三菱電機、赤字を理由に諸手当や賃金のカットも
消費税減税などで消費不況を打開することが根本的な道
■くやしいのは俺たち

「君たち、くやしいじゃないか」
三菱電機の谷口一郎社長は、三菱電機が98年3月期決算で赤字になったことについて、社内報の座談会でこう語っています。

 「くやしいのは労働者のほうだ。なんの責任もないのに犠牲だけ押し付けられる」ある労働者の声です。

 三菱電機は、▼2000年3月までに2000人削減する▼時間外労働の手当を20%削減する。その具体化として「裁量企画手当」を停止する▼会社表彰の賞金を停止する。――などという「業績改善緊急対策」を9月から実施しています。

 なかでも、裁量企画手当の停止には大きな怒りがあがっています。同手当は、94年3月から 事務・技術部門の特定の労働者に20時間に相当する残業手当代を支給する制度です。裁量企画制度を先取りしたものです。

 「これまで20時間相当分として7万5千円の裁量企画手当がでていました。手当が停止になって、7時間分の残業代、2万6千円しか支給されません」

 三菱電機の兵庫県の研究所で働く研究者は、約5万円も削減されたことに怒ります。 しかも、実際の残業の残業は、月100時間を越えており、ほとんどがサービス残業です。約40万円も支払われていないことになります。

■ 原因は経営者に

 裁量企画手当制度は、サービス残業になることから職場では多くの労働者が導入に反対しました。ある研究者はいいます。

 「反対の声を押し切って導入しながら、残業手当を削減するために一方的に停止してしまう。納得できない」

 兵庫県の伊丹製作所で働く田村信行さん(49)は、「赤字の理由は、海外子会社への投資の失敗などすべて経営者の責任です。会社が総会屋に金を渡していたことも明らかになりました。犠牲だけをわれわれに押しつけるなんてとんでもない」といいます。

 日本共産党三菱電機伊丹委員会は職場新聞「羅針盤」で長期不況は、消費税増税など自民党政府の9兆円の国民負担増が原因と指摘。半導体や家電製品などを生産する電機産業への影響も大きく、労働者に犠牲を押しつけるのではなく、消費税減税などで消費大不況を打開することが根本的な道と訴えています。

(「しんぶん赤旗」10/13付より三菱電機の記事を抜粋)


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