2年連続の賃下げ
こんどは定昇制度廃止と処遇・勤務制度改悪
職場から団結し、会社の賃下げ攻撃をはねかえそう!
■どんなに業績あげても賃下げ、 降格もありうる成果主義賃金制度
大企業が空前の利益を上げながら、賃金引き下げを迫る−日本経団連(財界)が発表した04春闘対策「経営労働政策委員会報告」です。報告では、定昇制度の廃止、「ベースダウン」を労使交渉の対象に加えて、「降格もあり得る制度の検討が必要」といっています。
いま三菱電機が提案している定期昇給と生計手当の廃止とセットの成果主義賃金の導入、技術・事務部門への裁量労働制の導入は、財界の春闘対策そのものといえます。
労働者の収入は、2年連続の賃下げで、年収で45万円〜143万円も減収のままです。
職場では「定昇も生計手当もなくなったら、生活が成り立たなくなる」「あわてて現行制度を変える必要はない」との声があがっています。
●ねらいは成果競争に駆りたて総人件費削減
会社は、今回の処遇制度改定にあたって「年齢の加齢とともに賃金が上昇する傾向が強く、業績・成果との乖離が大きくなっている」といい、定期昇給など年功的要素をとりはらい業績・成果によって、昇給もあれば降給もある制度に、つまり会社の考課査定によって自由に昇給も降給もできる制度にするというのです。
●サービス残業を合法化
裁量労働制という勤務制度は、実際の労働時間とは関係なく、あらかじめ労使で決めた時間分働いたものと、「みなす」制度です。その時間より長く働いても、短くても、賃金は「みなし賃金」相当分となります。裁量労働制は必ずサービス残業隠しに使われます。
裁量労働制にして、過大なノルマを与えておけば、残業代を払わずにとことん働かせることができます。
●納得ある討論と全員投票で意思確認を
成果主義賃金制度、裁量労働制など、さまざまな財界・大企業の攻撃は、すべての労働者をバラバラにして競争させ、総人件費を抑制するのが目的です。
「成果を追求するあまりサービス残業や過度の労働強化につながるのではないかと心配である」との声があがっているのも当然です。
労働組合は、労働者の不利になる協定を結ぶことができない、というのが労働法の原則です。個々の労働者も「ノー」という権利をもっています。
●労働協約は「労働者の地位向上の権利」として保障されたもの
労働協約の改定が行われることはあります。しかし、改定は労働条件の維持および改善のためでなければなりません。労働協約は、それを定めた労働組合法の目的―「労働者の地位を向上させるための権利」として労働者に保障されたものです。その目的に反することを「労働協約の改定」として、不利益に変更し、個々の組合員におしつけ、拘束することは法の趣旨に反するものです。判例でも、不利益なものに変更した協約については、個々の労働者の合意が必要であり、それがなければ無効とする判決がでています。
◆人事処遇制度改定にあたっての提案◆
日本共産党三菱電機伊丹委員会は、こう考えます。
- 生計費にもとづかず、生涯賃金を下げる「成果主義」は、きっぱりとはねかえしましょう。
- 賃金制度は、基本給部分で生計費を満たし、それに加えて、仕事の専門性や熟練度を正当に評価する賃金制度を。
その評価基準は、単純明瞭で、公正、社会的に通用する客観的なものに。
- 評価、査定の内容の開示を求めましょう。査定にあたっては、労働者本人の申告や同僚の意見も反映し、その内容と結果を本人に公開し、不満のときは苦情を申し立てる権利の保障を確立しましょう。
- 同じ仕事には同じ賃金を。パート・契約社員など非正規雇用労働者に、均等待遇を。男女の賃金格差をなくしましょう。
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