆:軍需相シュペーア氏
「知ってしまったのですね…」 筆:真神樹氏
 └「さてと…。」 筆:ひでじい氏

ひでじい氏
ひでじいです。仕事の都合で遅くなってすみません。


さて、賑やかに宴の催されているここ太正浪漫堂ですが、時間はやはり過ぎ去ってしまうものなのです。楽しい夜は更け、花組との夢のような出会いの刻も過ぎ去ろうとしています。太正浪漫堂の宴にも終わりが来る…。



「喜びよ、神々の美しい火花よ、楽園の乙女よ。我らは酔いしれてその神殿に入りぬ。」(シラー)




「楽しい宴も必ず終わりが来るのですね。閣下。」(夢織)
「卿の言うとおりだな。万物には必ず始まりと終わりがある。」(ミュラー)
「いいえ、みなさん!これが全ての始まりなのよ。」(みお)
「次回、サクラ大戦 太正浪漫堂 拾 「宴のあと」太正櫻に浪漫の嵐!」(晃子)

「みなさん、用意は全て整いました。」(鈴掛)




 デザートにオレンジのシャーベットをつくり終えた浪漫堂総料理長が二階堂、智士、花丸を伴ってあいさつに来ると座は拍手に包まれた。

「見事だな、二階堂。驚いたよ。お前にこんな特技があったとはなあ。」紀州人が感嘆の声を上げた。
「本当ですね。カンナさんと櫻嵐さんだけでなく、僕たちも食べ尽くしましたよ。」MOSは満足げに最後の一品を食べると二階堂に惜しみない賛辞を送る。

「いえ、これは浪漫堂総料理長をはじめ、シェフのみなさんと、智士さん、花丸のおかげです。」二階堂は謙遜して言った。
「今回は二階堂にやられたな。」花丸は嘆息して言った。
「おかげでくたくただ。」
「しかし、二階堂さんは本当によく動きましたね。私も目が回りそうでしたよ。フフフ。」智士は率直に感想を話した。

「いやあ、さすが世界各地を回ってるだけあって、二階堂君の腕は大した物だ。」総料理長はこう持ち上げておいて二階堂の耳元でささやいた。
「二階堂君、あのオイスターソースと豆板醤、置いておいてくれないか。少し研究したいんだ。」
「さすがは総料理長、研究意欲満々ですね。分かりました。置いておきますよ。」二階堂もニヤリとして答えた。

 続いてBATが着替えて出てくると、こちらにも惜しみない拍手が送られた。

「BAT君、御苦労様。イテテ…。」英爺が立ち上がって声を掛けるが少し傷口が開いたらしい。
「英爺さん。無理しなくていいですよ。」あわててBATが英爺を座らせる。
「はい、BATちゃん。シャーベットよ。総料理長お得意の。」エズミがシャーベットを手渡す。
「しかしよく働いたなあ。次から次に配るし…。」イカルスも目を丸くしている。
「一度、ウエイトレスをやってみたかったんですよ。…ああ、すごくおいしいですよね。これ。」BATはにこにこしながら渡されたシャーベットを食べた。

「しかし、それにしても櫻嵐はんはようやったわ!!引き分けに持ち込んだわ。」無法地帯は櫻嵐を見た。
「も、もう食えない…。」腹いっぱいの櫻嵐をポンと叩いてカンナが言った。
「大したモンだ。すごいよ。アタイと張り合ったのはあんたが初めてだ。またいっしょにメシを食おう。」
「え、ええ。」櫻嵐はレニの用意した消化促進剤を飲みながら引きつった笑顔で答えていた。
「大ニュースだよ!!これは!!」魔女吉が目を輝かせながら櫻嵐のそばに寄ってきた。
「これ、番組になるかも知れないなあ…。」
「すぐに番組の話になる…。」猫侍は魔女吉に料理をつき合わされて腹いっぱいの状態である。
「まあ、ともあれ殊勲賞ですね。ミーも感心しました。」シスルはまだアルコールのせいかハイな状態になっていた。
「シスルさん…。」Aiの目に光るものがあった。

「カンナさんに張り合える人がいたなんてちょっと意外デース!!」織姫もびっくりしている。
「信じられないな…。」クリアルも目を丸くしている。
「まあ、無事に済んでホンマによかったわあ。」紅蘭も一安心という表情で話した。
「じゃあ、紅蘭さん。例のモノは合成してまた後ほど帝劇へ…。」ビッテンがこっそり耳打ちをする。
「ビッテンはん、頼みますわあ。フフフ…。」科学者は何を考えているか分からないものである。

 古風で荘重な彫刻の施された浪漫堂の時計が11時30分を告げる鐘を鳴らした。その鐘の音の意味を理解した夢織の表情は少し悲しげに曇った。とうとうこの時間がやってきたのだ。

 米田はアイリスの眠そうな表情を見て取ると微笑してミュラーの方に向き直った。

「俺だけならいつまでもこうしていてえところだがそろそろ…。」
「そうですね。名残惜しいときに切り上げるのが最上の宴。お開きとしますか。」ミュラーはこう応じると賑やかな宴席に向かって稟とした声音を放った。

「諸君!名残は尽きないが宴はここまでだ!!花組のみなさんがお帰りになる。我々にお付き合いいただいたみなさんに拍手をもって感謝の意を示そうではないか!!」

 ミュラーの拍手に一人、二人と拍手が重なっていく。そして万雷の拍手の中で米田が、ついでかえでが立ち上がり一座に深々と礼をする。最後には大神と加山、そして花組が集まり、一列に並んで礼をする。

「なんてきれいなんだ。まるで…。」英爺が呟いた。
「まるで何なんです?」エズミが尋ねた。
「いや、まるでカーテンコールのようだ。みんな普段着なのに輝いている。」
「英爺さん。確信したのですね。彼女らと大神中尉が…。」気がつくといつの間にか真神が側に立っていた。
「お前もなのか。英爺。」イカルスが憮然とした表情で英爺を見る。
「ああ。きっとミュラーさんと夢織さんも分かっている。帝都の市民を護るため、生死の境で彼女らは命を懸けている。彼女らは帝國華撃團だ。」英爺の瞳が潤んでいた。

「新しい闘いの序章か…。」ルドルフはメモを閉じて目を瞑った。
「吉と出るか、凶と出るか…。」黒火会が星空を見上げる。
「大丈夫ですよ。あの大神さんが帰ってきたんですから。」聖は微笑して二人に言った。

「みなさん。本日はありがとうございました。」拍手を割るように米田が話した。
「おかげで花組や私ども職員も楽しい一時を過ごすことができました。なんて堅苦しい挨拶は抜きにして…どうだいみんな。表で記念写真の用意をかえで君がしてくれたんだ。一つ写りに行かねえか?」

 一瞬の沈黙の後、どっと歓声が上がる。

「大神中尉の横でぜひ!!」とみおが言えば、
「加山さん、いっしょにお願いします!」と晃子も負けてはいない。



 瀟洒な太正浪漫堂の前で一般客の驚きの声の中、米田とかえで、ミュラー、夢織、シュペーア、かとおおお、真神、南國、フロアマスター、総料理長と順に座っていく。大神、加山、花組、そして一座の者はその後で雛壇に次々に登る。さくらの周りにファンが寄ってくるのをミュラーと夢織は制止し、大神といっしょに並んでもらうよう計らった。深々と頭を下げるさくらの表情を忘れることができないとは、ミュラーと夢織が後日談として語っているところである。

「おーい!!待ってくれ!!」駆け寄ってきたのは武臨である。
「例のツーリングは延期だ。私もいっしょに頼む!!」
「遅いよ!!武臨さん。早く早く!!」南國が呼びかける。
「このつけは高いぞ。」かとおおおがニヤリと笑う。
「そうだな。武臨。卿も分かっているはずだ。」真面目なシュペーアまでが冷やかしに入る。
「分かった。どうせ週末の花見代を奮発しろ、くらいだろ。」雛壇に上がった武臨が苦笑する。
「あと、ランチを2食分くらいかしら。」智士がかき回す。

 正面でマグネシウムをふんだんに燃やしてカメラのシャッターを切ろうとしているのは鈴掛である。

「かえでさんに頼まれちゃあ、映像技師のこの俺も黙ってはいられない。極上の記念写真の大サービスだ!さあ、行くぞ。3,2,1…」

「シュボッ!!!!」ひときわ明るくなった浪漫堂本館の玄関前。鈴掛が取ったのは10枚。それらの乾板
の中から鈴掛は厳選した一枚を写真パネルに大きく引き延ばして浪漫堂本館に飾られることとなった。この写真は戦時中奇跡的に疎開で持ち出され、戦火を免れた。セピア色になってしまったその写真は、老舗となった太正浪漫堂旧館ロビーに今も飾られている。葡萄の蔓と葉、そして房の繊細な彫刻で飾られた額縁の中には、太正浪漫を精一杯謳歌しようとする若き男女の姿が残されている。

ひでじい氏
そして夢は続く

「大神さん。本当にいい人たちでしたね。」帝劇への帰途、さくらが大神に話しかける。
「ああ、さくらくん。いい人たちだったね。いろんな人がいて、帝劇の大ファンで…。」
 帰国した疲れも見せず、大神は素晴らしい笑顔でさくらに応えた。

「さくらさん…。あなただけの中尉じゃなくてよ!」すみれが詰め寄るがその瞳は優しい。
「そうだよ。アイリスもずっとまってたんだから。」アイリスも大神に抱きつく。
「お子さまは黙ってらっしゃい!!」
「大人げないぜ、すみれ。」カンナが茶化す。
「そうデース!!中尉サンはみんなの隊長デース!!」織姫も大神の帰国がうれしいのか、むきになる。
「…確かにみんなの隊長だからね。」その横でレニが珍しく笑顔で賛同する。
「大神はんも帰国早々大変やなあ。」紅蘭は呆れ顔である。

「しかし、大神…。あの浪漫堂の人々も事実を知ってしまった以上危ないな。彼らにも重荷を背負わせることになってしまった。」加山は珍しく悲しげな表情で語る。彼らの危険と苦難を考えると大神も暗然たる表情になってしまう。

「大神君。加山君。お願い。浪漫堂の人々を、そして帝都の市民を新しい敵から護ってちょうだい。」今まで米田とともに前を歩いていたかえでが振り返り、大神と加山を真っ直ぐに見つめて言った。

「…分かりました。」
「全力を尽くします。」二人は一呼吸置いて答えた。必ず護るなどとは言わないところが彼らの実直で現実的な思考を物語っていた。

 そのとき、かえでのキネマトロンが着信音を発していた。かえでが開くと清流院が画面に出た。

「日本橋に敵出現!!こちらは第二次戦闘体制に入りました。豪雷号を近くの地下鉄の駅に向かわせています。花組及び月組の出動命令を!!」

「隊長!!」マリアの静かな、しかし周囲を圧する声が周囲に伝わる。


「頼むぞ、大神、加山!!」うって変わった米田司令の声が力強く響く。

「よし!帝國華撃團出動せよ!!」
「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」

 魔を霧散させ、野望を封じる者…。彼らは帝國華撃團。



武臨
お気遣いありがとうございました。

それにしても私、浪漫堂の危機の時には
のんびり外にいたくせに最後の写真にだけは
しっかり写っているとは我ながらちゃっかりしてますね。(^^)

ひとまず宴は終わりました。
そして次は新たなる戦いが始まるのでしょうか。
次の戦いに向け鋭気を養って下さい。

ご苦労さまでした

ひでじい氏
「武臨さん。本当にツーリングは中止だったんですか。」写真を取り終えた後、夢織が微笑する。

「ま、まあね。」武臨は目をあらぬ方向へ向けながら生返事をしたが、次にコホンと咳払いをして、
「何か胸騒ぎがしたんで途中から帰ってきたんだ。しかし、まあ、何事もなくてよかったなあ。」
「英爺さんが少し怪我はしましたが、無事で何よりでした。」鈴掛の手伝いで雛壇を片付けながら夢織は言った。

「しかし…。浪漫堂のみんなはこれからが大変だな。」浪漫堂本館の瀟洒な建物を見つめながら武臨が言った。」
「ええ、新たなる敵を暴き出し、帝劇を盛り立て…。」少し夢織の顔が曇ったが、それをすぐに振り払い明るい表情で言葉を継いだ。

「しかし、今のみんなならきっとやってくれますよ。」
「そうだな。そう信じよう。」武臨は熱い珈琲を夢織から受け取ると一口飲み、いい薫りだと呟いた。浪漫堂の長い一日が今終わる。

こんばんは。武臨さん。まあ珈琲でも一ついかが。
実は本編はこれでかたがついたのですが、後日談を一つ残しており、最終回はそれになります。

しかし、短編のつもりだったこの太正浪漫堂、いっぱいレスがついて連載物が始まったという奇特な始まり方でした。(今も某BBSなどで番外編もありますが)僕のSS以上にみなさんのレスで世界が膨らみ、助けられたこともありました。本当にありがとうございました。

Ai氏
夢は終わらない

宴が終わっても、夢は終わらず。
たとえ醒めても、また夢があり。
永久に続く夢幻(無限)の回廊。
我らはただ歩きつづける。
夢が続くことを想ってか。
夢が終わると信じてか。


こんにちは、ひでじいさん。
う〜ん、楽しかった宴も終わっちゃいましたね。
って、ああ!食事食べれなかった!
珈琲しか飲んでないぞ!

では次回以降もがんばってください。
まだまだ続きますよね。

ではでは。

さりげなく書かれている京極堂ネタがグッド!


ひでじい氏
「さあ、ここからが勝負なんですよ。」記念撮影の終わった二階堂がにっこりと笑った。
「勝負って二階堂さん、何が勝負なんですか。」Aiが訝しげに尋ねた。
「実はとっておきの料理をつくっておいたんです。潮州料理という奴ですよ。広東なんですが日本のものに味付けが似てるんです。」
「ほほう。」少し小腹の減っているAiが関心を示した。
「私や花丸さん、総料理長も晩御飯はゆっくり食べてませんからいっしょに行きませんか。」智士がにこやかに笑って誘う。
「そうですね。いっしょに行きましょうか。」Aiは同道することにした。
「ところで飲み物は…。」
「烏龍、プーアル、マーガレット、ジャスミン、紅茶…。各種用意してありますよ。」花丸がポットを用意しながら答える。
「いいですね。じゃあ行きましょうか。」Aiはすこし御機嫌のようだ。

 そう。夢は続く。太正浪漫堂の本館は閉じられたが、別館にその夢は引き継がれる。


 ひでじいです。そうですね。食べ物当たりませんでしたか。平に御容赦を。
 ええっ?続きですかあ?そうですね…。今は後一話でお開きにしようとしてるんですけど。オープンカフェは何度か開いてもいいと思っています。後、鍋企画をしようと思っているんですが。

シスル氏
終わらぬ夢に、サルー!(←馬鹿)

取り敢えず、乾杯してみたシスルです。やっぱしポルトガル語よりも、独語のプロージェットが良かったかなぁ?

ひでじいさんのSSには存分に楽しませてもらったので、宴が終わるのはちょっと残念。
でも、浪漫堂の面々にまた違った形で出会える日が来ることを、シスルは信じています。

でわ

ひでじい氏
「しかし…。」宴が終わり、手際よく片付けの始まった浪漫堂本館を見ながらシスルは独り言を言った。
「宴会も華やかに始まったが終わる手際のよさもひとしおだ。」

 そう、始めるのは誰もが楽しみだからできて当然なのだ。終わったあとの手際のよさ。これは日頃から仲間を信頼している故の無言のコンビネーションから来るものかも知れない。

「シスルさん!テーブルクロス片付けるの手伝ってくださいよお!!」
MOSの掛けた声で我に返ったシスルはあわてて声の主に近づいていった。
「今すぐ行く。」

 太正浪漫堂本館。今日起きた事件を誰もが決して忘れることはないだろう。そのテラスで櫻の花びらが見事に舞うのを月光は見逃さなかった。

ひでじいです。まあ、実質的にはこれで終わりですか。あと一話残っていますが、それは後日談ということですので。
そうですね。時々はオープンカフェを開くようにします。それから年末かその前くらいに鍋をしようと思っているのですが。もしよかったらSSに参加してください。

無法地帯氏
おいおい、魔物の正体はどうなっとんねん!(笑)

「ほんま、えぇ思い出ができたわ。」
 浪漫堂を振り返りつつ、ほんの数時間の出来事を反芻していた。
「今度帝都に来られるのは、いつかいな?近いうちにまた来たいもんや…」

***********************************

ひでじいさん、お疲れさまでした。
でも、またつづきも書いてくださいね。
そして、新たなるサクラの世界が紡ぎ出される…
期待してますよ。

ひでじい氏
「無法地帯さん、ちょっと…。」後ろから声がする。無法地帯が振り返るとそこには真神と夢織がいた。
「例の魔物の件でお教えいただきたい文献があるのです。」真神はノートを取りだし開いた。それを見つめた無法地帯の表情に一瞬の驚きが浮かび、額にはうっすらと汗が浮かんだ。
「真神さん、あんたいったい…。」
「いえ、ただの戦史研究所の研究員ですよ。」真神はうっすらと笑った。無法地帯と真神の苦闘が今始まろうとしていた。


 すみません。謎解きの下駄を真神さんに預けてあるんです。解決するのは最終回か、それともオープンカフェか…。


花丸氏
この夢がずっとずっと、続いて欲しい。

お久しぶりでございます、花丸です。
どれほど素晴らしい劇も、エンディングが、フィナーレが有るからこそ。相も変らぬ筆の冴え、見事な幕引きでした。
今までの、夢のような時間を有難う御座います。この場に居合わせ、かつ仲間にまで入れて頂けた自分は実に幸運でした。

この太正浪漫堂は、自分がこのBBSに書き込みをしようと思ったきっかけでも有り、感慨もひとしおです。
ひでじいさんお疲れ様でした、そして有難うございました。ゆっくりと鋭気を養って下さいませ。

明かり少なく、がらんとした店内。入り口の扉に掛けられた、『閉店』の札を確かめると熾きになっていた暖炉に数本薪を放り込み、カウンターへと戻る。
店内に残るのは、英爺と花丸、二人のみ。再び勢いを取り戻す炎にその影が揺れる。

「花丸君、折り入って話というのはなんだい?相変わらずの深刻な顔だったが」
「あれ?そんなに深刻な顔してましたか?この癖は早く直さないといけませんね。いえ、一度英爺さんと飲み明かしてみたかった、ただそれだけなんです。それで店主に無理を言って残らせて貰ったんですが・・・いけませんでしたか?」
その言葉に、呆れた表情を見せる英爺。だがそれも束の間、破顔一笑するとグラスを二つ引き寄せる。
「もう帰る足が無いのだから、蒸気電車の始発まで付き合ってもらうよ?それが責任というものだ」
「・・・ええ、もちろんです!」

そんな言葉が花丸の胸を熱くする。本当にここに来て良かった、と。
この日、この時の為に用意した酒を取り出す。

「?珍しい酒だね、それは?」
「英爺さんにぴったりだと思って用意したんです。『オールドグランドダッド』って言うんですよ」
「おいおい、それは私が年寄だって言ってるのかい?」

一頻りの笑い声。やがて二人の前に艶の有る琥珀色で満たされたグラスが並ぶ。
キィーン。
万感の想いを込め、グラスがなる。そして想いは同じ。

太正浪漫よ、永遠なれ。





ここまで書いちゃったけど、実はひでじいさんまだ終わらせるつもりじゃあ無かったらどうしよう・・・(^^;)

ひでじい氏
「いや、花丸君。全ての始まりだよ。」英爺はオールドグランドダッドを傾けながら言った。

「全ての始まり…ですか。」英爺さん、うまいことを言う。花丸はそう思いながらグラスの中の魔法の薬を飲み干した。
 時々木々が爆ぜる音がする。暖炉の周囲が徐々に暖かくなる。

「とてもミュラーさんや夢織さん、真神さんの心境に達することはできないが…。いやイカルスの心を察することすらできないが。」英爺がぽつりぽつりと話す。いつもの陽気な英爺には似合わぬ話し方だ。
「今になって僕も真実をつかんだ気がするよ。」

 花丸は悟った。これは帝國華撃團のことなのだ。英爺は心に決めたのだ。帝撃の秘密を胸にしまい、自分の知識を傾けて彼らを支援することを。花丸の胸は熱くなった。浪漫堂と自分が一つになったような気がした。

「さあ、英爺さん、もう一杯。」
「実はあまり無理をするなとは言われているのだが。」
「どなたにです?」
「それは宇宙の謎と言うことにしておこう。」
「フフフ。分かりました。」

 暗い照明と真っ赤な暖炉のもと、英爺と花丸は様々なことについて心ゆくまで深く語り合ったと言う。


実はもう一話残っていたりして…。まあ、本編はもう終わりなんですがね。花丸さん。ここまで書いてくれて嬉しいです。どうもありがとうございました。



夢織時代
そしてあの時代から、二度年号が変わり・・・

その後の時代の混乱の中で、公式な記録に残されていない帝国華撃団の存在は、
いつしか伝説となっていった。

しかし、
その時代に生きていた証を、せめて紡ごうとした人がいた。
思い出を写した写真を、未来に残そうとした人がいた。
時代の記録を、小説として残した人がいた。
そこにいた人々を、絵姿にして残そうとした人がいた。

自分の子供に、その子供に、あの時代を伝えた人々がいた。
その思い出を、託した人々がいた。

そして託された物を手に、限りない憧憬を抱いた人々がいた。
託された人々は、それを蘇らせようとした。
そこに生きた人々が、限りなく愛したその時代を。

散らばっていた記録を集め、出来うる限り、その時代を感じることが出来るように。
その記録を残した人々の、子供が、孫が、その時代に息づくことが出来るように。
彼らは、土星の名を冠した装置に、その時代の再生を託した。



あの時代から、二度年号が変わり

平成八年九月二十七日

サクラ大戦




太正十二年、煙景の帝都に、闇と戦う少女達がいた・・・・







*****************************************
夢は終わらない。

見送りながら、夢織は思っていた。
今日の宴はこれで終わる。
だが、あの瞬間は幻ではない。
私たちは、間違いないく、今この時代、この場所で、
帝国華撃団の皆と、ともに時を過ごしたのだ。
そして、これから確かに、同じ時代を歩んでいけるのだ。
それが戦いの日々であっても、その事実だけは変わらない。

私は、今日という日を忘れはしまい。
私が教える、学生、生徒達に伝えよう。
いつしか私が結婚して子供が出来たなら、その子にも伝えよう。
そしてその子に子供が出来たら、その子にも伝えよう。
私は、今日という日を忘れはしまい。
かけがえのない、この時代、この日のことを。




************************************
こんばんはっ!感動全開の夢織時代ですっっっっ!
これが、サクラ大戦!
これが太正時代だ!

というわけで、調子に乗って、前半部な文章を書いてしまいました。
ネタばらしをしますと、この文は、私がHPで連載(凍結)している「勝手に太正浪漫街道」の最終回の文面をベースにしています。
鈴野十浪先生が、「さくら」を書くシーンで使うつもりの分なのですが、
あまりの感動に、ついつい先行公開してしまいました。
どうせ、あれは「もう一つの第十話」が終わらないと、最終回を書けないし・・・・。

なんか、イメージが違っていましたらごめんなさい。

宴は終わる。
でも、それはまた一つの始まり。
「夢のつづき」を、全てで物語る太正浪漫堂。
また、会えますよね。みんな。みんな・・・・!

でも、ひとまず言わせていただきます。
英爺さん、
こんなにすばらしい世界を、
こんなにすばらしい舞台を、
本当に、ありがとうございましたあぁっっっっっっっっ!!!!!


宴の終わった浪漫堂で、対降魔部隊の物語を書いているだろう夢織でした。
60キロで終わらなかったらどうしよう・・・・。

ひでじい氏
「しかし閣下。あの頃と比べると随分多くの仲間が…。」夢織は優しい笑みを浮かべるとミュラーの方へ視線を向けた。
「そうだな。随分にぎやかになったものだ。」ミュラーも感慨深げに記念撮影の場を見渡しながら言う。そう、実に多彩な人物がこの浪漫堂に集まった。

「確かに浪漫堂の初期の頃は我々だけでしたからね。」シュペーアが賛同する。そう、最初は浪漫堂の一角で帝劇の公演を熱く語るグループに過ぎなかったのだ。

「それから南國を得て、紀州人とMOSを得て…。エズミさん、イカルス、英爺、智士さんと個性的な人間も入ってきたからな。」

 かとおおおの言うとおりだった。批評だけではなく、創造のできる小説家や脚本家が入ったことで浪漫堂に重みが増した。長編から寸劇、喜劇に至るまでオールマイティと言われる南國を筆頭に、シリアスな脚本においては右に出るものがいないと言われる真神、白熱した緊張感を描き出す智士、人間の内面を深く追求するエズミ、重厚から軽快までを見事に使い分ける紀州人、そして若き感性を繊細な筆致で描き出す花丸やAi…。中にはBATのように小劇場で役者個人の表現力を十分に生かした演劇を行わせる寸劇にまで発展した脚本もある。古き小説や脚本のイメージを打破する新しい文化の息吹が大帝國劇場から放たれたのである。
 それだけでなく、英爺や二階堂、ビッテンらの参加は従来浪漫堂に欠けていた化学・生物学・地質学・工学などの知識を広く行き渡らせた。イカルスの考古学と夢織の歴史学をつなぐ橋渡しの役割を果たした漢学者・無法地帯の存在も大きかった。彼らの知識はミュラーや夢織らのそれとともに、開明的な大神や加山の考え方に大きな影響を与えたとも言われる。
 一方、シュペーアの情報で国内の産業や民生のあらゆる動きが、またかとおおおによって海外の動きが率直に、また時には婉曲に伝えられ、浪漫堂の考えを風評にとらわれない骨太な思考に導いた。これにはルドルフや黒火会の情報判断力が寄与していたことは言うまでもない。
 さらには放送作家として後に名を轟かせることになる魔女吉、帝都交響楽団の広報担当で後に帝劇によるオペラへの道を開かせることになる菫月、商社に勤め、内外の文物を持ち帰り、南國らの脚本に壮大なイメージを与えることになったシスル、家が古物商であり、後に夢織とイカルスの門を叩き、初の女性民俗学者となる猫侍…。かれらは太正時代を後に大きく塗り替える立役者となったのだ。

 太正浪漫堂は帝劇、そしておそらくは「帝撃」の名のもとに、学術・文化・芸術の集合する一大サロンとなっていったのだ。帝劇と浪漫堂は車の両輪のようにお互いを引き上げていった。マリアやすみれ、さくらが舞台に映えたのは、個人の演技力の他に、脚本や演出、時代考証などの力が卓越していたことも大きく反映されていた。

「振り返るとあっという間だったな。楽しい夢を見させてもらった。」ミュラーは己自身の過去と今を照らし合わせ、うれしさと若干の寂しさを交えながら夢織に言う。
「いえ、閣下。歴史の幕は今開いたばかりです。吉と出るか、凶とでるか私には分かりません。ただ、私たちには太正浪漫に彩りを添え、帝都の市民を護ることに協力する義務があります。」夢織は爽やかな表情の中に決然とした意志を示して言った。
「夢織、お前も今夜成長した者の一人だな。」シュペーアの視線はイカルスと英爺、エズミらに注がれていた。
「そうかも知れませんね。」
「全く大した男だ。君は。」かとおおおは夢織の芯の強さを認めて嘆息した。「ミュラー卿と君が今日の浪漫堂をつくったのかもしれないな。」
「いえ、この浪漫堂が私を育ててくれたのです。」夢織の目は大神とさくらを捉え、ついで花組の面々へ、ミュラーらへ、イカルスと英爺へ、そして浪漫堂の建物へと注がれていった。そう、これから始まるのだ。新しいサクラ大戦が…。




いかがでしょうか。夢織さん。夢織さんになりきって書いてしまいました。太正浪漫堂もあと一つを残すのみ。よろしくお願いします。


魔女吉氏
さよならするのは辛いけど。
時間だよ♪仕方が無い♪次の回までゴキゲンヨウ♪
ばばんばばんばんばん♪

うーん、後半何とか潜り込んで、
花組の隊員・・・おっと、歌劇団のスター達とも殆ど会わずに
(さくらさんと織姫さんは会えたか。)
とうとう太正浪漫が華とじてしまいましたか。
いやいや、それでも良い想い出です。

またいつの日か、銀座浪漫堂で。

名槍沢魔女吉_拝

藤枝すずかけ氏
写真の夢は永久に・・・
お疲れさまでした。無理矢理、ごり押しで参入、ご迷惑をおかけしましたが、より楽しく読ませていただきました。

浪漫堂は永遠なり!!

ひでじい氏
「さあ。現像するのが大変だよ。」大勢の記念写真を貴重な乾板を10枚も使って取り終えた鈴掛が呟いた。
「いくらかえでさんの頼みでもこれを大写真にするとなると正直言ってきついなあ…。」

「そう言わずに、頼んだわよ。あなたの力じゃできないことでもないわね。」いつの間にか、かえでが鈴掛の横に来ていた。こういう時の表情は実にあやめによく似ている。

「はい。努力します。」写真屋として帝劇資料室と浪漫堂の仕事を同時にあこがれのかえでからもらったのだ。若き写真家の腕が鳴る。浪漫堂の空を鈴掛の心が飛翔した。

「この写真をとびきりの額縁に入れて正面ロビーに飾ってもらうんだ。」写真道具を片付けた鈴掛は意気揚々と浪漫堂に乗り込み、珈琲をもらった。

ひでじいです。どうもありがとうございます。こんな鈴掛さんを描いてみましたがいかがでしょうか。

桜嵐氏
はじまりの終わり。

こんにちは、ひでじいさん。
こんな素晴らしいフィナーレ(なのかな?)の中、私などのために
これほどの文面を割いていただき、感謝感激雨霰状態です!(ほんと)
特に、前回はこちらの勝手な都合でレスを付けずじまい・・・ネタ振り
だけやっておきながら、大変なご無礼をいたしました!
だけど、それにもかかわらずの、このご厚意・・・桜、もとい櫻嵐、
このことはずっと忘れません。(大げさかな?)

浪漫堂の宴も一区切りつき、はたして今後ひでじいさんがどの様な予定
を立てられてるのか分かりませんが、番外編でも浪漫堂は継続して
ほしいです。だけど、返事を常に付けられるとは限らない私のわがまま
ですから、これは聞き流していただいても結構です。

最後に、ひとこと櫻嵐として・・・。


(カンナさん、ありがとう。)
 櫻嵐は、言葉で伝えた感謝の言葉とは別に、心の中でそう呟いた。
 あの大食い対決も、畑から見ればいい勝負だったのだろうが、手を抜いてもらっていたのだ。
(カンナさんは・・・本当に優しい人なんだなぁ。)
 自分と同い年なのに、やけに大きく見える。
 それは体格のことだけを言っているのではない。
 心の余裕・・・他人に分け与えることのできる”ゆとり”の大きさが、
自分と彼女では天と地ほども違うのだ。
(いつか自分も、あんな風な人間になりたい・・・。)
 憧れと、軽い悔しさを覚えながら、櫻嵐は思った。
 同じだけの時を生き、その中で得たもの・・・与えたものの差が
大きすぎる。あとどれくらい成長すれば自分も・・・。
「おーい。何やってんだよー! 記念写真、入らねぇのか〜!?」
「い、今・・・行きます!」
 カンナさんだけではない・・・あそこには、尊敬すべき人物が五万といる。
 浪漫堂に集う圧倒的なまでの正義・・・その一員として、姿形を残す
ことができるのは、写真嫌いの櫻嵐にとってさえ、最高の勲章であった。

ひでじい氏
「どうした?まだ苦しいのか?」
 写真を取り終えた後、ミュラーが心配げな表情で近づいてくる。余程堪えているのが分かるらしい。

「いや、先程ほどではなんですが。」櫻嵐は短く答えた。
「苦しいんでしょう?」夢織は笑いながら日本茶を出した。
「頂きます。」櫻嵐は夢織から出された茶をゆっくり飲みながら思わず呟いた。
「やはり太正浪漫堂はいい…。」

「とか言いながら明日は原稿の締切だったりして。」エスプレッソを飲んでいた南國がさりげなく櫻嵐の心を刺す。
「し、しまったあああ!!」
「明日の午後は浪漫堂のテラスが賑やかになるな。」シュペーアも笑う。

太正浪漫堂、確かに文化と芸術の薫り高き店。


ひでじいです。いよいよ後日談だけになりましたね。
そうですね。オープンカフェはやってもいいですね。後、鍋をしようと考えているんですが。よかったら参加してください。
どうもありがとうございました。

クリアル氏
感謝感激♪

ひでじいさんこんばんは、馬研究家のクリアルです(^^)
思えばひでじいさんの一言の
「クリアルさんは織姫にくっついて・・・」
があったからこそ姫さまとも話ができたし、浪漫堂にも入ることができたんですよね。いや〜あれは嬉しかったです(^^)
物語は一応の終結を見てますが、番外編等まだまだいけそうですね。本当にお疲れさまでした。

そういえば僕とビッテンさんはいったいなにを企んでいたんだろう?とってもよからぬ事だったような気がする・・・
では♪

智士氏
そして浪漫は語られる

あの喧騒が嘘の様に、浪漫堂は静寂に包まれていた。

楽しかった思い出を胸にしまい、そして決して口にしては
ならない秘め事を心の奥にしまい込んで、一人、また一人と
浪漫堂を出て、休息の為にねぐらへと戻って行く。

うっすらと東の空が白み始めた黎明の時、泡沫の宴が終わった
浪漫堂はようやく今日の眠りにつく。

また日が高くなれば元の穏やかな日々が戻るのだろうが、
今は一時の休息時間。

異国情緒漂い、美味しい珈琲と紅茶のおもてなし。
そして帝國歌劇団を愛するもの達が集い、浪漫を語り合う場所。
それが太正浪漫堂。

ひでじいさん、ご苦労様でした。
とりあえず一区切りついたと言った感じですね。
でも、まだまだ魔物の謎が解き明かされてませんよね?
って事でまだ続く!(おいおい)

それでは、みなさまごきげんよう〜。
鈍ガメさんの気分の智士でした。

ひでじい氏
そして…。

 茜色から黄金へと刻一刻色合いを変えて太陽が昇る。穏やかな春の空気を携えて。

 若いウエイターが彫刻の施された扉と窓をきびきびと拭く。ウエイトレスは花に水をやり、閉店の札を開店にひっくり返す。

 忙しく動き出す帝都の朝。通勤に通学に歩み出す人々。その中でただ一軒、悠久の時の流れを紡ぐ太正浪漫堂。まるで昨日の出来事が嘘のように。

 学生たちの賑やかな昼食。遅れて会社員、さらに遅れて店員たちと昼食を終えて浪漫堂は一時の静けさを得る。

 その静かな浪漫堂本館の扉を開け、明るい日差しの射すテラスに向かう者がいた。片手にはノートとペン。

「さすがに今日は一番乗りのようね。陛下もまだみたい。」

 誰あろう、その人は智士である。智士は静かに椅子に座るとウエイターに珈琲を注文し、原稿をさらさらと書き始めた。穏やかでやさしい風。太正浪漫堂のいつもの光景、しかし少し違う光景である。


ひでじいです。どうもお越しいただきありがとうございます。
謎解きは真神さんに押しつけてきました。申し訳ないとは思っているのですが…。

まあ、後日談でまだ一つ残しているので、それが終われば終わったと思えるのでしょうね。そう、オープンカフェは時々やってもいいかなって思っています。どうもありがとうございました。


イカルス星人氏
終わっちゃうんですか。
何だかこのBBSの灯火が一つ消えたような気分。
でも、ひでじいさんもご自分のオリジナルを書きたいでしょうし。
いつまでも舵取りばかりさせるのも酷かもしれませんね。
楽しい夢を、今までありがとうございました。
あ、そう言えば以前、ここで鍋を囲むとか言われてましたよね。
ということは、まだ続くと期待していいのかしら。

=============================
イカルスは今晩の出来事を思い出していた。
仲間との語らい、正体不明の敵の襲来、花組の来訪、華やかな宴。
思えば全てが夢のようなできごとだった。
人の世もまた夢の如し、そんな言葉が胸をよぎった。
自分はこの先どれだけ生きられるかわからない。
だが、ここで交わした言葉が、ここで育んだ友情が、自分が生きてきた
証となってくれるだろう。そして、皆と映したあの写真が。
ならば、この命を捧げよう。
私に出来ることを為すことによって。
帝都の平和のために、華撃團のために、ここに集う仲間のために、そして私自身のために。
そう決意した私の心の中には、以前帝劇の舞台で聞いた歌が流れていた。
「ともに生きた証が 胸に熱くよぎる」
「それぞれの出会いは 奇跡のようです」
まさにその通りだ。そしてまた、この夢の続きを、これからも。
だから、さよならは言わない。
聞こえているか、わが友よ。

===============================
ひでじい様へ  あなたのよき友イカルスより
う〜ん、なんか意味深なレスになってしまった。
それでは、また。

ひでじい氏
「ああ、宴も終わってしまったなあ。英爺。」テーブルの片付けの終わったイカルスが所在なさげに話しかけてきた。

「うん?」英爺は慣れない手つきでランプをしまっていた。布で一つ一つ丁寧にすすを拭き取っていた英爺は少し手を休めてイカルスに答えた。

「いや、イカルス。これからだ。」
「これから…。」イカルスが言葉を反芻する。
「君と僕は否応なく事実を知ってしまったんだ。否応なく危険にさらされる。しかし…。」
「しかし、何だ?」イカルスの問いかけに英爺は微笑する。

「しかし、僕たちはその運命から逃げ出すことはやめよう。運命に立ち向かい必ず克とう。帝撃とともに。」これまでどちらかと言えば宴会ずきだが事勿れ主義だった英爺の変貌に少なからず驚くイカルスだった。

「英爺。お前は今日一日で変わったな…。」
「もともとの素質が垣間見えただけといってほしいな。」英爺は茶化してから、

「なあに、また帝劇の公演でも見に行こう。その後は…。」
「ワインを片手に批評の晩餐だな。」イカルスがにやりとする。
「ああ、残念ながら君くらいしか飲んでくれないからな。」
「英爺。やっと俺の寛大さが分かったか。」

 二人の姿を照らすは月か、それともランプか。遠大な二人三脚はまだ始まったばかりである。


昔、古を調べる二人の青年がいた。
一人は人の古を、もう一人は自然の古を調べていた。
二人は互いを傷つけ、かばいあい、そして共に過ごしてきた。
そして二人に新たなる敵が現れた。
危機を乗り越えるため、新たに手を携える二人。
月は二人をじっと照らす。ただ無心に照らし出す。


ひでじいです。イカルスさん、「かしら」って…(汗)
実はまだ後日談がまだ一つ残されています。
いずれにしても惜しまれつつ去っていくのが一番いいと思いまして。
ただ鍋だけはやらなくちゃいけませんね。会場はほぼ決まってるんですが。

本当にあなたとはいい友達になったような気分です。いつまでも。

猫侍氏
(現在許可が頂けるのを待っております。)




軍需相シュペーア氏
20年後

1944年12月、アルデンヌ

「シュペーア少佐、シュペーア少佐!」
「うん?」
シュペーアは戦闘指揮車の中で目覚めた。時計を見ると午前2時である。
「ミュラー将軍より入電です!」
シュペーアは電文を手に取った。
「翌朝、連合軍によるファレーズへの攻勢が予想される。サントーを中心と
して戦線を防御せよ」
「・・・ようやく出番が来たというわけだ」
伝令の軍曹はシュペーアがかすかに微笑んでいるのに気づいた。
「シュペーア少佐、何だか楽しそうですね」
「なあに、今昔の夢を見ていたところでな」

翌朝、シュペーア指揮下のSS第101重戦車大隊「フェルトフェレンハレ」は
連合軍の通過が予想される丘陵地に陣取った。大粒の雪が降っていた。
シュペーアはケーニヒスティーガーに乗り込み、偵察部隊の報告を待った。
「敵部隊の接近を確認しました!数個梯団に別れて前進中。数・・・およそ600!
敵の主力部隊と思われます!」
「600か。多すぎるな」
シュペーアはそのとき、昔の仲間達のことを思い出した。20年経った今、彼らは
それぞれの分野でその才能を発揮しているはずだ。
「あの頃は楽しかったな・・・。俺にはもう無理だが、みんな頼んだぞ。再び人々
が舞台を楽しめる時代を」
戦車の地響きが聞こえてきた。
敵が肉眼でわかるほど接近してきている。
シュペーアは通信機を握って大きく息を吸い込んだ。
「パンツァー・フォー」



どうも、シュペーアです。浪漫堂では結構おいしい役をいただき、
うれしかったです。
自分のペースでしか書けない人なんで、レスSS毎回書こうと思いながら機会を
逸してしまっていました。振り返ってみるともったいなかったと思ったりして。
一応の区切り、長い間、お疲れさまでした。
最後に書いたと思ったらミリタリーに走ってしまった。
なんだか自分美化しすぎ(笑)これは浪漫堂ヴァージョンのシュペーアで私とは別物
と思って下さい。
ではでは。



真神 樹氏
「知ってしまったのですね…」
呟く男の声は、何故か哀しそうでもあった。
その声の響きに無視できぬものを感じて、英爺は改めてその男の顔に視線を合わせた。
真神は、何処か遠くを見るような視線で独り言のように言葉を続けた。
「力には責任が伴います。知識という名の力でもそれは同じことです。
知識をどう使うか、何時使うか。あるいは何時、使わないか。
ペンという名の剣(つるぎ)を携える身であるなら、剣を鞘に収めておくべき時を知るというのは、とても大切な事だと思います。」
英爺は彼の言葉を思い出していた。「時に真実よりも大切な嘘がある」。その時は不可解な発言だと思った。しかし今の呟きで、あの言葉の意味を理解したような気がした。
「真実だからと言って、いつもいつも暴き立てていいものではない、ということですか?」
小さく頷く真神。問い掛けたイカルスも粛然とした表情になっていた。
「でも、剣は傷つけるためだけのものじゃありません。そうですよね?」
「そう…そうですね。剣は傷つけるためだけのものではありません。身を守るための道具でもあります。自分と、自分の大切に思う人達を。」
エズミの言葉に真神は微かな笑顔を見せた。微かなものではあったが、愁眉を開く笑顔でもあった。
「じゃあ、私達はペンの力で、私達が大切に思うあの人達の力になれますよね?」
「そうですね。さしずめ、エズミさんの場合は良い脚本を書いて帝劇の舞台を盛り上げる事があの人達の力になることでしょうか。」
明るい笑顔で続けたエズミに真神は片目を瞑って冗談っぽく応える。舌を出して首をすくめるエズミ。彼女を見る真神の表情からは屈託が消えていた。
「そうそう、あの人達の為にも頑張らなくては。なぁに、スランプなんて帝劇への愛情があればすぐに何処かへ行ってしまうって。」
「だからと言って、ここに来なくなるなんて寂しい事は言わないで下さいよ?」
争うように英爺とイカルスが割り込んでくる。彼らの勢いに苦笑しながら真神は一歩退いた。全く、彼らのエネルギーにはいつも圧倒されてしまう……
(ペンの力であの人達の手助けをする、か……そうだな、私にも出来る事があるはずだ。)
とりあえず、米田支配人から依頼された調査を進める事。「敵」の正体について。自分には剣や銃を扱う事は出来ないが、「知識」で彼らを応援することは出来るはずだ。なけなしの知識であっても、それが自分に出来る事だから。
世の中の暗い側面ばかりを見詰めて何時の間にか自分の心まで闇色に染めていた自分に、彼女達は光をくれた。何時の間にか忘れていた「憧憬」という名の光を。「情熱」という名の灯りを。この輝きを守る為なら、出来る限りの事をしよう。他の誰の為でもない、自分の為に。自分の心の中の小さな灯火を守る為に。
その決意すらも、今目の前でじゃれあっている、共に語り合う仲間達の熱い想いが与えてくれたものである事を、彼は苦笑交じりに自覚していた……

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こんにちは、ひでじいさん。某所ではお見苦しいところを見られてしまいました(^^;

さて、久々のResSSです。…なんか妙に説教くさいですね、この「真神 樹」のキャラクター。まあ、これは「太正浪漫堂」SS世界の「真神 樹」という事で……

まだ謎解きに頭を痛めている真神 樹でした。

ひでじい氏
「さてと…。」真神はクリスタルガラスの瓶の灰を懐にしまう。
「これがしばらくは私の睡眠時間を奪うわけだな。」
「小説家とばかり思ってたのに…。真っ当な仕事があったんですね。」その様子を見つけたエズミが興味津々で真神を見る。
「それは皮肉かい?」真神は冗談ぽい口調でエズミに切り返す。

「じゃあ、真神さん。よろしくお願いしますよ。」真神の側に加山が気配を感じさせることもなく近づいてきた。顔は笑っていたが、眼は真剣であることを真神は十分感知していた。

「それではみなさん。楽しい夜をありがとう。これにて失礼。アディオ〜ス!!」

 加山の去った後の真神を南國、エズミ、イカルス、英爺、そして夢織が囲む。

「難題山積ですね。」夢織が真神に同情する。
「何、次回の宴までには司…、いや支配人に報告できるさ。」

 真神のサクラ大戦が今、幕を切って落とされた。


そうですね〜。無法地帯さんにも突っ込まれましたが謎解きが残ってましたね。ひでじいは真神さんにお任せ!!(すみません!!)
結果は浪漫堂拾壱に。よろしくお願いします!!




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