2009年12月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
 「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後24年目迎え、今号で第177号です


【NEWSCLICK】
▼失業給付の緊急延長 労働者派遣法の早期抜本改正を
▼IDカードで「労働時間の客観的把握」 労働者のねばり強いたたかい実る
▼大企業の内部留保10年で倍増429兆円 三菱電機は1兆5483億円1.35倍  労働者に還元を
▼核兵器のない世界を、あなたの未来のため国際署名にご協力を!


失業給付の緊急延長 労働者派遣法の早期抜本改正を

 日本共産党は国会で「このままでは昨年の派遣村より悪化」と厳しく指摘。失業給付の緊急延長などの「緊急対策」の実施、 労働者派遣法の「抜本改正に踏み出すべき」と鳩山首相に見解を問いただした。首相は労働者派遣法の具体的改正内容については、「通常国会への法案提出を めざす」と回答した。

失業給付切れ 100万人

 政府発表でも、今年6月から毎月15万人ずつ失業給付が切られ、年末までに100万人近くに達する恐れがある。

 今年3月末にルネサスの「派遣切り」にあった人たちも多くが失職状態。失業給付も11月末で期限切れを迎えようとしている。Sさん30代、 4月からハローワークに通い続けているが、「一つの求人に30人以上、場合によっては100人以上が応募しており、仕事につけません」と。

大企業は「人減らし」やめよ

 雇用危機が深刻なのはなんといっても、正規、非正規を問わず電機産業を中心に人員削減に歯止めがかかっていないことである。

 三菱電機高周波光デバイス製作所は、またもや「業績悪化」を理由に来年の3月末をメドに、正社員の広域配転や非正規社員の雇い止め、解雇をおこなうと している。

 労働者派遣法の抜本改正と大企業に違法な「非正規切り」など「人減らし」をやめさせ、雇用の責任を果たさせることが求められている。


IDカードで「労働時間の客観的把握」 労働者のねばり強いたたかい実る

 三菱電機コミニュケーション・ネットワーク製作所(通称C電)では、09年1月の賃金計算月から、IDカードによる 「労働時間把握」制度が試行導入され、職場では喜びの声があがっています。(同構内の研究所でも10月から同制度を導入)

労基署と労組へ要請、提案

 これは長い間、労働者と日本共産党三菱電機伊丹委員会が「サービス残業」根絶のためには、労働時間の把握は「自己申告」 でなく「ICカードで客観的把握を」と労働基準監督署に要請。労働組合にたいしても労働者が定期大会代議員選挙などを通じてねばり強く提案 してきたものです。

職場での制度の運用は次のようになっています

@セキュリティー用IDカードを活用して毎日、入退場時間を把握する。
A労働者が「自主申告」している在場時間とIDカードで把握した在場時間の記録を照合し、誤差が30分以上ある場合には、上長は訂正を命じ、時間外労働分 として計上されます。

制度導入に 喜びの声

「長時間労働就業者のための産業医による健康診断に参加する人が増えた」、「自主申告とIDカードによる労働時間の差額が 支払われるようになって、サービス残業がなくなった」、「天井知らずの残業がなくなってほんとうに助かった」、「管理職が時間管理を気にしてくれるように なった」など、喜びの声があがっています。

 技術者のTさん(50代)はいいます。「制度導入は大いに歓迎すべきです、これも長年続けてきた『サービス残業』是正のたたかいの成果です」と。

 しかし、職場は、『売上げ・利益目標未達成』や『品質不具合撲滅』の号令のもと、職場の費用管理が厳しくなり、下級管理職や専任職など裁量労働者の メンタル疾患の増加に歯止めがかかりません。

安心して 働ける職場を

 「制度を実りあるものにするためには、直接仕事の指揮をとられている管理職の方々をはじめ、労働者相互の努力、 労組役員、現場で世話役活動のカナメの役割を果たされている支部委員の方々の日常の努力があってこそ、成り立つものです。労組に団結し、メンタル疾患、 “過労死”の心配のない職場をつくりたい」と、Tさんはいいます。

伊電、系電でもIDカードで「労働時間把握」を

 C電、研究所と同じ尼崎事業所の構内の伊電、系電の技術部門では、建屋(工場)への入場時はC電と同じようにIDカードを 使うのですが、退場時はIDカードを使用していません。ですから「労働時間の把握」は「自己申告」のままです。

 残業時間は 「青天井」

 しかも、技術部門では「成果主義」が徹底され、職場では月単位で「成果物」の提示を管理職から求められます。労働者は 労働時間に見合う「成果物」を出さなかったら「無能力者」と見られるため、実際に働いた時間より少なめに申告します。その結果、「サービス残業」も恒常的、 残業時間は「青天井」状態で健康状態も危ぶまれています。「自己申告」では正確な労働時間は把握できません。

 入場時には、IDカードが使用されており、設備的にもIDカードによる「労働時間の客観的な把握」は可能です。

▼早急に、C電のように制度を導入させましょう。   


大企業の内部留保10年で倍増429兆円 三菱電機は1兆5483億円1.35倍  労働者に還元を

 年来の深刻な不況にもかかわらず、企業がため込み利益である「内部留保」を依然として増加させていることが、労働運動総合 研究所の調査でわかった。この10年で内部留保は倍加し、428.6兆円にも達しており、労働総研は「労働者と中小企業を犠牲にしてため込んだ内部留保を 還元し、内需拡大をはかることが急務だ」と指摘する。大企業の内部留保が急増したのは派遣労働が原則自由化された1999年以降で、209.9兆円から 218.7兆円も増加している。

 三菱電機がためこんだ内部留保は、1兆5483億円。この10年間で1.35倍となっている。

※内部留保(社内留保)とは?  企業の利潤(税引前当期利益)から税金、配当金、役員報酬、など社外流出した額を除いた部分をいいます。


核兵器のない世界を、あなたの未来のため国際署名にご協力を!

 21世紀のいまも、2万6千発の核兵器が世界の平和と安全を脅かしています。

 ヒロシマ・ナガサキの悲劇が示すように、核兵器の使用は一瞬にして無数の命を奪い、世代を超えて人々を苦しめ、文明を破壊します。被爆者は 「人類と核兵器は共存できない」と警告し続けています。核兵器による新た犠牲者をつくりだしてはなりません。人類の生存と子供たちの未来のために、人々の 連帯した行動によって、核兵器のない世界を実現しましょう。2010年春、核不拡散条約再検討会議に向けて、署名運動をすすめています。みなさんのご協力を お願いします。


読者の広場

「建設的野党」 共産党に期待

 衆院予算委員会での共産党の笠井さんの普天間基地移設問題での政府にたいする質問はすごかったです。腰砕けの民主党答弁に活を入れてもらい、モヤモヤした 気持ちがすっきりしました。

 これが「建設的野党」の質問かと思いました。共産党に期待しています。
 

(読者・S)

労働者派遣法 抜本改正の先頭に

 電機連合は、秋季組織強化月間で時間外割増率などの改正労働基準法への対応、働き方の改革の推進といっている。しかし、いま国民的な課題となっている 「労働者派遣法の改正」についてはどこにも出てこない。

 「ものづくり日本」というならば、その主役である労働者の実態に目を向け「使い捨て」労働や長時間労働による労働者の健康破壊などの解決こそが大事では ないか。電機産業で働く派遣労働者の数は他産業に比較しても多い。

 電機連合が、労働者派遣法の抜本改正の先頭に立ってもおかしくはないと思いますが、いかがでしょう。

(読者・Y)

編集後記

▼厚生労働省発表による08年度の派遣労働者数は前年度に比べ4.6%増の約399万人と過去最多。
▼今号では、「派遣切り」等で失職者の失業給付の緊急延長と労働者派遣法の早期抜本改正問題とともに
▼念願のIDカードによる「労働時間の客観的把握」制度を導入させた職場の労働者のたたかいと導入後の喜びの声を紹介しました。


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