◆◇◆ 2001年春闘 ◆◇◆ 
生活と営業を守る春闘の大義
21世紀最初の労働者、労働組合の経済闘争・春闘がいよいよ始まりました。
許すな首切り、賃金引き上げ、介護、年金など社会保障の拡充、消費税増税反対・税制改革−全労連、連合をはじめあらゆる傾向の労働組合が掲げる共通要求はどれもきわめて切実です。

■ 国民の暮らしを温めてこそ
いま、失業者は300万人を超える状況が恒常化し、昨年後半から再び増加の傾向を示し、サラリーマン世帯の実収入は2年連続で減少しています。

深刻な状態悪化に置かれているのは労働者だけではありません。昨年11月の企業倒産は前年比で22%もふえて、バブル崩壊後の最高を記録しました。農家の農業所得の低下もさらにすすみ、昨年前半は前年比で9割台に落ち込み、経営の困難が増しています。

この国民各層を巻き込む生活と営業の危機的状況を打開するために、今年の春闘は名実ともに国民春闘としてたたかうことが求められています。

長引く不況のもと、国民の生活と営業を守り、向上させてこそ、日本経済の再建に道が開かれます。
昨年末に経済企画庁が発表したリポート(「日本経済の現況」)さえ、いまの経済の局面を分析して、「企業収益が家計に結びつかない」「企業が収益あげれば、いずれは家計におよぶという議論はなりたたない」と結論づけています。

ところが、大企業は大規模なリストラによって、バブル経済のときに近い収益をあげていながら、日経連の労働問題研究委員会報告にあるように、IT化で「余剰人員」が出るのは当然と、首切り「合理化」をひきつづきすすめ、「国際競争力」のために「賃金(総人件費)水準の引き上げは困難」としています。

これは、自己の利益のためなら労働者、国民の暮らし、国の経済など眼中にないという、まさに大企業の社会的責任を放棄した横暴なものです。

政府、与党の対応は、日本経済の主役である個人消費、国民の暮らしを温めることが差し迫って求められているとき、来年度予算案が示すように、相変わらずゼネコンと大企業、大銀行への税金つぎ込み、大規模な軍事予算、社会保障の連続改悪や増税計画をおしすすめようという、まったく逆立ちしたものです。

国民の暮らしや営業を脅かし、日本経済の健全な立て直しを妨げているこれらの勢力にたいし、国民的な怒りが高まっているのは当然です。

■ 労組の共同、国民的連帯を
ことしの春のたたかいは、大企業の横暴や政府の攻撃から労働者、国民の切実な生活と営業を守るという点でも、日本経済が直面する困難な状況を打開し再建するという点でも、道理ある、国民的な大義をもったたたかいです。

「生活と営業を守るとともに、日本経済を立て直そう」は共通の合い言葉となるでしょう。ここに、ことしの春闘の性格が示されています。

一致した要求にもとづくあらゆる傾向の労働組合の共同行動を大きく前進させ、さらに国民各層の生活を守るたたかいとの連帯を強め、国民春闘の勝利のため大いに奮闘しましょう。

(2001年1月14日「しんぶん赤旗」 )


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