2008年4月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
 「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後23年目迎え、今号で第174号です


【NEWSCLICK】
▼二度目のサービス残業是正ー三菱電機モバイル・ターミナル製作所
▼【三菱電機】 春闘回答
▼労働協約・組合無視のリストラはやめよ!
▼「週刊朝日」に続き、「サンデー毎日」も「共産『志位人気』」と注目


二度目のサービス残業是正ー三菱電機モバイル・ターミナル製作所

労働者と共産党が会社を動かす

 三菱電機でサービス残業(タダ働き)是正が行われていることが3月25日、日本共産党三菱電機伊丹委員会の調査でわかりました。

 尼崎市にある同電機のモバイル・ターミナル製作所(従業員約600人)は、尼崎労働基準監督署から労働基準法違反の是正勧告を受け入れ、 管理職も含む社員にたいし、6ヵ月分の残業代不払分として同日、支払われていたものです。

 「やっぱり、今度も共産党さんがやってくれたんですね」との声が党委員会に寄せられています。

 今回の是正勧告は、2002年4月続く2度目です。是正措置は@昨年5月16日から11月15日の6ヵ月間の在場時間と自己申告時間の時間差を確認して、 違いがあればその分の残業手当を支払う。A裁量労働制適用者の深夜残業手当(22時以降の残留時間分)、休日出勤の時間外分も含む。B在場時間の確認は、 社員全員のメールサーバーへのアクセス記録で確認ーという手立てで実施されたものです。

 さらに、同事業所では、@入室退室を実態に即した管理をおこなう。A深夜就業の原則禁止。深夜就業時間の就業管理システム入力はもれなくする。 B一斉定時退社日の水曜日、金曜日は17時30分までに退社する。C労使・職場巡回によるルールの遵守ーなども徹底されました。

 こうした是正措置は、三菱電機伊丹党委員会が、「サービス残業はあたりまえ、毎日深夜に及ぶ残業、体力も限界、なんとかしてほしい」という労働者の訴え をもとに、昨年11月に尼崎労基署に調査と是正を求めたことによるものです。同労基署は、この是正要求以降、数回にわたって三菱電機の同事業所への 臨検監督(申告にもとづく調査)に入り、労働者からも個別に聞き取り調査をしました。これを受け、三菱電機は昨年5月から11月分の残業、深夜・休日労働の 「実態調査」を実施しました。

  山本博昭三菱電機伊丹党委員長は、「今回の是正は、尼崎市と伊丹市にある7事業所のうち一つの事業所のみ。度重なる法違反のサービス残業、 全事業所から根絶するため運動を強めたい」と語っています。

労働時間の把握はICカードで管理を

 度重なる労基署の是正勧告、サービス残業は後を絶ちません。今回の労基署の是正措置のなかで明らかになったように、 会社は労働時間を全社員のメールサーバーへのアクセス記録で確認し、不払残業代を支払ったのですから、使用者(企業)の義務である「労働時間の把握」は 自主申告制」でなくICカード等による「客観的記録」の導入で厳密な管理を行うことが必要です。

日本共産党の「サービス残業根絶特別措置法」案

 @使用者に実際の労働時間を把握し、記帳する義務を負わせています。こうすれば、労働基準監督官が調査に入れば、ただちに違法を摘発することが可能になります。記帳していなければ、それ自体が法違反として罰せられます。不正な記載を許さないために、労働者のチェックを受けさせる制度も盛り込みました。 Aサービス残業が発覚したら、使用者は労働基準法で定められた割増賃金とは別に制裁金を労働者に支払わなければならないようにしています。これによって、サービス残業は使用者にとって割に合わないものになります。     


【三菱電機】 春闘回答

【三菱電機】 
 ☆賃金改善 1,000円(水準改善分600円+体系是正分400円)
 ☆一時金 5.83ヵ月 1,673,000円(5.7ヵ月+事業本業績別加算0.13ヵ月)

【ルネサス】  
 ☆賃金水準改善相当 1,000円/月に相当する額 昨年度分(500円/月)とあわせ、                  賃金調整加算22,800円を6月一時金時に一括支給。
 ☆一時金 4.70ヵ月 1,369,496円

 3月12日08年春闘回答日、職場では昼休みに妥結内容が構内放送で伝えられました。 賃金改善の回答は前年と同額1000円、一時金は5.83ヵ月で前年を上回りました。

 三菱電機の業績4期連続の増収、6期連続の増益となっており、職場では要求額の2000円が期待されていました。 1000円との回答に怒りを通り越して声も出ない雰囲気が広がっていました。

 2004年から定期昇給が廃止されたため、春闘での賃上げがない限り賃金は頭打ち状態です。 50代の労働者は「企業の目標は達成しており、利益も上げているのに、労働者の要求には半分しか応えないのはひどい」と話していました。


労働協約・組合無視のリストラはやめよ!
ルール違反の「事業撤退」決定・押しつけ

「これじゃ安心して働けない」 「おれは将棋の駒ではないぞ」

 3月3日、三菱電機は携帯電話事業からの撤退を突然発表しました。「事業撤退」により尼崎市にあるモバイル・ターミナル 製作所と同事業部の社員約600人を対象に勤務地変更をともなう他事業所への大量配転が強行されようとしています。

 職場では「需要の伸びが見通せないからと、突然、切捨てる、これじゃ安心して働けない」、「俺は将棋の駒ではないぞ」と怒りの声があがっています。

 携帯電話事業は、先端技術分野の花形ともてはやされ、従事する労働者は新機種の開発に次ぐ開発・製造で長時間・過密労働に駆り立てられ サービス残業をしてまで必死に事業を支えてきました。また、正社員に替って関連企業、派遣や請負など多くの非正規労働者が安い賃金で精一杯働き貢献してきました。

 事業本部長自身が「この責任は全部会社にある」と認めているように、企業戦略の失敗のツケはすべて経営陣が負うべきもので、労働者に押しつけるものではないのです。

会社は事前協議制を守れ

 労使の労働協約は「組合本来の目的である労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上を図るものであると同時に労使間を集団として規制し、 秩序づけることによって労使間の平和を招来させることが目的」(労働協約)と明記されています。

 そのために雇用に関わる会社施策に対し「事前協議制の確立」を義務づけています。しかし、今回の「事業撤退」は会社が一方的に決定・発表し、 3月4日の労使の中央経営協議会で決定を伝達する場だけになっています。これは、協議会精神=労使間のルール無視であり、認められません。

労働組合が本来の役割を発揮するとき

 会社が働くルールを無視し、一方的にリストラを押しつけようとしているとき、労働組合が労働者の要求を実現 するという本来の役割を発揮することが求められています。

 「組合員の労働条件、雇用に関わる経営施策、労働移動に関わる課題については事前協議による労使合意が整わないうちは絶対に実施させない」 (電機連合)決意と取り組みが必要です。労働組合に団結し、正規、非正規労働者すべての労働者の雇用を守るという最低限の大企業の社会的責任を果たさせましょう。


「週刊朝日」に続き、「サンデー毎日」も「共産『志位人気』」と注目

衆院予算委員会での「派遣問題」の追及とインターネットを通じての反響を紹介した朝日新聞、毎日新聞の記事、 「週刊朝日」4月4日号特集「志位委員長資本主義を叱る」に続いて「サンデー毎日」4月13日号は「激闘永田町で、なぜか大うけ共産『志位人気』に 自民、民主が脅えている」「マルクスを知らないネット世代が支持の輪を広げている。久々の共産党人気、今度は本物か…。『書き込みはすでに12万7000件に 達している』、『第一の矢』が派遣問題、『第二の矢』は瀕死の日本農業に放たれた。すでに『第三の矢』も用意している。4月から始まる75歳以上の 医療費自己負担問題が標的だ」…。


読者の広場

職場は様変わり「家族職場見学会」

  3月29日、肌寒く正門の桜も5部咲き、三菱電機伊丹製作所、系統変電事業所の職場見学会が開催されました。
 社員の奥さん、子ども、おじいちゃん、おばあちゃんも含めて、約1100人参加で大成功でした。10時にブリオに集合、両所長の挨拶後注意事項と製品説明が パワーポイントを使った大画面で行われました。
 工場見学は、社員が案内役になり自分の家族に製品の説明を行いました。開閉器、モータ、 制御器基板工場を見ることができました。工場内に入ると、5年前、手作業だった職場も機械化され、人の2倍、3倍の高さの機械が職場にいっぱい設置され、 ほとんどが機械作業化。製品の運搬はすべてキャスター付き台車で作業。次行程へは台車で送り込む等、職場は180度様変わりしていました。

(読者A・元社員)

許せないリストラ

 3月3日、三菱電機は携帯電話事業からの撤退を突然発表しました。新聞紙上で発表され、労働者にはまったく知らされて いませんでした。社員に知らされたのは3日の夕方、会社が全社員を集めて説明会をおこない。労組が4日夕方、社員大量配転など会社の決定を報告する。 労組との事前協議もなく会社が一方的に決定する。こんな労組・ルール無視の無法は絶対に許せません

(読者・B)

編集後記

▼二度目の労基法違反のサービス残業で、尼崎労基署から是正勧告を受け、不払い残業代を支払った三菱電機モバイルターミナル製作所
▼突然の「事業撤退」とそれにともなう大量配転を発表した同製作所の無法なやり方を掲載しました。
▼二つとも労働者の雇用も暮らしもかえりみず利潤第一主義で突っ走る大企業の実態を示しています。
▼こんなときだから、労働組合が労働者の利益を守るという本来の役割を果たすときです。「羅針盤」も職場の声を反映させ、頑張ります。


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