労働条件切り下げに反発
◆半数がサービス残業、月24時間、7万円に◆

< しんぶん「赤旗」3月12日より>


三菱電機は、労働組合が賃上げ要求を提出すると、会社が労働条件切り下げの逆提案をしました。一人あたり平均月7万円ものただ働き(サービス残業)になっている職場では「もうガマンできない」の声が広がっています。

兵庫県伊丹市から尼崎市にかけて三菱電機の工場、技術・研究部門が広がっています。合わせて約1万人が働いています。その一角にある社宅で、20代後半の技術者が話してくれました。

■えさもらえぬ金魚と同じだ

「会社は人件費ばかり減らしている。金魚にえさをあたえないのと同じですよ。残業は15時間に制限されています。しかし、それで仕事は終わらない。会社に入って3年目で、ストライキの経験はないのですが、強硬な手段も必要ではないですか」

労働者有志でつくる「春闘を前進させる会」の労働者がたずねたときのことです。電機連合に加盟する三菱電機労組の支部役員は、寒い風が吹くなか、ドアを全開して話してくれました。

「会社は赤字で苦しいというが実情はよくわからない」
どこでも真剣な対話がつづきました。対話を断ったのは一人だけでした。

今春闘で三菱電機労組は3千円の賃上げ要求(定昇除く、35歳の標準労働者)を提出(2月18日)しました。これにたいして会社は、8項目の労働条件切り下げを逆提案しました。

それは、

「赤字」を理由に昨年9月から△3千人の削減△時間外労働手当の20%削減などを実施してきましたが、その「追加提案」でした。

携帯電話の仕事をしている30代の技術者は、「追加提案ですか。出張先での残業がつかず、持ち出しばかりです」とぶ然と語りました。

■アンケートに三百数十通が

実際、「前進させる会」の99春闘アンケート(今回からインターネットを利用したアンケートも実施)では、サービス残業の実態が生々しく書かれていました。

300数10通のアンケートをまとめると、46%の労働者がサービス残業があるとこたえ、その平均は月24時間、7万円になっていました。

「前進させる会」は

サービス残業をくわえると100万円以上の損害をうけるとしています。

「前進させる会」の田村信行さん(50)はいいます。

「労働条件の切り下げ提案を撤回させ、賃上げ要求は満額獲得したい。違法なサービス残業を規制し、労働時間を短くすれば雇用もふやせる。ため込み利益は6千300億円もあり、十分可能です」


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