「羅針盤」 2003年3・4月合併号

日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後18年目を迎え、今号で第148号です。
【NEWSCLICK】
▼小泉首相に迫るー大沢たつみ参院議員
▼45〜143万円の賃下げ(03春闘結果)
▼250億円の黒字を見込みながら賃下げとは許せない
▼「特別休日」には、6割以上の賃金を支給せよ!
▼ 労働条件の低下を伴う場合は、全員投票で意思確認を!
▼イラク戦争は会社にとって一大事(三菱伊丹党委員会が社長に要請)
▼再度労基署の調査を家族からの訴え
▼職場と家族からの「労働相談」

サービス残業・日常的な検査を
小泉首相に迫るー大沢たつみ参院議員

3月10日、国会の参院決算委員会で、日本共産党の大沢たつみ参院議員は、労働者の告発や労働基準監督署の摘発が広がっている違法なサービス残業と異常な長時間労働。三菱電機の伊丹市と尼崎市の両事業所の労働者の訴えをとりあげサービス残業の根絶にむけて厳しい対策を求めました。

▼小泉首相は、「政府も使用者側も労働組合も一体となり解消に努める」と答弁

大沢議員は、長時間・サービス残業は、トヨタだけではない三菱電機でも年間3000時間を超えている職場がある。
三菱電機の伊丹市、尼崎市の両事業所は、昨年だけでも5回も労働基準監督署の立ち入り調査で未払い残業が支払われました。しかし、依然として開発・設計部門では帰宅は「午前様で、午前2時、3時が続いている」という。家族の方は「主人はいつ死んでもおかしくない。会社による殺人だ」と怒り心頭だ。

「残業時間は7、8時間なのに2、3時間しかつけていない」と、労働者と家族のからの訴えをとりあげ政府にサービス残業の根絶の厳しい対策を迫りました。

大沢議員は「労働基準監督署に駆け込んでも一時的になくなるだけ。仕事が減るわけがないから仕方がない」と会社側が公言しているという話も示し、「根本的にやらないといけない。特に大企業には日常的、定期的な検査をやるべきだ」と強調しました。

坂口厚生労働相は「われわれもやるべきことはやりたい」、小泉首相は「政府も使用者側も労働組合も一体となって解消に努めていかなきゃならない」と答えました。

◆ イラク戦争反対の行動に立ち上がりましょう ◆
=イラク戦争反対の集会やデモに参加しましょう。=
●署名(別紙)を集め日米両政府に送りましょう。

45〜143万円の賃下げ
これじゃ生活が成り立たない!
◆ 03春闘結果−「人的費用効率化策」(会社逆提案)による減収 ◆
主な項目 2001年度 2003年度

減額分 月収(円) 年収(円)
定期昇給(定昇) 3,000
3,000 36,000
特別休日10日(無給)

-10,718 -128,616
出向手当
一律・−1,000 −1,000 -12,000
連続操業手当 6,000 30%減 -1,800 -21,600
交替制就業手当
12.5%減 -20,325 -243,900
メリット勤務制度手当 定率0.235=63,215 20%減 -12,643 -151,716
メリット勤務加算金 平均300,000(年間) 20%減
-60,000
一時金(平均) 5.36ヵ月(年間) 4ヵ月(1.36ヵ月減)

1,459,000(特別一時金含む) 1,098,000
-361,000
専任一群基準月棒 576,000 520,000 -56,000 -672,000
専任一時金(年間) 3,160,000 2,400,000
-760,000
理論所定就業時間:01年度156時間、03年度151時間
賃金算式:35歳基幹労働者基準 基礎給(83,699)+資格職階給(177,700)+生計手当(37,660)=299,059円
メリット勤務制度手当:主事3号資格職階給 269,000円を基準
連続操業・交替制就業:3勤3休の場合
(日本共産党三菱電機伊丹委員会試算)
250億円の黒字を見込みながら賃下げとは許せない

三菱電機は、昨年の賃下げ「逆提案」(1年間限定)のルールを破り、今春闘でも「人的費用効率化策」(上表)という賃下げ「逆提案」で昨年を上回る賃下げを。「賃金体系維持」(定昇3000円含む)を確保したといいますが、35歳標準労働者で10日間の無給の「特別協定休日」(月1万0718円減額)の押しつけで差し引き7718円の賃下げです。

一時金は昨年同様に1ヶ月(36万1000円)の減額。諸手当カット除いても年収で45万円の減収になります。
交替制勤務者は、連操、交替制手当だけで27万円の減額…。専任一群職の月俸は昨年の4万6000円の減額に1万円の追加減額で5万6000円も減額。一時金の76万円減額(年間)を加えると年収143万円の減収になります。

職場では、「何でやねん!去年は700億円の赤字で1年間限定というからガマンもした。今年は250億円の黒字で賃下げやねん」「年休もまともに取れんのに毎年特別休日をつくって賃下げする、こんなこと毎年が許してたらどうなるんや」と…。

20歳代の青年は「ひどすぎますよ、これからの生活設計は真っ暗です」、40代の女性は「これ以上賃金下げられると生活が成り立たない」、50代の男性は「賃下げのために組合費納めているのと違うぞ」と怒りの声を上げています。

★「特別休日」には、6割以上の賃金を支給せよ!★
労基法26条(休業手当)は、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と明記しています。

今回の「特別休日」は「会社の継続的発展」という会社の都合で休業させるものであり、6割以上の「休業手当」を支払って当然ではないでしょうか。 (50代・男性)


「賃下げ」攻撃とのたたかいはこれから
労働条件の低下を伴う場合は、全員投票で意思確認を!
納得と合意が必要

労働協約は「労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上」の権利として労働者に保障されたものです。

今春闘での「特別協定休日」(無給)のように労働組合が組合員の現行労働条件よりも不利な内容の労働協約を会社と締結する場合は、個々の組合員の納得と合意が必要です。

地方自治体では、住民の合意を得るために住民投票が新しい流れになっています。職場から「全員投票で意思確認を」との声があがっているのも当然です。

どんなに業績が上がっても、労働者全体の賃金水準は上げないという仕組みをつくる定期昇給の廃止や圧縮、成果主義賃金の導入は春闘とは別に労使で検討されています。「賃下げ」攻撃とのたたかいはこれからです。

労働者の納得と合意に必要な時間をとった職場討議とともに、重要な段階では、アンケートや全員投票を行うなど、組合員の意思が交渉過程に反映される運営をつらぬき、職場から団結強め、賃下げ攻撃をはねかえしましょう。

イラク戦争は会社にとって一大事ー 三菱伊丹党委員会が社長に要請
「戦争反対の態度表明を」 

電機、鉄鋼、自動車、造船など大企業の日本共産党の党組織は、「イラク戦争に反対し、査察の継続・強化で平和解決を」との態度を表明するよう社長への申し入れを行ないました。

三菱電機伊丹党委員会は、3月14日、野間口有・三菱電機社長に要請しました。同時に伊丹市の三菱電機北伊丹事業所や住友電工伊丹製作所などへも要請しました。
この行動には、三菱電機伊丹党委員会の山本博昭委員長、大塚寿夫・兵庫6区国政対策委員長らが参加しました。

要請書は、イラク戦争が最悪の事態になった場合、日本経済、世界経済は致命的な打撃を受け、産業と企業に重大な影響を与えることになると強調。「日本と世界の平和のためにも、経済界に大きな影響力を持つ貴殿が『イラク戦争反対。査察の継続・強化で平和的解決を』の態度を表明されることを心から申しいれるものです。」としています。

三菱電機は、この春闘のなかで「日本経済がデフレスパイラルの様相を呈している」こととあわせ「イラク情勢や米国経済の減速」などを「03年度の売上高が大幅に減収になること」の要因の一つに上げ2年連続の「賃下げ」を押しつけたばかり。「要請書を必ず事業所長に届けてほしい」と訴えました。


読者の広場
再度労基署の調査を家族からの訴え

こんにちは、最近「羅針盤」の存在を知った者です。「羅針盤」第147号を読ませていただいて、知っていただきたいことがありメールを書かせていただきました。

昨年の残業代不払い発覚事件以後、多くの職場で残業時間が正しく申請できるようになり…と書かれていましたが、主人の職場では以前よりも悪質になっているようです。以前は労働時間はきちんと会社に申告したうえで残業時間のみ少なく書き換えていたようですが、立ち入りがあったのちは労働時間の申告自体を実態でなく、改ざん後のデータを申告するように指導があったそうです。

確かに年末年始連日深夜までの勤務であったにもかかわらず、もって帰ってきた給与明細に時間外労働はほとんどついていませんでした。しかも残業時間を改ざんしての申告について会社側からは「これは会社からの指示ではなく君達が自主的に残業時間を調整して申請していることにするように」との旨の話があったと聞きました。

これでは、不払い残業どころか、例えば過労死などで死んだ場合でも、会社側としては社員からは規定内の労働実績申告しか受けていないので過労死ではないと言い切れるわけです。まったくひどい話です。

会社にとっては、社員は沢山いるので一人くらいいなくなったところで何の問題もないと思いますが、家族にとっては大問題です。
ぜひ、再度労働基準監督署の立ち入り調査をして実態を暴いていただきたいところです。このようなことが会社内部では行われていることを知っていただきたいのです。(三菱北伊丹事業所30代男性の妻より)

職場と家族からの「労働相談」

日本共産党三菱電機伊丹委員会には、職場と家族から「労働相談」が相次いでいます。サービス残業やリストラなど、会社の労基法や労働協約違反問題が大半です。
匿名でも結構です。お気軽にお寄せください。(労働相談室より)

◆職場の悩み−お気軽にご相談ください!◆
■ 働くルールの110番 ■
日本共産党三菱電機伊丹委員会
【連絡先】 伊丹市千僧6丁目218 革新会館内
  【電話】072(781)0122 【FAX】072(781)2842
【e-mail】melcojcp@osk3.3web.ne.jp

★ホームページでも労働相談を受付ています。


◆ 編集後記 ◆
▼昨年の「緊急施策」(賃下げ逆提案)は1年間という期限を切っての「緊急避難」的な施策。
ところが今年も「人的費用効率化策」の賃下げ「逆提案」。黒字にもかかわらずです。
これでは労使間の「秩序」や「ルール」(労働協約)も成り立ちません。
▼「売上高が減収になる」からといって、「人員削減と賃下げ」が経営戦略の柱では、経営陣の経営能力が問われます。
▼4月はいっせい地方選挙です。日本共産党の候補者へのご支持を。

☆職場の話題など、読者のみなさんの投稿をお待ちしております。、日本共産党への
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