2004年9月号 日本共産党三菱電機伊丹委員会
「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後19年目を迎え、今号で第155号です。


【NEWSCLICK】
▼新処遇制度−評価制度に問題あり
▼ルネサス制度 一元化討議始まる
▼憲法9条を世界に輝かせたい「9条の会」発足
▼改憲阻止へ労組先頭に 私鉄総連大会で山野委員長
▼ご存知ですか?新人事処遇制度の「減額」補償


新処遇制度−評価制度に問題あり
勤続30年どうしてS2なの?
9月16日の職群、等級の格付を前に戦々恐々!


 『年功にとらわれることなく、がんばっただけ報われる』−−こう宣伝し、ことしの4月に三菱電機が導入した成果主義の賃金・処遇制度。本当に「がんばっただけ報われる」のでしょうか。

 働き続けて30年というS職群のMさん(50代・女性)は、「私は3等級と思ってたら2等級(基準25万3千円)に格付。勤続30年ですよ、頭にきています。女性差別です」と…。
 入社して10年になるS職群のKさん(20代・女性)は、「どうして新入社員並みの1等級(基準21万3千円)なのですかと上司に聞くと、あなたの仕事はパートでもできる仕事だからS1だ」と言われがっくり…。
 職場のリーダー格のS職群のBさん(30代・男性)は、「なんで2等級やねん、年功にとらわれず、がんばれば報われる制度といってたやないか。このままでは仕事の意欲がなくなる」といいます。
 T職群のCさん(50代・男性)は、「一時金の額を見てガックリきた。ピーク時から15万円もダウン。そんな評価かと思うとまったくやる気なくなった」と怒りをぶちまけています。

 制度移行にあたっての格付でこんなにも不満が続出。この9月16日には導入後、初めての職群、等級の格付がおこなわれます。等級の格付は「企業への貢献度」で評価されます。職場は戦々恐々…。
 こんどの成果主義の賃金・処遇制度は、労働者を個別に管理する評価制度に大きな矛盾点と改善すべき点があるようです。


ルネサス制度 一元化討議始まる

 03年4月にシステムLSI事業を日立と事業を統合し設立されたルネサステクノロジ社(北伊丹地区)ー。人事処遇制度、福利厚生制度など日立と三菱の制度を一本化する、ルネサス制度の一元化の職場討議がはじまっています。

人件費の削減はやめて

 三菱も日立もことし4月から成果主義の賃金・処遇制度が導入されたばかり…。  賃金・処遇制度と福利厚生制度については05年4月に導入。退職金・年金、健康保険などについては05年以降に具体的に論議していきたいとしています。  職場からは、「4月に制度改定されたばかり、これ以上人件費削減の制度改定はやめてほしい」との声が上がっています。

 この間、開かれた制度の説明会で組合幹部は、「やり甲斐・働き甲斐あり、生活の安心・安定につながる制度をつくる」「人件費の削減を目的とした改定としません」と強調。
 しかし、「こんなきれいなことをいうときほど、制度が改悪されるんですよ、だれも信用していませんよ」と、職場の労働者はBさん(50代・男性)。


憲法9条を世界に輝かせたい
「9条の会」発足

 憲法9条の改悪の動きが、参院選挙後急速に強まっています。自民党は「07年には戦後初の憲法改定が実現する」といい、民主党も岡田代表が訪米中に「憲法改正して、国連決議があれば、海外での武力行使を可能にする」と発言。いま、憲法9条が改悪の危険がせまっています。

 こうしたなか、「あらためて憲法9条を激動する世界に輝かせたい」と日本の知性と良心を代表する9人の文化人が呼びかけ人となって「9条の会」が6月20日に発足しました。

 呼びかけ人は、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の9氏です。

 「9条の会」は、そのアピール(別紙)で「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いまはじめること」を訴えています。あなたもアピールにご賛同ください。

 「アピール」への賛同者が広がっている。7月22日現在で688人。作家の池澤夏樹さん、永六輔さん、俳優の岸田今日子さん、吉永小百合さん、漫画家のちばてつやさん、落語家の桂米朝さんなど、多彩な顔ぶれです。

  • 「九条の会」アピール(全文)
  • 日本国憲法 前文
  • 憲法第九条


  • 改憲阻止へ労組先頭に
    私鉄総連大会で山野委員長

     私鉄総連(連合加盟)の山野俊次委員長は8月4日、岐阜県高山市で開幕した第71回定期大会挨拶で、自民・公明与党と民主党が競い合う憲法改悪を阻止するために、労働組合が先頭に立ってたたかうようよびかけました。

    山野氏は、私鉄総連が結成された1947年に憲法も施行されたが、参院選結果を見ると、改憲の動きが一気に加速する危ぐを強く感じると指摘。国会では改正反対勢力は劣勢だが、これをばん回するのは大衆行動を通じた国民世論の喚起以外にないとのべました。

     さらに、労働組合が自らの労働条件を維持・改善する任務とともに、社会のしくみを正すことも果たすべき重要な役割だとして、「いまこそ労働組合が社会変革の先頭に立つ気概を持とう」と強調しました。  運動方針案は、平和憲法の理念に立ちかえり、自衛隊の即時撤退とイラク占領政策中止を求める運動をすすめていくとともに、改憲の動きを許さないとりくみを強めるとしています。


    ご存知ですか? 新人事処遇制度の「減額」補償

     「減額」補償とは、ことし4月導入の成果主義の賃金・処遇制度改定で基本賃金がこれまでより減額になる人に適用するものです。賃金の補償は3年間とし、初年度(04年度)は見直し時の減額分の90%、2年目(05年度)は60%、3年目(06年度)は30%、4年目からは補償はなくなります。例えば、基本賃金が2万円減額された人は、初年度1万8千円、2年目1万2千円、3年目6千円が保障されます。補償は基本賃金のみで一時金について保障はしないことになっています。補償の適用対象者は、基幹系統・特別系統の人だけで、専門企画系統は対象外となっています。(編集部)

    <読者の広場>

    やり甲斐も働き甲斐も出ない

     人事処遇制度が改定されましたが、本当に酷い制度になったと思っています。知り合いのDさんは制度は改定されるまで監督職だったんですが、制度が改定される直前に監督職をはずされ、制度改定後の格付は、なんとS群の3等級(基準29万3千円)ですよ。仕事の内容からみても4等級(基準32万3千円)であって当然だと思います。これではやり甲斐も、働き甲斐も出てこないと思う。   (読者・Y)

    若者たちは眠れない

     パートは組合も無いので会社の決めたとおり。入社16年ですが、8月22日の赤旗日曜版で液晶テレビをつくるシャープの三重・亀山工場の24時間フル操業で働く請負会社青年たちの記事を読んだ。職場の4人に1人は請負労働者。4勤務2休(4日働いて2日休む)の12時間交替制勤務で土日、祭日働く。三菱北伊丹事業所で働く請負会社の青年たちもシャープと一緒。時給わずか千円程度、3勤3休と4勤2休とでは5万円も違う、身体が持たないけど女性も4勤2休で働いている。休暇も他の請負会社の社員と皆勤競争させられ、取りづらい、酷い実態である。  (読者・A)


    ◆ 編集後記 ◆

    ▼また台風が列島上陸、痛めつけています。読者の皆さんいかがお過ごしでしょうか。▼今号では、4月に導入された成果主義の賃金・処遇制度、格付がどうなっているのか、職場にインタビューしてみました。▼「憲法9条を世界に輝かせたい」と日本の知性と良心を代表する9人の文化人が呼びかけ人となってつくられた「9条の会」とそのアピールと賛同の運動もはじまっています。▼秋のたたかいに向けて「羅針盤」もがんばります。
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