2008年10月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
 「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後23年目迎え、今号で第175号です


【NEWSCLICK】
▼長時間労働を加速、賃金を押し下げ、やる気をなくす「成果主義賃金」の見直しを!
▼「契約社員」を全員正規社員へ登用せよ〜差別的待遇の「契約社員制度」を廃止させよう
▼技能伝承に支障92% 非正規労働者の実態調査
▼改正パートタイム労働法が、ことし4月1日から施行されました
▼09年に満了の派遣労働者 直接雇用か請負に


長時間労働を加速、賃金を押し下げ、やる気をなくす「成果主義賃金」の見直しを!

 三菱電機とルネサスで成果主義賃金が導入されてから4年。労働者からは、「頑張って働いて成果だしても、 評価が上がらない。不公平感は募るばかり。ここ数年給料は上がらない」(40代男性)。「成果主義賃金が導入されてから、よいことは何にもありませんでした。 制度を見直して、毎年賃金が上がる喜びを味わえるものにしてほしい」(50代男性)など切実な訴えが多数寄せられている。

「見直し改善すべき」 が7割

 三菱電機の労働者でつくる「春闘を前進させる会」が行った08春闘要求アンケートでは「成果主義で賃金は上がったか」 の問いに「下がった」が2割、「変わらない」が5割、「上がった」はわずか3割、「成果主義金をどう考えるか」の問いに7割が「見直し改善すべき」 だと答えている。

成果主義賃金、日本とアメリカの違いくっきり

 日本の成果主義賃金は、人件費コスト削減のために導入され、競争をあおって長時間・過密労働を加速し、賃金を押し下げ、労働者のやる気をなくすなどの 害悪を職場に広げている。政府も今年の「労働経済白書」で、そのことを認め、成果主義賃金制度はうまく機能していないと指摘している。

 本家・アメリカの成果主義は、コスト削減が目的ではなく、労働者のやる気を引き出すのが目的。このため、成果主義は、コスト増になるのが 難点≠ニいわれている。

 


「契約社員」を全員正規社員へ登用せよ〜差別的待遇の「契約社員制度」を廃止させよう

 派遣や請負、契約社員など低賃金の不安定雇用が広がり、小林多喜二の小説「蟹工船」がベストセラーになるなど、 社会問題になっている非正規雇用の増大。派遣労働を解消して直接雇用しても、6ヵ月契約更新の「契約社員」で正規社員への登用の制度はなく、何年経っても 「契約社員」のまま、10年以上も働かされている人もいる。また、「契約社員」で入社しても、正社員になれないことがわかると、1ヵ月もたたないうちに 退職するという状態が続いている。

 三菱電機では、1950年代から60年代後半まで「臨時工」という雇用形態の非正規社員が存在していた。2ヵ月の契約でありながら、6年も7年も 「臨時工」のまま「常備的臨時工」といわれ低賃金で働かされていた。繁忙期に劣悪な労働条件(忌引休暇もない)で雇われ、不景気になると真っ先に首切られた。 こうしたなか、当時の労働組合は、「臨時工」の過酷な労働条件を改善するために「臨時工対策」として「社員同様我々の仲間」だと連帯し、1965年には 「首切りしわ寄せを臨時工にするな」と雇用を守りたたかった。翌年の1966年には「忌引き休暇1日」実現するなど一つひとつ成果を積み重ねた。そして、 差別的待遇の「臨時工制度の廃止」をかかげ「臨時工期間6ヶ月あれば社員に登用せよ」と会社と交渉を始め、労働組合の長期のねばり強い闘いの結果、60年代 後半、「臨時工」の労働者は全員正社員へ登用され、20年間続いた「臨時工制度」は廃止された。1972年の退職金支払いには「臨時工期間の2分の1を 勤続加算する」という成果もかちとった。

全員正社員に登用し、「契約社員制度」を廃止せよ

 いま、社会問題ともなっている直接雇用の「契約社員」は戦後会社の低賃金政策でつくられた昔の「臨時工」の現代版とも いえる。

 「契約社員」は、正規社員と同じ仕事しながら、差別的な低賃金でいつ首切られるかわからなく不安定状態に置かされ、 結婚適齢期になっても結婚もできずにいる。

 職場の上司は「彼らに目いっぱい残業、休出してもらい仕事をはかせ」といって職場の繁忙を乗り切ろうとしているが、「契約社員」は将来の見通しをなくして、 退社してゆく。職場は「派遣や契約、パートの非正規社員が抜けたら生産ができなくなる」といっても過言ではない。

 会社は、こうした差別的待遇においている「契約社員」を全員正規社員に登用し、「契約社員」制度を廃止すべきである。

 労働者が安心して働き続ける職場であってこそ、技術・技能の伝承もできるし、安心・安全な製品づくり、品質の保証にも企業の安定的な発展にもつながるもの である。

 電機連合はパート・契約社員など直接雇用の非正規労働者の「正規雇用への転換を推進」するとしている。労働組合は、「臨時工」制度廃止の歴史的なたたかいと 教訓を生かし、いまこそ、「契約社員」を正社員に登用させ、「契約社員」制度を廃止させるたたかいに踏み出すときではないでしょうか。


技能伝承に支障92% 非正規労働者の実態調査

 自動車総連はこのほど、非正規労働者の実態調査をまとめました。雇用が不安定で待遇も低く、技能の伝承や職場の安全にも 影響がでています。調査は、1718組合のうち82%の966組合が回答。

 非正規労働者がいると答えたのは98.6%。労働者に占める比率は26.8%。採用の理由は人件費の削減が52.8%、業務量変動への対応が46.8% でした。

 非正規労働者の採用で「技能の伝承、ノウハウの蓄積に悪影響が出ている」との回答は、メーカーで92%、部品で72%といずれも高くなっています。

 安全問題では、メーカーの85%、部品の45%が影響があると回答。「入れ替わりが激しく、不慣れなために労災が起きている」との声がありました。

 労働条件などに組合が関与すると答えてのは、もっとも多い有期社員の「労働条件・年休等」でも7.5%。正社員への登用制度があるのは25.7%。 労働者に占める非正規雇用者の上限比率を設定しているのは9.3%でした。

 自動車総連は、非正規労働者の比率の適正化や正規登用制度の導入、労働条件の向上などに取り組むとしています。

(しんぶん『赤旗』9月10日より)

改正パートタイム労働法が、ことし4月1日から施行されました

 ご存じですか?パートタイム労働者も通常の労働者(正社員)に転換できます

 ◇通常の労働者への転換(第12条)◇

 事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用するパートタイム労働者について、次のいずれかの措置を 講じなければならない。

 ○通常の労働者を募集する場合、その募集内容を既に雇っているパートタイム労働者に周知する。
 ○通常の労働者のポストを社内公募する場合、既に雇っているパートタイム労働者にも応募する機会を与える。
 ○パート労働者が通常の労働者へ転換するための試験制度を設けるなど、転換制度を導入する。
 ○その他通常の労働者への転換を推進するための措置。

以上

 事業主は、転換を推進するため、いずれかの措置を講じることが義務づけられています。同時に、事業主は、転換を推進するためにも、どのような措置を 講じているか、事業所内のパートタイム労働者にあらかじめ広く周知するようになっています。


09年に満了の派遣労働者 直接雇用か請負に

 製造業で2009年に派遣労働者の受け入れ期限がいっせいに到来する問題で厚生労働省は9月26日、再び派遣労働者として雇い入れるのではなく、 直接雇用か請負に移行すべきだとする基本的考え方を明らかにし各労働局と経営者・業界団体に通知した。

 製造業への派遣は04年に解禁され、07年には上限が最長3年に延長された。偽装請負問題などを契機に、 06年から多くの職場で請負から派遣に切り替えたが、09年に3年の期間満了となるため対応が迫られる。

 派遣期間を超えて業務を続ける場合は、指揮命令が必要な場合は直接雇用に、必要でない場合は請負にすべきであるとしている。


読者の広場

契約社員制度は廃止を

 現在の「契約社員制度」は昔の「臨時工制度」の復活だと言われています。当時「臨時工」を体験された職場の先輩Tさんに当時の思いを聞いてみました。

 「臨時工期間中は本工へ早く登用してほしいとの一心でぐちも言わず、ただ黙々と頑張った。本工になったとき飛び上がるほどうれしかった。

 ところが毎年4月の昇給昇格の時期になるといつも正規入社の本工と比べられ臨時工あがりだから≠ニ言われ、基準どうりに給料は上がらずいつもマイナス 査定された。昇格試験では、試験を受ける条件である本給が基準に到達せず1年、2年と遅れてしまった。常に正規入社の本工と比較され、定年時の退職金まで マイナスを受け続けたことが一番つらくて、苦しかった」と語ってくれました。

 これを聞いて、私は今の契約社員全員を正社員に登用することは勿論であるが、「契約社員制度」そのものを廃止することが大切であると思う。

(読者A・元社員)

編集後記

▼今号では、成果主義賃金の見直しの問題、契約社員の正社員化の問題、改正パートタイマー労働法の問題を取り上げました。
▼いよいよ総選挙です。がんばれば前進・躍進が可能な絶好のチャンスがきました。
▼暮らし、平和の問題、どれをとっても根っこをたどると異常な「財界中心」「アメリカいいなり」の政治にぶつかります。
▼これを大本からただす党=日本共産党が伸びてこそ、政治の中身を変えることが出来ます。
▼あなたの力をぜひお貸しください。


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