2005年3月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後20年目を迎え、今号で第158号です。


【NEWSCLICK】
▼パート・契約社員の雇用継続
▼成果主義は評価方法まで含めて公表せよ
▼売上減で2割の人減らし
▼話題のランナー
▼会社業績は」字回復、成果は労働者にも還元せよ


パート・契約社員の雇用継続
正社員なみに「定年60歳」に是正される


 三菱電機・高周波光デバイス製作所の直接雇用のパートタイマーと契約社員の「定年55歳」を定めた就業規則が法の趣旨にそって「定年60歳」に是正(改定)され、「3月15日付で雇用契約を打ち切る」と予告されていた「55歳以上」の人たちの継続雇用の契約がおこなわれていることが2月17日に明らかになりました。

 昨年9月、三菱電機・高周波デバイス製作所は、「パートタイマー・契約社員就業規則」で定められた「定年55歳」を理由に05年3月15日をもって雇用契約を打ち切るという解雇予告を個別におこなっていました。
 これに対し、職場の労働者からは、「定年55歳を理由に雇用契約を打ち切ることは、『60歳以上の定年を義務』づけた高齢者雇用安定法第4条」に違反するものであり、「定年を60歳に是正し、解雇予告を撤回すべき」であると厳しい批判の声があがっていました。

職場の要求実る

 当事業所の「パートタイマー・契約社員契約書」(就業規則)に「55歳」の定年が明記されていることについては、数年前から労働者の間で問題にされ、「法の趣旨にそって定年を60歳(正社員並み)に是正するよう会社と交渉してほしい」と労働組合にたいし、申し出がされていたものです。今回、再び職場で問題になり、伊丹労働基準監督者や職安への相談もおこなわれていました。こうしたなかで、会社もやっと是正し、3月15日付での解雇予告を撤回し、継続雇用になったものです。

65歳までの定年の引上げ、継続雇用制度の
導入等が事業主に義務づけられます。

【06年4月1日から施行】

 高年齢者雇用安定法の改正により、2006年4月1日から、年金支給開始年齢の段階的引上げにあわせて、65歳(注)までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の高年齢者雇用確保措置を講ずることが事業主に義務づけされます。

「高年齢者雇用安定法」(抜粋) 第9条

 定年(65歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいづれかを講じなければならない。
一、当該定年の引き上げ
一、継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続き雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入
一、当該定年の定めの廃止
2 事業主は、当該事業所に、労働者の半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合はおいては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、継続雇用制度の対象となる高齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、第2号に掲げる措置を講じたものとみなす。

【注】
 この年齢は、年金(定額部分)の支給開始年齢の引上げスケジュールにあわせ、2013年4月1日までに段階的に引上げていくものとします。

 2006年4月1日〜2007年3月31日:62歳
 2007年4月1日〜2010年3月31日:63歳
 2010年4月1日〜2013年3月31日:64歳
 2013年4月1日〜:65歳


成果主義は評価方法まで含めて公表せよ
「正しく評価されているか不明」が55%

成果主義の賃金・処遇制度が導入され、4月で1年を迎えます。三菱電機の「春闘前進させる会」アンケート(160名集計)から職場の思いをみてみました。

成果主義は、自分がどのように評価され、どの位置に位置づけされているのかOPENにされるべきである。 (田電・30代 男性)

成果主義は評価基準が不明確で納得できない。一人ひとりの仕事が違うのにどう比較するのか。 (伊事・50代 男性)

成果主義導入になるのは理解できるが、導入が難しい職種もあると思う。上司が完全に客観的評価できるとは思えず主観的になると思う。部下が上司評価できてもよいと思う。 (ルネサス・30代 男性)

成果主義賃金になっても仕事の内容が変化しないので成果上げようがない。今の20代の給与のまま上がらなければ将来の生活が不安である。 (関連・20代 女性)

◆いま職場では◆ モバイルターミナル製作所(略称・M電)

携帯電話生産の現場 売上減で2割の人減らし

 モバイルターミナル製作所(略称・M電)は二月、携帯電話の売上げ不振を理由にM電の人員を2割削減するというリストラ計画を打ち出した。報告によると、04年度の売上げであっても、事業が非常に厳しい状況にあること、同時に、05年度売上げ台数は04年度比約40万台の減が予想され、人員も大幅に削減せざるをえないとしている。約650名規模の現在の人員を2割削減して、05年度平均人員520名体制にするとしている。人員削減のやり方は他事業所への配転、関連企業への出向が柱になっている。すでに、三田、姫路へと配転も始まっている。

 職場では、「毎日不安で落ち着かない、自分も含めて誰が異動になるのか、びくびくしている」との声もあがっている。

 一方、三菱電機の05年3月期の業績見込みは、連結売上高は3兆4000億円(前期比103%)、営業利益は1200億円(同129%)、当期純利益700億円(同156%)である。単独売上高は2兆500億円(前期比103%)、経常利益500億円(同120%)で増収増益。底をついた01年から3年目にして業績は「」字回復」である。       (K)



<ひと>話題のランナー
尾方素子さん
伊丹製作所

 フルマラソン3時間15分以内で走ることができれば、オリンピック、世界選手権の選考レースとして開催される日本女子マラソンの三大大会である「東京国際女子マラソン」、「大阪国際女子マラソン」、「名古屋国際女子マラソン」への参加資格を得ることになります。その参加資格の取得に向けて、日々懸命に頑張っている一般市民ランナーは多いが、子供らの成人後、47歳から挑戦し、ランニングの故障や更年期障害と闘いながらも51歳で取得した人が尾方素子さんです。何度も挫折を繰り返しながら、夢を実現させ、周りの人に勇気と希望を与えました。共働き30年。「働く女性の地位向上」、労働組合運動にも、ランニング同様に頑張っています。今回、念願の参加資格を取得することができ、来る3月13日に開催される「名古屋国際女子マラソン」のステージに晴れてたたれます。自分の娘のような年齢のランナーと一緒に、懸命に走る姿を見ていると「目指せ!北京オリンピック!」と思わず声援を贈りたくなくなります。 (M)

会社業績は」字回復、成果は労働者にも還元せよ

 三菱電機の05年3月期の業績見込みは、連結売上高は3兆4000億円(前期比103%)、営業利益は1200億円(同129%)、当期純利益700億円(同156%)である。営業利益率も3.5%で業績はV字回復。一方、労働者の賃金は、事業の失敗からくる「業績悪化」を理由に02年から連続の賃下げで年収は30歳代技能職で平均50万円、中間管理職で150万円の減収のままである。会社業績はV字回復している。ベアゼロ「賃金体系の維持」では、30歳以上の労働者は、昨年4月からの定期昇給(3千円)の廃止で賃下げである。「業績が回復したもとで、その成果を労働者にも還元せよ」は当然である。(編集部)

<読者の広場>

TMT&D社 赤字の原因は企業戦略の失敗

 「家を買って8人家族で暮らしている。東工場に集約されたら、単身赴任だ、生活がなりたたなくなる」、「いいはなしがまったくなく、この先が不安…自分たちでどうすることもできないし、労働組合も会社の言いなりだと感じる」、「TMT&D社へ出向中であるが、転籍は拒否できるのか」など、TMT&D社の職場は不安だらけです。
 分社化したとき設計部門では関連企業のMEEの技術者も外注も切りすて、ベテランの労働者もいなくなった。この間、忙しくなったので「利益があがるのではないか」と聞くと、「そんなことはないトラブル続きで無償工事が増え、計画が遅れて忙しいだけだ」と。仕事も東工場(元東芝浜川崎工場)にとられていくばかり、一体経営陣はどうしているんだ。将来に希望のもてる会社であってほしい、これからさき、どうなるのか先行き不安だらけで仕事に意欲もわかなくなる。会社は赤字、赤字とくり返すが赤字の原因は企業戦略の失敗ではないか、企業責任を明らかにし、企業再建の展望を示すべきです。   (読者・Y)


◆ 編集後記 ◆

▼新年から「羅針盤」読者の方から貴重な募金のご協力を頂きました。ありがとうございました。▼パート・契約社員の定年が正社員並みの60歳になり、解雇予告されていた北伊丹のパート・契約社員の人たちも雇用契約されることになり、「あきらめないで頑張ってよかった」と喜びの声があがっています。▼無法なリストラがまかり通る中、「団結し、頑張れば前進できる」、「羅針盤」は、またひとつ職場に新たな確信をつくりました。
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