2007年11月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
 「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後22年目を迎え、今号で第172号です。


【NEWSCLICK】
▼正社員増は正規、非正規労働者共通の要求
▼労働者の賃金・労働条件の引き上げを求める ー6つの要請ー
▼三菱電機2007年度中間期業績 大幅増益 単独では過去最高
▼労働者派遣法の抜本改正ー世論と運動が政治を動かす


正社員増は正規、非正規労働者共通の要求
 人と技術・技能を大事にしてこそ、まともな生産ができる 

07年度上期の単独業績は過去最高の利益確保。連結業績が6年連続増益が見込まれ、空前の利益を更新する大もうけを続けている三菱電機。

 いま、生産ラインでも、開発・設計の職場でも、正規社員不足が深刻になり、生産基盤そのものが揺らぎはじめています。 相次ぐリストラで慢性的な人員不足のところに、生産のフル稼働と団塊の世代の退職、それと置き換えの契約、派遣、請負など非正規社員の急増があるからです。

 鉄道車両用モーター、制御機器、電力用開閉器装置の製造している伊丹製作所と系統変電事業所では、2人に1人が非正規社員といわれています。 なれない仕事の上に、教育訓練も十分でないため、生産に支障がでるという事態がひん発しています。

 正規社員は自分の日常業務をこなしながら、非正規社員に仕事を教え、指導しながら完成した製品の品質のチェックする責任を負わされています。 過重な仕事量と精神的な負担増から、「ノイローゼになりそうだ」という社員も出ています。

 鉄道車両用モーターや電力用開閉器装置の製造は、熟達した技術・技能の上に成り立ち、社会の安全・安心をささえています。 「技術・技能の伝承をはかるためにも、きちんと教育訓練して正社員として雇用せよ」の要求は、管理職を含む正規、非正規労働者の共通した要求となっています。

 職場によっては正社員が10%ほどに減少し、このままではあと2、3年で正社員は定年退職でいなくなるところもあります。

月収16万円で即戦力

 会社は最近、「正社員登用制度あり」「充実の手当で働くあなたを長期・安定的にサポート」と宣伝して、 三菱電機直接雇用の契約社員を募集しています。しかし、月収は16万円プラス残業代という低賃金です。これでは生活が成り立ちません。 しかも、職場に配属されると教育訓練もないまま「即戦力」扱いで、正社員なみに働かされます。

 正社員のSさん(56歳)は言います。「ちょっとチョンボすると年配の正社員から怒鳴られ、物が飛びかうこともある。こんな職場環境で働けるはずがない。 退職してあたりまえだ」と。また「せっかく仕事を覚えたかなと思うと退職される、仕事を教える熱意もなくなる」とも言います。

大もうけも一部を労働者に配分し、正社員化を促進せよ

 いま職場は、技術・技能の伝承も品質確保も危ぶまれています。「そのうち大きなチョンボがでるで! 三菱自動車の二の舞になるかも」との声も上がっています。

 会社は史上最高の大もうけを更新続けています。社員には犠牲だけおしつけ、経営者だけが1人もうけ=A株主への配当金も増え続けています。 中間配当金は一株当たり6円(前年度4円)です。

  会社は、大もうけの一部を労働者に配分し、正社員化をすすめるべきです。「品質のよい製品」を作り市場に出すことが会社への信頼を高め、 企業の長期的発展にもつながるのです。

 07年度連結業績(上方修正後)見通し
●売上高 3兆9700億円(前年度比103%)
●営業利益 2330億円(同100%)
●税引当期純利益 2100億円(同114%)
●当期純利益 1480億円(同120%)


労働者の賃金・労働条件の引き上げを求める ー6つの要請ー
兵庫県労働組合連合(兵庫労連)は10月5日、派遣、請負、パートなど非正規労働者の待遇改善を求め県内の大企業や労働局へ要請をおこないました。  三菱電機とルネサステクノロジ社の本社と各事業所へ要請した内容をご紹介します。

 労働者の賃金・労働条件の引き上げを求める ー6つの要請ー

 1.パートタイム労働者、派遣労働者を含め、事業所内で働くすべて労働者の時間給を最低1,400円以上とすること。

 2.事業所内で働くすべての請負労働者に、まともな生活と社会保険への加入を保障するため、下請単価を引き上げること。

 3.契約社員をはじめとする有期雇用は、臨時的、一時的な仕事に限定し、期限の定めのない契約(常用雇用)を基本とすること。

 4.派遣労働などの間接雇用を減らし直接雇用を増やすこと。派遣労働者の正規雇用化を積極的に推進すること。また、登録型派遣は用いないこと。

 5.長時間過密労働を是正し、サービス残業を根絶すること。

 6.労働基準法、労働安全衛生法、労働者派遣法、労働組合法などの諸法規を遵守すること。


三菱電機2007年度中間期業績 大幅増益 単独では過去最高

連結業績

 売上高営業利益税引前当期純利益当期純利益
今年度中間期(A)18,8971,2911,296915
今年度中間期(B)17,919936824564
変動幅(A−B)978355472351
前年度通期実績)38,5572,3301,8471,230

単独業績予想
 売上高営業利益税引前当期純利益当期純利益
今年度中間期(A)11,352728841579
今年度中間期(B)10,820564635308
変動幅(A−B)532164206271
前年度通期実績)23,6361,2731,314416
(10月29日:三菱電機中間決算資料より作成)

労働者派遣法の抜本改正ー世論と運動が政治を動かす

 労働者派遣法の見直しについて、労働政策審議会で審議が本格化しています。 「登録型派遣」について労働側が「雇用が不安定となり、技能も向上しない」として原則禁止を主張。使用者側は「ニーズがある」と継続を主張。 「日雇い派遣」については、労働側は雇用不安の問題点をあげて廃止を主張。使用者側は検討には応じるが、廃止には反対しています。ハローワークでは 「日雇い派遣」を紹介禁止とする通達を出すなど新たな変化が生まれています。

 10月4日労働組合などが開いた労働者派遣法の抜本改正をめざすシンポジウムでも、日本共産党、民主党など野党4党の議員が参加、規制緩和の流れを見直せと主張。世論と運動が政治を動かしています。 <

(編集部・城)


読者の広場

岡田さん和解成立

 ことし1月23日に懲戒解雇されたと三菱電機伊丹党委員会が労働相談を受け、「西淀川地域労組スマイルにしよど」に加入し、 解雇撤回、職場復帰を求めて闘ってきた元東興産業社員、岡田勝浩さんの争議が、このほど会社との間で和解成立しました。 10月5日、西淀川区内で勝利報告集会が開かれました。鎌田幸夫弁護士は「労働組合づくりを『経営基盤を揺るがすものとして解雇』  という会社の意図を明確にしたことが勝利を決定付けた」。と報告。岡田さんは「今まで身の縮まる思いで暮らしてきましたが、 皆さんのおかげこうした結果を迎えることが出来ました」とお礼の言葉を述べました。

(読者・Y)

安心して利用できる介護休職制度を

 日常生活が困難になった母の介助をするために1年間の介護休職制度(短期でも可、通算1年)利用しました。 見舞金として菱友会から月5万円組合い共済から月5万円の支給があるものの所得税を除く税金は引かれるので給与はマイナスになってしまいます。 (雇用保険から最長3ヶ月は基本給の40%が支給)1年が経過し、母の症状は徐々に進行しています。

 介護休職制度も介護保険制度もきわめて不十分であり、誰もが安心して利用できる制度になっていません。つくづく福祉の貧困さを感じます。

(読者・H)


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