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last update 09 April 2000 

(初出・06.09.98

#3 触っちゃダメ


だまされるな、と言われるほどに、「みかけ」は重要。

動物病院に行くと、他の動物に会うことができます。季節にもよりますが、大抵の場合、猫よりも、犬の数が多いです。ときには、ウサギやハムスター、さらには鳥を見ることもできます。

しかし、改めて考えると、そういえば、魚類、は虫類には会ったことはありません。もっとも、うちの猫たちの主治医となっている先生(以後は、「うちの先生」として、きっと登場することでしょう(^_^;))に、診て貰えるのかどうか(うちには、金魚もなぜか居ついている)をお伺いしたところ、得意じゃあないけど、と、一応おっしゃりながらも、可能なことは判明しております。ということは、患者として連れてこられることが、やはり少ないのでしょう。

さて、動物たちが病院に居るのは、なぜか。これは、単純に考えても、「病気だから」という推測が容易に成り立ちそうです。しかし、実際の所は、必ずしもそうだとは限らないのです。

特に、犬の場合、通院は病気だけとは限りません。彼等には、春から秋にかけては、フィラリアの薬を毎月一回投与しなければなりません。この薬を貰いに来るために、来るワンコも居ます。また、混合ワクチン(時には、狂犬病の予防注射)を打ちに来るコもいます。さらには、避妊手術のための場合もあります。また、猫の場合も、病気の時ばかりではありません。混合ワクチンの接種があります。避妊手術のこともあります。

ただ、やはり病気の猫や犬が集まる場所であることは確かです。

先生は診察毎に手や診察台を消毒しています。これは、もしかしたら、前に診察した動物の病気が次の動物に移るかもしれないからです(よね?)。ということは、たとえ待合室であったとしても、他の動物に気軽に触ってはダメ、なのは、同じことなのでしょう。

他の動物をさわるのは慎重に。これにはかなりの忍耐が必要で、私などはなかなか守れずにいます。見たこともない種類の猫や可愛い仔犬、人なつこいでかい犬などを見ると、我慢できずに、ついつい触りたくなってしまうのです。

もちろん、たいていの場合、さわっただけでは移る病気は特にない(とワタシは理解している)ので、問題はありません。しかし、ワタシは甘かった!後悔してしまうような、ある出来事に遭遇してしまったのです。

「ノルウェー・ジャン・フォレスト・キャット」という猫をご存じでしょうか。「メークーン」に非常によく似た種類の猫です。どちらも、表紙にいる「ちびねこ」のような、まあるい「幼児(仔猫)顔」。大きくなっても輪郭も目も丸いままの可愛い顔です(親バカ?)。「ちび」たちと彼等が違うのは、比較的体つきが大きいこと(種類として、です。チビはタダの肥満)。そして、毛足が非常に長いこと。手入れが必要な猫たちなのです。そして、ノルウェー猫は、メークーンと比べて、耳の形が少し違います(ように見えた)。

「ノルウェー猫」を見たのはもちろん、その存在を知ったのも、このときが初めてでした。この、あまりの可愛さに、ワタシは抵抗できませんでした。手を伸ばしてしまいまったのです。それだけならまだしも、彼女が非常にフレンドリーな性格をしていたのも、災いしました。私に抱きついてきたのでついつい、膝に乗っけてしまったのです。ところが、このときの感動と言ったら!

おっとりとしているだけでなく、ふわふわっとしていて、真っ白で綺麗(に見えた)な毛!

こういうのが「(本当に)可愛い猫」って言うのね〜!!

しかし、ふと毛をじーっとみると・・・犬につくでっかい「ダニ」が、この美女の耳のつけねあたりに、吸い付いているではありませんか!!

感動は速攻、恐怖に変わりました。力を入れてひっぱらないととれない「犬ダニ」をもぎ落とし、つぶした後に、もう一度改めて膝の上にいる彼女を見ると、次に目についたのは、「ネコノミ」。しかも、その量は、はんぱなものではありません。「大量」なのです。

ネコノミが猫の身体を這う、そのスピードは、一度も見たことない人の想像を遙かに超えるほど、「早い」。通常の毛の長さの猫(そのへんにいる猫を想像して頂ければよろしいかと思います)にノミがついている場合でも、毛を「かきわけ」て皮膚の表面を出して、あちこちと点検して、分かるものなのです。ニホンザルのグルーミングみたいなものです。

それにもかかわらず、この美女についているノミたちは、そーんなことしなくても、十分に「見えた」のです。これは、本当に驚くべきこと、なのです。驚いてしかるべき、こと、とも言えるでしょう。

(こんなに可愛いのに、しかも、血統書つきの猫なのに、なんでこんなに「ノミ」がいるねん。家のなかにいるんやろぉ?)

心の中でそう思いながら、飼主の人に一応「ノミ、いるんですけど‥」と言って、彼女を渡しました。たまには、遠慮をしなければならないことを学んだワタシには、たくさん、とはさすがに言えなかったのでした。しかし、その小さな配慮を吹き飛ばすような返事が返ってきました。「そうなんですよ〜」という明るい一言・・

(?困ってへんのん?)

話を聞けば、この美女が病院に連れてこられたのは、一緒に来ている犬の治療の「つきそい」では、決してなかったのです。自分自身の治療のため。しかも、この大量にいる、ノミを駆除するの薬のため。

(それを早く言って〜)。

この日、私は薬を貰いに行っただけでした。幸いにして、猫を連れてきていなかったのです。しかも、(当時は無免許だったので)徒歩。これは、今から考えれば、本当に不幸中の幸い。しかし、結構長い時間彼女を抱いていたことは、間違いありません。家に帰って猫たちに見つからないうちに、家に入り、すぐに着ていた服を洗濯し、それだけでなく、自分自身も速攻で洗濯しなければなりませんでした。

これからの教訓。
一つ。知らない犬や猫を触るときは、一見綺麗そうに見えても、なんで病院に来ているかを聞いてから触りましょう(それにしても、驚いた!)

一つ。「のみ」除去には、スポットの点滴が、今は主流です。

 

★ノルウェー猫のページを見つけました。*ここ*からどうぞ!写真が可愛い〜!「**ATELIER BELLEの部屋**」★


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