◆ 国連決議を踏みにじる蛮行◆
■米軍イラク攻撃 ■


日本共産党志位和夫書記局長は12月17日、イラクに対するアメリカの軍事攻撃について談話を発表しました。
談話については日本共産党中央委員会のホームページをご覧ください。
ここでは、「しんぶん赤旗」の主張(12月18日付)を紹介します。

【主張】
アメリカ軍がイギリス軍とともにイラクを爆撃しました。クリントン米大統領は攻撃続行を公言しています。大量破壊兵器に関する査察問題でのイラクの対応について、安保理で協議がおこなわれている最中の攻撃です。
国際法も国連憲章も無視した言語道断の暴挙です。

◆合理化できぬ軍事攻撃◆

日本政府は、あわただしく「支持」を表明しました。クリントン政権へのへつらい以外のなにものでもありません。国際的にも厳しい批判や疑問が各国から出されているなかで、自主性のかけらもない対米追従ぶりです。

イラク政府が査察に全面協力しなかったことは批判されるべきですが、それは、国連の決定なしのアメリカの軍事攻撃を合理化することにはなりません。

日本共産党の志位和夫書記局長が談話で指摘しているように、「国連安保理は、大量破壊兵器問題をめぐって、どの国に対しても対イラク軍事制裁の根拠を与える決定をしていない」からです。国連安保理は今年3月、対イラク軍事制裁はどの国も国連の決定によらずに行動は許されないとの趣旨の決議(第1154号)を採択しているのです。

第1154号決議は、アメリカの対イラク武力行使寸前という状況下でおこなわれた、アナン国連事務総長とイラク側の合意をうけて採択されたものです。決議は、査察を受け入れたイラクが今後違反行為をおこなうことは「もっとも深刻な結果をもたらす」と警告する一方で、問題が起きれば「(安保理が)この問題に積極的にかかわる」こと、いいかえれば、あくまで安保理の承認のもとに対処が決められることを確認したのでした。

決議は、この安保理の論議の大きな流れから明らかなように、「イラクへの軍事力行使をいかなる国に対しても認めることを決して意味しない」(中国代表)などという多数の主張をもとに採択されたものです。

アメリカの軍事行動の自由を認めることに反対した国は、中仏ロの3つの常任理事国を含め、安保理15カ国中少なくとも9カ国と過半数を占めました。
クリントン政権の蛮行は、この決議をめぐる論議の過程とその結果を無視したものであり、明白な安保理決議違反です。

クリントン大統領は、「イラクの反政府勢力への関与を強化する」とまでいいます。自分の気に入らない政府は打倒してもいい、戦争をしかけてもいい、国民に被害を与えてもいい、国際法も国連憲章もそして国際的常識さえ平然とふみにじる覇権主義の路線にほかなりません。

重大なのは、日本政府がこの覇権主義の行動に積極的に協力していることです。今回の作戦には、長崎佐世保基地のベローウッドなど水陸両用部隊や沖縄の第31海兵遠征隊、嘉手納基地のF15飛行中隊が参加しています。沖縄の第31海兵遠征隊が部隊として中東での作戦に出動したのは初めてです。

いまや、中東も行動範囲とする米軍の最前線基地となっている日本の現実を示しています。

◆日本政府は支持表明撤回を◆

クリントン政権はただちに攻撃をやめるべきです。日本政府は支持表明を撤回し、外交手段による問題解決に努力すべきです。
アナン国連事務総長は、爆撃に対し厳しい批判のトーンをにじませながら、国連と世界にとって「きょうは最も悲しい日だ」と語りました。日本政府がその「悲しい」現実に重大な責任があることを、小渕内閣は知るべきです。


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