業績が悪化している半導体大手ルネサスエレクトロニクスの支援要請に対し、主要株主のNEC、日立製作所、三菱電機の3社が
計800億円の融資を行う方向で調整していることが15日、分かりました。
ルネサスは三菱東京UFJ銀行など主要取引銀行から500億円も別途調達。従業員の約3割に当たる1万2000人超の人員削減と、国内生産拠点の半減を柱とする大規模
なリストラに着工します。
ルネサスの赤尾泰社長は1日、大株主3社に合計500億〜1000億の資金支援を要請。3社は難色を示してきましたが、ルネサスの経営建て直しには資金的支援が必要と
判断しました。ただ、NECは2012年3月期に1102億円の純損失を計上し、1万人の人員削減を進めている最中のため、ルネサス支援での負担軽減を求めました。
このためルネサスは、主要株主3社からの支援額を計500億円とする一方、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友信託銀行など4行から必要に応じて
約500億円まで借り入れができる既存の融資枠を活用し、総額1000億円を確保します。株主3社は、500億円の負担割合について、来週までの合意を目指します。
ルネサスはこれらの資金を使い、9月までに5000人超の希望退職者を募集、退職金加算に充てます。また19ヶ所の国内生産拠点のうち、主力の鶴岡工場(山形県鶴岡市)
など半数程度を売却又は閉鎖し、収益力の改善を急ぎます。財務基盤の強化に向け、海外投資ファンドからの出資受け入れも検討します。
主要取引先、約1000社 ルネサス
大規模なリストラを打ち出している半導体大手ルネサスエレクトロニクスの主要お取引先企業が約1000社に上ることが、
民間調査会社の帝国データバンクの調査で分かりました。今年2月に会社更生法適用を申請した半導体メーカーエルビーダメモリーの約6.6倍の規模です。
調査によると、ルネサスグループと直接取引がある国内企業は997社。業種別では、半導体製造装置などの製造業が382社、産業用電気機器などの卸売業が301社、
サービス業が258社となっています。都道府県別に見ると、東京都(363社)がトップ。上位5県に熊本県(53社)、山形県(43社)が入りました。年売上別では、
全体の52.6%(524社)が「10億円未満でした。」
経営再建中のルネサス社は国内工場の大幅な閉鎖、人員削減などを進めようとしており、影響の拡大が懸念されます。 (赤旗6/16付)