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last updated 12 April 2000
初出・05 September 1999

猫のツメを切る


爪の形で生活形態の違いが判るのは、ニンゲンだけじゃない。

野良猫の野良猫たる所以とは何か。いろいろあるでしょうが、これを考えるにまずやはり、「猫パンチ」をあげたいと、思います。

この特徴は2つあります。まず、人に懐いている猫のたたく「猫パンチ」とは違って、野良猫の猫パンチはかなり痛い。もちろん、顔見知り特典で、少々の手加減はしてくれているの「かも」しれません。しかし、じ〜〜ん、と痺れて、しばし動けなくなります(もちろん、手が・)。その痛さはフツー猫の比ではありませぬ。

次に、猫パンチの傷跡が「穴」状になること。たとえば、仔猫や人に懐いている猫が、残してくれる傷跡は、大抵、ミミズ腫れのようになります。「いかにも」引っ張りましたという傷です。これらの傷を見ると、(やられた〜)とは思うし、血がでることも屡々ではあります。しかし、野良猫パンチに比べたら可愛いもの。野良猫パンチは、血はほとんど出ないものの、しっかりと穴が空いている。

これらから判ることは、野良猫パンチは、「ひっぱる」のではなく、「たたきつける」ものなのです。その武器となっているのが、あの、猫爪です。

さて、猫にとっては大事な武器である爪を、どうしても切られなくてはならない猫もいます。家のなかだけで生活しているため、武器が不要となっている猫たちは、間違いなく、そのなかに入ることでしょう。しかし、家のなかだけで暮らしていても、「つめとぎ」を置いておくことによって、生活に支障をきたすほど爪が伸びすぎてしまうことは防ぐことができます。家のなかだけで生きているから、必ずしも絶対に爪を切らなければならない、ということはないようです。

では、どうしても切らなければならない猫とはどういう猫なのか。うちのユキさんは、なーんとこの一猫であることが、発覚してしまいました。1999年9月現在、彼女がおそらくは5歳は過ぎた頃になって、このことが判りました。

ある日、彼女の爪を見ると、爪が、肉球にくいこみかけている。ワタクシは、猫の「爪の甘皮」を取るのも、好きです (^_^;)。爪の汚れが綺麗に落ちていく様をみると、汚れの剥離とともに、気分もすっきりとするからです。そこで、自分でも切ろうとしましたが、これがなかなか難しい。どこまで神経が生えてきてしまっているのかよく分からないし、その当時使っていた、ハサミ状になった猫用の爪切りでは、入れる隙間がナイ。

そこで、またもや先生の所に駆け込むことに相成りました。すると、人間用の爪切りで、横からパチン★

あっという間に切って頂きました。しかも、タダで・・。先生によると、爪が丸まって生えてしまうタイプの猫なのだそうです。こういうタイプの猫は、年齢を重ねるにつれて、他の指の爪も丸まってしまうようになる傾向があるそうです。つまり、家のなかから外に出ない生活をしていて、爪が丸くなっちゃう猫には、爪切りは欠かせないのです。

確かに、以前から、彼女の左手の親指の爪の生え方が、少々変わっていることは、甘皮取りの時に気が付いていました。しかし、丸まってはえてきたことに気が付いたのは、今回が初めてでした。今のところは、左手親指のみに症状が出ていますが、今後、他の指の爪も気を付けて見なければならないことになりました。肉球にしっかりと、くいこんでいるのは、やはり痛いでしょうし、肉球に到達することによって、爪成長の進行が止まるとは(私には)思えないからです。

猫を病院に連れていくのは、ちょっと早めかな、とか大げさかな、とか思うくらいが丁度いいのではないか、と以前から思いつつも、さらに思ってしまう出来事でした。なんたって、言葉を媒介にしたコミュニケーションができない分を、早め早めの気遣いでカバーしなくちゃいけないのですから・・。

みなさんちの猫も、一度、つめをじーっくりと見てあげてみて下さいませ〜・。蛇足ながら、この事件(?)の後は、自分の爪を切る爪切りで、猫の爪も切ってることを、付け足しておきます。こちらの方が、やっぱり切りやすいのでした。でも、ニンゲンと動物に共通の感染症という危険があるかもしれないので、せめて、自分のとは使いわけた方がいいのかもしれません。


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