「羅針盤」 2001年7月 第138号

日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後16年目を迎え、今号で第138号です。

【NEWSLINE】
▼21世紀初めての参議院選挙
▼日本共産党はこの立場から、3つの転換を提唱。
▼小泉内閣の「構造改革」ではどうなるのか。
▼労働組合と選挙を考える? その2
▼小泉首相と「構造改革」を競う民主党
▼集団的自衛権の行使改憲にも賛成する鳩山代表
▼「小泉改革」と競い合う民主党!その基本政策は?
▼小泉改革の"痛み"は大変だ
▼「あれは会社党だ!」痛烈な批判と怒り
▼パート労働者の時給が一律10円アップに(通電)
▼日本共産党街頭演説会(志位和夫委員長がお話します)

大銀行・大企業応援から  国民の暮らし応援にきりかえる経済改革を!
21世紀初めての参議院選挙

21世紀になって初めての国政選挙、参議院選挙。
リストラ、雇用不安、残業させても手当を支払わない「サービス残業」、正社員と同じ仕事をしても時給795円のパートの賃金、子供の就職難、くらしと老後…。

いま、だれもが不安でいっぱいです。小泉内閣ができて、さかんに「改革」といっています。国民の立場にたった改革に、ほんとうにとりくんでいるのはどの党か、よく見きわめていただきたいと思います。

いまの不況は、4年前に橋本内閣がおこなった、消費税増税や健康保険の本人2割負担の導入など、9兆円の国民負担増から始まったもの。

日本経済の6割を占める個人消費を冷え込ませているのが原因です。小泉首相はこのとき厚相でした。国民の家計、個人消費を直接あたためる政治こそ、日本経済がいまなによりも求めている――。

日本共産党はこの立場から、3つの転換を提唱。

(1)消費税の3%への緊急引き下げ。

(2)社会保障改悪の凍結。

(3)雇用拡大へリストラ抑制・中小企業支援の抜本的強化、サービス残業根絶で雇用拡大を。

小泉内閣の「構造改革」ではどうなるのか。

「不良債権の最終処理」を実行すれば、20〜30万社の倒産、100〜150万人規模の失業が。消費税の増税、健康保険本人負担を2割から3割にするなどの社会保障改悪…と“痛み”ばかりが国民に。

労働組合と選挙を考える? その2
三菱労組は、労働組合自身で解決できることにも限界があり、地方自治体や国政の要求は労働組合が直接交渉するわけにはいかない。

だから、労働組合が議員を擁立し、議員と連携して組合員の要求を実現するんだといって、参院選挙では、民主党の候補者を推薦し、「民主党を支持する紹介カード」を集めるなど、組合員に支持を押しつけています。どう考えたらいいのでしょうか?

小泉首相と「構造改革」を競う民主党

参議院選挙に向けて今回、連合と民主党が初めて、「政策協定書」を結びました。この「政策協定書」をみると「雇用の安定」「公正労働ルールの確立」「男女平等な社会」など連合が要求してきた政策が盛り込まれています。

また電機連合・三菱労組が推薦する民主党候補の「4大政策」をみても労働者の要求が反映されています。

政党や議員を選ぶ選挙闘争としてではなく、要求実現の大衆運動として労働組合と政党が一致する要求で共同行動をすることは必要なことです。だからといって選挙で労働組合が民主党支持を組合員に押しつけることを合理化することはできません。

なぜなら、政党の政策を評価するのは、部分的な政策ではなくその政党が打ち出している国政上の基本政策で見る必要があるからです。政策で部分的な一致点があっても、基本的な政策を見なければその党の評価はできません。

 民主党の基本政策はどういうものでしょうか。経済政策の基本は、小泉内閣が目玉としている「構造改革」を支持していることです。鳩山由紀夫代表は「小泉首相が本気で構造改革をするなら民主党も応援する」、「改革のスピードを競い合う時代だ」(都議選告示日の訴え)と主張しました。

首相を議長とする経済財政諮問会議が打ち出した「基本方針」(骨太の方針)は、国民にとって「倒産・失業」「社会保障改悪」「消費税増税」という「三つの痛み」を押しつけ、日本経済をいっそう破局に追いやる方向です。これに対して、鳩山代表は「骨太の方針ではなく骨抜きの方針だ」とのべていますが、これはもっと「構造改革」を徹底的に推進せよという立場からのものです。

集団的自衛権の行使改憲にも賛成する鳩山代表

政治路線では、小泉首相が主張する集団的自衛権の行使を認めることに鳩山代表は賛成です。鳩山氏は「集団自衛権をいっさい認めないと言う発想だと、国際的な貢献が十分に行えないことになりかねない。

憲法にもしっかりうたった方がいい」(昨年10月15日、民放テレビ)と公言しました。小泉首相がいう集団的自衛権は、憲法9条の歯止めを取り払い、アメリカがアジアで引き起こす戦争に自衛隊も参加することです。

鳩山代表は憲法9条の改悪に賛成し、集団的自衛権を憲法に明記することを主張しているのです。


「小泉改革」と競い合う民主党!その基本政策は?
その1---消費税増税

●民主党はもともと、消費税を導入・増税した自民党出身の議員が多数を占めています。消費税についても、「将来は増税必要」というのが基本的立場です。

総選挙政策では「将来的な消費税率の引き上げはやむを得ない」として、基礎年金の財源とするための消費税増税を主張。今年の参議院選挙に向けても、「5年後までに基礎年金を全額税方式にする財源として消費税税率を7〜8%程度に引き上げる」 (「日経」2000年12月7日付)

その2---不良債権処理断行

●民主党は、「われこそ元祖改革」と主張し、鳩山由紀夫代表は「自民党のいう不良債権処理はたかだか12兆円。金融庁は150兆円あるという」とのべ、中小企業の倒産につながる処理を徹底して断行するよう求めています。

●岡田政審会長は、「2年ないし3年で不良債権を思い切って処理する。これはわれわれの考え方と一緒であります。だだ、われわれは、不良債権はもっと多いと思っていますから、もっと大変なことになるいうふうに認識しています。そしてその時に最低限やっておかななくてはいけないことは、失業者が増える、そのことに対するセ―フティネットをはっておく、そういうことだと思います」(5月15日衆院予算委員会)

●「改革が本当に前に進むのであるならば私は、党派を超えてこれを全力で支援したい」と小泉「応援」発言。(枝野幸男議員5月9日衆院本会議)

その3---郵政三事業の民営化賛成

●小泉内閣の郵政三事業(郵便、貯金、簡易保険)の民営化は、小額な預貯金利子のいっそうの低下、「口座維持手数料」の導入など各種手数料の導入、銀行のリストラによる支店閉鎖・無人化とあいまった国民のための金融窓口の大幅縮小など、サービスの切り捨てをすすめるものです。

●民主党の鳩山代表は、5月20日の党首討論で、「小泉総理の立場と私の立場は何ら変わっていません。そこだけはご理解を」と郵政三事業の民営化賛成を強調しました。

その4---集団的自衛権、憲法9条改悪を要求

●民主党の岡田政審会長は、「周辺事態において集団的自衛権行使を容認するということですから、本来、こういうものは、もしやる必要があるのであれば憲法改正でやるべきだという総理の従来の見解、そちらの方が正しいように思う」と質問。
小泉首相は「基本的認識は、私と共有する面がかなり多い」と答弁。(5月15日、衆院予算委員会)

読者の広場
小泉改革の"痛み"は大変だ

職場でこんな会話がー
(Aさん)「小泉人気はこわいね、あのフィーバーぶり、ドイツのヒットラー的で怖くなるね」
(Bさん) 「改革、改革といって何かやってくれると期待をしている人が多いけど改革の痛みは大変な痛みらしいね、百万人も失業者が出るって?」
(Aさん)「消費税の増税、健康保険も3割負担になるそうよ」,/
(Bさん)「絶対に選挙に行かんとダメね!」 (読者・K)
 「あれは会社党だ!」痛烈な批判と怒り

尼崎市議選挙で、職場からこんな声が…。「三菱が危ない!塚田が危ない、今度落ちたら首だ」「2連敗は許されない!男にしてくれ!」。

 「あれは労働組合推薦じゃない、会社党だ」「所長が選挙の旗振り、人事が選挙動員、仕事中も選挙応援で走り回る、会社も組合も落ちるところまで落ちた」と、労働者の痛烈な批判と怒りの声です。(読者・S)

パート労働者の時給が一律10円アップに(通電)

通信機製作所では5月16日付けで、パート労働者の時給が10円アップに改善されました。
これによって、時給は最高Sクラスで890円、Aクラス860円、Bクラス830円、Cクラス800円となりました。

北伊丹事業所のパート労働者の時給は一律5円アップでした。職場からは、「同じ三菱電機なのにどうして5円の差が出てくるのか、おかしい」との声があがっています。

日本共産党伊丹委員会は、「男女賃金格差是正」の要求をはじめ、パート労働者の時給の引き上げ、4ランクの格差是正、退職金の新設などを要求しています。 (編集部) 


◆ 日本共産党街頭演説会 ◆

志位和夫委員長がお話します

 7月13日(金)午後5時30分〜阪急塚口駅・サンサンタウン前

 7月22日(日)午前11:00〜神戸・大丸前


◇編集後記◇

▼毎日、厳しい暑さが続いています。読者のみなさん。いかがお過ごしでしょうか。21世紀最初の国政選挙、参議院選挙。
▼国民の立場にたった改革に、ほんとうにとりくんでいるのはどの党か、政治、経済、外交のあらゆる面で、よく見きわめて下さい。
▼日本共産党の躍進で新しい政治をおこしましょう。



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