労働組合無視の横暴やめよ
会社は労働協約を守れ!
  2002年「羅針盤」3月号外(No.2)

「一時金1ヶ月(平均26万円)ダウン、ひどい会社回答だ」、「もうすぐ二人目の子どもが生まれるのにローン返済のめどが立たない」、「これからの生活設計の見通しもない」など、怒りの声が続出しています。

「つくられた赤字」論で、組合無視の賃下げ横暴

会社側は13日、「業績悪化」「赤字」を理由にベアゼロ、一時金の1カ月(平均26万円)減額をはじめ、 休日・時間外割増率を最低の法定まで切り下げるなど、17項目におよぶ諸手当の切り下げを押しつけました。

企業の利益だけ考え、労働者の暮らしはかえりみなくてもいいというのは、企業の社会的責任を放棄するものです。

会社側がいう「700億円の赤字」「後のない経営危機」は、ごまかしです。事業の失敗からくるリストラ費用など、1400億円を前倒しに計上したことから生まれたものです。

三菱電機の内部留保(ためこみ利益)は1兆2480億円(01年3月期決算)に達しています。1年間の積み増し分1433億円の半分をとり崩せば「赤字」は解決できるのです。

会社の逆提案のやり方は、労使交渉の前に会社が個々の組合員に提案するなど、労働組合をまったく無視するものです。これは労働協約が定めた「労・使間の秩序」を破るものです。

提案の内容も「ルールの見直し」といって諸手当を切り下げることは、労働協約を改悪する許しがたいものです。

「長年、先輩が汗水流し苦労してかちとってきた労働条件を一気に引き下げるなんて労働組合無視や。会社は労働協約をまもれ」の声があがっているのも当然です。

◆ 職場の緊急要求提案 ◆

■ 会社は労働協約を守れ。定期昇給の凍結・廃止や賃金制度の改悪は許さない。

■ 提案は、賃金、雇用・処遇制度など労働協約の改悪につながる内容を含むもの。
    労働者の納得と合意に必要な時間をとった職場討議を行うこと。

■ これ以上、臨時・パート、派遣社員、管理職を含む人員削減は認めることはできない。
職場の憲法(ルール)=労働協約を守れ

国に憲法があるように、労働協約は職場の憲法というべきものです。

三菱労組の労働協約では「労働協約は、組合本来の目的である労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上をはかるものであると同時に、労・使間を集団として規制し、秩序づけることによって、労・使間の平和を招来することが目的」(労働協約解説書)と明記しています。

現行協約にある定期昇給を含む賃金制度や3割の時間外割増率などは、企業が労働者一人ひとりに保障し、約束したものです。労働者は、その契約・約束を土台にして、現在および将来の生活設計をたてています。

それを「業績悪化」「一時の痛み」の名で改悪することは許されません。使用者として、現行協約を厳格に守ることは当然の義務です。労働協約は「労働者の労働条件の維持改善、経済的地位の向上」の権利として労働者に保障されたものです。

「ルールの見直し」「労働協約の改定」として、不利益に変更し、個々の組合員に押しつけ拘束することは、労働協約の趣旨に反するものです。

労組は春闘交渉のなかで「現行制度を前提とした春闘中に制度変更を申し入れるのはルール違反」(『日経』3月14日付)と、会社側の定昇の見直しや賃金制度の提案を撤回させ、春闘後の交渉にのばしました。職場の声が「定昇凍結」を許さぬ大きな力になったのです。

定昇見直し含む賃金制度、ワークシェアリングや地域限定社員制度など、「雇用・処遇システム」の検討は、これからです。職場から「会社は労働協約を守れ」、「賃金・雇用制度の改悪許すな、雇用を守れ」の声をあげましょう。

職場の憲法である労働協約の改悪を許さないため、職場の団結を強め、中央交渉団を激励して、たたかいましょう。

労働組合も頑張れ!
職場の団結で、パート・契約・派遣社員、管理職を含む人員削減を許さず、くらしと雇用を守りぬこう!

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