「羅針盤」 2001年5月 第136号

日本共産党三菱電機伊丹委員会

「羅針盤」は1985年10月に創刊された日本共産党伊丹委員会の職場新聞です。
「仲間と仲間、職場と家庭を結ぶ連帯のきずな」として月刊紙として発刊されました。
創刊後16年目を迎え、今号で第136号です。

【NEWSLINE】
▼職場総点検・家族ぐるみで「残業日誌」運動を!
▼使用者に管理義務
▼残業代請求の上限規制を撤廃(本社)
▼「サービス残業」根絶の大運動を
▼「MERIT勤務制度」が導入された職場はどうなっているか
▼「MERIT制度」のルールを守らせよう
▼「在場時間の把握」「不利益扱いをしない」(三菱電機労組)
▼厚生労働省 「通達」のポイント
▼「法律の遵守」と「社会に責任をもつ」(創立80周年記念挨拶)
▼6・10市田忠義書記局長・街頭大演説会(神戸・大丸前)

サービス残業根絶・厚生労働省の「通達」を力に
職場総点検・家族ぐるみで「残業日誌」運動を!

4月6日、厚生労働省が、都道府県労働局長あてにサービス残業解消にむけた通達を出しました。

サービス残業の実態を繰り返し告発し、根絶を求めてきた労働者と家族の運動、それと結んだ日本共産党の国会での論戦が実り政府を動かしたのです。

使用者に管理義務

「通達」は、労働時間管理の責務が使用者にあることを明確にすることによって、「労働者の自主申告」を名目にしてサービス残業をおしつけるやり方を具体的に規制する画期的な内容です。

  「これまでのようなやり方が通用しなくなる」

「通達」を掲載した「羅針盤」4月号外ビラを見た職場の労働者からは、「これまでのようなやり方が通用しなくなる」「やっと共産党がいってきたことが実現したな」などの声が寄せられています。

残業代請求の上限規制を撤廃(本社)

三菱電機本社は4月初め、「今年度は特別な残業調整しない」旨の通知を出しました。労働者はこれまでの月10時間〜20時間の規制を超えて、実際の残業時間を請求できることになります。

サービス残業解消に向け、残業代請求の上限規制をしないよう明記した厚生労働省の「通達」を前に、改善せざるをえなかったといえます。(「しんぶん赤旗」5月1日より」)

働かせても賃金は払わないというサービス残業は明白な違法行為であり、犯罪です。

三菱電機の谷口一郎社長は、2月1日の会社創立80周年記念挨拶で「信頼を基礎に心弾む社会を拓く」と題し「法律の遵守」を説きました。

その言葉どおり実行してもらいたいものです。

「サービス残業」根絶の大運動を

日本共産党は、サービス残業なしの経営計画をたてる大運動を全産業規模でおこすことを提案しています。
職場に「通達」を徹底し、労働組合を先頭にした職場総点検、本人はもとより、家族ぐるみの「残業日誌」運動をすすめましょう。


「MERIT制度」のルールを守らせよう
「MERIT勤務制度」が導入された職場はどうなっているか

 昨年11月、事務・技術職(主務職3号クラス)約1万人を対象に「MERIT勤務制度」が導入されてから、5ヶ月がたちました。職場ではどうなっているのか聞いてみました。

【制度を使わないで働く人】
Sさん。「うちの職場では半分以上の人が適用を拒否しました。サービス残業がゼロになったわけではありませんが、残業代が増えた人がほとんどです。10万円以上増えた人もいます。
上司から強制的に適用されたり、今までとサービス残業が変わらない職場もありますが、制度として権利が認められた意義は大きい」

【制度を使って働く人】
Aさん。「残業代が2〜3万円減りました。適用除外したいと思いますが、職場全員が適用しているので自分だけ除外できない雰囲気にあります。『本人の同意が必要』となっていますが、適用除外は実際はむづかしい」

Bさん。 「表向きは20時間を超えた分申請できますが、実際にする人はいません。申請すると能力がないとみなされ査定に響くから。ほかの社員よりボーナスで上乗せがありますが、残業代の不払い分には全然およびません。
メリットがあるのは会社だけで労働者にはないとみんないっています」

「MERIT制度」のルールを守らせよう

「制度」には次の規制条項と確認事項があります。
使用者(企業)にはルールを厳格に守る義務があり、労組には守らせていく責任があります。

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■ 「MERIT勤務制度」の規制条項と確認事項
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本制度の適用対象者は、主務職3号の者。

@制度を適用する場合は、「上長による本人に対する意向確認と本人の同意」を必要とする。

A適用者の「日々の在場時間を把握」する。B確認事項として、「適用解除の場合、不利益扱いはしない」こと。

「在場時間の把握」「不利益扱いをしない」(三菱電機労組中央委員会で確認)

●健康管理の義務もあり、在場時間は会社としてきっちりと把握する。組合としても運動の中でチェックしていき、一斉定時退場日の設定などでメリハリのある労働をしていく対応を考えている。ただし、在場時間管理の詳細については、場所支部間で詰めていただく。

●労使委員会の場で本人の申請によりMERIT勤務制度を解除した場合は、不利益扱いはしないことの確認がされている。正式導入時には本社本部間での確認書を取り交わし時にも確認していく。

(2000年7月4日第257回中央委員会報告より)


厚生労働省 「通達」のポイント
▼労基法上、使用者に労働時間管理の責任がある。

▼労働時間管理の具体的な方法。

@ 労働者の始業・終業時刻を労働日ごとに確認し記録する。

A使用者が「現認し記録する」か「タイムカード、ICカード等を基礎に記録する。

▼「自己申告制」に対する具体的規制。

@実際の残業時間を申告しても「不利益な扱い」がないことを説明する。

A自己申告した労働時間と合致しているか定期的に実態調査をする。労働者や労働組合等から指摘があれば実態調査をする。

B適正な残業代申告を阻害する目的で残業時間の「上限」を設定したり、残業手当の「定額制」などが申告を阻害している場合は改善する。

▼監督署の窓口だけでなく、リーフレットの活用や集団指導などあらゆる機会を通じて「集中的な周知活動をおこなう」。

▼実効性を担保するため監督署が点検や重点指導をおこなう。重大な悪質ケースには「司法処分」で対処するとしています。

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■ 「法律の遵守」と「社会に責任をもつ」   
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創立80周年記念で「法律の遵守」と「社会的責任」を説いた、三菱電機・谷口一郎社長の挨拶の一部をご紹介します。

「近年、企業に対する社会の人々の見方は一段と厳しくなり、いかなる企業といえども、社会から信頼され、理解を得られなけらば発展はおろか存立すら危うくなってきたことを痛感します。

当社グループは『すぐれた技術と創造力により、活力とゆとりのある人間社会に貢献する』との企業理念のもと事業活動を進めておりますが、この理念の根幹をなすものは『信頼』であります。

,法律の遵守はもとより、環境の保全・向上、社会貢献など、良き企業市民としての活動に力を注ぎ信頼を揺るぎないものにしていかねばなりません。(中略)私たちの行動を律し、社会に責任をもつことが従来にも増して大切になってきていることを肝に銘じ事業活動を進められるよう改めてお願いいたします。」

(2001年2月1日 創立80周年記念・谷口一郎社長挨拶より) 


読者の広場
ルールを守る企業行動、「サービス残業」なしの経営計画の実現

創立80周年記念で挨拶された谷口社長の「法律の遵守」と「社会的責任」はぜひとも、社内、社外でも実現して頂きたいものです。

厚生労働省の 「通達」にもあるように「サービス残業」は明白な法律違反であり、労働者に対する社会的責任を果たさない義務違反です。

谷口社長が説かれているように「すぐれた技術と創造力」は労働基準法のルールを守る、社会的責任を果たすことによって、労働者の信頼とモラル向上がはかられ、その結果としてすぐれた製品を生み出す土壌が作られていくのではないでしょうか。

一刻も早く社会的ルールを守る企業行動、「サービス残業」なしの経営計画の実現をお願いしたいものです。(読者:T)


きれいな力が日本を変える
日本共産党街頭大演説会
市田忠義書記局長がお話します
■ と き とき 6月10日(日)午後3時30分
■ ところ 神戸・大丸前
■ 主催 日本共産党兵庫県委員会 


◇編集後記◇

▼6・10市田忠義書記局長・街頭大演説会成功に、ご協力下さい!
 日本共産党は、6月10日(日)午後3時30分より、神戸・大丸前、市田忠義書記局長を迎えて街頭大演説会を開催します。
▼お忙しい中ではありますが、「羅針盤」読者のみなさんのご参加、ご協力をお願いいたします。



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