「羅針盤」 2001年12月 第142号

日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後16年目を迎え、今号で第142号です。
【NEWSCLICK】
▼日本共産党三菱電機伊丹委員会が街頭労働相談
▼サービス残業をなくすため労組へ申し入れ
▼兵庫労働局も、連合も
▼労組方針に期待
▼製品のトラブル、仕損費2倍に増える
▼人減らし、長時間・過密労働
▼長時間・過密労働の是正をー「急がば回れ」
▼突然の解雇通告
▼パート労働者の時給900円以上連合が春闘で底上げをめざす

職場の悩みいっしょに解決へ
日本共産党三菱電機伊丹委員会が街頭労働相談

★「サービス残業をなんとかしてほしい」「本人の意思に反した転勤が強要されている」
「サービス残業やリストラ攻撃などで悩んでいることありませんか?職場の不安をいっしょに解決していきましょう」

「労働組合のない三菱電機の下請企業で働く労働者の悩みにもこたえてほしい」という切実な訴えにこたえ、阪急伊丹駅で、11月18日、街頭労働相談会が開かれました。

日本共産党三菱電機伊丹委員会と日本民主青年同盟が共同でとりくみました。寒風の中「労働相談」案内のピンクのノボリをたて、腕章をつけた約20人が道行く人にリーフを配り、労働実態アンケートへの協力も呼びかけました。

開設するなり待ってたとばかりに飛び込んできた20代男性は、「残業しても手当がつかない、サービス残業をなんとかしてほしい」と。また、中小企業に勤めていたが今は失業中だという20代男性は「会社に勤めていたが、人間関係がうまくいかなくて辞めました。これから働きたいがどうしたらいいのか、悩んでいます」と。

60代女性は「パートで働いているが週に3日間だけしか仕事させてくれないこれでは生活できない」と。足をとめた50代の男性は、生産現場の労働者と言い「年齢による賃金差別をやめてほしい。事務職はサービス残業、現場には本人の意思に反した転勤が強要されている」と訴えていました。


サービス残業をなくすため労組へ申し入れ
労組伊丹、通信機、北伊丹支部の組合員有志

 「サービス残業をこんどは三菱でなくして」。職場の労働者の切実な要求にこたえようと、12月7日、職場有志が三菱電機労組支部に、「サービス残業をなくすための申し入れ」を行いました。

申し入れを行なったのは、伊丹、通信機、北伊丹労組支部の組合員有志。「申し入れ」の内容は、厚生労働省の「サービス残業をなくすための通達」の徹底と労組方針の実行などで、左記の3点を求めています。

◆ 申し入れ要求 ◆
@社内の労働実態を再点検し、残業未払いを是正していただくこと。
A始業・終業時刻を確認するため、タイムカード、ICカードを導入し、客観的な記録がとれるように講じていただくこと。
B「時間外労働の適正化を前提とした生産計画や開発計画の立案・実行、労働時間短縮に向けた合理化投資や業務の改善」を具体的に実施していただくこと。

兵庫労働局も、連合も

ことし4月、厚生労働省の通達が出されて8ヶ月が経過しましたが、職場では、「通達」の徹底や「基準」にもとづく改善指導が見られず、サービス残業も改善されていません。

兵庫労働局と各基準監督署は、「サービス残業の排除に向けて」と題したパンフレット作成し、「通達」徹底を行っており、三菱労組の上部団体である連合は、「サービス残業撲滅運動」をすすめています。

労組方針に期待

三菱労組も、ことし8月の定期大会で「時間外労働の適正化を前提とした生産計画や開発計画の立案・実行、労働時間短縮に向けた合理化投資や業務の改善」を時間短縮の方針に掲げ、職場からその実現に期待が寄せられています。

このことから職場の有志が行動を起こしたものです。


「時間外労働の適正化を前提とした生産計画」の具体的実行を!(その2)
人減らし、開発・設計時間の半減、コスト競争のなか長時間・過密労働ー製品のトラブル、仕損費2倍に増える

大規模なリストラがすすむなか、製品の品質コストが、この10年間にほぼ2倍に悪化していることが判明。これは会社の調査(社内報発表)で明らかになったものです。 2000年度の発生要因別不具合(件数ベース)
◆ー生産システム本部長が語るー◆

★「貧弱劣悪な製品による一時期な繁栄はできても永続的な事業の繁栄は不可能」

三菱電機(伊藤義文・生産システム本部長)によると、「無償工事費、仕損費、アフターサービス費を合計した品質コストは、この10年間でほぼ2倍に悪化。要因別に見ると、当社責任のうち設計要因が件数で61%、金額で90%に上る」といいます。

人減らし、長時間・過密労働

その原因は、コスト削減による大量の人減らしと「国際競争力に負けるな」による開発・設計の効率アップ、スピードのもとでの長時間・過密労働です。

この10年間に正規の社員は4万9566人(92年)から、4万906人(01年)へと、8660人も削減されています。

「従来3年かけて開発していたのが1年に短縮されてしまった」(Bさん)。
「設計部門は、3次元CADの導入で、設計時間が半減されている。製品の評価するに十分な余裕はなく、事実上、検証は市場に出て行ってから」(Cさん)。
「残業時間60時間は半月で消化、どれだけやったか記憶できない」(Dさん)

長時間・過密労働の是正をー「急がば回れ」

ベテラン技術者のSさんはいいます。「時間外労働の適正化を前提とした生産計画や開発計画の具体的実行なしに、いい品質の製品はつくれない、今後の会社の発展もない」と。

伊藤システム本部長もこう語ります。
「納期に間に合わせるために十分な検証も行わずに出荷する。いくら他社に先駆けて新製品を投入し、市場を抑えても、後から起こしたのでは何もなりません。製品回収で大変な費用と時間がかかる以上に、お客様の信頼という当社のもっとも大事な財産を傷つけてしまうことになります。やはり、『急がば回れ』でしょう」と。

「時間外労働の適正化を前提とした生産計画や開発計画などの立案・実行、労働時間短縮に向けた合理化投資や業務改善の推進を各種協議会を通じて要請する」
(三菱電機労組第48回定期大会決定)

読者の広場
突然の解雇通告

「突然の契約終了の通告がきました。組合員ではないので、言ってもしょうがないと思いますが…」との相談を受けました。

通信機製作所で働く派遣労働者の人からです。

通信機製作所では、コスト削減を目的とした大規模なリストラが「水面下」で強行されています。すでに現場では、職場の実情(仕事は忙しい)を無視したなりふりかまわずの外注者の首切りが行われています。

「携帯電話の需要の読み間違い」という経営者の失敗やこの間の大もうけには口をつぐみ、いとも簡単に「通知」一枚で解雇する。まさに”切り捨てゴメン!”のやり方。それも”使うだけ使って”です。
新年を前に、解雇された労働者と家族の生活をなんと考えているのでしょうか。

「組合員ではないから」と、こんな大企業の不当、不法なやり方を絶対に許してはならないと思います。 (読者・Y)

パート労働者の時給900円以上連合が春闘で底上げをめざす

連合は02年春季生活闘争で、パート労働者の賃金の底上げをはかるため、パート労働者を含む全従業員対象の企業内最低賃金協定(時間額表示)の締結と改定をとりくみます。

その水準は、最低でも当該企業の高卒初任給賃金(三菱電機15万4500円)の時間換算額をめざすとしています。

企業内最低賃金の到達目標は900円以上、最低で790円。
01春闘(10円、5円アップ)に続き”今度こそ900円以上”の声をあげ頑張りましょう。


◆ 編集後記 ◆
▼「サービス残業、日立に続いてこんどは三菱でなくして」ー労働者と家族の願いにこたえて、「残業日誌」運動が開始され
▼労組が掲げる「時間外労働の適正化を前提とした生産計画、開発計画の立案・実行」を求める職場からの運動も
▼北伊丹事業所や通信機製作所では、派遣労働者などの首切り、そのやり方も、乱暴で不当で不当なもの
▼「負けてたまるか」ー職場から雇用を守るたたかいに立ち上がりましょう。

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