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初出・ 2 February 2003
加筆・30 March 2003

 

猫エイズ ( FIV ) の治療

 

感染がわかっても怖くない。
でも、発病すると「生きかた」「死にかた」を学ぶ。

2002年10月現在。臣人(おみと)は、13歳5カ月半。猫エイズ(FIV)ウィルスに感染したことがわかってから、7〜8年が経過。口内炎の頻発から骨髄の機能低下へと、徐々に免疫力の低下している状態にあります。

猫エイズって何? かかるとどうなるの? 人間にも移るの? 

基本的なことなのですけれど、私も含めて、「猫エイズ」というものについて知らないことが多いように思います。そのため、猫エイズだとわかったときに、放棄してしまう方も少なくないそうです。
このページに詳しく書かれているので、まずはこちらをご覧ください。

2003年2月現在。臣人はエイズが発病して「末期」の状態。主治医となっていただいている獣医師によれば、「ターミナルケア」の段階にあります。

彼女の場合、他のFIV末期の猫たちに比べて、比較的、感染症に罹ることは少なかったようです。それでも、年末の「くしゃみ」から「上部気道炎(じょうぶきどうえん)」になりました。簡単にいうと、多分「風邪」。しかし、FIVにより抵抗力がない状態には、風邪といえども、これがなかなかに侮れない。

鼻と涙が出る→嗅覚が利かなくなる→(猫は嗅いで食欲をそそられるので)食欲が低下→痩せる→抵抗力がさらに落ちる→(酷い場合には)肺炎になる→呼吸困難

このような最悪の事態を覚悟しておりましたものの、2月2日現在、ようやく鼻水も出なくなり、呼吸も楽になりました。微熱や高熱も頻発する一方、時に平熱も見られるようになりました。臣人の強靱な生命力にひたすら驚くとともに(苦しいときだけ頼む)神様に感謝。

もっとも、臣人は骨髄機能の低下により慢性の白血病にも罹っています
**。簡単にいうと、血液を自分で造ることができない状態です。なかでも、白血球、赤血球、血小版の状態が悪い。正常の猫の場合、白血球の数は5500〜19000、血小板の数は13万ほど。これに対し、臣人は最も酷いときには、どちらも0〜800などという数字が出ます。赤血球は形が「異常」な状態。

こうした白血病の治療は、人間の場合でも困難なことはよく知られている通りです。骨髄移植をしたり、最近では臍帯血を利用した治療などが行われています。猫の場合、骨髄移植はアメリカで事例があるものの数例、日本では聞いたことがないそうです。

臣人の場合、白血球の再生を手助けする治療薬を定期的に投薬して戴き、経過を見ています。数値は高低行き来する状態で、ときどき嬉しい数字も見受けられます。また、病院にいる供血猫(きょうけつねこ)さん達から、輸血をして貰い、なんとかよい値の状態を引き延ばしています。

しかし、血小板については治療薬は(人間の場合も)ありません。血液を凝固させるのに重要な働きする存在が欠けることとなり、出血しやすい傾向にあります。このために、血尿、便に血が混じることもありました。鼻血が両方から出て止まらないことも度々。

このあいだは、喀血(かっけつ)もしました
(※吐血(とけつ)の場合は、暗赤色なのだそうです from 大辞林)。とても赤い血を大量に出し、しかも1時間近く止まりませんでした。これには本当に驚き、何とかして戴きたくて、主治医の病院(夜間対応なし)をはじめ、夜間応対のある動物病院を探して、電話をかけまくりました*。しかし、輸血を緊急にして戴けるところは勿論ありませんでした。結局、1時間ほどで出血は治まったので、翌朝、治療となりました。

最近わかったことには、臣人の症状は、ほかの末期の猫たちに比べ、"踏ん張っている"状態で、「血尿が1回出たくらい・下痢に血が混じる・粘液が出る・鼻血が出て止まらない・喀血する」くらいで驚いていてはイケナイのだそうです・・・。うーむ。

エイズが発病すると、猫にとって、本当に苦しいことも多い。それでも、まだ、生きる力を持って、御飯を食べ、排泄を自分でし、寝返りをうつ。もうちょっと、臣人と一緒に、病気につきあっていければ、と(今現在は)思っています。



*
夜間対応の病院を探したときには、イエローページで探したとある病院の先生から教えて戴き、インターネットも大活躍! もちろん、いつもの主治医の先生からもご連絡戴いていたので、とても心強かったです。また、「アニマルドクター・カー」の先生に電話応対して戴けたことは、とても安心できました。「朝3時までなら連絡が可能だから、様子を観察し、出血が治まらない場合には、止血をします」と仰って戴きました。電話相談(タダ)だけで申し訳なかったので、感謝を込めて、ここで宣伝させて戴きます(^_^;) S先生、その際は、本当に有り難うございました!

** 上記では「慢性の白血病」と書きましたが、不適当でした(^_^;) ごめんなさい。正確には、「FIVに関連した汎血球減少症」という状態でした。これは病名ではなくて、症状を指すコトバです(ほぼ「貧血」と同意)。FIVウィルスによって骨髄が抑制された状態になっているのだそうです。(2003.3.29訂正!
H先生、ご指摘どうも有り難うございました>臣人の主治医をして戴いた先生デス)それから、御報告が大変遅くなって申し訳ありませんでした。臣人は、2003年2月9日永眠しました。ご心配を戴いて本当に有り難うございました。


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