国に憲法があるように、労働協約は職場の憲法というべきものです。
三菱労組の労働協約では「労働協約は、組合本来の目的である労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上をはかるものであると同時に、労・使間を集団として規制し、秩序づけることによって、労・使間の平和を招来することが目的」(労働協約解説書)と明記しています。
現行協約にある定期昇給を含む賃金制度や3割の時間外割増率などは、企業が労働者一人ひとりに保障し、約束したものです。労働者は、その契約・約束を土台にして、現在および将来の生活設計をたてています。
それを「業績悪化」「一時の痛み」の名で改悪することは許されません。使用者として、現行協約を厳格に守ることは当然の義務です。労働協約は「労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上」の権利として労働者に保障されたものです。
「ルールの見直し」「労働協約の改定」として、不利益に変更し、個々の組合員に押しつけ拘束することは、労働協約の趣旨に反するものです。
労組は春闘交渉のなかで「現行制度を前提とした春闘中に制度変更を申し入れるのはルール違反」(『日経』3月14日付)と、会社側の定昇の見直しや賃金制度の提案を撤回させ、春闘後の交渉にのばしました。職場の声が「定昇凍結」を許さぬ大きな力になったのです。
定昇見直し含む賃金制度、ワークシェアリングや地域限定社員制度など、「雇用・処遇システム」の検討は、これからです。職場から「会社は労働協約を守れ」、「賃金・雇用制度の改悪許すな、雇用を守れ」の声をあげましょう。
職場の憲法である労働協約の改悪を許さないため、職場の団結を強め、中央交渉団を激励して、たたかいましょう。