2006年12月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後21年目を迎え、今号で第168号です。


【NEWSCLICK】
▼偽装請負 利用大企業と政治の責任を問う
▼クリスタルグループから100人以上の労働者の供給を受けていた三菱電機の事業所
▼知っておこう 偽装請負とは
▼労働の規制緩和の流れ(年表)
▼ホワイトカラー・エグゼンプション


偽装請負 利用大企業と政治の責任を問う
 偽装請負とは労働者を食い物にして派遣・受け入れ企業の双方がもうける「人入れ家業」

 「ワーキングプア」と呼ばれる劣悪な労働条件で働く人々が激増している背景に偽装請負問題がある――日本共産党の 市田忠義書記局長は十月十三日、参院予算委員会で、派遣大手「クリスタルグループ」の受け入れ企業の新資料を提示。受け入れ企業が直接雇用の努力義務を 順守するなど厳しく指導するよう迫りました。安倍晋三首相は「法令に反しているのであれば、厳格に対応していかなければいけない」と答弁しました。

 「市田氏は、自動車、電機など日本の代表的企業の生産現場が、懸命に働いても苦しい生活から抜け出せない派遣、請負労働者で支えられている生々しい実態を 示し、安倍首相の認識をただしました。

首相は「ワーキングプアを前提にコスト、生産の現状が確立されているなら大変な問題だ」とのべ、企業側の責任にふれました。

 市田氏は、とくに偽装請負について、派遣労働の場合に受け入れ企業側に生じる労働安全衛生上の責任や、一定期間以上継続して働いた労働者を直接雇用する努力 義務を避けるための身勝手な違法行為だと批判しました。「労働者を食い物にして、派遣会社も受け入れ企業も利益をあげる法違反の『人入れ稼業』そのものだ。 企業は働く人を部品のように扱って恥じない」とただしました。


クリスタルグループから100人以上の労働者の供給を受けていた三菱電機の事業所

三菱電機静岡製作所(請負)                    129人
三菱電機半導体事業本部福岡事業所(請負)          110人
三菱電機半導体事業本部メモリ事業統括部熊本工場(請負) 125人

(2006年10月13日 衆議院予算委員会・日本共産党・市田忠義衆院議員提出資料より抜粋)

 急きょ会社名札 駆け込み派遣登録

 実態は派遣なのに請負であるかのように偽装する「偽装請負」…。

 三菱電機もクリスタルグループから静岡製作所で129人、半導体事業本部福岡事業所で110人、半導体事業本部メモリ事業統括部熊本工場で125人の 労働者をうけいれていたことが市田書記局長の参院予算委員会での質問で明らかになりました。

 03年3月、労働法制の改悪によって製造業務への労働者派遣が解禁になってから、三菱電機では、製造現場リストラで正規社員を減らし、派遣や請負など 非正規雇用への置き換えが急速にすすみました。

 職場によっては労働者の7割、若者の大半は、不安定雇用のもとにおかれ、時給千円程度の極端な低賃金や無権利状態に苦しめられています。

 三菱電機の電車用モーターの製造ラインでは、派遣労働者への置き換えが急速に進み、労働者を深夜労働に駆り立てています。しかも、実態は派遣なのに請負 であるかのように偽装する「偽装請負」そのものです。

 違法な「偽装請負」が明るみになるなかで、職場では請負会社ごとに請負会社名を書いた札をかかげたり、作業着の色も請負会社ごとに変え、 朝礼も請負会社ごとの行うようになっています。

三菱電機が指揮命令しているのに、請負の体裁を整える、労働局の調査が入ったときの対策です。また、派遣社員や三菱電機直接雇用の契約社員へ切り替える 動きもあります。

 伊電ではパート労働者も契約社員にきりかえたといいます。


知っておこう 偽装請負

 偽装請負とは実体は労働者を受け入れている製造企業が指揮命令している「派遣」なのに、「請負」を装うことです。

 製造大企業が、派遣なら生じる労働者の 安全衛生義務と直接雇用の申し出義務を免れるために偽装請負を仕組んでいるのです。職業安定法44条の「労働者 供給事業の禁止」や労働者派遣法に違反します。


労働の規制緩和の流れ(年表)

 派遣、請負労働者が、まるで「女工哀史」を思い起こさせる劣悪な労働条件で働かされている。こうした背景に政府の後押しが ある。労働者派遣法、労働基準法改悪による労働の規制緩和である。まさに、大企業と政治の責任が問われている。日本共産党は、人間らしい働き方のルールを確立 する。そして今あるルールをきちんと守らせることを職場と国会で求めている。

◆1985年 
労働者派遣法制定

違法だった労働者派遣が専門的な13業種だけとして可能に
★自民、公明、民社が賛成
☆日本共産党、社会が反対

◆1998年
・労働基準法改悪

いくら働いてもみなし労働時間で賃金が決められる「裁量労働制」
★自民、民主、公明、自由、社民賛成
☆日本共産党が反対

◆1999年
・労働者派遣法改悪

26の対象業務以外は原則禁止とされていた労働者派遣が、建設、警備、港湾、製造業などをのぞき原則自由に
★自民、民主、公明、自由、社民賛成  
☆日本共産党が反対

◆2003年
・労働者派遣法改悪

「物」の製造業への労働者派遣の解禁
派遣期間の制限を1年から3年に延長
★自民、公明、保守が賛成
☆日本共産党、民主、自由、社民が反対
 労働基準法改悪でパート、契約社員など
期限付き労働契約の期限を1年から3年に
延長(04年2月までは1年に制限、その後は
3年) 専門職は3年から5年に(04年2月まで3年、その後5年))

・労働基準法改悪 
「裁量労働制」の導入要件を緩和
★自民、公明、民主、自由が賛成
☆日本共産党、社民が反対 

 ごらんのように自民・公明党と民主党は、労働法制の改悪で大企業のリストラを後押し、派遣労働の拡大で働くルールを破壊してきた党です。
 日本共産党は働くルールを確立する党です。


ホワイトカラー・エグゼンプション

労働時間の規制を取り払い何時間働かせても残業代を払わずにすむ「日本版エグゼンプション(適用除外)制度ー財界・大企業は 「年収4百万円以上のホワイトカラーには、労働基準法の労働時間規制を適用除外せよ」と主張し、政府・厚生労働省は、この財界の要求に応え、来春の国会に 提出しようとしています。

これが実施されると、1013万人のホワイトカラーが時間外規制から除外され賃金(残業代)総額は11兆6千万円、一人当たり年間114万円もカットされます。 同時に、長時間労働、メンタルヘルス、過労死が増加します。人間らしく働くルールの世論と運動が求められています。
(城)


読者の広場

子会社を転々… 有給休暇もない

 ある大企業の伊丹工場で働いています。
 今度の1月で契約が切れます。半年ごとに契約を更新して、子会社を転々としています。契約が切れる1週間前に、”次の派遣先が見つからなければ 辞めてほしい”といつもいわれます。先のことについて何の保証もない、有給休暇もないです。仕事を失敗した場合は、”周りとうまくやっていないの じゃないか”や”ミスが多い”などいわれ、”それがいやなら辞めてもよい”と脅され、限界です
 今は独身で両親と同居して何とか生活はやっていけていますが、40歳を過ぎたので、正規雇用の道があるならば、正社員になって安定した仕事につきたいです。

(40代・男性)

共産党が支援する 白井さん圧勝

尼崎市長選挙おめでとう。白井さん圧勝でしたね。共産党が支援している現職女性候補者で、みなさんはいいんですか? という自民、公明党推薦候補のわけのわからないポスターもあちらこちらに貼ってたけど。それでもいい、という人が10万人もいて、まったく問題無しでしたね。 このままいい政治を行って欲しいです。

(20代・男性)


編集後記

▼今号では、日本共産党の市田書記局長が国会で追及した違法な偽装請負問題について掲載。
▼三菱電機でも偽装請負が明らかになっていますが、氷山の一角。利用大企業と政治の責任が問われています。
▼07年は4月のいっせい地方選挙、7月には参議院選挙が行われます。
▼生活と労働の苦しみの根源に、自民党政治の政治悪があり、政治を変える事が職場を変えることにつながることを大いに語り合い、希望ある新年を迎えましょう。


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