「羅針盤」2000年7月号外
労働省大手電機に是正勧告


■ フレックス制でサービス残業
労働省は、フレックスタイム制が導入されている大手電機メーカーの多くで労働時間の管理が不適切で、「サービス残業」を広く生んでいるとして、残業代支払いなどの是正勧告を30日までにおこないました。

また、業界団体の日本電機工業会にたいし、労働時間の適正な管理などを加盟各社に指導するよう求めました。

フレックスタイム制は、出社時間を労働者本人の管理にゆだねるものです。
労働省は、4月から5月にかけて大手電機メーカー22事業場(21社)に労働基準法にもとづく監督調査を実施。

その結果、約60%の13事業場でサービス残業などの労基法違反を認め、是正勧告をおこないました。労働時間管理の指導した事業場を合わせると70%を超える16事業所にのぼります。
とくに、労働者の自己申告に基づく労働時間が実際の労働時間よりも過小である場合が広く認められると指摘。

その理由として、残業時間にたいし支払われる賃金の予算が決められてているため自己申告時間を一定以内にせざるを得ないケース、残業時間削減の会社の方針が自己申告時間を一定時間内とするケース、一定の残業時間を超えると賞与(一時金)の減額があるため一定時間内で申告しているケースなどをあげています。

労働省は、こうした自己申告時間を過小にする要因を除去するよう電機各社に求めています。

日立製作所、三菱電機など電機大手では、月100時間残業しても20〜30時間分しか残業代が支払われないなど問題となり、日本共産党組織は、フレックスタイム制度などが労働者にサービス残業を強要する隠れミノとされている実態を早くから告発し、是正を求めてきました。

■ 根絶へ運動を強める
三菱電機伊丹製作所(兵庫県)の田村信行さん(51)の話

2000年春闘で「春闘を前進させる会」(労働者有志でつくる)がアンケート調査をしたところ、サービス残業があると答えた労働者は48%で、月平均37時間にのぼりました。 本田技研では、労資がサービス残業をなくす合意をしています。サービス残業は根絶できます。さらに運動を強めたい。

(「しんぶん赤旗」7/1付より)


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