政府が国会に提出している労働基準法「改正」案にたいし、反対や修正を求める意見書が全国２百７４の地方議会で可決していることが４月９日、東京で開いた労働法制・「女子保護」両中央連絡会の全国代表者会議で明らかになりました。
全労連や「連合」の要請で意見書を可決した議会を集計したものです。

　大阪では大阪府議会をはじめ、大阪市、豊中市、守口市などです。府議会の意見書は「残業や深夜労働の男女共通規制のあり方については、最も必要な内容である上限時間数が盛込まれていない。
裁量労働制や変形労働時間制の緩和など、長時間労働･サービス残業を恒常化させかねない」と指摘。労基法が制定されて５０年、労働条件の確立と権利の下支えとなる法律が最大の危機にたたされているとして、法案の修正を求めています。

三菱電機は３月２３日、臨時中央協議会を開催し、「半導体事業構造改革」と称し、労組側に本格的なリストラ計画を提案しました。 ３月２６日「日経」報道によると、半導体やＡＶ（音響・映像）など赤字部門の生産体制や生産品目を抜本的に見直すとしています。
その第一弾として、半導体事業の大幅コスト削減のため、国内生産ラインの休止を柱にリストラを開始。「９８年度中に熊本工場、福岡半導体工場の３ラインを休止」。「熊本工場は３ラインのうちマイコンやＡＳＩＣ（特定用途向けＩＣ）の２ライン、福岡工場は電力系半導体製品の生産１ラインを休止する」としています。

９１年６月、川崎製鉄水島製鉄所の管理職（掛長）が常軌を逸した長時間労働が原因でうつ病となり、症状の悪化で自殺。妻ら遺族３人が、夫の自殺は「会社に責任がある」として川崎製鉄に総額１億２千５百万円の損害賠償を求めて訴訟を起こしました。

この訴訟で、２月２３日、岡山地裁倉敷支部は「会社側は自殺した社員の常軌を逸した長時間労働、健康状態の悪化を知りながら、労働を軽減させるための措置をとらなかった」として、同社に約５千２百万円の賠償を命じました。（会社側は不服として高裁に控訴。これを受けて遺族らも控訴）

亡くなった社員は、自殺した同年の１月に条鋼課掛長に昇進し、連日深夜にわたる労働が続き、亡くなるまでの半年近くの間に会社に行かなかった日は、わずか元旦と６月１５日の２日だけ。少なくとも平日は１日５時間、休日は１１時間の時間外労働で、この期間の労働時間は２千７１時間にのぼり、年間に直すと実に４千４百２０時間にたっします。

■ こんな職場でいいのだろうか

私の職場の男性は夜の方が落ち着いて仕事ができるといっています。毎日夜の１０時ごろまで残業です。

裁量企画手当だけで残業手当はつけていないようです。風邪をひいて休んでいても、上長から家に呼び出しがくるので落ち着いて休めないとのこと。
最近、あちこちの職場で「在職死」が増えていると聞きます。そんなことを聞くたびに「うちの職場でもやがて起こるのでは」と、心配になります。

職場はメールが１人１台導入され、メールでの対話が多く、職場から会話がなくなってしまいました。 こんな職場でいいのだろうかと考えさせられます。 （読者・Ｄ）

会社は９８年３月期の業績悪化と総会屋利益供与事件の責任をとって北岡隆社長が辞任。新たに谷口一郎専務が社長に昇格。
職場からは遅かりしの声が。社長が交代しても労働者に待ちうけているのはリストラ人減らし。
（読者・Ｋ）

世界で初のメーデーは１８９０年５月１日、「労働時間の短縮」を要求する、国際でモンストレーションの日でした。
それから１００年余をへたいま、世界の流れは、１日８時間労働をさらに短縮する方向へ動いています。ところが日本はどうか、まったく逆に「１日８時間労働制」の原則を事実上こわそうとする財界や政府の攻撃が始まっています。なんということだろう。
第６９回メーデーは「労働法制改悪許すな」の声を大声で叫びたい。暮らしと権利・民主主義を守るために大きく成功させたい。しかし、わが三菱労組の「コヤ池メーデー」…？。 （読者Ｙ）

◆ 編集後記 ◆

いよいよ参議院選挙は目前。日本共産党が大躍進できるよう頑張りたいと決意あらた にしています。選挙に係わる記事の投稿など、お待ちしております。