ひでじい氏 |
ひでじい@よし、復調気味!です。 前回は大変な来客と返礼ですぐに一杯になりました。ありがとうございます! さて、軽食に軽いアルコールで一息ついた浪漫堂の面々ですが、この後どうなるのでしょうか。 そして大神中尉とさくらさんは? 次回、サクラ大戦「太正浪漫堂 伍 嵐の予感」 太正櫻に浪漫の嵐! 「人は浪漫を求めるものですよ…。」(夢織時代さんの声で) 桜の花びらの散る様が橙色のランプで見事に浮かび上がる太正浪漫堂のテラス。暖色の光は煉瓦や春の草花、出窓、彫刻までを染め抜き、幻想的な世界を創り出していた。 緊張をほぐす料理と若干のアルコールで一座の活気が少し取り戻されたようだ。 ミュラーは周囲に呼びかけ、すばやく座席を片付けると全員にエスプレッソをふるまった。そして傍らの夢織に笑顔で言った。 「さあ、戦闘再開と行くか。卿らの説明に期待する。私も後で話す。」 「おいおい、こりゃ本格的な記者会見みたいだな。」ルドルフが冗談を述べるが、その目は笑っていなかった。 「そうですね。それではイカルスさんと英爺さんの説明から入りますか。」夢織もいつもは温雅な表情を引き締めた。 「さあ、後半戦のトップバッターだな。まずはこの報告書から見てくれ。これは元陸軍大臣京極慶吾、太正維新軍、そして京極自体の手兵の黒鬼会が集めていた古文書や歴史資料の一覧だ。これによると…。」 イカルスや英爺の説明は分かりやすく、その主張は明快だった。しかも解析の根拠に今までになかった海外の最新の学説や自分の仮説を大胆に取り入れたものであり、聞く者の注目を一気に集めた。続くミュラーや夢織、黒火会、ルドルフ、シュペーアらの報告も興味をそそられずにはいられない最新の情報が思い切って出された。この場に陸海軍や憲兵の頭の堅い奴がいたら逆上するだろう、と真神が思わず苦笑するほどのものだった。 「イカルスはんが訳の分からんことを次々に尋ねてきたのはこういうことやったんか。」無法地帯は大きく頷いた。 「確かに事実は小説より奇なり、だなあ。本当にこの場では不謹慎な話だが、すごい物語のソースだ。無性に書きたくなってきたよ。」南國は京極の壮大な野望の一端を知った感嘆をこのように表現した。 「でも下手な大学や師範学校、女学校の講義より新鮮よね。」エズミがこう漏らすと、 「私も大学で勤めてるが…。違いない。」と発言し、全員が苦笑する場面もあった。 「しかし、もっと恐ろしいことは…。」夢織が言葉を再び濁す。 「夢織さん、スパンと言ってくださいよ。」 こう発言したのは先ほど入ってきたビッテンであった。元々竹を割ったような気性の彼は夢織が何かを気遣っていることは十分承知していたが、それでも言ってほしかったのだ。 「分かりました。言いましょう。京極の意志を継ぐ者がいます。先ほど説明したみなさん、そして私の手許から資料が次々に紛失しているのです。それだけではありません。政府、軍の調査団が襲われる事件も多発しています。京極の残した技術や知識を継承しようという者がいるのです。」 一同はシンと水を打ったように静まり返った。また新たな大乱の予感がするというのだ。 「イカルスさんは調査中に狙われたそうです。」夢織は続けた。 「そうだろうと思ったよ。俺がそいつならここの全員にそうするだろう。」かとおおおは言った。かとおおおの明晰な頭脳は最悪の事態をはじき出していた。 「そんな、みなさんが危ないなんて…。何とかならないんですか。」BATは悲痛な声で言った。焦燥感が浪漫堂に満ちていく。 「そこで大神さんとさくらさんに御提案を頂いたんだ。」シュペーアがそのとき横から切りだした。 「何かいい知恵があるんですか。」MOSと二階堂、花丸が問いただす。 「うむ。帝劇の米田支配人に御相談するということになったのだ。」 「なるほど、米田支配人ねえ。陸軍中将だし…ね。」智士は言ったが、頭の中では帝撃とのつながりを即座に連想した。この座の多くの者はそう考えたに違いなかった。 「賢明な策だな。」真神も微笑する。 「とにかく、今はこの浪漫堂のみんなができることを全力でするしかないな。」ミュラーがまとめた。 「いろんな情報を持ち寄ろうってことだな。軍事、歴史、考古、地質、漢学、報道、政治、外交…。」紀州人が列挙していく。 「そして二階堂は蒸気機関の技師、俺は演算機技師、そしてビッテンは化学だったな?」 「何で知ってるんだよ!」ビッテンはやられたという表情をした。そう、彼は化学のエンジニアである。 「そして、私たちの仕事は帝劇を通じて帝都の人々に希望と…。」南國が言って珈琲を飲むと、 「夢と浪漫を与えることだな。」紀州人が珈琲を飲み干して返す。 「いずれにしても、今日はみんなのやっていたことが一つにまとまったような気がする。」 ミュラーの言に夢織がこう答えた。 「大神中尉とさくらさんのおかげですよ。」 「いえ、自分はただ興味があっただけで…。」 「わ、私もそんな…。」 「いいんですよ。帝劇のさくらさんが来てくれただけでみんな大満足なんですから。」 エズミが話を引き取り、 「このかとおおおさんなんかさくらさんの大ファンなんですから!」と続けた。 「こ、こら!止せ!」かとおおおの制止に一座が爆笑した。 そして、再び珈琲を手に談笑が始まるかと思ったそのとき、いったん帰ったはずの菫月が息せき切って浪漫堂本館の扉を勢いよく開けた。 「みなさん、大変です。帝劇の、帝劇の花組のみなさんがお見えになりました。」 「へ?!」一同はあっけに取られた。何がどうなってるんだ? 夜桜にランプ。煉瓦と彫刻と珈琲。様々な人が語り合う太正浪漫堂の夜は終わらない。 <あとがき> 今回はオールスターになっちゃいましたね。ここに花組がやってくるって…。どうしよう。登場人物いっぱいになりますね。すみれ月さんも帰ってきたし(笑)たぶんクリアルさんは織姫にくっついてくるんでしょうね。 何とかいい方向になったし、この後大宴会の予感もしてきました。それでは。 |
夢織時代 |
肩の荷が下りて 逡巡の末に、ようやく言葉を形にして、夢織はほっと一息ついていた。 浪漫堂の皆に、抱えていた物を分担してもらったような気がした。 むろん、さくらと大神が来てくれたことも大きい。 エズミの言葉に大笑いしながらも、夢織は少しうらやましいと思った。 夢織も、かとおおおには負けるかも知れないがさくらのファンなのだ。 まあ、しかし、それを言い出したら、ここにいる全ての面々は、帝劇の誰かしらの大ファンだろう。 そんなことにいちいち目くじらを立てていたらきりがない。 菫月が飛び込んできたのは、そんなことを考えている時だった。 あっけにとられたが、すぐに、我を取り戻して立ち上がる。 驚くべき話だが、しかし、喜ばずにいられない話だ。 「よし、総出で出迎えるか」 「いや、私は遠慮するよ」 夢織の答えを聞いてミュラーは不思議そうな顔をする。 「おかしなことを言うな。帝劇花組の皆さんが来るのだぞ。出迎えんでどうする」 「みんなが行ったら、浪漫堂の玄関からあふれてしまいますよ。 それに、アイリスちゃんやレニさんがいらっしゃるんだから、私は先ほどのジュースが残っていないか確かめてきます」 あの子たちにあまり夜更かしはさせたくないのだが、などと思いつつも、 これから始まる新たな宴の予感に胸を躍らせる夢織であった。 ****************************************** こんばんは、夢織時代です。 なんだか、あんな役をやらせていただいてよろしいのでしょうか・・・・・。 今回はタイトルの決めセリフまで・・・・・。 ありがとうございますっっっっ!!! なんだか、30ノートじゃ足りなくなってきましたね。 |
ひでじい氏 |
「あれ、ミュラーさん、夢織さんは。」花組来るの報に活気づく浪漫堂本館で夢織がいないことに気づいた英爺がミュラーに尋ねた。 「フフフ。夢織らしいよ。」若き助教授は笑いながら英爺に答えた。 「全員で出ると混雑するからと言って、卿らがさっき飲んでいたフレッシュジュースの残りがあるかどうかカウンターに聞きにいったよ。アイリス嬢やレニ嬢の分だそうだ。しかし…。」少しいたずらっぽくミュラーは笑い、 「私が酒責めにあっているときにおいしいものを飲んでいたようだな?」と英爺に告げた。 「い、いやそういう訳では。たまたまですよ。」英爺はしどろもどろに弁解し、話を切り替えた。 「確かに全員で出迎えてもいっぱいになりますね。じゃあこちらの会場の片付けとセッティングをするようにします。」 「うむ。確かにそうだな。この場は卿に任せた。ではシュペーア、かとおおおらとともに出迎えることにする。頼むぞ。」 「はい。しかしイカルスはどうしたんだろう?トイレかな。」ミュラーを送ると英爺は南國、エズミ、BATらとともに会場を再セッティングすることにした。 「エズミさん、そっちのテーブルクロスをお願いします。」南國と英爺が机をきれいに並べ。エズミとBATがテーブルクロスをかけていく。机に華やかな花々が生けられた花瓶を置きながらエズミが英爺に満面の笑みで語りかけてくる。 「英爺さん、とっても嬉しそうですよね。」 「そ、そうかな。うん、でもそうかも知れないね。」ランプに油を差しながら英爺が言葉を続ける。 「確かにあこがれの花組のみなさんにお会いできるということに興奮はしているよ。でも、それ以上に…。」 「それ以上に?」 「こうやって気の合う君たちと長く話ができるのが嬉しいんだよ。」 「私たちを持ち上げても何も出ませんよ。」BATが食器を運びながら微笑した。 「でも英爺さんの言うことも一理ありますね。私たちが合うのはたいてい昼食か、3時の休憩、夕食の一時だけですからね。」エズミは妙に納得していた。 そこへ南國が帰ってきた。 「オーダーは済ませてきたよ。面白くなりそうだな。」南國もにこにこしている。そこに、 「あの、みなさん、私もお手伝いします。」 「自分にもできることがあればやらせてください。」 と、さくらと大神が申し出てきた。南國らは固辞したが、結局手伝ってもらうことになった。大神らと談笑しながらさらに準備を進め、テラスに見事なまでの会場ができあがった。そこに飲物 の手配を終えた夢織が帰ってきた。 「あれ、みんな?出迎えにいったんじゃないですか。」 「夢織さんだけに御苦労をお掛けする訳にはいかないですよ。」BATが夢織に珈琲を差し出しながら言った。 「大神中尉にさくらさんまでお手伝いいただいて…。ありがとうございます。」 「いえ、それよりもみなさんといろいろお話ができて面白かったですよ。」 「そ、それでですね…。」夢織は気恥ずかしげに懐から手帳とペンを取り出し、さくらの前に差し出した。 「私事で恐縮なんですが、記念にしたいのでサインしていただけますか。」 「サ、サインだなんて…。」そんな柄ではないと遠慮するさくらに大神がやさしく言った。 「さくらくん。お世話になった夢織さんにサインしてあげたらどうだろう。」 「そ、そうですか。本当に恥ずかしいんですけど、じゃあこれで…。」さくらは端正な字で夢織の手帳にしたためた。他の人々も遠慮がちにさくらにお願いしてサインしてもらうことになった。 「ついでに…。」BATが大神のところにやってきて、 「大神さんにもお願いしたいんですが。」 「いいっ?!じ、自分もですか?」大神はさくらに参ったな、という表情を見せたが、 「分かりました。そのかわりみなさんのサインもください。」と自らの手帳を取り出した。 「え?僕らもですか。」英爺は驚いたが、やがて頷いてペンを取った。南國やエズミも続く。 準備の終わった中庭では珈琲を片手に、お互いにサインを交わしながら談笑する。さくらの花びらの舞う中、貴重な、贅沢な時間をそれぞれが思い思いに過ごしていた。ここは太正浪漫堂。芸術と文化の交錯する場所である。 そうですね。全員で出迎えちゃあいっぱいだ。ここはミュラー閣下にお任せしましょう。 準備グループはセッティングも終わり、桜花絢爛の中、珈琲で談笑。贅沢ですよね。 |
MOS氏 |
またも5ページレビュー(こらー!) 「今度は5冊めですね。」 MOSたちは、浪漫堂会報のバックナンバーの山の前にいた。何せバックナンバーは20冊しかストックできないとの事で、目を通す彼等も次第にペースが上がって来る。 ちなみに彼等の間ではこういう過去会報に目を通す事を森林警備活動と言うのだが、何故そう言うかは未だ謎のままである(爆)。 「いきなり発言削除ですか・・・」 苦笑する花丸。様々な発言の飛び交う浪漫堂会報だが、諸々の事情による発言削除、もまれにあるのだ。 「しかしこれにまで返信がついているんだからなぁ」 これまた苦笑しているのは眠たげな顔の紀州人。なんでも先日はサロンで話し込んでいるうちに酒が回って寝入ってしまい、浪漫堂内で一晩明かしてしまったとの事だ(爆)。 「次は・・・、南国さんの「一振の刀」ですね。うう・・・頭痛い・・・」 エズミは少し頭痛気味のようだ。話によると帰宅中に妖怪に襲われて無理矢理ウォッカをラッパ飲みさせられたと言う事だが、真偽の程やいかに(爆)。 「この後、「昨晩彼女は・・・」、「新築物語」・・・、相変わらずすごいペースだな。」 感心しているかとおおお。エズミが一瞬ちら、と彼に不審な視線を投げたが、気付いていないようである。 「全く、しかも量産体制に入っていながら、手作りの味、大した男だよ。」 そう賞賛するルドルフは少々やつれ気味である。先日、ある事でエズミの怒りを買い、スマキにされた上、浪漫堂前の桜の木に一昼夜くくりつけられたという事だ。その後、浪漫堂内で妖怪に襲撃されたという話だが、エズミの妖怪襲撃事件に関係ありとの噂も・・・(滅)。 「後のSSは・・・、シュペーアさんの「ブリタニア」、武臨さnの「暇つぶしネタこれも豪快」「疑惑の日曜日」、イカルスさんの「ジャンポールVSメカジャンポール」、菫月さんの「眠たい瞳のお嬢さん(第1話)」・・・・、すごい量ですね。」 少々風邪気味のMOSが驚く。来る前に飲んできた風邪薬が効いてきたらしく、彼も眠たげである。 「まあ皆、それだけ帝劇には創作意欲をかきたてられるんだろうな。」 とは紀州人の言。 「さて、我々も花組の面々のところへ行きましょうか。」 「そうですね。こんな機会は滅多にあるものでなし。」 一同は席を離れ、浪漫堂内でもひときわにぎやかな一角に吸い込まれていく・・・ 浪漫堂の夜はまだまだ続く・・・・。 ううう、風邪気味で後半はしょり気味になってしまいました。てなわけで、またまたレス便乗の5ページ目レビューです。今回は内輪ネタを織り込んでみましたが、いかがなものでしょうか?。何か怒られてしまいそうですが(^^;)。紀州人様、陛下、エズミ様、かとおおお様、花丸様には、この場を借りて陳謝いたしますm(_)m。 ではでは、今宵はこれにて・・・。 |
ひでじい氏 |
「さあ、みんな!お出迎えだ。」ミュラーはシュペーアを伴い、食器を片付けていた紀州人とも合流してMOSらの前に現れた。 「いや、すみません。ちょっと会報の方を整理していまして…。すぐに行きます。」と会報をすばやく綴り直しながらMOSが言った。 「二階堂君、花丸君、これはそちらの棚へ。その号と掲載雑誌はこっちへ。」MOSは手早く二人に指示した。 「ほう、きれいになるものだな。優雅な浪漫堂もここの本棚だけはみんなが閲覧するので雑然となっていたが。」シュペーアが驚きの目でみれば、かとおおおも、 「大掃除の手間も省けたというものだ。」としきりに感心しながら言う。 「それに…。おしゃれなエンジニアの腕まくりというものもそう見られないしな。」 「あはは。そうですね。浪漫堂ではありませんね。」脚立から降りてきた二階堂が衣服を整えながら答える。 「何にせよ。行動だ。行くぞ。」 「おお!!」一同は玄関に向かった。 どうもありがとうございます。確かに懐かしい。そう言えばこのころ僕のコンピュータは不調だったんですよねえ。何か感慨にふけってしまうひでじいでした。 |
花丸氏 |
(注、一人よがりRes失礼!) 皆が一斉に玄関へと向かう。 そんな中、意図して1歩歩みを遅らせると、花丸は人の輪から一度抜け出す。 花組の面々を迎えるべく、今や浪漫堂の中は活気に満ち溢れている。 それを1歩引いて眺める。 ・・・ここはとても居心地が良い。ずっとこうして居られたら・・・生来人付き合いに不器用な花丸は、今までの分を一気に取り戻すが如くの素晴らしい出会いの連打に、少々戸惑っていたのかも知れない。 だがしかし。浪漫堂は花丸の何かを確実に変えていた。常日頃であったらここでそのまま壁の模様と化していた花丸である。だが、しかし。 (嫌だ、素晴らしい出会いがまだまだあるはずなのに、ボクは宝の山の上に居る筈なのに!何よりも、あそこまで温かく迎えられておきながら、このままじゃあただの恩知らず、軟弱者じゃないか!) 駄目でもともと。それが見事に成った時の甘美さは、既に知ってしまったのである。 花丸は、緊張した趣で英爺の座するテーブルへと歩み寄る。 その鬼気迫る雰囲気にやや引きながらも英爺は目の前に着た彼の目を見据えた。 少しの沈黙の後、花丸がゆっくりと口を開く。 「・・・英爺さん・・・無理を承知でお願いします、ボクを皆さんに紹介していただけませんか?まだお話していない方が大勢います!こんな機会はもう二度と来ないかもしれない。・・・それに、もう苦手な事から逃げるのは嫌なんです・・・」 彼が時に見せる、体の奥から絞り出すような言葉だった。 その言葉に、英爺は・・・・ -------------------------------------------------------------------------------- ひでじいさん、とんでも無い事書いて済みません。 どう対処なされても結構です。ただ、他の方と上手く混じりたいな、と思った時に、やはり間にひでじいさんに入っていただきたい、と思ったものですから・・・ 「花丸君、その様な事で人に甘えるのは良くない」 と、人生訓をかまして頂いても結構ですので・・・ |
藤枝すずかけ氏 |
かえでは・・・? 上は出ないんでしょうか・・・。かえでが来たら、きっと私も天井裏に潜んでいることでしょう・・・。 |
ひでじい氏 |
「米田支配人…。」ノックして支配人室に入ったかえでは米田の姿を見て言葉につまった。 米田の見ている写真立ての中の写真が何であるか、かえでには分かっていた。対降魔迎撃部隊の在りし日の姿。そこにはさくらの父である真宮寺一馬、山崎真之介、そして自分の姉のあやめの姿が写っている。米田は通信機で先ほどの浪漫堂の話、真之介の悲惨な最期を改めて確認してしまった。米田の表情は花組の誰にも見せたことのない、孤独と悲しみに満ちたものだった。 「支配人。お邪魔でしたでしょうか。」辞去しようとするかえでに米田は軽く制止の表情を見せた。 「いや、いいんだ。かえで君、いいんだ。」米田はゆっくりと写真を棚にしまうと、かえでに背を向け、夜の帝都の夜景を見ながら言った。 「花組の連中が待ちきれずに太正浪漫堂に押し掛けていったそうだなあ。」 「ええ、マリアが必死で制止したんですが、聞かなくて、大神隊長に会うんだって。マリアには取りあえずキネマトロンを持たせていっしょに行ってもらいました。」 「まったく困った連中だ。」米田は苦笑するとかえでの方に振り返った。 「しかし、大神とさくらには本当にすまないことをしたな。」 「帰国早々でしたが任務だと笑って行かれましたが。」 「よし。俺たちも大神とさくらを迎えに行くぞ。」 「支配人、よろしいのですか。ここを空けて。」 「ああ。せっかく大神が帰国したんだ。みんなで祝ってやろうじゃないか。それに…。」 米田はかえでに小声で話した。「浪漫堂は安全なのだ。ここよりも。」 「かえで君、指示を出せ。加山には現地で俺と合流するように。かすみ君らには御苦労だが、待機命令を。帝劇本館の守備と連絡の指揮は清流院大尉がこれを執る。」 「分かりました。手配します。それでは浪漫堂へ参りましょう。」 「俺も大神とじっくり話をするのは久しぶりなんだ。奴はどのくらい成長しているか楽しみだな。」 ああ、やっちまった。米田とかえでもやってくる。収拾はつくのか。取りあえずやってきたら乗ってくださいね(笑) |
かとおおお氏 |
「でも、どうして私がさくらさんのファンだということがわかったのかな?」 かとおおおが不思議そうに言った。 「そりゃ、わかりますよう。かとおおおさん、さくらさんが入って来た時から、ずっと彼女の方ばかり見てたじゃないですか」 エズミがこともなげに答える。 「そ、そうだったかな? しかし、美しい女性の方に自然と目が行くのは、男性一般の傾向。それをもって好きだと判断された日には……」 「あら、ちょっと今のは聞き捨てなりませんね。そうするとあたしたちは美しくないってことですか?」 すかさずBATが突っ込みを入れる。 「そうそう。これはあたしたちに対する侮辱です!!」 「い、いや、私は別に、その……」 女性軍二人に責められて、しどろもどろになるかとおおお。 英爺が笑いながら助け舟を出す。 「ははは。まあ、かとおおお君は女性に対しては結構おくてのようだから、あんまりいじめないでやってくれ給え。君たちはいわば常連だからその美しさはもうみんなが承知してるよ」 「まあ、英爺さんがそうおっしゃるなら……」 「いや、しかしかとおおお殿」と話に加わったのはビッテンである。 「好きな子を好きといって何の恥ずかしいことがありましょうか。かくいう小生は織姫が大好きでありますぞ」 「おお、ビッテン殿は相変わらず猪突しておられる」 「いや、それなら私も実はさくらさんの大ファンで…」 「何を隠そう、私もそうです」 「私はすみれ様かな?」 「マリアがなんともいいですなあ」 「レニもお忘れなく」 「火車」(←誰でしょう?(笑)) それぞれが熱く自分の思い人を語り始めた。そしてそれが一通り納まったとき、真神が最後に言った。 「いや、みなさんのお気持ちはよくわかりました。しかし、今ここで言うべき言葉はひとつ。そうでしょう? では、みなさん、ご一緒に……」 真神が促すと浪漫堂の面々は真宮寺さくらの方を向いて、声をそろえて言った。 『わたしたちはさくらさんが大好きです!!』 「ハハ、なんか愉快な人たちだね」 「ええ、あたし、このお店気に入りました」 「俺もだよ。あ、そういえば花組のみんなはまだかな?」 「もうすぐ来るはずです。でも、それまで……」 「ああ、和やかなこのひととき、二人でわかちあおう……」 太正浪漫堂の夜は今日も穏やかに更け行く……。 こんばんは、かとおおおです。 前回変な突っ込み方をしたばかりに、ひでじいさんに懸命にフォローしていただくことになって、すみませんでした。 で、今回は真面目に書いてみたんですが、とても太正浪漫とはいかず、なんかクラス会みたいになっちゃいました。(笑) ひでじいさんの雰囲気を壊してしまったんじゃないかと心配ですが……。 ではでは、その六も楽しみにしてます。参加するかどうかはわかりませんが。(^^; |
真神樹 |
何仕切ってるんだろ、私… って、別に私が書いたんじゃないんですけどね(^^; 前回のツリー大脱線事件には私にも責任の一端が有りますので(と言うか、私が止めを刺した(汗))、責任を持って(?)ツリーを育てることにしましょう(爆) 〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜 『わたしたちはさくらさんが大好きです!!』 目を丸くして、それから堪えきれなくなったように口元を手で覆う美しきスター、真宮寺さくら。彼女の視線の先には、やはり暖かい笑みを浮かべている大神中尉の瞳があった。 一言、二言、言葉を交し合う二人の顔には苦笑に近い、だけど暖かい、笑みが浮かんでいる。 「笑われてしまいましたか」 二人の間に、唐突に、無遠慮に割り込んでくる声があった。その声の主も、苦笑を浮かべている。もっとも、こちらは頭を掻いているような雰囲気があったが。 不躾な、無遠慮な態度。しかし、その声に全く悪意がこもっていなかった所為だろう、不思議と不快感を感じることなく、好一対という言葉を体現したような若いカップルはその集団をテーブルに迎えた。大神中尉の横に腰を下ろす、年齢不詳の、うだつの上がらない風采の男。先程の声の主はこの男である。 さくら嬢の隣にはカッターシャツにネクタイ姿の、妙齢の女性。彼女の隣には袴姿の、髪を束ねた若い女性。そしてその隣、最初の男性の隣でもある、には仕立ての良いシャツとベスト姿の青年が腰を下ろした。順に、真神 樹、エズミ、BAT、かとおおおと名乗っている。 実は、この名乗っている、という所が曲者だ。実は、これらは皆偽名、というか、雅号なのだ。彼ら、ここにいる四人だけでなく、今店の中で騒いでいるほとんどの常連客が、プロ、セミプロ、趣味人の違いこそあれ、物書きなのである。言わば、大神とさくら以外のほとんどが、正体不明の集まりなのだ。本来、最も素性を伏すべきはこの二人であるはずなのだが。 遠慮無く腰を下ろした真神 樹(まさがみ・いつき)を名乗る男がそのまま話の続きのような口調で続ける。 「まあ、無理もありませんね。我ながら、子供っぽいことをしていると思いますから」 「いいえ、そんな!」 慌てたように手を振るさくら嬢。今や、帝都指折りの有名人であるにもかかわらず、少しも気取ったところが無い。 「ですが、私たちがさくらさんのことを大好きだというのは、寸分も嘘偽り無い真実(まこと)ですよ?」 「…流石、クサい台詞にかけては浪漫堂屈指の真神さんですね。」 赤面するような台詞を平然と素面で口にした真神に、すかさずかとおおおから茶々が飛ぶ。 「…すみれさんや織姫さんにも同じことを仰るんじゃありません?」 ちらっと玄関口に視線を投げて、そこには常連連中が人だかりを作っている、悪戯っぽくさくら嬢が言う。 彼らは、どういう訳かこの浪漫堂に揃ってやって来るスター達を出迎えようとしているのだ。 「いやぁ、よくおわかりですね。その通りです。」 だが、羞恥心というものをどこかに忘れてきたかのようにしゃあしゃあと応える真神。 それを聞いて、さくら嬢と、そして大神中尉もまたまた目を丸くしている。 「私がさくらさんの大ファンだというのは全く偽り無い、本当のことです。ですが同時に、私は、私達はみんな花組の皆さんが大好きなんですよ。みんな、すみれ嬢のファン、織姫嬢のファン、マリアさんのファンというようにそれぞれ好き勝手なことを言っていますが、私達は何より、帝国歌劇団・花組のファンなんです。私達はみんな、花組の皆さんお一人お一人を好きなんですよ。」 「き、気障ぁ〜、信じられませーん!」 「か、痒い。体が痒い!」 「…私でも、例え文章でもそこまで書けないです…」 「…君達、そこまで言うかね?」 エズミ、かとおおお、BAT、それぞれの反応を見せた連れの三人を恨めしげに睨む真神。 ぷっ 小さく噴出す声。さくら嬢が横を向いて肩を震わせている。一方、大神中尉は妙に強張った顔をしていた。 「大神中尉?…我慢される必要はありませんよ」 途端に起こる大爆笑。まず、かとおおおが先鞭をつけ、エズミが若い娘らしく遠慮なく笑いこける。こうなると、真神も渋い顔はしていられない。さくら嬢と大神中尉を巻き込んで、浪漫堂の一角を笑いの渦が包んだ。 「ところで、先刻から仲間たちが無理な質問ばかりして、煩わしい思いをされたのではありませんか?」 ひとしきり笑いの衝動に身を委ねた後、とりあえず真面目な表情に戻って真神が大神中尉に尋ねた。 「はい?」 「全く、秘密にするからにはそれなりの理由があるのだというのに……すみませんでした、大神中尉。」 「ああ、いえ。」 どこか困ったように短く応える青年士官。 「いえ、それ以上仰る必要はありませんよ?私もその件に関してはこれ以上口にするつもりはありませんから。」 それを見て、真神は大急ぎで手を左右に振って見せる。 「大神さんは、とある事情で帝劇の総務に配属になった。そして、帝劇の女優であるさくらさんと親しくなられた。 私は、それだけで十分だと思っています。」 「………」 「…どうにも、物書きというのは好奇心を糧にして生きているような所が有るものですから…… どうか、お気を悪くなさらないで下さい。」 「いえ、気にしていません。」 男らしく、きっぱり応える大神中尉。 心なしか、エズミとBATの目がハート型に変形しているようにも見える。 もちろん、彼女達の目が向いている先は真神、ではない。 「君達も人のことは言えないぞ……」 かとおおおの小さな呟き。 「ところで」 そんな青年の方を少し気の毒げな目で見た後、真神は大神中尉に向かって真剣な顔で言葉を続けた。 「私も二足の草鞋とは言え物書きの端くれでして……やはり好奇心の誘惑には抗いがたいものがあります。 そこで、私にも一つだけお尋ねしたいことが有るのですが」 「何でしょう?」 見事なポーカーフェイスで大神中尉が先を促す。無表情、ではなく完全に感情を読ませないにこやかな笑顔で。 「ありがとうございます。では…」 しかし、その仮面には僅かな寿命しかなかった。 「お二人は何時ご結婚なさるのですか?」 「なっ…?」 「ええっ!?」 「ちょっと真神さん、突然何を…」 絶句する若いカップル。かとおおおが、隣に座った年齢不詳の男のわき腹をつつく。 とは言うものの、彼の顔面は好奇心を隠し切れていない。 「実はですね。」 意味深な口調で、一旦言葉を切る真神。エズミとBATが、思わずという感じで身を乗り出してくる。 「太正十三年の、とある春の日、私は仙台行きの汽車にたまたま乗り合わせていたんです。」 「?」 「汽車が上野を発って、然程経たぬ内に、一台の蒸気バイクが汽車を追いかけてきたのですよ。」 「??」 話が見えず首を傾げるばかりの三人。 対照的に、みるみる頬を赤らめるさくら嬢。 大神中尉も、落ち着かなげに目をキョロキョロさせている。 「バイクに乗った青年が、汽車に向かって何度も手を振りました。何か叫んでいるようでしたが、残念ながら風を切る音でその声は聞き取れませんでした。」 今やさくら嬢は、耳まで赤くなって完全に俯いてしまっている。 「その時です。突然、汽車が急停止しました。非常ブレーキを使ったのだと、私にはすぐ見当がつきました。」 「………」 何とも表現しがたい顔で黙り込んでしまう大神中尉。 「そして、バイクを止めた青年の胸へ、袴姿の美しい少女が飛び込んでいったのです。」 「真神さん、それ、ひょっとして……」 「車内の私達はしばらく呆然としていましたが、そのうち、誰からとも無く拍手が起こりました。私達は、若い二人に夢中で喝采を送りました。こんな、純粋で激しい、一途な想いが世知辛い今の世の中に残っていたのかと、私達は驚きと共に感動していたのです。 ……多分、その二人には私達の拍手なんて聞こえなかったでしょうけど。」 ゴホッ、ゴホッ 意味ありげに視線を送る真神。 大神中尉が急に咳き込んだ。 「その時から、私はずっと思っているのですよ。 この二人には幸せになって欲しい。どんなことがあろうと、本当に幸せになって欲しいと。 そして、二人が結ばれる日をずっと楽しみにしているのです。 私にとって、あの時の二人の姿は憂き事ばかり多いこの『憂き世』に現出した、美しい夢でしたから。」 何時の間にか、さくら嬢が顔を上げていた。まだ紅潮を残しているものの、身の置き所も無いような恥ずかしそうな様子は消えていた。 「私が帝劇に通うようになったのはその後です。私が物書きの真似事を始めたのも、その後でした。」 「おおーい、真神さん、何をしているんだ?花組の皆さんがお見えになったぞ!」 その時、玄関口から声が掛かった。 「おや、珍しく菫月さんが興奮しておられるようだ。…無理もない、か。 さて、それでは私達も行きましょうか。」 隣のかとおおおに声をかけながら、真神は立ち上った。 「あっ、私たちも…」 二人の後をエズミとBATも追いかける。 「ここは、いい所ですね……」 「そうだね……」 二人の呟きは、彼ら四人には聞こえていなかっただろう。 届いていれば、その時の記憶はきっと、彼らの宝物になっていたに違いなかった。 それは、そんな呟きだった。 〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜 あ、厚かましい…… なんて厚かましい作品なんだ!(爆滅) 念のためにお断りしておきますが、「真神 樹」の現実世界における本体はこんな善人ではありません(爆) これは、あくまでも「太正浪漫堂」の世界観に基づいたフィクションです。 尚、勝手に名前を使わせていただいた、かとおおおさん、エズミさん、BATさん、菫月さん、ごめんなさい。 勝手に脇役にしてしまって(激爆)本当にすみませんでした。 |
智士氏 |
「帝劇のみなさんがお見えになる?!」 一気に酔いが醒めた気分だった。一同はわらわらと身だしなみを整え始めた。 「ちょっと、厠へ・・・・」 ここに来て自分が酔っ払いであると気が付いた智士は慌てて厠へと向かった。 「まったく仕方の無い奴だ」 その様子を見ていたものは口々に言う。彼等はこれから智士が何をするつもりなのか 想像がついたらしい。 こんな酔っ払いを余所に、太正浪漫堂の夜は少しだけ賑わいを増したかの様だった。 ************************************* ひでじいさん、こんばんは。 そして、ヘンなレスですみませーん。 うーん、本当にオールスター状態ですね。(^^)浪漫堂の中は 満員御礼状態でさぞやにぎやかな事でしょう。 そして酔っ払いは厠で”すっきり爽快ぃ〜”になって帰って参ります。 レニに逢うのに酔っ払ってなんていられません。 さ、気合いを入れていかなくては・・・・?(何をする気だ?) どんどん広がる浪漫堂ワールドその六を楽しみにお待ちしています。 それでは、また。 すっかり酒飲みになっている智士でした。 |
ひでじい氏 |
「智士さんいる?」トイレから出てきた智士を探しにきたのはビッテンと無法地帯だった。 「いやあ、すみません。」 「ミュラーはんとシュペーアはんが智士がおらんさかい探せ、っててんてこ舞いしてましたわ。早う行きましょう。」無法地帯もせかす。 「…そやけど、智士はん、なんかちょっと違いますなあ。」 「そう言えば、髪も服装も整ってるし、あ、歯も磨いてたな!!くそ、やられた!!俺も準備しなきゃあ!!」ビッテンは洗面所に駆け込んでいった。 「ビッテンはん、ビッテンはん!…ああ、ミイラ取りがミイラになってしもうたわ。せやけど気持ちは分かりますなあ。」 「さすがによくも悪くも猪突猛進。この前の新製品の開発のときにチームに「勝利の女神はお前たちの前に下着をちらつかせているぞ!」と檄を飛ばしたのは有名な話ですからね。」 「あの人なら言うに違いありませんわ。それよりも私らは…。」 「先に行くとしましょうか。」 彫刻のアーチをくぐり、二人はミュラーの下へ赴いた。 無法地帯さんとビッテンさんにお迎えに行ってもらいました。いかがでしたでしょうか。レニに最高の笑顔であられんことを。一足先にさくらに会って夢織さんといっしょにサインをもらった英爺でした。 |
クリアル氏 |
久々の浪漫堂訪問 秋も終わりに近づき、いよいよ帝都にも冬が訪れようとしている今日このごろ 「うー寒い寒い、やっぱ11月ともなると帝都も冷えるな。」 両手をコートのポケットに突っ込みながら歩いているこの人物は、馬の研究のため、しばらく北海道、福島に滞在していたクリアルである。 本当はもう少し滞在している予定だったが、友人のアクシデントにより急遽研究を取りやめ帝都に戻ってきていた。 「それにしても寒い・・・そうだ、浪漫堂へいってみよう。あそこなら暖かいコーヒーが飲めるし、それに今週の記事も書かないといけないしな」 そう決めるや否や、クリアルは浪漫堂へ向けて歩き出した。 「浪漫堂は夏に1回行ったきりだからなあ、皆さん元気にしてるだろうか」 しばらく歩くと浪漫堂が見えてきた、が、なにやら様子が変だ。入り口に何故か黒山の人だかりができているではないか。 (いったい皆何をしてるんだろう?ちょっと聞いてみよう) 「あの〜すいません、皆さんここで何をしているんですか?」 「何って今ここに・・・って、なんだクリアルじゃないか」 そう答えたのはイカルスだ。 「あ、イカルスさん、先日はお世話になりました。ところで皆さんお揃いでいったい何をしているんです?」 「いや〜クリアル、君は運がいいよ」 そういってクリアルの方をポンポンと叩くのは南国だ 「運がいい?」 様子が分からないという顔のクリアルに今度は紀州人が 「本当に運がいい、なんたって今からここに帝国歌劇団・花組の皆さんが来るんだからな」 「ええ!は、花組の皆さんが!」 紀州人の言葉におもわず大声を出してしまう。 「それじゃあ姫様・・・いや織姫さんも?」 興奮して叫ぶクリアルに今度は智士が 「当たり前だろう、花組の皆さん全員くるんだ。織姫さんだって来るさ」 「こんな近くで織姫さんに会えるかもしれないなんて、いや今日はなんてついてるんだ!」 さっきまで寒さで青かったクリアルの顔に赤味がおびてくる、どうやら皆の言葉に興奮して寒さの事など忘れてしまったようだ。 「相変わらず織姫さんのこととなると人が変わったようになるなあ」「全くだ」 しかし花組の皆がきて興奮してしまうのはクリアルだけではないだろう。 もうすぐ花組の皆がここに来る。いったいどうなるのだろうか。 ==================================== こんにちはクリアルです。まずは勝手に名前を借りてしまった皆さんに陳謝! せっかく花組の皆さんが来るんですから僕も浪漫堂に訪問させていただきました。 本文の最後の方で僕は姫様にくっついて来るだろう、という事だったんで、そういう展開も考えてはみたんですけど 浪漫堂の常連さんを差し置いて花組の皆さんに会うのは、あまりにもおこがましかったし なにやら姫様にくっついてまわるストーカーのようになりそうだったんで(爆)止めました(^^;) まあ僕は馬の記事を書いている記者とでもして、隅っこの方にでも座らせておいてください。 それでは長文、駄文失礼しました。 |
ひでじい氏 |
「クリアルさん、寒いだろうと思って入れてきましたよ。」智士がそっと差し出す。 「花組の方々が来られるのに寒いなどとは…。」一度は遠慮したが、ミュラーやかとおおおもしきりに勧めるのでクリアルは受け入れることとした。 「そうか。すまない。いただくことにするよ。」 「アイリッシュコーヒーでウイスキーが少しだけ入っています。暖まりますよ。」 「それはありがたい。」智士の勧めでクリアルは少し大きめのカップに入ったアイリッシュコーヒーを飲んだ。 「ああ、やせ我慢はするもんじゃないな。」本当に助かったといった表情をしたクリアルに一同は大笑いする。珈琲を飲みながらクリアルは本当に俺はここに帰ってきたんだなということを実感していた。 いでじいです。浪漫堂にようこそ!!確かにこの方が無理がなくていいですね。取りあえず珈琲の一杯でも飲んでみなさんをお待ちしましょう。 |
桜嵐氏 |
花組のみんながやって来る・・・。 その言葉を聞いた時、櫻嵐の中で眠っていた”想い”が一気に目を覚ました。 基本的に櫻嵐は、さくらをはじめとした花組全メンバーのファンである。 しかし、それとは別に、どうしても叶えたい夢があったのだ・・・。 それは、格闘家として・・・空手を嗜む者としての想い。 櫻嵐は段こそ持っていないものの、その訓練を数年前から地道に積んでいた。 その最中、耳にしたのが帝劇の男役・桐島カンナ嬢の強さであった。 いつか手合わせ願いたい・・・その想いが、もうすぐ実現するかもしれない。 櫻嵐はその事を皆に告げて回った。 浪漫堂の面々からは、比較的肯定的な意見が帰ってくる。 「まぁ、彼女は190以上の背丈とは言っても、女性には違いないからな。君は見た所・・・ 177、8といったところか。そこそこ良い勝負になると思うぞ。」 「しかし、やるなら外でやって下さいよね。ただでさえ人混みでぎゅうぎゅう詰めに近いんですから。」 「ええ、そうしますよ。」 しかし、帝劇花組の面々・・・さくらと大神は、青い顔で止めに入った。 「櫻嵐さん・・悪いことは言わない。やめて下さい。」 「大神さんの言うとおりですよ! そんな・・・生身の人間が太刀打ちできる様な相手じゃないんですから・・・!」 しかし櫻嵐は、得意そうな顔で、次のように言い放った。 「ご心配には及びません! この櫻嵐、素晴らしい試合をみなさんにお見せしましょう!! できればお捻りなんかも投げて下さいね!」 必要なのは包帯だ・・・大神とさくらは一時、浪漫堂の奥の医務室へと姿を消し去った。 ・・・はい、収拾がつかなくなてしまいました。(爆) これ、ほんとに私の夢なんです。一度で良いから手合わせしたい〜!!! あとはひでじいさんにお任せします。 上手くまとめて下さいね。(核爆) それでは。 |
ひでじい氏 |
「櫻嵐さん、まずいですよ。」英爺が止めに入る。 「そうだ。帝劇に所属するとは言ってもカンナさんは正真正銘の桐島流の継承者なんだぞ。」南國も諌言に努めた。 「いえ、ぜひ、ぜひお願いします。」 「櫻嵐さん、本当にやばいですよ。」エズミとBATも心配したが、櫻嵐の決意は固かった。 そこに大神とさくらが帰ってきた。何か木の棒が用意されているのでエズミが問いかけた。 「さくらさん、その木の棒は何ですか。」 「あ、これは添木です。」 「まあ、カンナだから手加減はしてくれるとは思うんですが。」 救急箱の用意をしながらさくらと大神は言った。 添木…。向こうで南國と英爺に笑顔で答えている櫻嵐を見ながらエズミとBATは肩を落とした。 本当ですか?まあ、何とかやってみますか(笑) |
Rudolf氏 |
いいなあ・・ ルドルフの視線は師に倣ったものかずっとある一点をうつろに、しかも遠くから眺めていた。 「ルドルフさん、ボケッとしてどうしたんですか?」 横の聖が何を言っても無視しているので彼女としても実に苛立ちを隠せない。 「?何か言った?」 「もうっ、人の話を聞いて下さいよ。どこを向いてるんですか?」 彼は黙して語らず、ただ頬を紅潮させて俯いていた、珍しくだれも茶々を入れないと思ったら今日、彼は賑わいを見せるテーブルとはまったく対角線上にあるテーブルに陣取っていた。聖がみんなのところに行こうといっても彼はただ一人で行けの一点張りだった。 というのも一応本業は新聞記者であるにも関わらず最近はおちゃらけた三文芝居の脚本ばかりを書いて荒稼ぎをしていた、という事実が彼をなかなか皆の所に向かわせようとはしないのだ。 (こんな物ばかりを書いて本分の新聞はおろかそれに載せる連載小説すら滞っている状況でどの面下げてさくらさんに逢えばいいんだ・・) 「ふう〜ん、そうですか。ずっとさくらさんを見ていたんですね。」 「こ、心を読むな。(*><*)」 「(ちっと怒;)嫌われると思うなら書かなければいいのに・・」 「ひ、人の話を聞け〜!やっぱり帰る・・;;」 「もう〜、すぐだだこねるところは成長しないんだから。」 結局家路につくルドルフ、彼が正常に戻るのはいつの日か。 イミフメイで1/30使って謝罪。 |
ひでじい氏 |
「陛下、陛下!」帰ろうとするルドルフを追いかけてくる者がいる。ルドルフが振り返るとBATが立っていた。 「夢織さんがきてほしいっていってますよ。」 「俺は帰ろうと思うんだが…。」 「どうしてもお連れしろ、ということでしたので…。」 迷うルドルフの背中を聖が黙って押した。仕方ないな、しかし夢織、何の用だ、と思いながらルドルフは不承不承テラスへ引き返すことにした。 「夢織、いったいどうしたんだ?俺は…。」帰ろうとしたんだと言おうとした瞬間、夢織と話していた女性が振り返った。 「さ、さくら…さん。」一瞬、ルドルフの時が止まった。 「ああ、大神さん、さくらさん、御紹介します。先ほど説明の話をしていたルドルフ氏です。彼はさくらさんの大ファンでして。」 「ゆ、夢織〜!」 「ぜひサインをもらいたいということです。もう一枚お願いできませんでしょうか?」側から英爺が笑って色紙を差し出す。 「本当に私のサインでよろしいんですか?ありがとうございます。」さくらは深々とルドルフに頭を下げるとペンを取り、丁寧な文字で一生懸命にサインした。 「このようなものでよろしければ…。」 「…。い、いえ、こちらこそ御無理を聞いていただいて…。」夢織め、はめやがったな、と思いながらも自分からは決してできなかったさくらと引き合わせた夢織の親切に心で礼を言ったルドルフであった。 「聖、やはり来てみるものだな。あれ、聖?」さくらとの話も終わり、感慨深く聖に感想を言ったつもりが、聖が傍らにいない。あわてて周囲を見回すと聖は夢織、南國、英爺に囲まれて楽しく話をしているようだった。 「イカルス、英爺に続いて夢織と南國…。有害物質3号と4号だな。」感謝に包まれていたルドルフの心に警戒反応のサインが点った。 陛下あ〜。それじゃ寂しいでしょう、ということでこんなレスSSをつけてみました。陛下には最後までいてもらわないとね。 |
エズミ氏 |
「花組の面々が・・」 エズミは呆然と呟いた。一体どういう事なんだろう。 すでに夜は更けきっている。浪漫堂内の客も事情を知る常連以外はほとんど姿を消し、漆黒の闇が降りた外は、行き交う人々の足音一つしない。 こんな時間に帝都のトップスターたちがここへやってくるなんて。菫月からもたらされた報に皆は動揺を隠せない。 あまりにも多くの人々がこの浪漫堂へと集結する。それは果たして何を意味するのだろうか。一体今から何が起こると言うのだ、この浪漫堂で。 そんな漠とした不安に皆は顔を見合わせている。 だが・・。それだけではなかった。 エズミは気を落ち着かせるために、冷め切ったエスプレッソを一気に煽った。 興奮のあまり、自分の頬が火照ってくるのがわかる。 みずからの敬愛する帝劇の女優たち。そのすべてがここにやってくるのだ。 (興奮するなって言う方が無理だわ・・) 「なんだかすごいことになってきたな」 ふ、と見上げれば南国がエズミの座っている椅子の背に片手をついて一人ごちている。エズミに話し掛けながらも、南国の視線は有らぬ方向を泳いでいる。南国もどうやら同じ心境のようだ。エズミは笑った。 「まったく。喜んでいいんだか、驚いていいんだか。私も混乱しちゃってます」 「ああ」 南国は頭を掻いた。 「実は俺はちょっと帝劇のお嬢さんたちと顔を合わせにくいんだよなあ」 「ふふ。あの歌劇団を舞台にしたパロディーショートのことでしょう?あまりにもはじけた内容に、ソレッタ嬢から苦情が来たんでしたっけ?」 「その通り。ほかにもいろいろやってるからなあ」 「大丈夫ですよ、南国さん。それを言うなら私だって。ここにいるみんなが苦情を言われてもしょうがないものを一度は書いてますから。むしろ南国さんより・・」 エズミはにやりと笑った。 浪漫堂の隅で、歌劇団にいても不思議ではない妙齢の美女聖に引っ張られながら、椅子にしがみついているのは、新聞記者のルドルフ。 (それにしてもあの二人は一体どういう関係なのかしら?) そんな事を考えながら、エズミは続けた。 「楽しみなのは陛下ですよ。ご存知ですか、陛下の“べろべろ紅奴ちゃんシリーズ”」 「ああ。確かもとはエズミさんがアイディアを出してそれをリレー形式でルドルフさんがひきついだんだっけ・・。あまりにも激しい内容のためついに帝劇では日の目を見なかったと言う・・」 「私から出したのは、本っ当にモトネタだけで。ほとんどが陛下のオリジナルだったんですけどね。あれに対して紅奴・・じゃなかった、紅蘭さんがおかんむりらしいんです。“いくらウチがコント得意やからって妖怪はないやろーーー”って叫んでたってうわさですから。きっと陛下、激しいツッコミにあいますよお」 「エズミさん、なんだか嬉しそうだな・・」 「えっ、そんなことないですよ。ふふ、ふふふふ」 (ま、とりあえず・・) エズミは含み笑いを漏らした。 (そうかー、アイリスちゃんも来るんだよねー。楽しみだなあ。お友達になりたいなあ。今回の脚本の主役は彼女だから、よーく観察しとこおっと。独占インタビューしたいなあ。ジャンポール触らせてくれるかなあ。ふふふふ、あの“きゃはっ”笑いを間近できけるなんて・・。ふふふふふ。は、そう言えばすみれ様も来るのかー。そ、粗相のないようにしなくちゃ・・。) 緊迫する浪漫堂をよそに、一人花組に思いを巡らし興奮しきりなエズミであった。 すごいことになってきましたねー。花組も全員来るなんて。もはや人数把握しきれませんよ。(笑) 次回が実に楽しみです。(^ ^) 勝手に話し相手にさせた南国さん、すいませんでした。(^^; さらに先日から重ね重ね、陛下にも失礼をば。(思ってるのか?) しかしこのお話の私まるでヘンタイですね・・。(^^;; だから性別詐称疑惑をもたれるんだってば。(爆) しかし中途半端なうちわネタ・・。不調の波は浪漫堂のレスにまで広がっているのか?(爆) 変なものですいません、ひでじいさん。 実は自分の方の話が相当のスランプでして、そのせいで余計にこちらに入り浸っているエズミなのでした。せめて今週中には・・。 ではでは。 |
ひでじい氏 |
「すみません。南國さん、エズミさん。」見ると英爺が真っ白なテーブルクロスを抱えて立っている。 「どうしたんです?」エズミの質問に英爺は笑顔で答えた。 「花組のみなさんがいらっしゃるでしょう?みんなで迎えるには玄関は手狭だから、ここを模様替えして迎える準備をしようと思って…。お手伝いいただけますか?」 「ええ、喜んで。じゃあ早速始めましょうか。」エズミは勢いよく椅子から立ち上がり、きびきびと作業を始めた。 「じゃあ、メニューも注文し直しだな。私はBAT君を呼んでくるよ。」南國もすぐに立ち上がって動いた。 「あ、南國さん、夢織さんがしぼり立てのフレッシュジュースが出せないかカウンターで相談してますんで手伝ってあげてください。」 「なんだ。夢織さんは迎えにはいっていないのか。相変わらず苦労性だな。わかったよ。」南國は笑ってカウンターに赴いた。 今かかっているテーブルクロスをたたみながらエズミはため息をついた。英爺はその姿を見逃さなかった。 「何かあったの?」 「い、いや大した話じゃないんですけどね。」エズミはふとさみしげな笑いをすると作業を続けながら言った。 「いいところまでは構想が行くんですけど、その後がうまくつながらなくて。締切も近いんですけど、悩んでるんですよ。」エズミは少し手を休めると星空を仰いで呟いた。 「私、スランプなのかなあ。」 その言葉を聞いた英爺はしばらくいっしょに考えていたが、やがてランプの準備をしながら微笑していった。 「スランプということはないよ。何かに引っかかってるんだと思う。」ランプの準備が終わった英爺はベストに付いたほこりを払いながらエズミの方に向いた。 「たぶん世界が広がって今までのものとは違うものが書きたくなってるのかも知れないよね。エズミさんもここのところ、すごく話す人が増えたし、いろいろな刺激を受けてるんだと思うよ。」 エズミにテーブルクロスの端を持ってもらい、丁寧にかけていきながら英爺は話を続けた。 「エズミさんはすごい才能を持ってるんだしもっと自信を持って言いと思うよ。」 「でも…。」 「いや英爺のいうとおりだ。恋愛詩人もたまにはいいことを言うなあ。」エズミが振り向くとBATを連れてきた南國が立っていた。 「エズミさん、がんばって。」 「BATちゃん…。」 本当に何か暖かい。エズミはそう思いながらテーブルクロスをかけていた。お洒落で気の効いた台詞以上のものがある。エズミにはそんな気がしていた。 「これが終わったらみなさんが帰ってくるまで少しお茶にしましょう。実は…。」英爺が小声になるとみんなが近づいた。 「とっておきの豆があるんです。あれを挽いて薫を試してみたいと思うんですが。」 「分かった。じゃあここはてっとり早く片付けよう!」 「賛成!!」 太正浪漫堂の夜がひときわ鮮やかに流れていく。 ひでじいです。エズミさん、大丈夫ですよ。まあ珈琲でも一ついかがですか。ちょっとしんみりしたものになっちゃいましたが。 |
イカルス星人氏 |
菫月の言葉に、花組の面々を出迎えようと我先に玄関へと向かう浪漫堂の常連一同。 話はその四半時ほど前に遡る。 イカルスは「夜風に当たって少し酔いを覚ましてくる」と言って出ていった。 そして程なく戻ってくると、飲みかけの日本酒を放ったまま何故かワインを飲み始めた。 各人に対する監視をそれとなく、しかし注意深く続けていたかとおおおが目敏く気付いた。 「ん?確かあいつはワインだけは苦手だと言っていたような気がしたのだが・・・」 その時、聖がルドルフをさりげなく肘で小突いた。 「イカルスさんの様子がおかしいのですが」 「ああ、あいつはいつもおかしいから心配しなくても大丈夫」ルドルフが茶化す。 「気がつきませんか?いつもならエズミさんやBATさんに色目を使っているイカルスさんが、 さっきからしきりに見ているのは脇の机に積み重ねられた資料ですよ? それに、いつも私に向けて発せられている下心の思念が、今は全く感じられないのです。 私、ちょっと確かめてみます」 「おっ、おい、聖・・・・」ルドルフの制止も聞かず聖はイカルスに近づいた。 そして、さりげなく彼の背中にその手を当ててみた彼女の顔色が途端に蒼ざめた。 「あ、あなた、何者なの・・・・・・」後ろへ飛び退りながら聖はそう言うのがやっとだった。 「おやおや、もうばれてしまいましたか。騒ぎに乗じて一人ずつ始末するつもりでしたが」 そう言うイカルスの顔が、その姿が奇妙な形に変形を始めた。 「お、お前、本当に降魔だったのか」違うって。 入り口の方に集まっている大部分の連中は、奥で起きているこの事態を知る由もなかった。 その頃、浪漫堂前の一本の路地の奥。 ぐるぐる巻きに縛られたイカルスが無様に転がされていた。 「参ったな。まさかいきなり後ろから頭を殴られるとは。殺されなかったのは幸いだが。 きっと奴は俺に化けて中へ入り何かやらかすに違いない。こうしてはいられないぞ」 その時、彼の足下を黒い小動物のようなものが駆けて行くのが見えた。 「おい、ちょっとそこの小っちゃいの。待ってくれ。どこへ行くんだ」 「のぶっちでし。ご主人様に外の様子を見てくるように言われたでし」 「丁度よかった。お前の歯でこの縄を食いちぎってくれないか?事は一刻を争うんだ」 「縄は美味しくなさそうだから遠慮するでし」 「そんな事を言うなよ。後でご馳走してやるからさ」 「了解でし♪」 のぶっちはしばらくイカルスを縛った縄をがじがじと噛んでいたが、急にやめてしまった。 「硬くて駄目でし。歯が欠けてしまったでし」 「つっ、使えん奴・・・・。しかし、このままでは中の皆が・・・・・」 その時、路地の入り口に背格好の低い二つの影が立っているのにイカルスは気がついた。 「きゃはっ、お兄ちゃんミノムシみたい。何やってるの?」 「縛られるのが好きなのかもしれない。個人の性癖には干渉しない事を勧めるよ、アイリス」 あ〜あ、また話をややこしくしてしまった。しかも他の方を差し置いて花組メンバーとご対面してるし。でも私と英爺さんって何話か前に加山とマリアさんに既に会ってるんだよな。 というわけで、ひでじいさん、よろしくお願い致します。 かとおおおさん、エズミさん、BATさん、陛下(&聖さん)、のぶっちさん、無断使用陳謝。 それでは、また。 |
Rudolf氏 |
また外に出た。 聖の制止も聞かずに外に出たルドルフ、もう恥ずかしさの余りここに来ることもないのかも知れない。しかし目に止まったのは誰あろう帝劇のマスコット的存在アイリスと新参ながらその人気は確固たるレニ。 「あの、どうかされたのですか?」 「・・貴方は誰?」 「申し遅れましたレニさん、私は帝都日報の記者でルドルフと申すしがない者です。」 「・・ルドルフ、聞いたことがある。昔は帝都日報にも連載小説を多数持っていた敏腕記者にして小説家、競走馬研究者にして政治評論、紹介欄によれば学生時代に医学以外を修めたという史学を得意とする、真の姿は異端の演算機エンジニア。」 「お兄ちゃんなんでもやったんだ〜。かっこいい〜。」 「ははは、全て素人程度ですよ。」 「そーいえばお兄ちゃんっていつもアイリス達の事記事にするの早いね、どーして?」 「気になる、関係者にしか知られていない情報をここまで早く・・」 「あ、はは・・・;と、ところでこんなところで何を?」 「あ、そうだねえねえこのお兄ちゃんが括られてるの。」 「え?あ、イカルス殿。でもさっき浪漫堂にいたのもイカルス・・」 「あ、あれはニセモノだ!早くこの縄を解いてくれ、そうしないとみんなが。」 「わ、分かった。」 ルドルフはイカルスの縄を解くと二人はレニとアイリスを制して浪漫堂に舞い戻った。 「いっちゃった。あれ、これ名刺。」 「どれ?『韓国文化サクラ汚染委員会』・・・太正2002年に韓国で日本文化が解禁される・・ルドルフという人、新しい野望があるみたいだね。」 レニはふふと薄ら笑いを浮かべて彼らを見送った。 ははは、勝手に出ていって勝手に戻るだけでは飽きたらずレニらと話しちゃいました。ミルヒ家の逆襲が恐いが一人で残してきた聖の運命は?まあ波の人間も魔物も彼女に勝つことは不可能ですけどね☆勝てるとすれば姉上か、あとは鞍矢真鈴音様(謎)くらいかな? |
ビッテン氏 |
現在許可が頂けるのを待っております。 |
ひでじい氏 |
「何の騒ぎだ?」 気がつくとシュペーアが不安そうな表情でやってきた。 「あ、アハハ。何でもないんです。何でも。」智士が取り上げたコルベンを後ろに隠し、ごまかす。」 「そ、そやな。ハハハ。ビッテンも悪ふざけがすぎるわ。」無法地帯も合わせて笑う。 シュペーアはほっとした表情で3人に言った。 「そうか。それならよかった。今まで物騒な話だったからな。安心した。それよりも早く外に出てくるといい。」 「すぐに行きますよってに。」無法地帯は笑顔を返しながらビッテンに言った。 「メチャクチャ焦ったわ。」 「つ、つい体が勝手に…。」ビッテンは、申し訳なさそうにしている。 「まあまあ、終わりよければ全てよし、ですよ。」智士もホッとした表情で話した。 「でもその代わり、例の試薬、お願いしますね。」 「う…。仕方ありませんな。」ビッテンも弱味を握られているのか、やむを得ず承諾したようだ。 そこに女性が一人やってきた。 「みなさん、大変すみません。遅れちゃって…。」 ビッテンは不審そうに尋ねた。 「こんな夜遅くに?…お初にお目にかかるビッテンと申しますが、失礼ですがどなたですか。」 「初めまして。みおです。それよりどうかしたんですか。この騒ぎは。」 みお、と聞いて智士がにこやかに挨拶する。 「ああ、みおさんじゃないですか。…ああ、これは花組のみなさんが来るということでみんなが迎えに出てるんですよ。」 「ええっ!!そんな…。私はすごくついてますよ。」その話を聞いてみおもびっくりした。 「そうなんや。私もついてるなあって思うたもんなあ。」無法地帯も話に加わる。 「取りあえず待ってますか?それとも…。」 「浪漫堂に来たならまずは珈琲だよ。」横から珈琲を差し出したのはミュラーだった。 すみません(汗)そうですね。この職業設定って…。またその話は後ほどしましょう。 みおさんがいらっしゃいましたので後はよろしくお願いしますよ。ビッテンさん。 |