2012年10月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
 「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後27年目迎え、今号で第186号です


【NEWSCLICK】
▼サービス残業是正 三菱電機三田製作所 労働者と家族の要求実る
▼労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
▼サービス残業の根絶、メンタルヘルスや「過労死」の心配のない職場をつくりましょう
▼尖閣諸島ー歴史的事実と道理にたった解決策


サービス残業是正 三菱電機三田製作所 

労働者と家族の要求実る 労働者と共産党が会社を動かす

 三菱電機でサービス残業是正が行われていることが、このほど日本共産党三菱電機伊丹委員会の調査でわかりました。

 三田市にある同電機の三田製作所(従業員約千人)は、伊丹労働基準監督署から労働基準法違反の是正勧告を受け入れ、管理職も含む社員にたいし、 残業代の不払分として3ヵ月分が8月賃金支給日に、支払われていたものです。  「サービス残業が是正されて本当によかった」と喜びの声があがっています。

 今回の是正勧告は、三田製作所では初めてです。是正措置と指導の内容は、@残業代「自己申告」の不足分(不払い残業手当)3カ月分を支払う。 A裁量労働制適用者の深夜残業手当(22時以降の残留時間分)、休日出勤の時間外も含むものとなっています。同時に、IDカードによる労働時間管理 システム導入の指導や健康管理の徹底等です。

 同製作所ではIDカードによる「労働時間管理」システムが導入されておらず、労働時間の把握は自己申告制のみになっています。そのため、 開発・設計部門で働く労働者からは、「労働時間がまったく管理されていなく、休日出勤は当たり前、どんなに残業しても残業手当は45時間となります。 不払い分は平均50時間です。完全に法律違反です。即刻IDカードによる労働時間の管理を実施してほしい」との声があがっていました。

日本共産党が労基署に求めた◇3つの是正措置◇
@立入り調査を行い、不払い残業代を支払わせること。
A早急にIDカードによる労働時間把握管理システムを導入し、客観的な記録ができるようにすること。
B過重労働による健康障害を防ぐために産業医による保健指導や助言指導を行うこと。



  労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置

 厚生労働省の「労働時間を適正に把握するために使用者が講ずべき措置に関する基準」を抜粋してご紹介します。

その1
始業・終業時刻の確認・記録
  使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業の時刻を確認し、これを記録すること。

その2
始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
  使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
(ア)使用者が、自ら現認することにより、確認し、 記録すること。
(イ)タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

(ア)について
 「自ら現認する」とは、使用者自ら、あるいは労働時間管理を行う者が、直接始業時刻や終業時刻を確認することです。なお、確認した始業時刻や終業時刻に ついては、該当労働者からも確認することが望ましいものです。

(イ)について
 タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎情報とし、必要に応じて、例えば使用者の残業命令書及びこれに対する報告書など、使用者が労働者の 労働時間を算出するために有している記録とを突き合わせすることにより確認し、記録してください。なお、タイムカード、ICカード等には、IDカード、 パソコン入力等が含まれます。

その3
自己申告制(省略)

その4
労働時間の記録に関する書類の保存
 労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存すること。

その5
労働時間を管理する者の職務
 事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等、労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、 労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること。


サービス残業の根絶、メンタルヘルスや「過労死」の心配のない職場をつくりましょう

三田製作所にもIDカード・労働時間把握システムを

 尼崎市所在の先端技術総合研究所、通信機製作所、コミニュケーション・ネットワーク製作所、伊丹製作所では、 労働者と日本共産党の運動で違法なサービス残業が是正されるなかで、全事業所にIDカードによる労働時間把握システムが導入され「適切な労働時間の管理」 に向かっています。

 このシステムを三田製作所にも導入して、構内で働くすべての労働者に適用させ、サービス残業の根絶とメンタルヘルスや「過労死」の心配のない職場づくり をすすめましょう。

IDカードによる「労働時間把握」制度が導入された職場での喜びの声(「羅針盤」09年12月号)を再録します。

コミニュケーション・ネットワーク製作所

 「長時間労働就業者のための健康診断に参加する人が増えた」、「自主申告とIDカードによる労働時間の差額が支払われる ようになって、サービス残業がなくなった」、「天井知らずの残業がなくなってほんとうに助かった」、「管理職が時間管理を気にしてくれるようになった」。

職場での制度の運用は次のようになっています

@セキュリティー用IDカードを活用して毎日、入退場時間を把握する。
A労働者が「自主申告」している労働時間とIDカードで把握した在場時間の記録を照合し、誤差が30分以上ある場合には、上長は訂正を命じ、 時間外労働分として計上されます。


守れ!企業倫理・遵法宣言

三菱電機グループの企業倫理・遵法宣言

私たちは、活動するいかなる国や地域においても常に、以下に宣言するところに則って行動します。
■法の遵守
 法は最低限の道徳であることを認識し、法の遵守はもちろん、社会全体の倫理観や社会常識の変化に対する鋭敏な感性を常に持ち、行動します。 (三菱電機グループの「企業倫理・遵法宣言」より抜粋)


尖閣諸島ー歴史的事実と道理にたった解決策 日本共産党

●尖閣諸島を探検した古賀辰四郎氏が同島の貸与願いを申請(1885年)。日本政府は尖閣諸島を日本領に編入しました (1895年)。これが最初の領有行為(先占)で、国際法で正当と認められています。
●中国は1970年になるまで異議をとなえたことはありません。「日清戦争で奪った」という主張も歴史的に成り立ちません。
●冷静に理をつくして日本の領有の正当性を説く外交努力を進めることが必要です。
●歴代の日本政府は「領有権の問題は日中間に存在しない」という理由で30回以上、中国と会談・懇談してきたにもかかわらず、突っ込んだやりとりを 交わした形跡はなく、国際社会に主張した例も見当たりません。


読者の広場

ルネサス 「特別退職一時金」3分割払いに怒り

 ルネサスの「早期退職」(退職日10月31日付)は、9月18日から募集が始まり、26日に締め切られ結果は、目標「5千数百人」にたいし、 7511人が「応募」しました。ルネサスの労働者にとっては3度目の「早期退職制度」、会社もマスコミも今辞めないと退職金も出なくなると言わんばかりの 「企業危機」をあおり立てました。

 職場では多くの労働者が「雇用は厳しいが、残っても先が見えない。今辞めるしかない。苦渋の決断を迫られ」早期退職を選択しています。

 ところが、10月に入り突然に会社から「当初計画した以上の大幅な退職応募者となり、資金不足のため、特別退職一時金は3分割払い」との通知。 今年11月に3割、来年3月に3割、9月に4割というもの。「ひどい、この時期に辞めないと特別退職一時金は出ないと無理やり辞めさせ、応募者が多かった から金は出せない。それはないやろ」、「退職後の生活設計がくるってしまう」との声があがっています。

 ルネサス労組も「分割したとしても12年度内に支払いできないのか」と会社に要求していますが、会社は「会社運営上できない」と開き直っています。 こうした会社の一方的で身勝手なやり方に、労働者の怒りは広がるばかりです。

(Y)


編集後記

▼三田製作所の労働者の長年の願いであった労基署の立ち入り調査
▼ついに労基法違反のサービス残業が摘発され、伊丹労基署から是正勧告を受け、会社は8月に不払い残業代を支払いました
▼今回もまた、労働者と共産党の力が会社を動かしました
▼ずさんな労働時間の管理も改善され、労働者から喜ばれています
▼すでに尼崎地域の事業所に導入されたIDカードによる「労働時間管理」、三田製作所にも導入まであと一歩です
▼サービス残業根絶に「羅針盤」も、みなさんと力合わせ頑張ります。


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