「羅針盤」99年7月号 第122号

発行 日本共産党三菱電機伊丹委員会
「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後14年目を迎え、今号で第122号です。

サービス残業
悪質例はただちに処分の対象

■ 大森議員に労働省認める 衆院予算委員会

●首相も「なくしたい」と答弁

雇用対策をかかげた補正予算案の国会審議でサービス残業問題が議論になっています。

日本共産党はこれまで長年追及してきましたが、大森猛衆院議員の質問に、小渕首相も「サービス残業はなくしたい」と答弁。与党の自由党もとりあげ、雇用対策の焦点として政府の真剣な対応が迫られています。

サービス残業は、残業にたいし企業側が労働者に当然支払うべき時間外賃金を支払わず、労働者にただ働きのサービス≠押しつけるものです。企業にとっては必要な労働時間であり、これがなくなれば、その時間分だけ他の人を雇う雇用効果があります。

■ 全廃すれば90万人の雇用

社会経済生産性本部が、最近、サービス残業をなくした場合の雇用効果を試算。全廃すれば90万人の雇用を拡大することが出来ることを明らかにしました。

政府が今回、「緊急雇用対策」でうちだした雇用創出目標は約72万人です。これをはるかに上回る雇用拡大効果であり、サービス残業問題は避けるわけにはいかない政治問題になっています。

その政府の責任を突っ込んで明らかにしたのが、日本共産党の大森猛議員の質問(15日、衆院予算委員会)でした。
サービス残業は労働基準法違反となり、労働基準監督署が違反を取り締まる権限をもっています。この労基法違反の是正は、自由党も13日の衆院本会議で塩田晋議員が要求しました。

大森議員は、労基法違反の是正要求にとどまらず、悪質なサービス残業は即刻、刑罰や罰金つきの司法処分の対象になる「重大な犯罪」であることを示し、これを労働省に認めさせました。

大森議員は、独自調査をもとに、司法的制裁を即刻加えるべき「司法処理基準」として労働省が

@重大な法違反

A度量なる法違反]

B明らかに故意におこなわれた法違反

―の三点を定めているはずだと質問。労働省の伊藤庄平労働基準局長は「その基準が司法の基準となる」と答え、ただちに司法処分をおこなうとする労働省内の内部基準を初めて明らかにしました。

■「3つの基準」すべて該当

そのうえで、大森議員は、この「3つの基準」にサービス残業はすべて該当するはずだと迫ったのです。

まず「重大な法違反」。

サービス残業は、賃金の不払いです。「労働者にとっては生活の糧である。重大な違反ではないか」と大森議員はただしました。

第二の「度重なる違反」。

賃金は「全額で支払う」「毎月定期で支払う」。この二つは、労基法(第24条)が罰金つきで義務づけた賃金支払いの5原則に含まれています。サービス残業は、これを破ることになります。時間外労働の割増賃金(25%増)を支払わない(労基法37条違反)だけではないのです。
大森議員は、「しかも毎月毎月違反を繰り返すのだから度重なる法違反ではないか」と追及しました。

そして第三の「故意の違反」。

大森議員はひときわ力をこめました。「とりわけ大企業は労基法に違反することは百も承知でやっている。ただちに司法的制裁を加える対象となる重大犯罪だ」

甘利労相は「まずは正常に戻すよう指導する」とのべつつ「指導にもかかわらず改善しない時は強硬手段があるべきだ」と表明しました。

答弁に立とうとしなかった小渕首相も、最後は「サービス残業をなくすため今後とも法の主旨の徹底をはかってまいりたい」と答弁。サービス残業は全廃すべき問題だと明言しました。

「しんぶん赤旗」7/18付より


★日本共産党三菱電機伊丹委員会は、サービス残業なくせば伊丹地域だけで587人、全社的に2,800人の雇用が新たに確保できると試算しています。

★日本共産党はこの7月15日で創立77周年を迎えました。「国民の苦難の軽減」が立党の精神です。改革のすすめ方は、国民の合意をはかりながら社会を一歩一歩前進させます。

社会は進歩していくもの。でも、いっぺんでがらっと変わるものではありません。あわてず、ねばりづよく、階段を一歩一歩上がるようにー社会の改革を、日本共産党はこう考えています。

そして、 社会がすすむ方向を決めるのは、選挙で示された国民の意思です。これが、日本共産党の「綱領」の立場です。

■党国会議員団がリストラ調査

●大阪と兵庫の大企業

日本共産党国会議員団の不況打開雇用問題調査団(団長・大森猛衆院議員)は、6月18日、19日の両日、大阪府、兵庫県で大企業の雇用、リストラ問題での実態調査をおこないました。

兵庫県の実態調査には、大森猛団長のほか、寺前巌衆院議員、大沢辰美参議院議員、吉井英勝衆院議員秘書らが、大手鉄鋼、電機会社の実態をおこない、労働者から「賃金削りサービス残業」「転籍の強要」など、リストラの生々しい実態が出されました。

■サービス残業や労働条件明示なしの大量出向

三菱電機の職場からは、「赤字を理由に、賃下げ、諸手当のカット、サービス残業が押し付けられている」、「70時間残業しても10時間しか手当がつかない」。

住友電工の職場からは「ブレーキ部門が分社化、800人が出向になるが労働条件の明示がない、これからどうなるのか、不安の中にある」など、実態が出されました。


読 者 の 広 場
「羅針盤」読者からの投稿

■ 会社の借金は本当に1兆2000億円もあるのか?

会社は「メルコ」(社内報)1兆2000億円の借金を抱えていて「経営が苦しい」と言っています。本当にそうでしょうか?97年度貸借対照表によると、有利子債務は借入金、社債、転換社債等を全部合わせても6500億円にしかなりません。

そこで貸借対照表を詳しく見てみると、支払い手形(すでに発行済みの手形でまだ支払期日の来ていないもの)、未払金(材料以外のもの、たとえばコンピューターなど、でまだ代金が未払いになっているもの)など合わせて5000億円があることがわかります。

これら買掛金等は営業上必ず発生するもので、売掛金(商品を掛けで販売するもの)などと対になっているものです。このように帳簿上は借金ですが、利子もつかない単なる商業習慣上の債務に過ぎません。(一読者)


●暑中お見舞い申し上げます

総選挙勝利にむけ全力でがんばります。みなさまのひきつづくご支援をよろしくお
 願いします。 
職場では健康と安全に十分気をつけてお働きください。 藤木 洋子 衆議院議員 前田 えり子 党阪神北地区福祉教育委員長

●暮らしや職場の話題、情報、日本共産党へのご意見、ご質問をお寄せください。

Home Pageへ戻る || 目次に戻る