「羅針盤」 2001年11月 第141号

日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後16年目を迎え、今号で第141号です。
【NEWSCLICK】
▼三菱電機9月中間決算発表
▼「本当に身勝手すぎる」「経営層の責任は」
▼いい開発はできない末期的な症状だ
▼会社は,サービス残業をなくす厚生労働省の通達を実行せよ!
▼国内こんなに減らされているのに!
▼4万人削減さらに計画
▼心配と不安 系電の別会社化
▼ホームページで労働相談コーナー開設

連結決算16億円の黒字をあげながらコスト削減で4500人を一時帰休
三菱電機9月中間決算発表

三菱電機の9月中間決算が発表されました。連結売上高は1兆7735億円、営業利益は99億円、当期損益は16億円の黒字を確保。半導体事業の「収益悪化」を強調していますが、家電や重電システムは堅調で増益となっています。
「本当に身勝手すぎる」「経営層の責任は」

 ◆職場から怒りの声
「経営者が携帯電話の需要の読み間違いしたから、作りすぎたから、受注が減ったからといって、会社を辞めてもらいます。賃金はカットします」ーこんな身勝手なリストラがあるでしょうか。

三菱電機の9月中間連結決算は16億円の黒字。にもかかわらず、半導体事業部を中心に、2200人の人員削減を打ち出し、11月からは同部門の福岡、西条工場など中心に約4500人を対象に一時帰休を実施します。一時帰休は「コスト削減効果とともに社員の危機意識をたかめたいとの狙い」(「日経」)があります。

職場からは、こんな声が…。 「なんで私たちが犠牲にならんといかんのか」、「ことしの3月、半導体は1千億円近くの大幅黒字をあげたばかりやないか。本当に一時帰休が必要なのか」、「経営層の責任はどうなっているんの」、「会社はコスト削減とか、危機意識を共有するためにと、言っているが、どんなに利益があがっても組合員に共有してくれたことはない。本当に身勝手すぎる」と。

パートも正社員なみに9割の賃金保障を!
2200円もカットよ、なんで私たちだけが犠牲にならんといかんの?

一時帰休の賃金は正社員で9割、賃金カット分は1500〜2000円/日、パート労働者の賃金は6割で、時間給の4割がカットされます。時給が795円で、7時間勤務の人は2216円/日の賃金カットになります。

パートの人たちからは、「正社員は賃金9割保障なのに、なんで賃金のいちばん低いパートだけが6割なの。同じ仕事をしているのに社員なみに保障してほしい」と切実な声があがっています。


「時間外労働の適正化を前提とした生産計画を」(三菱労組定期大会方針)−具体的に促進しよう!
いい開発はできない末期的な症状だ

会社のリストラ計画でIT(情報技術)部門の職場では、モーレツなスピードが要請されています。

青年エンジニアたちは、こう語ります。

「従来3年間で開発していたのが、2年間になり、いまでは1年になってしまった、会社は末期的症状。厳しいスケジュールでまともな開発はできない状態です。」

「携帯電話の新製品の開発・設計は基本的評価に膨大な時間を要します。しかし、設計期間の半減で短期間で製品化するよう、無理やり計画を出させられる結果、満足いく性能が出ず、更に長時間労働にかりだされてしまうのです。」

「目先のことだけでなく、もっと5年先、10年先を見越した物づくりを真剣に考えてほしい。」
時間外労働の適正化を前提とした生産計画や開発計画の改善の推進を
(労組定期大会決定)

「時間外労働の適正化を前提とした生産計画や開発計画などの立案・実行、労働時間短縮に向けた合理化投資や業務改善の推進を各種協議会を通じて要請する」
(三菱電機労組第48回定期大会決定)

会社は,サービス残業をなくす厚生労働省の通達を実行せよ!
「メリット勤務制」のルール(労使協定)を守れ!

「厚生労働省の通達が実行されていない。相変わらずサービス残業が」「メリット勤務制が本人の同意なしに」「在場時間の把握がない」などの声があがっています。

厚生労働省「通達」のポイント

★労基法上、使用者に労働時間管理の責任がある。

▼労働時間管理の具体的な方法。
@ 労働者の始業・終業時刻を労働日ごとに確認し記録する。

A使用者が「現認し記録する」か「タイムカード、ICカード等を基礎に記録する。

▼「自己申告制」に対する具体的規制。
@実際の残業時間を申告しても「不利益な扱い」がないことを説明する。

A自己申告した労働時間と合致しているか定期的に実態調査をする。労働者や労働組合等から指摘があれば実態調査をする。

B適正な残業代申告を阻害する目的で残業時間の「上限」を設定したり、残業手当の「定額制」などが申告を阻害している場合は改善する。

「MERIT勤務制度」の労使協定事項

★本制度の適用対象者は、主務職3号の者。

@制度を適用する場合は、「上長による本人に対する意向確認と本人の同意」を必要とする。

A適用者の「日々の在場時間を把握」する。

B適用解除の場合、「不利益扱いをしない」。

(労使協定・確認)


電機大手6社10年で国内で5万6000人減らし、海外では20万人増やす
国内こんなに減らされているのに!

大手電機メーカー6社(日立、松下電器、東芝、NEC、三菱電機、富士通)が、この10年間に国内従業員を5万6千人近く削減する一方、海外では20万人近くも増やしていることが、日本共産党の塩川鉄也衆院議員の調査でわかりました。

三菱電機この2年間だけでも国内5462人削減、海外で3266人増

三菱電機の国内正規従業員は、01年9月現在、3万9073名、海外従業員は2万3384人。この2年間だけでも国内で5462人を削減し、海外で3266人を増やしています。
(三菱電機9月決算書より試算)

4万人削減さらに計画

各社の有価証券報告書などをもとに1990年から2000年の従業員数を比較したものです。

一方、同議員の調査によると、大手6社の年次有給休暇取得率は約7割。職場内では「深夜勤務で体調が崩れた」など健康も無視した長時間・過密労働や「サービス残業を強いられている」などの無法がまかり通っています。

これに追い打ちをかけているのが今年夏以降、大手電機メーカーが発表した大リストラ計画です。「IT(情報技術)不況」を理由に、リストラで収益改善をはかろうという計画で、6社の国内従業員数の削減数だけでも合計4万1700人にのぼります。

これらの実態は、大企業のリストラ競争を放置すれば、地域経済のいっそうの空洞化と、大量失業を加速させ社会全体に重大な事態をもたらすことを物語っています。

塩川衆院議員は「政府は、中小企業も視野に入れた空洞化の実態を緊急に調査し、大企業に雇用・地域経済を守る社会的責任を果たさせるために、リストラ計画の見直しを求めるべきです」と話しています。


読者の広場
心配と不安 系電の別会社化 

系電では、来年4月とも言われている変電・配電部門の東芝との統合(別会社化)があります。開閉器製造部などが対象です。すでに東芝の京浜工場では三菱との統合に向け配転などのリストラがすすめられていると聞いています。

三菱でも開閉器の開発や設計部門ではリストラが始まっているような気がしてなりません。開閉器の設計事務所に行けば人が少なくガラリと。すでに配転になった人もいると聞きます。

職場では、「会社は隠したままでリストラをすすめているのではないか」、「別会社になったら自分の身分や処遇はどうなるのか心配でたまらない」などの不安の声があがっています。

マスコミでも統合の準備がすすんでいると報道されています。労組に会社からの提案はないのかときいてもまともな返事が返ってきません。会社は労働者に隠したまま、一気に別会社化をすすめるつもりなんでしょうか。毎日不安でたまりません。(読者・k)

日本共産党三菱電機伊丹委員会がホームページで労働相談コーナー開設

早速、相談が。お気軽に相談を

三菱電機の関連子会社に出向しておりますがサービス残業が多く、しかも主務職以上は時間管理がされていないのが実情です。

厚生労働省の通達は各職場に通達されているのでしょうか。労働基準監督はちゃんとサービス残業の通達を把握されて具体的な行動をしているのか全く見えていないのが実情です。相変わらず、全く以前と同様でサービス残業が行われています。(40歳代・男性)


◆ 編集後記 ◆
▼電機、自動車、鉄鋼で空前のリストラ。主要30社だけで16万人、これにNTTの11万人を含めると27万人。それに電機では大量の一時帰休。この3月には過去最高の大もうけをしながらです。
▼職場は、サービス残業は野放し、有給休暇もまともにとれない状態。▼大企業のやり放題をいつまでも許すわけにはいきません。
▼「羅針盤」は大企業の身勝手なリストラに反対し、雇用を守る運動をすすめます。

☆職場の話題など、読者のみなさんの投稿をお待ちしております。、日本共産党への
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