長時間・過密労働やサービス残業(ただ働き)をなくせと三菱電機の労働者、家族が2001年春闘のアンケートで切実な声をあげています。
アンケートは、兵庫県伊丹市から尼崎市にかけて広がる三菱電機の工場、研究所、技術部門(合わせて約1万人)の労働者有志でつくる「春闘を前進させる会」が職場や社宅、インターネットでおこなっているもの。これまでに約300人から寄せられています。
20歳代の妻は、「(夫は上司から)60H(時間)以上の残業をつけるな」といわれたと訴えています(別項)。夫の過労死を心配し、「裁判にむけて帰宅時間などをメモするようにしています」と書いています。
三菱電機は、98年9月から1年半、「赤字」を理由に、
▼時間外割増率を3割から2割5分に切り下げる
▼間接部門の残業を20%削減する
――などをすすめてきました。
こうしたリストラや半導体などの売り上げ増で、2001年3月期決算は、過去最高の2,170億円の経常利益をあげる見通しです。
アンケートでは、三菱電機の過酷な長時間・過密労働を告発しています。
30代の男性は、「死にたい。心中したい。過労でノイローゼ。自殺者がいるというのもわかる。あすのわが身だと思う…メーカー社員である以上、作業着の似合う人間でいたい。でも死にかけ」と悲痛な声をあげています。
同じ30代の男性は、「他社にくらべ一つの開発人員が少なく、一人過重労働がかかって、効率よく仕事がはかどらない! 子どもが起きている時間に帰れない」と訴えています。
ある労働者は、サービス残業をなくすために具体的な3つの「対策案」を書き込んできました。
(1)決まった時間になると職場のすべての電流が切れて仕事ができなくなる
(2)課員の残業時間が長いと上長の査定に影響させる
(3)あるいは在場時間を残業時間とする…」