身勝手な3,000人リストラ・人減らし
日本共産党三菱電機伊丹委員会の政策と見解 (羅針盤7月号)

三菱電機の新社長に就任した谷口氏は、7月2日記者会見し、「今年度から三年間で従業員を3000人以上削減する方針を明らかにした。」と報じられています。(7月3日付 日本経済新聞)

3月期の連結決算で、赤字が1059億円に達したことから、「今年度の黒字化を最優先する」とし、3000人削減は「自然減と新卒採用の抑制で達成する計画で希望退職は考えていない」と、いっています。

■「経営責任」を認めながら労働者へ責任転嫁

会社は業績悪化の原因を「事業の見通しや選択あるいは資源の投入やリスクマネージメントの問題」(決算報告書での社長挨拶)と、市況悪化や通貨危機に対する経営の舵取りミスの責任であると、株主には報告しています。その会社が、株主総会後の会見で、他の事業施策は今後つめるとしながら「雇用政策=人員削減」だけはいち早く発表しました。

「経営責任」とみずからも認めながら、労働者への責任転嫁の大方針は変えない、こんな大企業の横暴勝手がまかりとおる非民主的なルールがあってよいでしょうか。
「人員削減」で、過密労働・「サービス残業」が横行することは目に見えています。会社は今後「事業構造・経営改革」の名のもとで、労働者には一方的な「配転・出向」を強要し、実質的 な「希望退職」に追い込む施策を狙っていることは、※京都・長野工場閉鎖の時の経験から想像できます。

会社はこれまでさんざん私たちを、低賃金と長時間・過密労働・違法な「サービス残業」にかりたて、無権利状態のパートや派遣労働者を増やしつづけて、職場から人間らしい労働と生活を奪いつづけてきました。

■ 企業の身勝手な言い分をはねのけ、労働者の生活と権利まもるルールをつくって、企業にまもらせましょう!

大企業の横暴勝手を許さず、私たちの生活と権利をまもるためには、職場における闘いとともに、欧米先進国では当たり前になっている労働者・国民をまもるルールを国のレベルでつくり、それを大企業にまもらせることが重要です。

日本共産党は、「国民が主人公の新しい日本」をめざし「ルールなき資本主義から、国民生活をまもるルールのある国へ」の転換を参院選で提唱しています。

■「雇用を確保し、人間らしい労働と生活を実現する労働条件の抜本的改善をはかる。」 <<日本共産党の主張>>

79年前の1日8時間労働制と残業の上限規制の※ILO基準を批准し、仏より300時間、独より400時間長い年間総労働時間を短縮します。

@労働時間短縮、違法な「サービス残業」をなくし、雇用の拡大をはかる。

「サービス残業」なくせば、400万人の雇用が確保できます。
年間400時間の時間短縮で600万人の雇用が創出できます。

A労働基準法を抜本的に改正する。

  ・労働時間を大幅に短縮し、「サービス残業」厳禁とする。
・標準作業時間についての労働者の合意を義務づけ、過密労働を規制する。
・健康的な職場づくり、労災・職業病を防止する。
・賃金底上げと労働の正当な評価をはかる。
・賃金、昇進などにおける男女差別を禁止する。
・労働条件の不利益変更を禁止し、出向、配転などで労働条件が大幅に変更される場合 は本人の同意を義務づける。

B「解雇規制法」を制定する。

※ヨーロッパ諸国には労働者の雇用をまもる法律がありますが、日本にはありません。日本は雇用に関して全く無権利状態です。
「解雇規制法」を制定して、企業の一方的な解雇や「希望退職」という名の退職強要をやめさせます。
パート・派遣労働者にたいする一方的な契約打ち切りをやめさせます。


※「京都・長野工場(従業員500人)の閉鎖」とは…97年6月の三菱電機の労使協議会で「AV事業の構造改革」が合意され、京都地区の工場へTV・PTV生産ラインが移管され、長野工場は98年3月に閉鎖され半導体の別会社(三菱電機長野セミコンダクタ社)が設立されました。これにともない266人の社員が退職(転籍退職含む)に追い込まれたといわれています。


※「ヨーロッパ諸国の雇用を守るルール」とは…ヨーロッパ諸国では、労働者の雇用上の権利を守る法律が整備されています。手続き面でも労働裁判所や特別な労働事件訴訟手続きを定めるなど、迅速で有効な権利回復のためのシステムがつくられています。

ドイツでは「解雇制限法」、フランスは「経済的理由による解雇の防止と職業転換の権利にかんする法律」、イギリス、イタリアなどでも、解雇制限にかかる法律で労働者の雇用上の最小限の権利を守っています。

欧州では、EU(ヨーロッパ連合)指令で、工場や会社の海外移転やそのための規模縮小、閉鎖、大量解雇などについては事前に労働組合代表との協議を義務づけるなど歯止め策をとっています。

フランスでは高い失業率を解決するために週39時間の労働時間を賃下げなしで35時間短縮する法律が成立。イタリアでも35時間に短縮する法案が国会にだされ、ドイツでは週32時間への運動が起きています。


※「ILO(国際労働機関)基準を批准する」とは…1日8時間労働と残業の上限規制は、79年前のILO1号条約で取り決められた国際的ルールのことです。日本政府はいまだにこの基準を批准していません。


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