「羅針盤」 2002年12月/03新年合併号

日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後18年目を迎え、今号で第145号です。
【NEWSCLICK】
▼日本共産党が「解雇規制・雇用人権法」の制定を提唱
▼これからどうなる雇用と労働条件システムLSI事業の日立との統合・会社分割
▼統合後に「大リストラが起こるのでは」の不安が…
▼企業組織再編にあたって、本人の同意、労働条件の継承、労働条件の保護を原則にする
▼サービス残業根絶運動が実り兵庫の41社に18億円支払わせた
▼全国で81億円(サービス残業是正させた支払い総額)
▼毎日12時過ぎでは身体がもたない!(開発や設計の職場)
▼03年暮らしの要求アンケートにご協力を!(「春闘を前進させる会」)

雇用と人権を守り、安心して
働くことができるルールの確立を!
日本共産党が「解雇規制・雇用人権法」の制定を提唱

職場は、東芝や日立との会社分割・統合で雇用不安におびやかされています。安定した雇用と労働条件の確保は、国民の暮らし土台で、日本経済を不況から立ち直らせるカギです。

日本共産党は12月9日、雇用政策の三つの抜本的転換を提唱しました。
政策の柱とその一部を紹介します。

★無法なリストラや解雇から雇用と人権を守り、安心して働くことができるルールの確立を

1、不当な解雇・人員整理を社会的に規制し、労働者の雇用と人権を守るために
ー労働者の「解雇規制・雇用人権法」の制定を提唱します。

@正当な理由なき解雇の禁止、人員整理計画の事前協議制など、雇用を守るルールをつくる。

    ▽整理解雇四要件を法制化。

    ▽企業組織再編にあたって、本人の同意、労働契約の継承、労働条件の保護を原則にする。

A希望退職や転籍など「退職」を強要するための人権侵害を許さない。

    ▽希望退職や転籍、出向などにあたっての「強要」行為を厳格に規制する。

B派遣やパート、有期雇用など不安定な雇用に置かれている労働者の雇用と権利を守る。

    ▽パート労働者などへの賃金・労働条件への差別を禁止する。

2、雇用を増やすためにも、サービス残業根絶・長時間労働の是正を。

@サービス残業根絶と長時間労働を規制する実効ある措置をとる。

A長時間労働是正のもう一つのカギである有給休暇を取れるようにする。

    ▽恒常的な長時間残業や有給を取れないことを前提とした生産計画・要員計画をなくす。

3、失業者に仕事と生活の保障をー失業者対策臨時措置法の制定を。
★困っていること、職場の悩み−お気軽にご相談ください!
【働くルールの110番 労働相談】
◆日本共産党三菱電機伊丹委員会 
電話 伊丹072(781)0122 FAX 072(781)2842

これからどうなる雇用と労働条件
システムLSI事業の日立との統合・会社分割
三菱電機と日立製作所は、システムLSI事業を中心とする新会社ルネサステクノロジを03年4月1日に設立します。

設立時点で新会社への「転籍」は三菱電機の社員だけでも約5,200人となっています。関連、協力会社をいれると約1万人を巻き込む大編成です。労働契約承継法による「承継転籍」であり対象となる労働者は行く行かないの同意権もありません。

移行時は賃金や労働時間など労働条件は維持されることになっていますが、次年度(04年)以後の労働条件は、三菱より承継した基準をベースに新会社と労組との交渉で決定した労働条件のもとで働くようになります。

統合後に「大リストラが起こるのでは」の不安が…

日立も三菱も赤字が続く半導体事業の統合だけに、職場の不安はとても強いものがあります。
「新会社設立されたあとに大リストラが起こるのではないか」、「賃金が下げられるのではないか」と。

電機産業では、大規模な企業再編成がすすめられ、電機各社はこれを活用して総人件費の削減を目的に人減らしだけでなく賃金も切り下げる攻撃も。
「職場がどうなるか毎日不安だ」「賃下げばかりでは将来設計も成り立たん」の声があがっています。

企業組織再編にあたって、本人の同意、労働条件の継承、労働条件の保護を原則にする

ー日本共産党は、企業再編にあたっては次の「雇用政策」を提案しています。

@合併や営業譲渡、分割という企業組織の再 編を理由とする解雇を禁止します。

A再編前の企業に所属するか後の企業に所属するかは、労働者の同意がなければ決められないようにします。

B前の会社での労働条件や労働協約はそのまま引き継ぐことにします。

Cまた、労働組合との事前協議や一人ひとりの労働者へも情報公開を行わせます。

D破綻した企業やその一部を買い取る場合でも、雇用の継承、再就職の斡旋、職業訓練など、譲渡を受けた者にふさわしい雇用責任を果たす努力を義務づけます。


サービス残業根絶運動が実り
兵庫の41社に18億円支払わせた
兵庫労働局は12月16日、厚生労働省がサービス残業根絶の通達を出した昨年4月から今年9月までに、サービス残業をさせていた兵庫県内の社が、労働基準監督署による是正監督や指導で労働者7,413人に総額18億2,654万円の未払い賃金を支払われたことを発表しました。

支払われた額は、全国の総額の22パーセントをしめ、都道府県では東京都につぐ多さ。1,000万円以上を支払ったのは9社で、労働者は5,599人、金額は17億2,091万円。労働者の告発や職場の日本共産党のたたかいが実ったものです。

●三菱電機伊丹、尼崎両事業所では、日本共産党が「残業日誌」をつける運動をすすめ、それをもとに労働基準監督署に告発、ことし3月に会社は700人に 7,000万円を支払う。

01年4月以降だけでも、三菱重工高砂、川崎重工明石、川崎重工神戸などで次々とサービス残業を是正させ、未払い分を支払わせてきました。

これらには日本共産党の大沢たつみ参議院議員が国会で追及するとともに直接、労基署に出向いて労働者とともに是正を要求するなど、党国会議員が奮闘してきました。

全国で81億円

厚生労働省がまとめでは、昨年4月から今年9月までの1年半のあいだに、サービス残業是正させた企業数は613社、対象労働者7万1,323人にのぼります。支払い総額は81億3,818万円となっています。

読者の広場
毎日12時過ぎでは身体がもたない!

三菱電機の開発や設計の職場は、毎日深夜の1時、2時まで仕事。土曜日はほとんど出勤。夜8時からミーティング、フォロー会議もあたりまえ、水曜日の「ノー残業デー」も1回も定時に帰ったことはない。本当に奴隷のように働かされ、ひどい職場です。

開発や設計には女性の専任もいて徹夜仕事もしています。
「もっと人間らしく働きたい」「休みになると疲れがドッとでて何もする気力がわかない」と同職場で働くAさんは言います。(編集部)

要求アンケートにご協力を!

三菱電機で働く仲間でつくる「春闘を前進させる会」が、03年暮らしの要求アンケートを開始しました。職場の要求を春闘に反映させ、要求の実現めざし頑張りましょう。

春闘では、パート労働者の時給の引き上げや関連下請け労働者の「賃金の底上げ」やサービス残業根絶の運動を重視しています。
今回も、企業や組合の枠をこえ、多くのみなさんの要求をアンケートにお寄せいただきますようお願いいたします。(編集部)


◆ 編集後記 ◆
▼職場では、系統変電事業の東芝との統合に続き、半導体事業の日立との統合・別会社化の大リストラ攻勢が。
▼一方、長時間労働・サービス残業根絶の運動の前進は、「闘えば要求は前進できる」と確信を与えています。
▼02年は職場でもサービス残業是正で大きな成果を勝ち取りました。
▼03年はいっせい地方選挙の年。新年から新たな前進、躍進めざしー日本共産党と「羅針盤」は頑張ります。

☆職場の話題など、読者のみなさんの投稿をお待ちしております。、日本共産党への
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