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last update 09 April 2000
良い病院・悪い病院


病院は、午前と夕方しか開いてない。偵察も時間をねらってね。

犬の場合は、狂犬病の予防注射、フィラリアの予防薬の投与があります。しかし、猫の場合は、年一回のワクチンのみ。ということは、さて、今日は猫を病院に連れて行こうか、と突然思い立つ人はそれほど多くない、ということです。むしろ、「突然、いかなければならなくなること」の方が、猫と病院のおつきあいが始まるきっかけを作りだす可能性は、非常に高いのです。

たとえ緊急であっても、やはり「信頼できる良いお医者さん」に見て貰いたい。ちょっとした病気や怪我であっても、どんな方に見て頂けるのか、はものすごく心配です。最初の第一歩が、猫の健康、ひいては運命(?)をも左右する(ことがある)のです。

そこで、「初めて行く病院は、良い病院か悪い病院か」の見分け方は非常に大事な問題です。それを、私の経験(だけ?)を元に書きたいと思います。

たとえば、猫の飼育本やその他などでは、「どんなに忙しくても、病状について説明を分かりやすくしようと努める先生」が良い先生、なのだそうです。確かに、その通り!でしょう。しかし、治療を受ける側としては、「病気の猫を連れていく前に、良い先生かどうか、を見分けたい」のです。

そこで、私がとっていたのは、「目薬を貰いに行く」という方法です。目薬を貰うついでに医院と先生を下見をする、という決して怪しまれない(?)ばかりか一石二鳥の方法です(実際には反対に、下見ついでに目薬を貰う、なんですが)。

なぜ目薬なの?という疑問が生じるかもしれません。理由は二つあります。

第一に、目薬だと医院の方が病猫を実際に見なくても出して下さる、ということ。猫は「目やに」を自分で顔を洗うときに取るコが多いのですが、ずぼらな猫などは「ついたまま」であったりします。特に仔猫などは(感染症などのせいもあるかもしれませんが、詳しいことは分かりません)目やにがひっついてしまって、目が開かなくなってしまうこともままあるのです。‥ということで、猫自身を連れていかずに目薬を貰っても、特に怪しくないのです。しかも、目薬は冷蔵庫に入れておくと半年くらいは効果が持ちます。下見のときには必要なかった目薬も半年の間には活躍する時がくるかもしれません。

第二に、目薬はそれほど高い薬ではない、ということ。ここで、べらぼーに高い値段を言う医院は避けた方がいいでしょう。そういう判断が比較的安いコストで判断できるという利点があります。今ならば、猫のみ除去のスポットを貰う、というのもいいかもしれません(1500円前後。一ヶ月持続するもので、一回分使い切りタイプです。)

さて、目薬を貰う時には、以上のことだけではなく、決して忘れてはならないことがあります。さりげなく医院の雰囲気・患者の動物たちや動物を連れてきている、ほかの人たちの会話などを聞いておくこと。これが大事!です。というのは、私の悲しい失敗談があるからなのです。

今、通っている病院(C病院。もちろん、目薬検査済み)ができるまでは、近所に病院がなく、A病院とB病院とが比較的近い病院でした。それまでの猫たちは比較的健康優良児だった‥わけではなく、メンテナンス係りの私が「子供」であったために、病院とは無縁状態だったにすぎません。お金のない子供には、病院情報がほとんどありませんでした。

初めてうちの猫たちがお世話になったのは、A病院での避妊手術でした。この病院は評判が良く、目薬検査でも「良」だったためお世話になりました。当時は運転免許がなく、歩いて行くには遠いため、通院には不適でした。困ったなあ、と思っていた頃にB病院ができたので、早速目薬を貰いに行きました。ここで、ワタシは失敗をしたのです。

動物病院というものは、診察時間が午前と夕方であることがほとんどなのです(09:00-12:00、04:00または05:00-07:00または08:00、午後は往診か手術。)。しかし、このことを当時高校生のワタクシは知りませんでした。そこで、昼二時頃に行ってしまいました・・・。高校生には痛いものの、比較的良心的な値段で目薬を貰ったため「なかなかいい病院かも」と単純にも思ってしまったのです。

この目薬検査の後しばらくして、猫たちがウィルス性の猫風邪にかかりました。この当時、私は猫の病気にそれほど詳しくなかったため、一体何事が起こったのか、まったく分かりませんでした。咳がものすごく激しく、酷く、全身で咳をする、という状況です。見ていると、今にも倒れそう‥でした(部屋の壁には今もシミが大きく残っているのです。もちろん、拭いたんですけど取れなかったのです)

そこで、下見に行ったB病院の方がA病院よりも近いからという理由で、真夜中に電話を掛け、急診で見ていくことにしました。しかし、この当時は、横入り口の「かご」を使っていたため、気性の激しい猫(ジェスパ)の必死の抵抗に遭いました。「かご」から一歩も出すことが、(ワタシも先生も)できなかったのです。つまり、診察は一切できなかった。

一応、かごの外から猫を見た先生は、こう言いました。「とりあえず抗生物質をあげますので飲ませて下さい」。抗生物質の袋を2枚くれたのです。当時は気づきませんでしたが、これはおかしい。こんなに咳をしている状態の猫に、どーやって飲ませられるというのだ?(しかし、一年くらい保管していた(^_^;)が、結局は捨てた、、もったいない)

そして、料金を支払うときには、もっと驚くことをおっしゃったのです。「料金は?」と聞いたワタシに、「とりあえず五千円」と仰ったのです。値段ももちろんですが、何よりも、「とりあえず」という、この言葉に思わず「え〜」。

今から思っても、あの五千円は高すぎる、と確信を持って言えます。妥当な値段としては2500〜3000円ではないでしょうか。確かに、真夜中にたたきおこされた、ということで、言いたくなったのかもしれません。気持ちは分かります。それに、まだ開業まもなかったためかもしれません。それに、とりあえず、が先生の口癖なのかもしれません。私の「えー」という叫びにめげて、「いや、じゃあ、〇×円で」と訂正されたのですから。ところが、いくらになったのかまでは、憶えていないのです。

しかし、「かご」から出せないという診察態度といい、このいい加減な値段のさじ加減といい、ちょっと「ム」っとしてしまいます。たたき起こしてから、到着するまで15分ほど、診察(?)時間なんては、もっと短いもの。抗生物質だって、二袋でそんな高額な値段はしません。それでも、やっぱり、先生だけが悪いわけじゃあない、、、ワタシの偵察不足だったのです。。やはり、診察時間に行って、周りの雰囲気を観察するのが大事デス。

その後、うちの猫たちは、次々とこのウィルス性の猫風邪にかかり、瀕死の状態になりました。この治療は、三猫とも、遠くてもA病院に通ったのは言うまでもありません。おかげで、この猫風邪から無事に生還できたことを、今もって感謝しています。

あの夜、急患でおしかけて行ってB病院のお粗末さを知ることがなければ、そんなこともまったく知らずにB病院に通い続け、みんな死んでいたのかもしれません。

いや、ホント、偵察大事デス。ちなみに、込んでる時間帯なら、先生の評判を生で聞けるので「ぴったり」だし、空いている時間帯なら、先生と話ができるから、これもぐーですよ(^_^)v。


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