浪漫堂再録書庫に戻る。
太正浪漫堂 四

太正浪漫堂 四 筆:ひでじい氏
カラン 筆:無法地帯氏
│└「いよう。いつからこっちに来てるんだ?」 筆:ひでじい氏
やっと本館に 筆:Rudolf氏
│├本筋から思いっきり外れたお話 筆:クリアル氏
││└宣言通り 筆:Rudolf氏
│└「陛下、あわてて出ていったけど 筆:ひでじい氏
こういうときに 筆:夢織時代
│└「実は私も・・・。」  筆:桜嵐氏
│ └「でも、まあ、わかりますけどね」 筆:夢織時代
│  ├「あれ、君たちもなのか。」 筆:ひでじい氏
│  └お邪魔します。 筆:BAT氏
│   └「あ、ずるい。私も飲ませてください。」 筆:ひでじい氏
太正浪漫堂、そこはいつも夢が帰る場所。 筆:智士氏
│├そして番外(論外)編(爆) 筆:二階堂氏
││└さらなる酒飲み(何だ?) 筆:智士氏
││ └らんにう(乱入)失礼です。 筆:エズミ氏
│└「いつものように自由気ままに飲むわけには 筆:ひでじい氏
ここで4ページ目レビュー(?)をする奴(爆) 筆:MOS氏
│└時間は、万人に平等なのだな・・・ 筆:夢織時代
│ └「夢織さん、どうかしましたか。」 筆:ひでじい氏
「すまないが、あれを持ってきてくれないか」 筆:イカルス星人氏
│└「どうしたんだ?」 筆:ひでじい氏
「そう言えば!」 筆:桜嵐氏
│└「だ、誰が謝るんですか?」 筆:ひでじい氏
「フフフ……」とかとおおおは不敵に笑った。 筆:かとおおお氏
 └「しかし…。」 筆:ひでじい氏
  ├では路地裏の続き 筆:Rudolf氏
  └「ど、どうしたものかしら・・」 筆:エズミ氏
   ├気持ちよく酔った気分に水を差された気分で 筆:ひでじい氏
   └あくまでも…… 筆:真神樹氏

ひでじい@少し眠いです。 ひでじい氏
ひでじい氏
ひでじい@少し眠いです。

 だんだん大きくなってきた太正浪漫堂(ついに宴会場までできちゃった!)!本館に夢織さんが説明に来るようになりました。
 琥珀色の店内にみんなが集まります。いかがなりますでしょうか。乞う御期待!

 ランプの灯されたテーブルに珈琲が用意され、そこにいつものメンバーが座る。
 穏やかな表情を浮かべる書生姿の夢織に向かい合わせになって、中央のテーブルには上着を脱ぎ、カッターシャツにネクタイ、ベスト姿のかとおおお、軽いジャケットを着た南國、ループタイの紀州人が陣取り、右のテーブルにはシックなネクタイの智士、袴姿で髪を束ねたBAT、蝶ネクタイに明るいベストを着たMOSが、また左のテーブルにはカッターにネクタイの出で立ちのエズミ、生かしたリボンタイの二階堂、そしてやはり書生姿の花丸が席を構える。
 まず口火を切ったのはかとおおおだった。

「実際のところどんな話が出てるんだ?」
「はい。最近の噂のことです。つまり、帝國歌劇團が帝國華撃團なのでは、と言う話が最初に上がりました。」

「で、どうだったんです。」MOSが畳みかけるように夢織に答えを求めた。
「陛下がかなり大神中尉に詰め寄られたんですが…。そのようなことはない、と大神中尉とさくらさんからは何度も同じ返事が帰ってきました。」

「なるほど。まさしく正論だが、秘密部隊をそうですかとは認められないとも取れるしね。」紀州人が微笑する。

「何かお二人の表情が変わったってことはなかったですか。」エズミも興味津々である。
「いえ、お二人とも残念ながら静かな表情ではっきりと答えていました。」夢織は自分の好奇心が満たされないこともあったのだろう。苦笑しながら答えた。

「うーん。なるほど。最大の関心事は取りあえず確認できなかったということだな。…。それよりも黒鬼会の件はどうだったんだ。」名脚本家、南國の視点はさすがに鋭かった。

「何?黒鬼会の話だと!」かとおおおは初めてそのことを知り愕然とした。

「そうです。黒鬼会に潜入することのできた黒火会氏に今日は来てもらっているんです。私たちも帝撃の追及はそこそこにしておいて、その話に移りました。分かったことは、黒鬼会自体が京極の攪乱戦術の上の手駒の一つに過ぎなかったこと、そして銀座に現れた葵叉丹は…。」そこで夢織は言い淀んだ。
「あの葵叉丹がどうかしたのですか。」二階堂が続きを求める。
「…。反魂の術と称される術で甦ったのは葵叉丹ではなく、ある少佐として甦ったそうです。」
「どういうことなんです?」花丸は分からないといった表情で尋ねた。

「つまり、葵叉丹は以前は天才的な才能を持った少佐が危険な任務を遂行中に恐ろしい事件に巻き込まれて人格崩壊を起こし、別人格の魔導師・葵叉丹として名乗っていたのです。ところが反魂の術では以前の少佐の人格が甦ってしまった。従って京極の意志に従わない部分も多かったということです。」夢織はこう答えたが、今の回答は半分は本当、そして半分は嘘であった。実際山崎真之介の業績と転落の軌跡をどう説明できるのか。即答で答えるのはほとんど不可能であった。しかし、わかりやすい回答としては今の自分の答えが精一杯だった。

 山崎の件で暗然となった夢織はその気持ちを振り払うために話を続けた。

「さらに分かったことは京極自身の野望に関することです。京極は政府や陸海軍、企業にも幅広い同志を得て今回の乱を進めたそうで、現在も多くの人間が残っているようです。京極自体の野望は帝都を制圧した上で地方を押さえた後…。」
「自ら至尊の位に就く、そんな話か。」かとおおおが小声で話した。
「いえ、中国を押さえて着実な世界征服を図るという話もありましたし、櫻嵐さんの調査からは武蔵、降魔兵器、魔操機兵による地上の既存世界の破壊の可能性もあると言う話もありました。」

「そんな…。現実は私たちの想像よりもはるかに恐ろしい事態だったのですね。」BATは眉をひそめる。
「そうです。黒火会氏の話では京極の野望はほぼ達成されていたそうです。陸海軍も戦闘能力を奪われてしまった中、帝國華撃團の奇跡的な奇襲の成功によりかろうじて帝都は護られたという話でした。」
「何と言うことだ…。帝撃の活躍がそこまですごいものだったとは、そして京極の野望がそこまで広いものとは…。」智士は必死で頭の中を整理していた。まさに小説より奇な現実であったのだ。

「しかし、今回分かったのはもっと恐ろしいことです。」一同のざわめきに構わず夢織は続けた。
「まだあるのか!」いやな予感が背筋を走り、かとおおおと南國が立ち上がった。

「それは…。」さすがの夢織も逡巡した。言うべきか、しかし言えばみんなに無用の心配と不安を与えてしまう。言うには強いためらいがあった。

「夢織、遅れてすまない。卿に負担を掛けすぎたようだな。」この声は!?夢織は振り返った。

「ミュラーさん?」そこには別館で協議を続けているはずのミュラーが立っていた。
「夢織さん、一人でスポークスマンはきついですよ。」報告書を片手にイカルスがにやりと笑う。
「そうですよ。あなただけにきつい役は押しつけられません。」英爺は地図と資料を両手に下げている。
「卿はいつも苦労を一人で背負おうとするな。その重荷はみんなで背負うものだ。」自分の言った台詞が恥ずかしいのか、ルドルフはそっぽを向いている。
「夢織、無理はよくないな。」シュペーアが続く。
「無理は早死の基だ。」黒火会も頷く。
「夢織さん。ミュラーさんから聞きました。水くさいですよ。」櫻嵐も破顔一笑している。

「ありがとう、ありがとう、みんな。」夢織も胸に迫るものがあるのか、みんなにしきりに礼を言う。

 そしていつもの仲間のその後ろから人影が二人。この二人こそ本館の面々が待ち望んだ人たちだった。

「みなさん、今日は本当に御迷惑をお掛けしています。真宮寺さくらです。」地味だが落ち着きのある洋服、黒く美しい長髪、きりりとした涼やかで美しい女性がそこに立っていた。他の浪漫堂の客のほとんどは知らないだろうが、今、目の前に帝劇スターが立っているのだ。そして…。
「お騒がせしています。自分は本日大帝國劇場総務課に勤務を命じられました海軍中尉・大神一郎です。」凛々しい姿に優しい笑みを浮かべた青年がそこにいた。

 一同の熱い視線が注がれる。間を置いて、まず南國が自己紹介を切り出した。これに続いて本館と別館の面々が次々に挨拶を交わす。緊張した空間に一時の暖かい空気が流れ込む。

 夢織はミュラーに話しかける。

「せっかくみなさんが一堂に会したことですし、休憩の意味を込めて何か軽食でも取りますか。ソーセージとチーズの盛り合わせにビールかワインでも。」
「酒に弱い卿にしては上出来の配慮だな。」ミュラーはビールと聞いて少し嬉しそうである。


 その頃、魔操機兵の現場検証と残骸の研究所搬入を終え、帰宅の途にあった真神は太正浪漫堂の本館の灯がついていることに気がついた。

「宴会専用の別館ならともかく、本館の灯がまだついているとは?」不審に思いつつ真神は扉を開けた。

 人気の少ないカウンターを横切りテラスに向かうと、そこには暖かい光に包まれた人々が楽しい談笑を楽しんでいた。

「こ、これは?」真神が注目している脚本家や小説家、そして職務上重要な花組の大神とさくら、学者の仲間までそろっているではないか。
「お勤め御苦労。」ルドルフが真神に声を掛けた。
「いや、驚いた。まだやっていたのか。」
「ああ、真神さん。」夢織がやってきた。
「せっかく寄ったついでだ。私もみんなの話を聞くとするか。」

 真神も結局座ることになった。話も気になるが、まずは珈琲でもいただくとするか。真神はテラスの上の星空を見ながら呟いた。本当に居心地のいい場所である。
 太正浪漫堂本館。珈琲と紅茶のおいしい凝った造りの店。その一角では、夜はこれからという活気ある会話が続いていた。


 いかがでしたでしょうか。ついに本館と別館が合流し、真神さんが帰ってきました。本編、座談に関係なく、活気ある話があちこちでできそうですね。新しく入ってくる人もいるかも知れませんね。それでは。

無法地帯氏
  カラン
ひとりの青年がまたひとり、店内へと歩を進める。
彼は、自分の活動範囲を主に西日本に置く、「無法地 帯」であった。

「ふ〜、やれやれ、たまの出張の時にしかここに来られへんからな、
 え〜と、黒ビールをひとつ。それと…そうやな、
 フランクフルトソーセージとガーリックトーストを持ってきてや。」
    ・
    ・ 
    ・
「ほう、あそこで常連さんらが居てるわ。
 この前の新装開店オープンの時に、たまたま最初の客になってしもたんやけど、
 今は専ら周りの話し声を聞くんばっかりや。

  ふんふん…なるほど、華撃團が歌劇団、ていうことかいな。
 へ〜、突飛なこと考えよるなあ。けど、ありえん話やないわな。
  ふんふん、おもろい話がわんさかや。
 これやからここに来んのん、やめられへんわ。
 わからん話でも、ように聴きよったら分かってくるしな。

  ここで仕入れた話、職場に持っていったら受けよるしな。
 今度自分も入ってみぃ、言うんやけど、どないしてるんやろ。

  おっ、ビールが来たな。つまみはまだやけど、かまへん、
 話をつまみに、まず一杯……」




 突然のおじゃま、無法地帯です。
 しばらくROM生活が続いたんで、存在を忘れられてはいけない、と乱入しました。
 関西弁の人がいないので、寂しいかなと書いたんですが、浮いてるかも。 

 でも、邪魔にならないように入ってきたので、ひでじいさん、勘弁してくださいね。
 また常連の皆様方にも、今後益々の発展とご活躍を祈念いたします。
  そういえば、関西弁といえば、「雪組隊長」さんは今いずこ?
 

ひでじい氏
「いよう。いつからこっちに来てるんだ?」無法地帯の後ろから声がする。
「あれ。イカルスさんやないですか。」
「どうしたんだ?いつものようにいっしょにやろうじゃないか。」
「いててて!!」

 イカルスは無法地帯の飲んでいる黒ビールとつまみを持つと、無理やり無法地帯を引っ張っていった。

「あれ、無法地帯さんじゃないですか。お久しぶりです!懐かしいなあ…。」夢織が声を掛ける。
「あれえ?いつこっちに来たんだ。」英爺と紀州人、智士も駆け寄る。
「さっき着いたところや。特急や言うても1日もかかる。さっき銭湯でさっぱりしたところや。」

「英爺さん、この人誰なんですか?」英爺の肩から恐る恐る首を出したエズミが尋ねる。
「ああ、この人は雅号は無法地帯といっていかつい名だが、しゃれ者で帝劇やクラッシックをこよなく愛してるんだ。本業は漢学者で広島高等師範学校卒、今は京都で先生をしてるのさ。」
「俺も京極の古文書を解析するときに世話になったものさ。」イカルスが無法地帯にビールを注ぎながらBATやMOSに説明する。

「イカルスさん。今回はほんまに御苦労さんでしたなあ。」はるばる訪ねてきた無法地帯も当時を思い出したのか、感無量の表情で答えた。

「無法地帯さん、御紹介します。真宮寺さくらさんです。」夢織が笑顔で紹介した。
「え!!ほんまのさくらはん?」
「はい。真宮寺さくらです。」
「今日はついてるわ〜。いかんいかん。僕は無法地帯っていいます。よろしゅう。」
 無法地帯はペコリと頭を下げた。

「驚くのはまだ早いよ。」英爺が続きを話す。
「さくらさんの横にいる人は大神一郎中尉だ。先ほど大帝國劇場総務課に着任されたんだ。」
「大神はん…。あの大神はんですか。」
「え、ええ、自分が大神一郎ですが。」
「以前はお世話になりました。キップを落として困っとるところをいっしょに探してもろうて。」
「あ、あのときの方ですか。」大神は思い出したのか、微笑して答える。
「何だ。知り合いなのか。」一座に笑いとどよめきが起きる。

「さあ、改めて卿らに乾杯と行くか。」ミュラーが杯を挙げ、周囲がこれに追随する。と、そのとき浪漫堂の扉がまた開いた。

「英爺さん、います?俺はビッテンだけど。」

 浪漫堂にまた新しい客の登場である。テラスには櫻の花びらが舞うのがランプの光で見事に浮かび上がっていた。


Rudolf氏
やっと本館に
 勢揃いしたところで極上の白ワインに舌鼓を打つルドルフが話を切り出す。
 「しかし、これまでの謎の多い事件に天変地異、去る1月よりの帝都に発せられた戒厳令、謎という一言では、」
 その言を秀爺が制する。
 「まあまあ陛下、そのような話はこの酒が終わってから。でなければ酒がまずくなってしまう、せっかく全員が揃ったのですから。」
 「そ、そうだな、しかしこの中に銘酒を飲んでいる者はいないでしょうな。」
 その真意を理解できる者のみに笑いが起こる、どうも彼は一部には受けのよい冗談を発するのだが万人受けしないという点でいまいち面白味に欠けている。
 「あれは無法地帯殿か、そういえば本日はMAKO殿がどこかに来ていると言っていたが、まだのようだな。」
 「ははは、昨日今日と浪漫堂は千客万来ですね。」
 「ええ、昨日も我々とは異なる常連の方が参っていましたね。」
 「でもルドルフさんどちらにもおられるんですね、お顔の広い。」
 さくらに話しかけられるくらいで赤面しながら含み笑いでワインを口に近づける辺りルドルフの精神的幼児性を示している、そんなところにミュラー、イカルス、夢織らの追求が飛ぶ。
 「真樹、いやさ真神殿、助けて・・・」
 事情を知らない真神が口を挟むより早くエズミがそれを止める。
 「真神さんは今来たばかりで知らないでしょうけど陛下は一度こうされた方が身のためですから、口出し無用ですよ。」
 「エズミさん、まだ怒ってらっしゃるようで。」
 返答はそっぽを向くという行動で得られた。
 「そう言えば雪組隊長殿が見られないな。」
 かとおおおの疑問ももっともだったがそれに対して有効な回答を得られる者はいなかった、静まり返るテーブルに通信の呼び出しがかかる。
 「はい、ルドルフ。何?そうか・・わかった、直ちに帰還する。」
 「ルドルフ、何か?」
 「師匠、誠に申し訳ありませんが私は数刻この場を辞去させていただきます、戦友が一・・・人この世を去ったという報が。」
 言うが早いかルドルフはジャケットに袖を通して足早に浪漫堂を退出した、しかし彼は元々歩行が速すぎたのでそれを足早に感じる者が皆無だったという。
 「菫月殿、クリアル殿、とんでもないことになったぞ。」
 浪漫堂前で通信機に手を掛けるルドルフの声は震えていた・・・

 ということでこれよりサイレンススズカの方に参ってきますのでおさらばです。

クリアル氏
本筋から思いっきり外れたお話

クリアルは焦っていた。友人の鈴鹿が何かのアクシデントに巻き込まれたらしい。
しかし、その後鈴鹿がどうなったのか全く情報が入ってこない。
「くそっ!一体どうなってるんだ」
クリアルの焦りが今にも頂点に達しようかという時
ピーピーピー
不意にテーブルの上の通信機が音をたてる
「通信?こんな時に」
少し苛立ちながら通信を開くクリアル
「はい、クリアルです。」
「クリアル殿か、私だ、ルドルフだ。」
通信の相手は浪漫堂の重鎮で在り、帝都グラフの記者のルドルフ氏
しかし、いつもの氏とは何か違うようだ。
「これはルドルフさん、どうしたんですか?心なしか声が震えているようですが・・・」
「実は...大変な事が起こったんだ」
「大変なこと、まさか・・・鈴鹿のことですか?」
「ああ、君のところには情報は入っているか」
「いえ、鈴鹿が何かアクシデントに巻き込まれたとだけしか、今情報を集めていた所です」
「そうか・・・」
「その様子だとすでに知っているようですね。一体どうなってるんです」
しばらくの沈黙、そしてゆっくりとルドルフは言葉を発した
「奴は、鈴鹿はこの世を去ったよ」
「まさか!」
(鈴鹿が死んだ?この世を去ったというのか!)
一瞬目の前が真っ暗になる。
それでも何とか気を持ち直してルドルフに尋ねるクリアル
「その話、間違いはないのですね?」
氏の情報の正確さは知られている。それでもやはり信じがたい
何かの間違いであってほしい
「ああ、私の情報に間違いはない、残念だが」
やはり鈴鹿は死んだのだ。
「そんな、つい先日も成田の奴が逝ってしまったばかりなのに」
「私はこれから鈴鹿の関係者の所へ行ってみるつもりだ」
「そうですか・・・私はもう少し気持ちを整理してから伺います」
「そうか、あまり気を落とすなよ」
「ええ・・・ありがとうございます」
通信が切れると、まるで魂が抜けたかのようにイスにもたれかかるクリアル
「鈴鹿・・・先頭に立ち皆を引っ張っていく君の姿はもう見られないのか」
そっと目を閉じ鈴鹿を思い出す。
「長い夜・・・になりそうだな」


こんばんは、クリアルです。
まず勝手に名前を使わせていただいたルドルフさん、申しわけ在りません。
サイレンススズカ予後不良を聞いてあまりにショックだったもので。
ちなみに鈴鹿=サイレンススズカ、成田=ナリタブライアン、ということで。

それとひでじいさんを始めとする浪漫堂の方々にもお詫び申し上げます。
単なる私クリアルの1人ごとのようなもので、せっかくの楽しい雰囲気に水を差してしまいました。(汗)
なのでこれは奇麗サッパリ無視してください。
では!

Rudolf氏
宣言通り
 ルドルフは帰ってきた、しかし彼を包む黒いオーラは友の死とともに哀悼を現した(?)白いスーツのせいでいつもより一層浮き出ていた。
 「果たしてこの様な光を纏ってこの聖なる扉をくぐって許されるものなのか?」
 自問するルドルフ、しかしその時彼の後方から明るく放たれる声が聞こえた。
 「ルドルフさん。」
 彼はドキリとした、このいつもと違う白いスーツで自分を1目で見破るこの女性は・・・振り向けば誰あろう、近頃評判の高まる新進気鋭の服飾デザイナー、カオリであった。
 「貴女でしたか、いやいきなり女性に声を掛けられるとは驚きだ。」
 「こんな目立つ格好をしておいて今更驚くも何もあったものじゃないですよ。」
 「目立つ・・・そうか、やはり目立つのか・・・ところで貴女のその大きな袋はまた新しい服ですか?」
 彼女は新しい服ができる度に自らモデルとなり浪漫堂に足繁く通っている。
 「さあ?それは浪漫堂に入ってからのお楽しみですよ、いきましょう。」
 無言で彼は彼女についていく、反論すら出来ない臆病な自分に活を入れつつ。

*このお話は実話(うーん、シチュエーションはまるまるホンマやな;)に若干の脚色を用いたフィクションです。続きは師匠の下に。

ひでじい氏
「陛下、あわてて出ていったけどどうしたんでしょう。」BATが南國に尋ねた。
「うむ。よくない知らせのようだな。」南國も心配顔である。
「陛下、何かあったんですかね。」二階堂と花丸もやってきた。
「大丈夫だ。彼のことだ。数刻後には必ず帰ってくるさ。」紀州人がその場の不安をうち消した。
「しかし、大丈夫かな、陛下…。」櫻嵐と智士はなおもルドルフを案じつつ席に戻ることとした。

ひでじいです。サイレンススズカの冥福を祈りつつ…。

夢織時代
こういうときに
酒が飲めないのはつらいな。
皆のグラスにワインをそそぐ係をかってでて、香りだけをかすかに楽しみながら夢織は自嘲気味に思っていた。
この浪漫堂の暖かさに、感極まりながらも、互いに酒を酌み交わせないというのはつらいものだ。

「夢織、ここで倒れんでくれよ」
ミュラーが笑いながら警告してきたので、夢織は苦笑いした。
かつて、米田支配人にお礼の挨拶に言ったときに、米田の漂わせている酒気を吸って、
夢織は支配人室で倒れてしまったことがあるのだ。
あとで米田に散々笑われたことは言うまでもない。
夢織の下戸ぶりを示すエピソードとして、浪漫堂で酒が入るとしばしば笑いのタネとして持ち出される話である。

しかし、浪漫堂の皆に笑われるのは嫌な気分ではない。
からかっているのではなく、純粋に笑ってくれているからだろう。

「はい、夢織さん」
「ああ、これは、すみません・・・」

英爺が果汁十割の清涼飲料の瓶を開けて、夢織に差し出す。
実は夢織は炭酸すら飲めないので、清涼飲料でほっとしていた。

浪漫堂の夜は、まだまだこれからである。
酒気のないグラスを傾けながら、夢織はここに漂う浪漫の香りに酔っていた。


**********************************
こんばんは、夢織時代です。
本館に戻ってきてなんだか安心してしまいました。
本当に、ここは暖かい・・・。

桜嵐氏
「実は私も・・・。」

「・・・お酒の方はからきしなんですよ。」
 櫻嵐は照れた様に笑いながら、夢織の隣に腰掛けた。
 その手に握られているのは・・・何と日本茶である。
「櫻嵐くん、君・・・いくら何でもこの場所でお茶はないんじゃないか!?」
 呆れ顔の夢織り・・・確かに茶碗片手に椅子に腰掛ける姿は、浮いている以外のなにものでも
ない。
「いやぁ、この前ちょっとした飲み会で無理をしてしまって・・・それからというもの、この
お茶は私の必須所持物なんですよ。気にしないで。」
 まったく悪びれる様子もなく、櫻嵐は言ってのけた。
「君が気にしなくても、私が気になるんだよ・・・。」
 清涼飲料水を飲む男と日本茶を飲む男・・・どっちもどっちだという囁きが、辺りからは
聞こえていた。

*******************************************

いきなり乱入、失礼いたします!
「一緒にすんじゃねぇよ!」
という声が聞こえてきそうです・・・っていうか、聞こえてる。(爆)

やっぱり日本茶はいいなぁ〜と思う桜嵐でした。(^^;
撤退〜!

夢織時代
「でも、まあ、わかりますけどね」
気になるとは言ったものの、実は夢織は嫌だったわけではない。
夢織は大学の研究室で玄米茶を愛飲しており、飲み会に行きたいと叫ぶ学生からは呆れられているのである。
玉露などと、高級茶は舌に合わないあたりは貧乏性である。
「それにしても・・・・」
「おや、夢織さんも飲みますか?」
「いや、そうじゃないんですけどね」
茶碗を傾ける櫻嵐を眺めながら、不思議と夢織は違和感を感じなかったのだ。
ここが欧州の喫茶店ならば、壮絶な違和感を感じもしただろうが、
ここはカフェといえども、日本は帝都の浪漫堂。

流れ込んでくる西洋文化と、はぐくまれた日本文化が巡り会い、溶け合うこの太正の時代を象徴するこの店で、
ワイングラスを傾ける者、ビールジョッキを傾ける者、珈琲カップを傾ける者、ティーカップを傾ける者。
そして、ジュースコップを傾ける者と、日本茶碗を傾ける者。
この光景が、太正ならではの貴重なものではないか、と思う。

やれやれ、見苦しい自己弁護だなあ・・・。
思いつつも、同じように酒を苦手とする櫻嵐が隣にいてくれることに、
夢織は心から感謝していた。


***************************
ははははは、こんばんは、夢織時代です。
やたっ、同志がいたあ!
うんうん、実は私も好きなんですよ、緑茶。(抹茶は苦手)
さてさて、周囲のひんしゅくの視線を浴びながら、夢織でした。

ひでじい氏
「あれ、君たちもなのか。」英爺がフレッシュジュースをいっぱい持ってきた。
「おや?英爺さんはお酒は強いんでしたよね?」夢織は怪訝そうな顔をした。
「違うんだよ。」英爺は小声になって大神とさくらを呼んだ。

「大神さんとさくらさん、すみません。ちょっとこっちへ。」

「どうしたんですか。」呼ばれた二人も勢い小声でこっそり宴席を抜けてくる。
「実は舶来品のオレンジとグレープフルーツ、バナナが届いたそうで、そのおすそ分けだそうです。100%混じり気なしのしぼりたてのフレッシュジュースですよ。」
「おお!!」夢織、櫻嵐、大神、さくらの瞳が宝石のように光る。
「じゃあ早速回しますよ。」
「こ、これはおいしいね。さくらくん。」大神が感嘆の声を上げる。
「いつものジュースと全然違いますよ。」さくらも驚きを隠せない。
「いやあ、英爺さん、すごいですね。」櫻嵐は率直に喜んでいるようだ。

「偶然なんだが、夢織さんがお酒がだめだと言うんでカウンターで相談してたらひょうたんから駒になちゃったけどね。」英爺自身、この思わぬ事態に喜んでいた。

 つかの間の宴会の間、一角だけがなぜか「フレッシュフルーツジュースフェア」の会場と化している太正浪漫堂本館であった。

 ついついこんなものも書いてしまいました。すみません。フルーツジュース100%の好きな英爺でした。

BAT氏
お邪魔します。
 私もこちらに居れてください。
 私もアルコールがだめなんですよ。匂いだけで真っ赤になってしまうもので。
 おまけにこの頃珈琲の飲み過ぎ(一日四杯+緑茶3杯)で胃が荒れていてあまり飲み物が飲めません。
 アルコールなんてもってのほか。だからこちらに居させてください。
 ちなみに今はレモネードなどを飲んでいます。ではお邪魔でなければ宜しくお願いします。
 BATでした。

ひでじい氏
「あ、ずるい。私も飲ませてください。」BATが「ジュース連合」の動きを目聡くつかんでやってきた。

「あ、ばれちゃいましたか。」夢織がバツの悪そうな顔でBATを見る。
「BAT君、これで勘弁してくれ。」英爺が小声で頼むように言う。さくらがレモンとチェリーを手早く浮かべ、英爺と大神がリレーでフレッシュジュースを回す。

「見ろ。BATさん。横を。本当に話の続きができるのかなあ。」櫻嵐は心配そうである。

 BATの横ではかとおおお、智士、二階堂、花丸、そして無法地帯とイカルスが大宴会を開催し始め、ミュラーとシュペーア、エズミが陥落しようとしている。

「そ、そうですね。さわらぬ神にたたりなし、と。じゃあ私もこちらで…。」BATはジュースの杯を高く掲げた。全員も呼応する。

「プロージット!!」

 ひでじいです。そうですね。ひでじいはお酒は大好きですが最近飲み会続きで胃を痛めています。だから今回はこちらに避難!!
 でもこんな調子でまじめな話に持っていけるのかなあ。ちょっと不安なひでじいでした。

智士氏
太正浪漫堂、そこはいつも夢が帰る場所。
 夜の帳が落ちてもまだ、眠る事を良しとしない者達が、互いに談笑しあっている。
「あ、私には出きればウォッカかズブロッカ辺りを」
 正真正銘呑み介な発言をするのは最近よく顔を出している智士だった。
「これはまた、えらく強い酒を・・・・」
 周囲の人間は呆れたような顔をするが、本人は至ってまじめにこう答えた。
「だって皆さん、この先は素面ではいられないような気がしませんか?
それに麦酒や果実酒だと私は悪酔いしてしまうので・・・・・」
 照れたように本人は言っているが、周囲ははっきりいって呆れているようだった。
「酒飲みらしいとは聞いていたが、こんな酒飲みだったとは・・・・・」
 イカルスは苦笑いをして呟いた。
「やはり、アルコールは禁止しておいた方が良いようだぞ」
 ルドルフは自らが提案した事を少し悔いているようだった。
「どうしてですか?ウォッカは無味無臭で飲みやすいですよ」
 どうやら智士は論点を完全に取り違えているようだ。
そして、店員にそんな酒は置いていないと断られ、しぶしぶ珈琲を啜る。
「・・・・・だって、麦酒も果実酒も飲めないんだから仕方ないじゃないか」
 結局論点が違うままだと言う事に気が付かない酒飲みだった。


***************************************

 って、すみません。
 英爺さん、こんばんわ。
 すごく良い雰囲気でヤッホー!な気分になっているのですが、つい
一人ボケ・突っ込みをしたくなった智士です。

 はーい。ビールもワインも飲めませーん。飲むと悪酔いして二日酔いでーす。
そのくせ好きなのは焼酎・ウォッカ・ズブロッカ・バーボンでーす。
(だから、そんな事はどうでもえぇっちゅうの・パーンチ♪) 

 パンチもくらった事ですし、少しまじめに。
 浪漫堂は何だかこう、ほっとしますね。(珈琲タイムじゃないって)
 珈琲と紅茶が美味しくて、気の利いたお茶菓子などが置いてあると
最高な気分になりますし、そこに集まる人達が最高に素敵で、
その一部に自分を入れて貰えている事に感謝しています。

 この先も話は本館に移って続いていきますね。
話が大きくなってきて大変だとは思いますが、浪漫堂愛読者としては
楽しみにお待ちしています。
それでは、ごきげんよう。
(肩凝りと腱鞘炎で泣いている、寄る年波には勝てない智士でした)

二階堂氏
そして番外(論外)編(爆)

「じゃあ智士、僕のオススメを飲んでみないかい?」
二階堂は智士に向かって、ニカっと笑った。
「オススメですか?」
「うん。あ、ちょっと!」
そう云うが早いか、二階堂は浪漫堂の店員を呼びとめると何やら細かい注文をし始めた。
「・・ウォッカマティーニを・・え?ウォッカがない?そんなことないハズだよ?この間、僕がキープしたもん。そうそう、それそれ。それから、シェークでなくステアーでね・・・あ、レモンピールは多めにしてくれると嬉しいな♪」(←知る人ぞ知る(笑))
しばらくすると、無色透明な液体を湛えたカクテルグラスが二つ、オリーブの実が中に添えられて出てきた。
「??何なんですか、これ?」
智士は、店員が運んできたカクテルグラスを指して二階堂に尋ねる。
「ふっふっふ、まあ飲んでみてくれたまえ。」
恐る恐る口に付ける智士。
「うわ、強いですね!」
「これは、亜米利加で人気の”007”の主人公が良く注文するカクテルで、僕のお気に入りなんだ♪」
「う〜ん、もう一杯♪」
「え?!・・・もう飲んだの?」
「美味しいですねぇ〜〜♪」
「え〜っと・・・」
「じゃんじゃんいきましょぉ〜じゃんじゃん♪」
「こらっ!二階堂!!智士さん酔わせてどうするんだよ!」
「は、花丸ぅ〜・・・・ど、どうしようか(爆)」

浪漫堂に立ち込めた厳粛な雰囲気が二階堂のせいで、やや砕けてしまったのだろう。
振る舞われたビールと宴会めいた雰囲気が、飲める者飲めない者を問わずにそこに皆を程好く良い気分にさせていた。
これも浪漫堂の美点の一つ。
そして今宵も浪漫堂の夜が更けていくのであった。

@@@

>ひでじい様
ああ、どうもすみませんでした!ひでじいさん!
ここは、無視して下さって結構です・・っつーかして下さい(爆)
せっかくの浪漫堂の雰囲気ぶち壊しやん・・・(TT)

>智士様(^^;)
ごめんなさい、智士さん!m(__;)m
つい書いてしまいました!平にご容赦を!!
腱鞘炎と肩凝りですか、大変ですねー・・でもSSあるから大変ですね♪(爆)
がんばってください。

>花丸様
また勝手に使っちゃってごめんね〜♪そのかわり、おいらをバシバシ使ってくれぃ・・(爆)

でわでわ♪
なんだかはいほーな二階堂でした。

智士氏
さらなる酒飲み(何だ?)

「カクティールいいですね。じゃあ、今度は私もオリジナルを。
ウォッカとカシスリキュール、それにオレンジジュースを少々を
シェイクしてくださーい」
 もう、店員も諦めたようだった。
「あの?これは?」
 二階堂は差し出された真っ赤なショートカクテルを恐ろしげに見た。
「友人と遊びで作ったオリジナルなんですよ」
 智士は既に酔っ払いモード全開だった。どうやら観念しなければならないと
思ったらしく、二階堂は一口だけなめてみた。
「あ、結構飲みやすい・・・・・」
「そうでしょう。自信作なんですよ、それ」
 胸を張って見せるが、あまり自慢出きるような事ではないと本人は気付いて
いなかったが、二階堂はとりあえず話を合わせる事にした。
「やはり誰かをイメージして作ったのかい?」
「むふふ。内緒だ」
 こんなに酔わせるのではなかったと反省する二階堂だった。

そして浪漫堂の夜は更けて行く・・・・・。


******************************

まずは二階堂様へ
 あ、ありがとうございます。とりあえず軽い腕の痺れと
背中の鈍痛程度に納まってきています。(^^)
 おおー、カクテルと来ましたか。私カクテルは大好きです。
実際に常連の飲み屋に行くと無理やりオリジナルを作らせては
専用キープなどとばかげた事もしていました。(過去形)
 ウォッカベースにカシスを入れて作るカクテルですが、
本当に存在しています。とは言え、横浜のとあるバーに
隠しカクテルとして登録してもらったと言う逸話もの。
カクテルの名前は「シューマッハ」(爆死)
由来は馬鹿馬鹿しいので聞かないように。

そして、ひでじい様へ
 申し訳ありません。ちょっと酒飲みの血がうずいてます。
浪漫堂が飲み屋になってしまってますが、こんな奴は
ほっといて太正浪漫あふれる浪漫堂をお願いします。

それでは、失礼します。
ちょっと(?)酒飲みな智士でした。

エズミ氏
らんにう(乱入)失礼です。

「すいませーん、スパークリングワインを下さい。白」
「は、えーと、グラスでよろしいですよね」
「あ、いえ、ハーフボトルで」
げっ、と言う顔のウェイトレスにさすがに、エズミは少し恥ずかしそうな顔になる。
「のーみ過ぎだってばエズミさん」
「大丈夫なの、そんなに飲んで」
智士、二階堂の飲み助コンビも心配そうな顔をする。
「あ、ご心配なく。私こう見えても強いんですよ」
エズミは今まで飲んでいたカクテルのグラスをカラカラと振ってみせた。
シャーリーテンプル、スプモーニ、ファジーネーブル・・。どれもアルコール度数の低いものばかりだが、エズミはまるでジュースでも飲むかのように顔色ひとつ変えず、きゅーっきゅーっ、とそれらを飲み干していた。
「そんな弱いもんばっかり飲んでるんじゃない。日本人なら日本酒だろ」(ラモス)
イカルスが一升瓶を抱えて突っ込む。
「いやー、それが日本酒駄目なんですよね。ビール、ウィスキーもだめだし。なんか飲んだ瞬間カーッて口に来る奴は駄目なんですよ、これが。カクテルもショート飲めないし。ワインだったら結構いけるんですが」
「それは真の酒飲みじゃないなあ」
と、智士はかっかっかと笑う。その手にはドライマティーニ。エズミにはとても飲めやしない。
「そうだそうだあ」
二階堂も嬉しそうだ。二人ともえらく酔っ払っている様子である。

「なんですか、二人して。飲み比べのしすぎですよ」
その大声を聞きつけて、夢織が遠くから笑いかける。夢織、BAT、桜嵐、英爺、さくら、大神は、もっぱらノンアルコールに夢中のようだ。
エズミはこっそりその様子をうかがった。大神の言葉にはじけるように笑う真宮寺さくら嬢。実に美しい。女の自分が見てもうっとりするぐらいである。
本当にお似合いの一対だ。うらやましいなあ。

と、見つめる視線に気づいたのだろうか、さくらが不意にこちらを向いた。
(おや)と、エズミが思う間もなく、さくらはこちらに近づいてくると、エズミの横のカウンターに腰を下ろした。智士、二階堂の酔っ払いコンビも静まり返る。
さくらはにっこりと親しみを込めた微笑みをエズミに向けた。思わずエズミはどぎまぎしてしまう。
スタアと言うものがまさに存在するのだなあ、と言うことをエズミはこういう時強烈に感じる。彼女がやってきただけで、カウンターの空気が変わった。存在だけで、その場を支配してしまうのだ。
「お酒、お強いんですね。」
さくらはエズミのワイングラスを見ると、微笑んだ。
「いや、全然いいことでもないですよ。やっぱり女の子は弱い方がかわいいです」
エズミは酒の香りに酔って真っ赤な顔になっているBATを見て苦笑した。
「さくらさんは、お酒の方は・・?」
「あ。あたしは、うーん。どうなんでしょう。ふふ、飲んだらそんなに飲めないこともないと思うんですけど、あんまり飲ませてもらえません」
「はあ、そうなんですかあ」
さくらの鈴を転がすような声にうっとりするエズミ。
「なに、ぽーっとしてるんですかあ。だから男と間違えられるんですよ。赤くなっちゃって・・」
MOSのからかいの声が飛ぶ。
「う、うるさいわねっ。でも、なんかさすがに酔ってきたみたいです。ちょっと失礼、酔い覚ましに」
「あ、逃げた」
どっと笑う面々。
(いけない、これでは陛下と同レベルだわ・・(爆))
さくらにどちらが先に話しかけるかじゃんけん争いをしている二階堂と智士を尻目に、エズミはふらりと外へと歩いていった。

ま、また書いてしまったあ。旅行から帰ってきて一番にこれを書く私って。(激爆)
続きがさきやろー。
名前をお借りした方々失礼しました。
さくらさんとぬけがけかましてしまってすいません(^^;;;
どうしてもしゃべってみたかったんです。(笑)
ではでは、長々と失礼しました。

ひでじい氏
「いつものように自由気ままに飲むわけにはいなかいが…。」智士がカクテルを傾けながら言う。
「きょうは少ない量でも何か心地よく酔える。」
「フフフ。何か一波乱ある予感ですか。」二階堂は酔った表情で話したが目は笑っていなかった。

「神崎重工の発注が増えていますね。」
「二階堂、お前、何かつかんでいるのか。」慌てて花丸が問いただす。
「いや、いずれ後の説明で分かると思うが、さっき夢織さんと黒火会氏、英爺さん、イカルスさんが立ち話をしていたんだ。何か変な動きがある。俺のつかんだ話とリンクするのかしないのか。」二階堂はテラス上の櫻花を見上げて言う。

「浪漫と現実、平和と危険…。甘く、芳しく、そして苦い。」カクテルを見つめた智士はそれを一気に飲み干して言う。

「今の浪漫堂は、そしてこの帝都はこの絶妙のカクテルの状態かも知れないな。」

 ひでじいです。ついでにこんなものも書いてしまいました。すみません。何か上のレスSSで思いついたもので。

MOS氏
ここで4ページ目レビュー(?)をする奴(爆)
だって今回は浪漫堂内でやるって決めてたんだもん(^^;)。

「あ、紀州人さん、これ見て下さいよ。」
「お、これは浪漫堂会報4号じゃないか。」
「ええ、最近過去の会報を見るのが日課になってしまいまして。でも今見ると面白いですよ。」
「どれどれ・・・。お、南国の「帝劇スター誕生」だな。「旅立ち・・・・(完結編)」もあるな。書きなぐりシリーズか。その後は・・・久々のシリアス「死線の果てに・・・・」だな。全く短期間でこれだけ喜劇からシリアスまで手がけるのだから凄いものだ。」
「あ、私の花コラ購入報告があるじゃないか。」
そう言って話に入ってきたのはかとおおおである。
「何故かこの後陛下やミュラー大将たちと地元の話題で盛り上がったなあ」
そう言って苦笑するかとおおお。
「かとおおおさんならもう一つトピックがありますよ。」
MOSが何やら嬉しそうに話し掛ける。
「ああ、大神三郎さんの大神&加山の先生ネタだね。私も一役買わせてもらったよ。」
思い出したようにうなずくかとおおお。
「全く、よくあそこまで話が広がったものだ。」
半ばあきれた様子の紀州人。
「あとはそいぎーさんの帝劇を贔屓にするようになったきっかけについての質問・・・、陛下の歌SSもありますね。」
「君の質問があるな、MOS。所有ハードについての質問だね。」
「いや、お恥ずかしい。まさかあれほどの返答が来るとは予想外で、こちらからの返礼も何人かできずじまいで・・・。別項目を作ってでも返礼するべきでした。」
「あとは旧会報の絶版について、黒火会氏による黒鬼会レポート・・・、あら、夢織さんの活動縮小についての報告がありますね。」
いつの間にか話に加わっているエズミが少し驚いた顔をする。
「うん、まあ大学の講師ってのは何かと多忙なのさ。それにしても活動を縮小してなおあの活躍振り、全く大した男だよ、彼は。」
かとおおおが賛辞の言葉を述べる。
「それにしても、凄い量だな。」
「まだまだ4冊目ですよ。どうです、5冊目、いきますか?」
「よし、のった!」
浪漫堂の夜はまだまだ続く・・・。


えー、お名前を無断借用いたしました紀州人様、かとおおお様、エズミ様、この場を借りて陳謝いたします。m(_)m
大神少尉とさくらさんも来て、本館も何やら緊迫ムードが出てきましたね。さあ、次回はどんな話が飛び出すのやら。ではでは、森林警備隊員MOS@或いはカズ(笑)でしたー。

夢織時代
時間は、万人に平等なのだな・・・
ふと盛り上がっているMOSたちの方を眺めたとき、不意に夢織はそんなことを考えた。
最近は、ここにいられる時間が少なくなった。
かつては、ここで発表される作品全てに対して、個別の感想や意見を著者に述べていこうとしていた。
時間が少なくなった今でも、作品全てに目を通しているつもりではいる。
著者と語れるときは語りもする。
しかし、かつてのようにはもうできない。
思えば、正しかったのか、間違っていたのか。

私などが偉そうに語るまでもなかったかもしれない。
日毎に人が増えていく気がする浪漫堂は、毎日発表される作品の数々で星々のように彩られている。
この素晴らしい光景を作るための手助けが、ほんの少しでも出来たのかな・・・。

回されてきた新しい作品を読みながら、最近自己弁護が増えてきた自分を嘲るように、
夢織は少し笑っていた。


*************************
こんばんは、夢織時代です。
最近は、意地でもここに来ようとしてます(^^)
小説の原案を通学中にやるようにすると、結構時間は作れるものだと知りました。
ようは、人に与えられた時間をいかに使うかなんですね。
あのとき、皆様に励ましていただいたように、今は出来る範囲で頑張っています。
それが苦痛でなく、喜びであることを、ここに集う人々に感謝します。


ひでじい氏
「夢織さん、どうかしましたか。」

 この一言で夢織は思索の彼方から帰ってきた。横には不思議そうにエズミが見ている。

「いや、少し考え事をしていましてね。」エズミくんには恥ずかしくて言えないなあと思いながら珈琲を飲む。

「夢織さん、最近忙しくてなかなか、ここに来られないから少し寂しいんでしょ?」
「いや、寂しいと言う訳ではないんですが…。」夢織は頭を掻いた。
「夢織さん、大丈夫です。酒にやられたんじゃないですか。」櫻嵐が心配そうに見つめる。
「櫻嵐さん、茶化しちゃいけないよ。」英爺のこの一言で周囲が笑いに包まれる。

「でもね。夢織さん、あの大神さんとさくらさんを見てくださいよ。輝いてるでしょう?僕は浪漫堂であの輝きをいつまでも讃えたいと思ってるんですよ。さくらさんファンには袋だたきにされるかも知れないけれど、本当にいいよなあ。」

 英爺の遠い目を見ながら夢織は微笑した。こういう仲間に囲まれているからこの太正浪漫堂はいいのかも知れない。自分も時間を割いてここに珈琲を飲みに来ているのだろうと…。

「夢織、大変だったよ。酒責めに遭ってな。珈琲はあるかな?」ミュラーがほうほうの体で夢織の横に座った。
「閣下、ありますよ。」夢織は笑顔でミュラーのカップに珈琲を注いだ。

来られるときにいつでも来よう。働きながらでもここに来られる自分とみなさんに感謝しているひでじいでした。夢織さんにも感謝。


イカルス星人氏
「すまないが、あれを持ってきてくれないか」
私はボーイさんに頼んだ。ここはカフェ、本来なら日本酒などは置いていない。
私が店に頼んで、自分用に取りおいてもらっているものだ。
尤も時折、いつの間にか中味が減っていたりすることがあるが、野暮な詮索はすまい。
「カクテル?そんなものは女子供の飲むもんじゃないのか?日本人なら日本酒を飲め」
一升瓶を片手に、私は智士と二階堂に云った。
「大体二階堂君は名前から言っても焼酎が合ってるんじゃないのかね(爆)」
私は本来、アルコールは何でもいける口である。ただ、ワインだけは頭が痛くなるが。
ただ、今日はどうしても日本酒を飲みたい気分だったのだ。
まず、これから議論される内容を考えると、一杯ひっかけた方が私の口は滑らかになるから。
酔っ払ってしまってはまずいが、さりとて素面で語るにはあまりにも重い事実が目の前に突きつけられていたから。
そして、つい数分前にルドルフとクリアル氏から受けた知らせが私を動揺させていた。
鈴鹿・・・・。彼には一度だけ会ったことがあった。
学生のころはその血気盛んさで何度となく失敗を繰り返したそうだが。
最近は加減を覚え、若い者の先頭に立ってイニシャチブを握っていると聞いていた。
実際の彼は噂の通り、真っ直ぐに先頭で目標を目指すような好青年だった。
これから世界にはばたこうという時に、あまりにも早い夭折であった。
神に寵愛を受ける者は、天に召されるのも早いのだろうか。
私には鈴鹿がまっしぐらに天国へ駆けていく姿が見えるような気がした。
今は君の死を悼み。この一献を傾けよう。
そして、私は私にできることを、君の分まで。
私はそう決意していた。

え〜、両方のレスに絡めてお話の続きにも違和感なさそうなものを書いてみました。
無法地帯さんも仲間入りみたいで、ますますひでじいさんは大変ですね。
それでは、また。
別れの杯は、やはり日本酒がふさわしい。
この一献を

ひでじい氏
「どうしたんだ?」ポンと背中を叩かれて振り返ると真神 樹が立っていた。
「浪漫堂で日本酒か?」
「ああ、ただこれはいい酒だぞ。」
「どうした。何かあったのか。」真神は横に座り、イカルスに視線を合わせずに言う。
「親友の鈴鹿という奴が死んだ。今陛下から浪漫堂の逓信機に連絡があった。いい奴だったんだがな…。」そこでイカルスは言葉に詰まった。
「この後、君はみんなに説明しなければならないのは分かってるな。」
「ああ。」
「だが、三杯までは許す。飲め。私もつき合うよ。」
「すまないな。」

 浪漫堂には多くの喜びと愛、そして悲しみもある。しかしあの暖かい色のランプが全てを暖かく包み込んでくれるのだ。

ひでじいです。確かにショックでした!ルドルフ氏のレスでまさか、とは思ったのですが。
哀悼の意を込めて。

桜嵐氏
「そう言えば!」

「12月に発刊される”帝劇グラフ”の特別号・・・その表紙絵がやっと手には入ったんですよ!」
 嫌がる夢織の隣で日本茶を嗜んでいた櫻嵐は、思い出した様にカバンの中身を取り出してみせた。
「え・・・と・・・、そう、これこれ!!」
 巷で話題の帝劇グラフの話とあって、数人の客が周りに集まってくる。
「今回入手できたのは、縮小版なのですが・・・見て下さい、このさくらさんの表情! 
 さすがは松原絵師の作品・・・ものが違う!」
 一人狂喜乱舞している櫻嵐・・・と思ったのも束の間、ひでじいが、智志が、イカルスが、
南国が・・・先程まで不機嫌そうだった夢織までが、我先にとその絵の取り合いを始めて
しまった。
「ち、ちょっと、引っ張らないで・・・ちゃんと見せますから!」
「しかし、この片手に握られた桜の枝が、何とも味わい深くて良い味を出している・・・うむ。
 問題ない!」
「と、いうよりも、想像以上だな。これまでの松原絵師の作品の中でも、群を抜く”くおりてぃ”だ。」
 イカルスが絶賛し、英国帰りの英爺が自慢の”いんぐりっしゅ”を披露する。
「あたしにも見せて!」
 男どもに占領されてはたまらないと、エズミが手を伸ばした瞬間・・・!

 ビリリリリ!

 その絵は無惨にも、引き裂かれてしまった。
「ご、ごめんなさい・・・。」
 どこからか声が聞こえる。櫻嵐は既に放心状態だった。
「さ、さあ、それでは話の続きでもするか。」
「え? ええ・・・そうしましょう。」
 皆がぞろぞろと櫻嵐の下を去っていく・・・浪漫堂の夜は、とてつもなく長かった。
*******************************************
まずは皆さんのお名前、拝借させていただきましたこと、ご了承下さい。

しかし、ファンクラブから来た会報の中の、帝撃グラフのジャケットイラストを見た時・・・
震えがきましたね、マジで。え? キャラの絵を安易に使うなと何処かで言ってただろうって?
いいんですよ。あれは音楽CDの話、これはファンディスクなんだから!(爆)

密かに「サクラ2のジャケットよりもいいんじゃないか?」と思っている桜嵐(浪漫堂の中では
”櫻”嵐)でした! それでは〜。
 

ひでじい氏
「だ、誰が謝るんですか?」エズミがひそひそ声で英爺に言う。
「ぼ、僕に言われても…。」英爺もほとほと困ったといった表情である。
「南國さん、何かいいアイデアはないんですか。」夢織が南國に助けを求める。

「そうだなあ、いいアイデアといっても…。」南國の頭脳は注文していたエスプレッソを飲んで必死の回転を始めていた。

「うん、そうだ。英爺さん。あれがあるでしょう。帝劇グラフの販促チラシ。」
「え、ええありますけど。」
「さくらさんにサインもらってきてくださいよ。」
「え、ええ!?」
「それを櫻嵐さんに手渡してもらうんですよ。」
「なるほど!!」一同は直ちに作戦を遂行した。

「あの、櫻嵐さん、もしこれでよろしければ…。」
「あ、ありがとうございます。」櫻嵐は本当に喜んでいるようだ。よかった、と一同は胸をなで下ろした。本当にありがとう。さくらさん。
 そして、櫻嵐は感謝しながらさくらにこう言った。

「もしよかったら、今度浪漫堂で、大神さんと花組のみなさんに夕食代をおごりますよ。」櫻嵐はにっこり笑いながら一同の方を向き、

「あの方たちみんなが。」

 ルドルフに続き、財布に秋風の吹く一同であった。

 いやあ、届きました。確かにきれいですよねえ。なるほどと納得したひでじいでした。

かとおおお氏
「フフフ……」とかとおおおは不敵に笑った。

 ここは太正浪漫堂から少し入った人気のない露地。かとおおおは酔いざましをすると言って出てきたのだ。

「青年外交官か……見事にだましおおせてるようだな。誰もこの私が帝都崩壊をたくらむ魔人・かとおおお保憲だとは気付かぬようだ。ま、京極のような小者に関わっているようでは、わかるまいて。ククククク……」

 唇の端をゆがめて笑うかとおおお。が、ふとその顔が曇る。

「それにしても、最後に入ってきた『まじんき』と名乗る男(註:真神樹さんのことです)、気になる……。あやつからは目を離してはならぬな。見張りをつけるか……」

 かとおおおはポケットから五芒星の文様が入った手袋を取り出すと、それを両手にはめ、
印を結びながら呪文を唱えた。

「天明らかにして星来たる。出でよ、星神!!」

 たちまち異形の小人がかとおおおの手のひらに現われる。

「ご主人さま、ご用でしか?」
「星神のぶっちよ、まじんきを見張れ。奴の言動を逐一報告するのだ」
「了解でし☆」

 星神のぶっちは宙を舞うと、たちまち浪漫堂の方へと飛んで行った。

「これでよし。あと、注意すべきはやはり大神だが……。フフフ、ここは外交官という立場を利用して、ちょっと策をめぐらしてみるか。要はあいつが帝都を、いや日本を離れればすむこと。京極を倒したその後にな。クックククク……」

 かとおおおは再び浪漫堂へと戻って行く。青年外交官の仮面をかぶって、人々の良心の隙間に入り込むために……。


「わ、私は見た。かとおおおの正体を……」

 かとおおおが去った後、建物の陰から現われたのは、浪漫堂の常連・少女エズミである。

「これは大変だ。早速レポート書いて皆に知らせないと……。タイトルは、そう『ボクだけが知っている』……おおう、いかん。また男と間違われてしまう(笑)」

 さて、星神のぶっちに見張られた真神の運命は? そして少女エズミは真相をどうやって浪漫堂の人々に伝えるのか?
 太正浪漫堂に浪漫の嵐!(ちょっと変・・)
 次回をお楽しみに!!



というわけでひでじいさん、こんばんは。かとおおおです。
太正浪漫という雰囲気に合わなかったので今までレス控えてましたが、あまりに名前が出てくるのでついに乱入。(笑)
私が内輪ネタで自分を登場させるときはいつも悪役なので、どうしてもこんなのになっちゃいます。もともとイロモノ師だし〜。(^^;
でも、魔人かとおおおは浪漫堂の外でのお話。浪漫堂内部では真面目な青年外交官ですので、皆さん気軽に話しかけてね。取って食いやしませんから。(笑)
ではでは、この後は多分エズミさんがフォローしてくれることでしょう。(^^;;


追伸。
のぶっちさん、もう浪漫堂には出られなくなりましたが、念願の離珠の役ですので、いいですよね。(笑)
苦情を言えば、即委員会除名でし。(核爆)

ひでじい氏
「しかし…。」かとおおおは太正浪漫堂を振り返りながら呟いた。

 この大勢の友達と称する奴らと俺はつき合ってきた。その結果、役所に仕事まで行くようになり海外出張までこなすようになっていた。何とも俺らしからぬ振る舞いよ、とかとおおおは自嘲した。

「俺もときには正義の仮面を被ってみたくなるのか?バカな。」そう思いながらも太正浪漫堂では正に正義の青年外交官になりきっている自分がおかしくなってきた。

「さて、ここからは外務省書記官にして浪漫堂の常連かとおおおだな。当分はそれでいい。」そして当分は珈琲が飲めるな、と思いながら浪漫堂に入るかとおおおであった。

 すみません。確かに浪漫堂本編とは外れますね。僕のレスも番外編ということでお許しください。

Rudolf氏
では路地裏の続き
 ルドルフとカオリが(うーん、一瞬のツーショット・・・)浪漫堂に入ろうという直前、彼らはふと横の路地に目をやると、何かしら珍妙な小動物が蠢いて浪漫堂に向かっていた。
 「あれは・・・のぶっち殿?にしては・・・いや、しかし確かに・・ということは、まさか?」
 路地に向かって駆け出すルドルフ。
 「ど、どうしたんですか、ルドルフさん?」
 「カオリさん、貴女は先に浪漫堂の中に入っていて下さい。」
 ルドルフはそれだけを残して路地の中に消えていった、しかしそこは好奇心の塊であったカオリのこと、簡単に引き下がりはせず彼の後を追った。そしてルドルフのずっと後ろからかとおおおの一部始終を彼女も目撃した。
 「おのれ、師匠。ついに浪漫堂にまで魔の手を!しかし私が貴方を知った以上好きにはさせん!」
 ルドルフは着ていた白いスーツを放り上げるといつの間にか黒スーツに黒マント、マスクにシルクハット・・カオリにしてもいつかどこかで見た姿に変わっていた。
 「あ、あれは噂の大悪人怪紳士R。ま、まさかルドルフさんが怪紳士Rだったなんて・・」
 信じていた者に裏切られたカオリはその後、ルドルフを異常なまでに敬遠するようになった。
 「ふふふふふ、少年かとおおおくん、私が狙おうとする獲物を横取りしようとは5000年ばかり早いようだね、この私自ら天罰を下さねばならないようだね。あっはははははははははははははははははははははははは。」
 怪紳士Rの高笑いが再び浪漫堂近くにこだました。

 す、すんません・・・ボケかまされるとノリたがるしょせんイロモノカイザーでした、どーぞ無視してお話を続けて下さい。しかし見ていなさい師匠!帝都の平和を脅かす者はこの怪紳士Rが許さないぞ!(ヲイヲイ;悪人の台詞じゃねーよ)

エズミ氏
「ど、どうしたものかしら・・」
エズミは頭を抱えた。
酔いを覚ますために出てきた路地裏ですごいものを見てしまった。
かとおおお外交官の正体・・。それは・・。
(しかしここで騒いでもことを大きくするばかりだわ。それでなくともみんな京極のことで頭がいっぱいなのに・・。うー、どうせいっちゅーねん、私に(爆))
興奮すると関西弁に戻ってしまう少女エズミであった。
「とにかく・・」
エズミは呟いた。
「まじんきさん・・おっと、いいかげん怒られてしまう。樹さんに知らせなくっちゃあ。でも余計なことを言ったら私の身が危ないし。うーん・・。うーん・・。・・よし!!」
エズミはひざをたたいた。
「見なかったことにしよう!!」(爆)
(かとおおおさんの正体のことは酔っ払いの幻って事で・・。樹さんには一応気を付けるようにだけ言っとけばいいや)
「それにしても樹さん、なんだか最近イロモノづいてるみたいだわ・・。委員会の陰謀なのかしらこれも。(爆)私が東北に行ってる間に何が・・。はー、桜嵐さんの“ぽすたあ”破いちゃうし、今日は厄日だなあ」
すっかり酔いの冷め切った頭を抱えて、エズミは再び浪漫堂へと帰っていった。

・・フォローのしようがないっす(爆)
だからとてもテキトーな続きになっちゃいました。
見て見ぬふりを決め込む少女エズミの運命や、いかに。

すいません、ひでじいさん。(汗)

ひでじい氏
 気持ちよく酔った気分に水を差された気分でエズミは戻ってきた。しかしあれは本当の光景なのか…。取りあえず真神に知らせなければとエズミは真神のところへ急いだ。

 真神はちょうどイカルスと別れ、一人になったところだった。エズミはそれとなく駆け寄った。
「うん、どうしたんだい?」真神は笑顔でエズミの方を振り向く。

「あ、あの、かとおおおさんのことなんですが。」エズミの言葉に真神ははっとした表情になる。エズミは先ほどの件について話をしてみた。真神は深刻な表情でそれを聞いていたが、聞き終わると明るい表情でエズミに言った。

「それはかとおおおが酔うとよくやる口ぐせだよ。手品もやってただろう?心配しなくていい。しかしあいつはそんなに飲んじまったのか。まだこの後があるんだぞ?」
「なんだ。酔ってたんですよね。そうですよね。」エズミも引っかかる点があったが、強引に不安をねじ伏せた。

「なんだ、心配して損しちゃった。でも安心しました。それじゃあ…。」エズミがにこやかな表情で去るのを見て、真神は一人呟いた。
「そう、ここではあいつは正義の青年を演じてくれる。この太正浪漫堂の中だけはな…。」

何とかまとめようと苦心しているひでじいでした。というか、かとおおおさんの役はすごく真面目で重要ですからね。まあ、番外編ということにしてくださいな。





真神樹
あくまでも……
私を魔神器にするつもりですね?(爆)
おのれ魔人かとおおお!それなら…!!(超爆)
注意!!
以下の戯言はサクラ大戦に全く関係ありません。
本来、ここに載せるようなものではありませんが、今回だけはご容赦を!

〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜※〜

(やれやれ……)
若いというのは羨ましい。
星空の下で、コーヒーカップを傾けながら男は内心溜息をついていた。
立ち上る香り豊かな湯気の向こうでは和洋混合、大量の酒精が手に手を取り合って乱舞している。
その様は、古き妖精が新たなる神の呪縛から逃れ自由に浮かれ騒ぐ万聖節の夜を思わせるものだった。
もちろん、あくまでも比喩である。
仕事柄、この世界は科学で説明がつくことばかりではないとわかってはいるつもりでいる。しかし、自分に所謂霊感の類は無いとその男は思っていた。
「君達……そのくらいにしておかないと明日が辛いぞ?文筆業に出勤時刻は無いかもしれんが、それぞれ締切りを抱える身じゃないのか?」
年下の友人達に男はそう話しかけた。
「か、堅いこと言いっこなしですよ」
「ま、まあ、それは、その…ハハハハハ……」
「酒精は芸術のパートナーだ」
反応はそれぞれ。
「あーっ!そう言う真神さんだって、そのコーヒー、ブランデーの方が多いじゃないですか!!」
そして後ろから思わぬツッコミが入る。
「なんだなんだ」
「くんくん、こりゃ確かにカフェロワイヤルじゃなくてコーヒー入りブランデーだ」
「なにヤン提督みたいな真似しているんですか!ユリアンくんはいないんですから、そんな事して誤魔化す必要無いのに……(謎)」
「バカ、ありゃコーヒーじゃなくて紅茶だろ?(謎その2)」
その男、真神 樹はバツ悪げな表情で後ろを振り返る。
別に、振り返らなくても、声の主はわかっていたが。
「エズミくん…わざわざバラさなくてもいいじゃないか……
それにしても、相変わらず男装かい?そんなことだから酒呑みどもの仲間に引きずり込まれたりするんだよ?」
「あっ、ひどい!それ、女性蔑視ですよ!真神さん、もっと開明的な方だと思っていたのに!」
「……女性蔑視か、今のが…?」
「別に女性が男物の服を着てもいいじゃないですか!」
「……まあ、それは別に構わないが……もしかして、少し酔ってる?」
「ちょっ、ちょっと待った!真神さん、エズミが女だって知っていたんですか?」
誰かが素っ頓狂な声で尋ねる。その場は最早、誰が何を言っているかわからない喧騒状態に陥っていた。
「…まさか、エズミくんを男だと思っていたとか?」
実は、自分も結構酔いが回っているのだろう。発言の主が誰であるのか気にも留めずに、調子よく真神は応える。
「……驚いたな。真神さんがそれ程目利きだとは思わなかった」
「…そりゃもしかして、私が女性に全くもてそうも無いと当てこすっているのか?」
どっと笑いが起こる。
まあ、自分でもそれ程女性に慣れているとは思っていない。エズミが女だと気付いたのは、あくまで作品からだ。「エズミくん、君、もしかして女の子?」と本人に訊いて赤い紅葉の刻印をつけられた記憶はいまだに鮮烈なままである。
酔っ払いに特有の無関心で視線をさ迷わせる真神。その時、彼の視界に奇妙なものが映った。
「何だありゃ?」
「どうしたんです?」
一番近くにいたエズミが耳ざとく彼の呟きを聴きつける。
「いや、今小人みたいな生き物が『でし♪でし♪』と鳴きながら駆け抜けて行ったような気がしたんだが……」
彼の返事を聞いて、エズミの表情が途端に硬くなった。
「んっ?どうしたんだ??…もしかして、心当たりがあるとか?」
「い、いいえ、その、…や、やですね、真神さん。小人なんているわけ無いじゃないですか。もう酔っちゃったんですか?」
「ははっ、そりゃそうだ」
「でも…気をつけて下さいね」
「うん?」
「い、いえ…そういう小妖精の類は不吉なものだと言いますから」
「まあ、そういうものも多いようだね」
真神が物の怪の類を決して否定しないのは仲間内では周知の事実だ。
だからと言って盲信しているわけでもない。「否定できないものは否定しない、それが科学者のとるべき態度だ。例え、社会科学者であってもそれは変わらない」という彼の口癖を、この浪漫堂の常連は少なくとも十回は聞かされている。
「やあ、何の話ですか」
「いや、妖精にも色々いるという話ですよ」
「ははぁ、先日は万聖節でしたからね。それにしても、妖精を信じていらっしゃるのですか?」
会話に割り込んできたのはベスト姿の外交官、かとおおおという名の青年だった。彼は本名を加藤というらしいのだが、雅号で呼び合うここの流儀に合わせてかとおおおと名乗っている。…あまり変わらないような気もするが。
真神はこの青年とそれ程親しいわけではなかった。彼もまた官禄を食む身ではあるが、何と言っても官営研究所の雇われ研究員なので、外交官のようなエリートにはいささか隔意を抱かずにはいられないのである。
それでも、かとおおおは全くエリート臭さを感じさせぬ気さくな青年で、言葉を交わした回数はそれ程多くないにしても、毎回会話はそれなりに弾むものであった。
「いやぁ、私は見た事無いんですけどね。かとおおおさんはスコットランドにも行かれたことがあるんですよね?妖精をご覧になったことは?」
「ははははは、この20世紀に妖精なんて」
「そうですか?まあ、妖精が出てくるには世知辛すぎるかもしれませんね。
…ところで、かとおおおさん、変わった手袋ですね。ペンタグラム…いえ、セーマン(清明印)ですか?」
しまった!という顔をしてかとおおおが上着のポケットを直す。はみ出していたのは僅かであるのに、その模様が五芒星形印であるとよくわかったものだ。しかもちらっと見ただけであるにも拘わらず。
油断ならない、一瞬だけそんな表情を覗かせて、それから曖昧な笑みを浮かべる。
「ええ、まあ…」
「かとおおおさん、魔術を嗜まれるんですか?」
まるで魔術を芸事のように言う真神。やはり、酔っているのだろう。
「い、いや、まさか。これはその、何と言うか土産物ですよ」
「ははあ、なる程。そういう物が好きな方も多いですからね。そう言えば、私も今日オカルト趣味の同僚からその手の土産物をもらったんですよ。何でも、魔術の才能のある者にしか開けない扇だとか。それを開く事が出来た持主に大きな力を授けてくれるらしいのですが」
そう言いながら、傍らの鞄から古ぼけた扇を取り出す。
「ホントかウソか、私には開けなかったんですけどね」
「えーっ、そんな物があるんですか?」
横からエズミが手を伸ばしてくる。色々いじっていたが、結局諦めて真神の手に戻す。
「開けませんね…最初から開けないようになっているんじゃないんですか?」
真神はその扇をそのままかとおおへ差し出した。
「どうですか、かとおおおさん?」
「いや、いいですよ」
「まあ、そう仰らずに。単なるお遊びですよ。それとも、かとおおおさん、やはり魔術の心得がおありなのですか?」
「そんな筈無いでしょう。嫌だな、ハハハ・・・ど、どれ」
本気か冗談かわからない真神の挑発に仕方なくかとおおおは扇に手を伸ばす。
そして、彼の手の中で扇はあっさり開いた。
『万象大乱』
「?、エズミくん、何か言った?」
「いいえ?今のは真神さんじゃなかったんですか」
「まさか!今のは明らかに女性の声だったよ。
それにしてもかとおおおさん、開けましたねぇ……こうなるとあの話も真実味を帯びてくるな…」
「あの話?」
「いえね、この扇は『開く事の出来た者に、万難の試練の果てに大きな力を与える』という言い伝えがあるそうなんですよ。まあ、何にしてもおめでとうございます。その扇は貴方に差し上げますよ。私が持っていても、開けない扇では仕方ありませんからね」
笑いながらそう言って、真神はふらふらとカウンターへ歩いていった。追いかけるエズミに「まだ呑むんですか?」と呆れられながら。
「万難の試練の果てに……?」
一人残されたかとおおおは呆然と呟いた。
彼の野望は、大きな障害に遭遇する事となった。





浪漫堂再録書庫に戻る。