2006年1月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後21年目を迎え、今号で第164号です。


【NEWSCLICK】
▼春闘 今年こそ賃上げだ!
▼営業利益率5% 世界の優良企業が視野に
▼企業の社会的責任と日本共産党
▼"大企業の社会的責任′ル用責任を果たせ! 利益率5%達成のための正社員減らしはやめよ
▼働く仲間の要求アンケートにご協力を
▼連合 民主と深まる対立


電機連合5年ぶりに賃上げ要求案
春闘 今年こそ賃上げだ!
 電機各社の労組でつくる電機連合は、06春闘に1人当たり2千円の賃上げ要求をする執行部案を決定した。 賃上げ要求は01年以来5年ぶり。鉄鋼や造船重機でつくる基幹労連も、1人3千円要求を提案。鉄鋼は6年ぶり、造船重機は4年ぶり。  電機連合は標準労働者(35歳技能職・30歳技術者)で2千円賃上げ要求をおこなうとしている。

定昇廃止だけでも3万6千円の減収
 労働者の賃金は、02年からの連続賃下げ、年収は30歳代技能職で平均50万円、中間管理職で150万円の減収。 04年から定期昇給(3千円)の廃止だけでも、年収で3万6千円の賃下げといえる。

賃下げ、人減らしガマンも限界
  企業業績は、昨年に続き、今年度も予想をこえる好調、「連結決算は、4年連続で増収…営業利益率も4.2%の見込み」 (三菱労組)まさにX字回復である。 職場では“賃下げ、人減らし、もうガマンも限界、 今年の春闘こそ、賃上げだ”との声が上がっている。大増税阻止の共同のたたかいと結んで、職場から団結し、雇用も賃上げでも前進させる春闘にしよう。


営業利益率5% 世界の優良企業が視野に
野間口有 三菱電機社長年頭挨拶より


 「02年度以降4年連続の増益達成がより現実的なものとなった」、「経営目標である3つのパフォーマンスドライバーのうち、借入金比率25%以下、 株式資本利益率10%以上の2つの目標については、2004年度に続き2年連続で達成の見込み…。一方、営業利益率5%以上の目標は、世界の優良企業と 認められる為のボーダーラインと考えておりますが、これもようやく視野に入りつつあります。是非とも早期に達成したい」

▼営業利益率は、財貨や役務の生産・販売という企業本来の活動から生まれる成果である営業利益が売上高の中に占める割合を見たものです。 (営業利益÷売上高×100)したがつて、賃金コストが高ければ高いほど営業利益(率)は減り、低ければ低いほど営業利益(率)が増えるという関係になります。

企業の社会的責任と日本共産党

 企業の社会的責任(CSR)とは、企業は、短期的な利潤追求だけでなく、経済社会の「持続的発展」のためには、社会の一員であることを自覚して雇用や環境、 地域経済、消費者保護など社会全体に対する責任を果たすべきだという考え方です。

 欧米を中心に90年代からCSRへの関心が高まり、03年のエビアン・サミットでは「企業の社会的責任を重視する」という経済宣言が採択され、 国際標準化機構(ISO)も6月にストックホルムで開いた会議で、「CSRの指針」づくりを決めており、今や世界のあたらしい流れになっています。

 経済同友会、日本経団連も相次ぎ、CSRのあたらしい“評価基準”や“行動憲章”を発表しています。しかし、財界の態度は「総論賛成」にとどまり、 くらしや雇用などを守るルールが極端に弱いのが現状です。政府の態度も「(欧州の特徴は)米国と異なり、政府が積極的に関与し、CSRを進めている」 (経済産業省CSRに関する懇談会の中間報告、04年9月)ことを認めながら、逆に、規制緩和で大企業の身勝手さをいっそうやりやすくさせています。

 大企業は日本の経済の基本を握っていますから、日本の経済がどうなってもいい、労働者の生活がどうなっても、 自分の企業さえ利益があがればいいということは許されないのです。

 日本共産党は、大企業を「敵視」するのではなく、その横暴と身勝手を問題にし、大企業にその社会的存在にふさわしい社会的責任と負担を求め、安定した雇用、 環境との共生、人間らしい生活と社会など、「ルールある経済社会」への前進をめざしています。そのために、職場では、「リストラや長時間労働の規制、 パート・派遣社員と正規社員との差別・格差をなくし、均等待遇をはかる」など政策を掲げています。


会社はバブル時期に迫る大もうけ

"大企業の社会的責任′ル用責任を果たせ!
 利益率5%達成のための正社員減らしはやめよ


 電力会社むけの開閉器や変圧器などを製造する系統変電事業部門のリストラ人減らしの「再建策」…。

205人の人減らし

 現在の人員1013人を06年度上期までに205人削減し、808人体制にするというものです。  電力機器事業は、日本の産業発展の基幹となる電源開発事業の拡充とむすんで三菱電機の主力部門として大きな役割を果たしてきた。 しかし、90年代のバブル崩壊以降の国内電力需要の低迷、海外競争の激化を背景に、中国への生産移転や相次ぐリストラ。 02年10月には、同業他社の東芝と合弁会社TMT&D社を立ち上げ“起死回生”をねらったのですが、“経営戦略の失敗”から 昨年4月に合弁関係を解消しました。

 5月、三菱電機での再立ち上げの会議の場では、新所長は、「もうこれ以上は人を減らさず受注を増やして経営を立て直したい」との決意表明。 労働者は、かすかな期待をもったのです。  ところが、突如、10月初めに労組主催の全員集会が開かれ、中央の労使協議会の報告で約2割205人の人減らしを中心とした事業再建策が提案されました。

配転・出向に不安と怒り

 職場に大きな動揺が広がりました。「この先、わしらどないなるねん」と配転、出向に対する不安が広がっています。 具体的には1月からの実施予定ですが、この労使協議中にも、すでに個別出向や転任が始まっています。“明日は我が身”と毎日、 気持ちは浮つき仕事に手がつきません。
 50代後半のSさんは「40年働いていて、何でこんな目にあわなきゃならんのや、会社の経営責任はどないすんねん」、 「組合もしっかりしてくれ」と怒りをぶちまけます。こんな会社のやり方に対して抵抗も広がっています。 

 会社は、人件費を削減するために、正社員を減らす一方、極端に低い賃金で無権利状態の派遣労働者や外注工の労働者を大量に雇い入れています。 管理職の間からも「目先の利益率達成のため正社員を減らすのはやめよ」、「技術・技能を大事にしなければ経営は困難になる」との声があがっています。     


働く仲間の要求アンケートにご協力を

 三菱電機で働く仲間がつくる「春闘を前進させる会」は、06年「働く仲間の要求アンケート」を開始しました。

 この4年間、2年連続の賃下げ「逆提案」、定昇廃止、成果主義導入、裁量労働制導入、退職金・企業年金の改悪で年収だけでなく生涯賃金も大幅ダウンです。 一方、会社は、4年連続の増益、バブル時期に迫る大もうけぶりです。

 労働者の怒りや要求を反映して、電機連合も5年ぶりに賃上げ要求案を提案しています。  いよいよ06春闘開始、サラリーマン大増税阻止のたたかいと結んで、 賃上げ、長時間労働の規制など、要求を前進させましょう。

(編集部)



不届き者≠ヘ誰だろうか

 三菱電機は昨年11月17日、東京地検特捜部による強制立ち入り捜査を受けた。容疑は「入札妨害罪」いわゆる談合容疑 である。会社は10年前にも「下水道事業団の談合に関与して有罪判決を受けた。

 年末に本社法規部長が談話を発表した。「社員一人ひとりが自身で規範を自覚し、心をコントロールする意識がなければ、違法行為をなくすことはできない」 「二度と同じ過ちを犯してはならないと全員が肝に銘じて下さい」と…。なんという談話だろう。三菱は法違反をしない体質をつくったが不届き者が違反した。 みたいな言い方で、社員に責任を転嫁している。  (読者・A )


若者をもっと大事に

 三菱と同じようにルネサスの職場でも、正社員、協力会社の社員、派遣会社の社員など、若者たちが、正社員と同じ仕事を している。大学や専門学校を出ているから、パソコン業務も正社員以上にこなせる若者もいる。だけど、給料は正社員と違いとても低いし、 いつまでたっても上がらない。こんな中で、派遣社員が、「こんなはずではなかった」「将来のこと考えれば、もっと安定した仕事につきたい」と言って、 次々と職場を去っていく。こんな不合理≠ヘ、許されないと思う。若者を大事にしないと日本の将来が危うい。お互いに連帯して待遇改善をしなければならない。 (読者・ M)


連合 民主と深まる対立
民主党の「脱労組」宣言


 民主党の前原誠司氏は、05年9月15日、都内のホテルで、民主党の代表選挙にあたって記者会見をおこない、「公約(基本姿勢)」を発表。」 この「基本姿勢」の第一章で、「既得権との決別」を掲げ、「労働組合…などについて、既得権養護的議論は根絶する」とのべ。 マスコミのインタビューと記者会見で、「労組との関係は」との質問、「切捨てはしないが、是々非々で望みたい。意見が違えば、違う行動をとる。 いままでの民主党はそれがなかった」と発言しました。この前原氏の発言をマスメディアが「脱労組宣言」と呼ぶようになりました。

 この“脱労組宣言”は、連合が掲げるサラリーマン増税反対や自治労がかかげる「事務・事業の推進に必要な人員確保」など、職場の労働者の切実な要求を無視し 、民主党が小泉内閣と変わらぬ「構造改革」路線と称して暴走を競い合おうとする“宣言”といえます。

 9月28日、特別国会で代表質問に立った前原代表は、公務員賃金問題をとりあげ、次のように主張。「人事院勧告のもととなる民間給与は、相変わらず、 企業規模100人以上かつ事業規模50人以上が基準になっている。零細企業も含めた民間給与の実態を踏まえたものとすべきではないか」と。


編集後記

▼読者のみなさん。ことしもよろしくお願いいたします。

▼野間口・三菱電機社長は、年頭挨拶で「営業利益率5%以上ー世界の優良企業と認められるボーダーラインも視 野に入りつつある」と。 その達成のため、いま「系統変電事業の構造改革を断行中」だと。人件費削減目的の205人の人減らしである。

▼労働者を「優良企業」になるための犠牲にしてはならない。大企業の横暴勝手を許さず、大企業の社会的責任を果たさせるために、今年も頑張ります。

 


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