「羅針盤」99年9月号 第123号

発行 日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後14年目を迎え、今号で第123号です。

■ ともに考えましょう! リストラ競争の行きつく先を 政治とのかかわりで 

 大企業のリストラが横行するなか、7月の完全失業者数は319万人、失業率は4.9%過去最悪の状態、雇用問題は深刻です。

大企業がリストラ(首切り)競争に走り、それを「産業競争力」の名で政府があげて応援する。いきつく先はどうなるでしょう。確かに、三菱電機、日立、東芝の一つ一つの企業をみれば、リストラをすすめれば目先の利益は増える計算になるでしょう。

しかし、すべての企業がそれをやれば、雇用不安はひどくなり、国民の消費はますます冷え込み、経済への破滅的打撃になります。経済がひどくなれば、結局は企業の利益もあがりません。

企業の利益があがらなければ、もっとリストラをすすめようという悪循環におちいるのです。個々の企業では利益があげる計算でも、社会全体ではなりたちません。

いま財界と政府が一体になって進んでいる道は、国民生活の悪化はもとより、国の経済、国民経済がなりたたなくなる道であるといえます。

大企業が目先の利潤追求第一で、社会のことを考えない行動をとったら、それをただすのが政治の役割ではないでしょうか。

ヨーロッパでは政府が、そういう立場で行動しています。失業問題の解決にむけて、フランスでもイタリアでも、法律で労働時間を短縮して、雇用の拡大をすすめています。解雇の問題でも、EU(欧州連合)として大量解雇への共通の規制がつくられました。

労働条件でも、中小企業でも、環境でも、金融でも、農業でも、あらゆる分野に企業活動の民主的ルールをつくる、そうすれば世界第二の経済力を、国民経済全体のつりあいのとれた発展も保障されるのではないでしょうか。

■ ルールを守らせるだけで、雇用を増やすことができる

  三菱電機では、2001年度をめどに、グループ全体で1万4500人削減するという大リストラ計画が進行中です。

三菱電機の労働者でつくる「春闘前進させる会」のアンケート調査によると、4割が月平均24時間、年平均288時間のサービス残業をさせられています。

サービス残業は、残業しても賃金が支払われない「ただ働き」。労働基準法37条は、使用者は時間外や休日に働かせた場合、割増賃金を支払うことを義務づけています。

これに反した場合は6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金。サービス残業は明確な違法行為です。

日本共産党三菱電機伊丹委員会は、この違法行為をなくすだけで、「伊丹地域」に所在する事業所で587人、三菱電機全社で2768人の雇用を増やすことができると試算しています。

日本共産党は、この違法行為をやめさせることで全国で400万人の雇用が生まれると試算。財界のシンクタンク・社会経済生産性本部でも90万人の雇用が生まれると試算しています。

■ 春闘は2年に1回、「賃上げ中心」を転換, 電機連合が「改革」案を提案

今後1年間職場討議して、定期大会で正式に決定

    電機連合は、7月にひらいた定期大会で、春闘を2年に1回とする「春闘改革」案を提出しました。これまでの春闘は「ゆきづまった」という立場から、「賃上げ中心の方式」をかえるというのです。

鈴木勝利委員長はあいさつで、企業の賃金負担はほぼ横ばいにもかかわらず、年金や雇用・健康保険など企業の法定福利費用が大きな負担になっているとのべ、「賃金を単体でとりだして議論することは意味をもたなくなる」と指摘。

これからは、すべてを要求するのではなく、重点をしぼりこむとのべました。そのうえで、労働協約が2年間ということをふまえ、2002年から春闘を2年に1回とすることを提案しました。鉄鋼労連が98年春闘から始めた「隔年春闘」に続くものです。

■組合員とのギャップがある、慎重で十分な討論を

大会での討論では、「春闘改革案と組合員との意識のギャップがある」(ティアック労組)、「組合員の賃上げへの期待は大きい。十分な討論が必要だ」(三菱電機労組)などの意見が出され、大福真由美書記長は、「ギャップがあるのは事実。しっかり議論していく」と答弁しました。

電機連合は、この春闘改革案を来年の大会で正式に決めるとしています。今後1年間の職場討論が大変重要になっています。


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「羅針盤」読者からの投稿

■ 職安は仕事を求める人でいっぱい

 8月に伊丹の職安に行く機会がありました。

暑い日でしたが、仕事を求めて若者、年配者を問わず職安は入り口からいっぱい。

職安発行の「ハローワークだより」を見ると、6月の伊丹の有効求人倍率は0.2倍です。

仕事を求める人が8354人に対し、求人募集はわずか1659人。全国平均が0.42倍ですから、伊丹は全国的にもひどい状況だと思いました。(読者y)

 


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