2013年5月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
 「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後28年目迎え、今号で第188号です


【NEWSCLICK】
▼ルネサス−追加リストラ 「早期退職」3千数百人
▼「解雇の自由化を提言」
▼「多様な正社員」づくりの落とし穴


□ルネサス−追加リストラ 「早期退職」3千数百人

 今年9月末付で従業員3千数百人の早期退職を発表したルネサスエレクトロニクス。昨年10月実施の早期退職の7511人 を合わせると1万人を超える人員削減となります。

 今回の早期退職は、40歳以上の総合職が対象で、9月末付の退職となります。退職者には、退職金に特別退職一時金が加算されますが、最大で12ヵ月分、 昨年実施された早期退職の特別一時金最大36ヵ月分と比べても大幅な減額となっています。

□賃金・一時金だけで110万円の減収

 今春闘では、夏季一時金1ヵ月要求に対し、ゼロ回答。加えて、今年度も昨年7月から続いている基本賃金の7・5%の減額、 時間外・休日・深夜手当など諸手当のカットです。年末一時金は2013年秋に労使で協議するとしていますが、無支給となれば基本賃金30万円(総合職)の 労働者は、賃金と一時金だけで年収110万円の減収です。

 職場で、「これまで会社の為だと生活も犠牲にして、協力したのに、経営陣は何をしてたんだ。労働者の生活をなんだと考えているんだ!」、 「いつまでこんなこと続けるんだ“一時金は出すメドがつかない申し訳ない”ですむ問題ではない」と怒りの声があがっているのも当然です。



  □「解雇の自由化を提言」 経団連 不利益変更の合法化も

 日本経団連は4月16日、「労働者の活躍と企業の成長を促す労働法制」と題する提言をまとめました。企業の成長確保の ため、労働規制の見直しを「一気に実施する必要がある」とし、労働法制改悪を求めています。

 主な内容は、@労働時間法制A雇用保障責任B労働条件の変更ーです。

●労働時間法制では、企画型裁量労働時間制について、「対象業務と対象労働者の範囲」を個別企業の労使が決定するよう求めています。 労働者に仕事の進め方を委ねる必要がある場合、労使があらかじめ取り決めた時間を働いたとみなす裁量労働制は、企業に残業代の支払い義務はありません (深夜・休日を除く)。8時間労働制の例外となるため、労働基準法が要件を厳格に定めています。提言はこれを嫌がり、企業の主張が通りやすい“労使自治”を 求めています。

 さらに、営業・事務職や研究・開発職の一部には、深夜・休日労働を含めた一切の労働時間規制が適用除外となる「残業代ゼロ」のホワイトカラー・ エグゼプション導入をあげています。

●雇用保障責任では、勤務地や職種など限定した「正社員」について、「特定の勤務地ないし職種が消滅すれば契約が終了する」旨を法で定めるよう主張。 同時に、裁判などで無効と判断された解雇を金銭で雇用契約を終了できる「金銭解決」も検討するよう求めています。

●労働条件の変更では、就業規則を労働者に不利益な内容に変更しても、労使合意などがあれば可能とするよう法「改正」をあげています。

 提言の内容は、政府の規制改革会議などで提起されているものとほぼ一致しています。これらが実現されれば、正社員は「金銭解決」や就業規則の不利益変更で、 簡単に解雇や労働条件の低下が可能となり、大多数の労働者が“期間不明の有期雇用”として、低賃金・不安定な雇用を強いられることになります。 同時に、多くのホワイトカラーは残業代請求の権利を奪われ、長時間労働をさせられることになります。 (しんぶん「赤旗」4・19)

□財界の横暴に国民と連帯して反撃を!

 経団連が政府に求めている企業の成長確保のための、労働規制の改革(『提言』)は、安倍政権が経済政策の「三本の矢」の 3番目に放つ「次元の違う成長戦略」の柱です。この規制改革は、労働時間規制の見直し、「限定正社員」づくり、「解雇の自由化」など、働くものの生活を 根底から破壊するものです。職場から国民と連帯してたたかうことが求められています。

 デフレ不況の打開は、国民の所得を増やすこと抜きには実現しません。いま政治がやるべきことは、大企業がもっている260兆円の内部留保(余剰資金) を動かすことであって、労働者を不安におとしいれる労働者移動ではありません。内部留保の一部を賃上げと安定した雇用にあてる「成長戦略」こそ必要です。


□「多様な正社員」づくりの落とし穴

 財界と安倍政権が最優先に検討事項としている「限定正社員」ー。「多様な形態の正社員」をつくるという名で、 勤務地や職務などに限定した正社員雇用を拡大するというものです。
 限定正社員の導入の目的は、非正規労働者の正社員転換の機会をつくることです。労働契約法が昨年改定されて、有期雇用が5年を超えたら無期雇用に 転換できますが、労働条件はそのままでよいとされています。
 ユニクロが非正規社員を「実力評価」で地域限定社員に転換する制度を導入していますが、賃金は時給を月給にし、査定で一時金を支給するのが違いです。 限定正社員の場合、危険なのはリストラで地域、業務がなくなったら解雇が必至です。正社員の雇用形態を破壊し、不安定雇用化へと激変をもたらす 極めて重大な動きといえます。

読者の広場

希望を胸に新入社員

 今年も新入社員のみなさんが職場に入ってきました。入社おめでとうございます。新しいスーツ姿で引率の指導員と会社の門を出入りする若者を見るたびに、 当時の自身のことを思い出します。  「三菱電機の製品を世界に広めたい」、「社会を支える仕事がしたい」、「エネルギー分野で社会に貢献したい」、「これからの日本を支えていきたい」 ー。こうした新入社員の希望と期待を裏切らない会社、職場であってほしいものです。

(読者・A)

共産党を伸ばす以外、私ら救われない

 いま日本共産党は、デフレ打開のために、「賃上げと雇用アピール」(「賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を 立て直そう」)のビラを職場の門前で労働者に届け、参議院選挙での支持と協力を訴えています。このビラを読んだ派遣社員の友人は、次のような感想を 寄せてくれました。

「ビラ読みました。共産党を伸ばす以外に、私たち(派遣社員)は救われないんだということがわかりました。そのためには小選挙区制を辞めさせないとダメだと思います。」  この「アピール」ビラを一人でも多くの人に届け、暮らしと経済を立て直す力にしていきたいと思います。

(読者・S)

編集後記

▼今号では、ルネサスの追加リストラと安倍政権がすすめる労働規制改革の危険な内容を掲載しました
▼人が働き賃金を得て生活するためには、安定した雇用が必要です。企業に労働者を自由に解雇できる権限を与えたら、安心の土台が崩れます
▼いま求められているのは大企業の一方的なリストラ・解雇をやめさせ、非正規から正規雇用への転換を図る対策です。


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