2006年2月号外 日本共産党三菱電機伊丹委員会
「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後21年目を迎えました。


【NEWSCLICK】
▼会社は労働協約を守れ!
▼労働組合が本来の役割を発揮するとき
▼過労死社会に拍車かける
▼三菱電機 営業利益率5%。世界の優良企業が視野に


会社はバブル時期に迫る大もうけ、その一部を労働者に還元せよ!
人と技術・技能を大事にしてこそ、事業再建の展望は開かれる
会社は労働協約を守れ!

業務上の必要性も合理性もないリストラ
 世界の優良企業と認められるためのボーダーライン♂c業利益率5%以上、その早期達成のため「系統変電事業の構造改革を 断行中」(野間口有社長)。ーこれが205人削減です。

コスト削減のため、派遣・契約社員など非正規社員を採用しながら、業務に従事している中高年の正社員をラインからはずし、遠隔地を中心に転任・出向。 「受け入れる職場がない」と判断された者(約30人)は「出向斡旋支援会社」で求職活動をやらせる。ーひどいリストラ計画です。

 電力機器事業は、熟達した技術・技能の上に成り立ち、社会の安全・安心を支えています。しかし、生産現場はリストラが続き熟練労働者不足でトラブルが多発。 職場では「安易な経営施策のくり返しでは事業再建はできない」、「業績好調なとき、首切り同然の仕打ち、こんなバカなことがあるか」と 怒りの声があがっています。

求職活動は労働協約上の業務」「職務」にはあたらない
 「出向斡旋支援会社」で「出向先」をさがすことは求職活動であり、労働協約でいう業務、職務ではありません。 労働者を「失業」状態におき求職活動させるなど論外です。

事業再編やリストラの場合、労働協約を守り、職種変更やグループ内で新しい仕事を見つけ、雇用を確保するのが大企業の最低限の責任です。

◇労働協約上の転任・転勤・出向・出張◇

第14条(転任・転勤・出向)
業務の都合によっては会社は組合員に対し就業規則により他の場所へ転任を命じ、 または同一の場所内で他の業務に転勤を命じ、あるいは会社外の職務に従事 させるため出向を命じることがある。
第62条(出張)  会社は業務の都合によっては組合員対し就業規則により出張を命じることができる
(三菱電機労組労働協約)より

●業務とは「事業・商売などに関して、毎日継続して行う仕事」(広辞苑)であり、職務とは、「経営管理の最小単位としての個人に割り当てられる仕事」 (同)です。

職場の憲法=労働協約を守れ
 国に憲法があるように、労働協約は職場の憲法というべきものです。

 三菱労組の労働協約では「労働協約は、組合本来の目的である労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上をはかるものであると同時に、 労・使間を集団として規制し、秩序づけることによって、労・使間の平和を招来することが目的」(労働協約解説書)と明記しています。 現行労働協約にある賃金制度や60歳定年制などは、企業が一人ひとりに保障し、約束したものです。

 労働者は、その契約・約束を土台にして、現在および将来の生活設計をたてています。使用者として、現行協約を厳格に守ることは当然の義務です。

 使用者として、現行協約を厳格に守ることは当然の義務です。


労働組合が本来の役割を発揮するとき

 会社が労働協約(働くルール)を無視し、利益最優先で突っ走っているとき、労働組合が労働者の要求を実現するという本来の役割を発揮することが つよく求められています。

コスト削減のため正社員を減らし、非正規社員に置き換える。これは雇用と暮らしを破壊するだけでなく、モノづくりの基盤は停滞・衰退 し、企業の発展のためにもなりません。

人と技術・技能を大事にしてこそ、事業再建の展望もひらけます。

職場から団結と連帯を強め、大企業の無法なリストラ攻撃を許さず、雇用も賃上げも大きく前進させ、 「人間らしく働くためのルール」をつくる春闘にしようではありませんか。

過労死社会に拍車かける
ホワイトカラー 労働時間規制の撤廃〜厚労省研究会報告〜

 厚生労働省の今後の労働時間制度に関する研究会(座長・諏訪康雄法政大学大学院政策科学研究科教授)は二十五日、一定の要件を設け、 ホワイトカラー労働者を八時間労働制の枠外におく制度導入を提案する報告書をまとめました(別項参照)。小泉内閣が財界の意をくんですすめる 構造改革・規制緩和は、労働時間規制にまで及ぼうとしています。

労働基準法は、人間らしい生活を保障するために、「一日八時間、一週四十時間」という労働時間の制限を決めています。これを超えた場合には、 時間外労働(残業)手当、深夜手当の支払いを義務づけています。

ところが、研究会のまとめた報告は、一定の要件を満たすホワイトカラー労働者について労働時間規制から除外する制度の新設を提案しました。
 その理由について報告書は「自律的に働き、かつ労働時間の長短ではなく成果や能力などにより評価されるのがふさわしい労働者のための制度」が必要であるとしています

■4人に1人危険ゾーン

すでに、実際に働いている時間とは関係なく労資であらかじめきめた労働時間を働いたとみなし、賃金を支払う裁量労働制が導入されています。 しかし実態は、長時間労働とサービス残業の温床となっています。労働者から「業務量が過大」「労働時間が長い」と大きな不満があがっていますが、 それさえ不十分だというのです。日本で問題になっているのは、世界でも例のない長時間・過密労働です。そのもとで過労死・過労自殺が多発し、 サービス残業(ただ働き)が横行しています。

三十代、四十代のホワイトカラー労働者に顕著です。三十代男性の23・8%(二百万人)が週六十時間以上働いています(報告書資料、二〇〇四年)。 ここ十年で3・5ポイントも増えています。週六十時間以上の労働は、厚生労働省が「過労死を引き起こす可能性が高い」としている水準です。

ホワイトカラー労働者から八時間労働のルールを取り払うなら、際限のない長時間・過密労働にさらすことになり、過労死社会に拍車をかけることになります

子育て世代の長時間労働が少子化の大きな要因となっています。必要なのは労働時間の規制緩和ではなく、長時間労働の規制です。

■大企業・財界つよく要請

大企業・財界は、ホワイトカラー労働者から労働時間規制を取り払うホワイトカラー・エグゼンプション)ことを強く要請してきました。 財界の総本山である日本経団連(奥田碩会長)が〇五年六月に発表した提言では、(年収四百万円以上のホワイトカラー労働者すべてを労働時間規制の 適用除外にするよう求めています。

研究会報告は労働時間規制の適用除外となる労働者の要件を大きく三つあげています。厳しい要件を課し、基本要件を法令に定めたうえでとしながらも、 「労使の実態に即した協議にもとづく合意により決定することを認めることも考えられる」としています。

労使協議といいますが、実際は、企業側が圧倒的に優位です。労働時間規制という社会の基本的ルールまで、労使協議の建前で企業のやりたい放題にまかせるものと いえます。

研究会報告は、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会の労働条件分科会に提出され、「今後の労働契約法制のあり方についての論議」とあわせて審議、 七月をめどに結論を出したいとしています。厚労省はこれをうけ、〇七年の通常国会に関連法案を提出する計画です。

働き方の根本をかえようとする動きにたいし、職場にルールをとの社会的反撃が始まろうとしています。
(しんぶん「赤旗」1/26付より)

■研究会報告書のポイント

8時間労働制の適用除外される(新しい自律的な労働時間制度)労働者の適用要件
▽勤務態様要件
(1)職務の遂行や時間配分について、使用者から具体的な指示を受けず、自己の業務量について裁量(自分できめられること)がある労働者。
2)労働時間の長短が直接、賃金に反映されるものではなく、成果や能力によって賃金が決定されている労働者。
▽本人要件
(1)一定水準以上の年収が確保されている。
2)本人が同意している。
▽実効性ある健康確保措置が講じられていること。
▽導入にあたって労使の協議にもとづく合意があること。

対象者の具体的イメージ
(1)中堅の幹部候補者で管理監督者の手前に位置するもの。
(2)研究開発部門のプロジェクトチームのリーダー。
法的効果
▽対象労働者は労基法第41条の管理監督者と同じように労働時間および休憩にかんする規定が適用されないとする。 深夜業にかんする規定(割増賃金にかんする規定など)も適用を除外する。法定休日については除外しない。

三菱電機 営業利益率5%。世界の優良企業が視野に

 「02年度以降4年連続の増益達成がより現実的なものとなった」、「経営目標である3つのパフォーマンスドライバーのうち、 借入金比率25%以下、株式資本利益率10%以上の2つの目標については、2004年度に続き2年連続で達成の見込み…。 一方、営業利益率5%以上の目標は、世界の優良企業と認められる為のボーダーラインと考えておりますが、これもようやく視野に入りつつあります。 是非とも早期に達成したい」
(野間口有・三菱電機社長年頭挨拶より)

▼営業利益率とは▲

営業利益率は、財貨や役務の生産・販売という企業本来の活動から生まれる成果である営業利益が売上高の中に占める割合を見たものです。 (営業利益÷売上高×100)したがつて、賃金コストが高ければ高いほど営業利益(率)は減り、低ければ低いほど営業利益(率)が増えるという関係になります。

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■ 働くルールの110番 ■
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